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菰傘便り2 広吉爺チャンと仲吉

ある日の菰傘村。

ぽかぽか陽気に誘われて、うつら~うつら~、こっくんこっくんと気持ち良さそうな広吉爺ちゃん。そこへ仲吉がやって来た。
仲吉は卍宿で勉強を終え、今は故郷の菰傘に戻って来ていた。
性格はとても気まじめで堅苦しいほど。菰傘ではかなり珍しく浮いている存在。

「広吉翁~、翁(おきな)~、起きなって~!」

ぷッ(笑)

「それはシャレかぇ?」

「えっ?別に。」

「まったく、相も変わらずつまんない猫だねぇ~。卍宿に行ったら益々磨きがかかった唐変木になってるよ」

「広吉翁!」

「おうよ!だから何だい?と言っておろうが」

「まことに午睡の邪魔をする無作法をお許し下さい」

「もお~~お前はね、マブの忘れ形見。いつまでそう堅苦しいのだ?いい加減に懐きなさい」

「はあ」

「もう、いいから。それでどうしたのだえ?、よく見れば何やら思いつめた顔をしている」

仲吉はその言葉に涙が溢れ出し、広吉に抱きついてニャいニャい泣き出した。

「爺ぃ~~ッ(泣)」

「いきなりくだけたね」

ウニャ~~ん、ウニャ~~ん

「おいおいッ、どうしたんじゃ?」

なんでも卍宿から村に戻るのに、本街道から抜け道を入ったらしい。
しばらく行くとザアザア雨が降り出した。仕方もなく濡れながら歩いていると雨に煙る一軒の荒れ家が見えた。
蓑か何か貸してもらえるかもしれないと仲吉は家を訪ねてみた。
女が独りいた。若くて中々の美猫だったそうな。

「すみません、この通り雨に降られて難儀をしている者です。誠に厚かましいお願いで申し訳ございませんが、蓑で
も、何でも構いませぬのでお借りできませんか?」

すると女猫はひと枝の八重山吹きの枝を持ってきた。

「これにて・・・」

花を仲吉に無理矢理渡すと中に入って行ってしまった!(へッ?・・・)
yaeyabuki.jpg

挿絵参照↑↑↑   絵をクリックすると大きくなります

仲吉は仕方もなしにその山吹を頭に乗せ雨の中を歩いた。

「なんだい、あの女は?何で山吹??意味が解りませんよ。けちんぼーぉ」

ブツクサと文句を言いながら歩いた道のりは、決して楽しいものではなかった。が、、、花を渡した時の女猫の恥じらう顔が目に浮かぶ。

「いい女だったな(ニャヒ)・・・」

こんな物を!と思いながらも、なぜか頭の上の花を捨てる気にもなれない。
村に帰ってからは、いよいよあの女猫の姿が鮮明になって来た。
近頃では飯も喉を通らない有り様。苦しい・・・苦しい・・・胸の辺りが特に苦しい・・・

(ニャンだろう・・・)

ニャぶ医者にも行ったが、しごく健康だ!と、取り合ってもくれない。

「ははぁ~、それでわしんとこに来たんか?」

「はい(シュン)わたしはどうすれば・・・」

「恋をしたんだな」

「えッ?これが恋ッ??噂には聞いていたし、本でも読んだけど、、、こんなに苦しいものとわぁぁ~~」

「ふふ、目がうつろだよ。お前がそこまでになる女猫。何にしてもいい女猫に違いはない。
それにどうだ!粋なことをするではないか」

「はあ?」

「わからぬのか?」

「はい」

「あの山吹の花はこういう意味がある。


『七重八重花は咲けども山吹の 実の 一つだになきぞかなしき』  (後拾遺集、中務卿兼明親王)


『実の』と『蓑』をかけたのよ。

粋なネェちゃんだのぉ~」

「ええ、えぇッ!ますます惚れましたー!」

「よし。お前が初めて相談してくれたこと、わしも叶えてやりたい。その娘の事を調べてみよう」

「はい、私は添いたい!添わなきゃ生きてはいけませぇーん!!」

娘の事はすぐにわかった。名前は菊。老婆と最近越して来て、2人細々と暮らしているそうな。

「仲吉や、どうやら男猫もいない、とても今時の女猫には珍しい」

「そうですか。そんな気がしてました」

「それでな、これを持って行って来い」

「へっ?」

「お前も判じ物でやらんとな」

「こんなの・・・いいのかな?」

「つべこべ言わずに行って来い!そして花と散るのだ!ニャハハ~」

「え"ッ?えぇ~~?」

広吉爺が持たせたもの。


     嫁菜の煮物   *小麦粉    *するめ
     『嫁に』   『こな』   『いか』

      

想い猫の菊はこの判じ物にいたく感激して、結婚を承諾してくれたそうな。

ホンマかいなぁぁ~~?

チャン♪チャン♪





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太田道灌ですね。わたしも落語でしか知りませんが。

道灌って確か主君に疑われ、暗殺されて死ぬんですよね。死ぬ際に「当方滅亡」と叫んで、その通りになってしまったことでも有名であります。

しかし粋なことをする猫たちですねえ。

これが三ヶ月もしたら尻に敷かれるのか(^^)

おはよう!^^

何じゃー、このオチはっ!!
大爆笑しちゃったぞい!!(笑)

う~~んこの「菊」って美ニャン、なかなか学のある粋な女猫なんだぁ・・・・
何度も読み直して、思わず「むむむむ・・・」と感心させられちゃったv-290
「雨に濡れて行かなければならないアナタのために、蓑の一つでも貸してあげたのですが、それさえも貸してあげられないこの「身」が悲しいのです・・・」
な~んて!
勝手に解釈しちゃったよi-229(爆笑!)
・・・・・・・的外れでごめん・・・・・・v-406

しっかし、「嫁に こな いか」だなんて・・・・・・クスクスv-398
広吉爺も笑え・・・イヤ、粋な事をするねぇv-391
これで仲人が務まったなんて何だか面白い。

さてさて、こんな堅物の仲吉坊と菊ちゃんの行く末は?
どんな夫婦ニャンになるのか、これからも見守って行きたいものですv-290

あー、朝から楽しかったe-343

ポール、いらっしゃーい!

ププ、
私ね、昔からこの逸話が好きだったのです。
そしたら、こうなった。

菊はどうでしょう?

蘭、いらっしゃーい!

いやいや、とても素晴らしい解釈じゃあーりませんか!

いいねぇ、本当に深く読んでくれるよね。
ありがとう。



ぴゆうさん最高。
この話、最高。
構成最高。冒頭からオチまで完璧。
もし、誰かに恋愛とは、恋とは何かと問われたら、
このお話を読ませてあげたい。

嫁に、こな、いか。
彼女は、男に、お風呂で使う「桶」を手渡しました。

「桶(おっけぃ:OK)」です。なんてね♪

こんにちは!

ハッピーエンドで良かった♪
『嫁に』 『こな』 『いか』
いいねぇ~!(^^)!
シャレで始まりシャレで〆ましたね(^^)v
アタシみたいなヤツなら気付かないかも知れません(汗)
菊ちゃんさすが!
ポチポチv-238

キムラさん、いらっしゃーい!

褒められると照れまくりです。

キムラさんのブログにいつも脱帽しているのは私ですもの。

ププ、桶~~だって。
お菊の返事まで手が回りませんでした。へへ

ryuさん、いらっしゃーい!

もちろん、ハッピーエンドです。

それ以外は認めませんから(バッフン)

へへv-410

この話は春限定でござります。
でも、今日は暑いのなんの

恋のはなし、いいな~(* v v)。
ひとりでいる午後に読んで、なんかいい気分になったよ^^
ぴゆうは、いろんなお話が書けてすごいね。

最後の嫁菜の煮物   *小麦粉    *するめ
     『嫁に』   『こな』   『いか』

なんて、最高!(わたし、とろいので、はじめ3秒くらいわかんなかった><)
こういうのすきー。センスが光ってるね。
ぴゆうの小説は、元気がないとき読むとほっとする。ありがとう。

中吉の表情もぐぅーーってきます。繊細な瞬間をとらえているなー^^
あと、わたしてきにぴゆうの描く自然が大好きなので、
今回の山吹きの枝にも(花もね)とても、心ひかれた。きれいだね。
素敵な配色~(*´∇`*)

ハク、いらっしゃーい!

いけてますか?
へへ、こういうのが好きなもので、やめられないのです。
一種の病気みたいなぁv-391

山吹はね、大好きなの。
レンギョウ、雪柳、米粒桜、ずおう、海堂と切りがない。
花木にも惹かれるのよねぇ。
ちびの頃に見た植物図鑑が忘れられないの。
道ばたに咲いている花々、わき水の中に咲く水生植物。
あんな風に描けたらいいのにって、いつも思うの。

菊もいーじゃん(^^)

かわいいじゃないですか。

好きな男は必ず判じ物がわかってくれると無邪気に信じているのが特にかわいいであります。

青春だなあ……(^^)

ポール、いらっしゃーい!

ふんふん、なーる、お菊は仲吉に一目惚れしていたとな。

あり得そうだね。

野暮天にしてもせんない話だものね。

さすがに鋭いねぇv-391

こんばんは^^

 >嫁菜の煮物   *小麦粉    *するめ
     『嫁に』   『こな』   『いか』

いいですね~^^広吉爺さすが^^
こういうの好きv-410

ただ、・・・そして花と散るのだ!と言っているのは?
判じ物で、散って元々?ダメもとで行って来いってこと?
でも、それって結構だいじだよね~^^

恋煩い 言わずに散れぬ この想い 菊の心に 山吹の花

これは、菊も仲吉に一目ぼれですな^^
花を仲吉に無理矢理渡すところが、自分の心を見透かされないようにしているようで
なんともいじらしく感じちゃいました^^

で、最後の落ちでハッピーエンド^^v-425
最高です^^

いいなあハタハタもお伽集で、だれか口説きたいです。ちなみに返しの句です!「この花の一節(ひとよ)のうちに、百種(ももくさ)の、言(こと)ぞ隠れる、おほろかにすな」

ああん可愛い仲吉!!
お固いところがたまらんですぅううう。
そして粋な美猫の菊ちゃん!なんという賢い風流な・・・っ
私も惚れそうです>∀<

sarah、いらっしゃーい!

このぉ、憎いねぇv-391

たまりませんねぇ。

雨の日に   惚れた女は   粋だった     菊の心は     仲吉のもの

きゃー、だめだめだぁ。
勘弁してくださ~~いv-436

ハタオ、いらっしゃーい!

なんですと!

こましのハタオちやんへ。

言の葉を   並べ並べて   口説こうと    心あらずば    女は落ちぬ 

がんばろう!v-391

びたみんさん、いらっしゃーい!

どっちに惚れました?

ですよねぇ。菊の心に乾杯ですよ。

広吉が若ければ、仲吉を踏んででもお菊の所に突撃していると思います。

いやぁ広吉が爺で良かった、良かった。

これでいいのか、アホ作者。   

短編 いいですね

おもわず にこっとしてしまいます

日本ながらの 笑いがあって おもしろい^^

子供のころ
家に こんな笑いがあったなあって ふと思い出しました


あゆみさん、いらっしゃーい!

おはよーv-411

いいでしょ。
昔から大好きな逸話だったの。

会話があったものね。
大事なことだよね。
v-410

すっげーーーーーー!!!

すごーーーーーーーーーい。
入り方から結びまで、すごい面白い。
最高です。
まるで、落語を聴いてるようでした。
落語あまり知らないけど。
話のテンポも会話も抜群です。
これは、絶対ポチでしょう。
次が楽しみになってきました。
また明日、では。

オムちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

ほんまかいな?
へへ
気に入ってもらって幸せじゃのう~

これは私めが大好きな太田道灌の逸話を猫国風にアレンジしましたんねん。
こんなのになっちゃったぁ~
ミタイナ

ありがとニャン。
わっちもポチコメしに行くべ。
v-391
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

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