スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第五章 九尾のお蜜 子分の気持ち1

藤平が心配していた五黄は荳傘村(まめかさむら)にいた。
世の吉に頼まれたと云うのもあるが、久しぶりにお蜜の顔も見たかったので気楽な気持ちで向かったのだ。

荳傘村はお蜜の子分達や家族、親戚、それに知り合い等が住む小さな村である。
お蜜の屋敷は、この村を見下ろすように小高い丘の上に建っている。
いつもなら、ひょいとお蜜の前に現れて驚かすのだが、今回は貞吉に話を聞いてからにしようと歩いて村に向かった。

桃吉が驚いたように五黄はとても大きな体をしている。2メートルはゆうにある!
横幅もかなりあるので、それ以上に大きく見え、猫と云うより白熊。
体毛は真っ白なのだが、背中に『火炎太鼓』を背負っている凄い猫である。

だが、目はとても優しい光を放っていた。
自分を見て子猫に泣かれた事がないのが自慢である。
村を通り過ぎ、緩い登り坂を歩いていると、勢い良く駈けてくる者がいる。


「大親分ーッ!お~大親ぶぅ~ん!五黄の大~親分!!」


「あれ、誰だっけ?」

「ひでえなぁ~、伊佐ですよ。忘れないでくださいよぉ」

「ごめんよ」

ニコっと笑う五黄。

五黄はえらぶらないしたまらなく愛嬌があるので、どこに行っても好かれる。
特に子分連中からは信頼も厚く、人気もある。

「伊佐にも言ってあるだろ?親分なんて年寄りみたいでイヤだよってさ」

「そんな事言われたってー!あっし達には雲の上のお方ですよ。大親分と呼ばせて頂くだけだっておそれ多いいのにッ」

「やっぱダメなの?」

「へい、そればっかはきけませんね(ハッキリ)」

伊佐は五黄が大好きなのである。
貞兄が兄弟分の世の吉に、今回の件を頼んだと聞いてからずっと村の出入りを見張っていたのだった。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
isabanzai.jpg


「おいら嬉しくて涙が出ちまう~(泣)」

「ふふ、待たせたね」

「おいら、大親分がいらしゃるのを毎日毎日、肉球折り数え、首を長ぁぁ~くして待っていました」

「その割に首は伸びていないね」

「え?親分のいけずーぅ」

嬉しくて仕方ないものだから、五黄の周りをぐるぐる回る。

ニャらん・ラ・らん♪

「伊佐、目が回っちまうからやめろよ」

「ニャ?へぇーい!」

「屋敷に案内してくれるのかい?」

「へい、もちろんです」

グルグル喉を鳴らしながら先を歩き出す伊佐の後ろ姿は、世の吉が訴えていたように、テカテカした股引(スパッツ)を履かされている。
尾っぽだけは出ているが、踝(くるぶし)まであるので窮屈そうだ。

伊佐は振り向くと、五黄が自分の姿を見ているのに気づき溜息を漏らす。(フゥ...)

「伊佐よ、貞に俺が来た事を伝えてきな。それからその股引脱いじまいな」

「でもぉ...姐御に、、、」

「かまわないよ、その為に俺は来たんだ。だいち脱がねえと走り辛いだろ?」

「うッ...(涙)おっ、大親分・・・」

伊佐は泣きながら、いまいましい股引を脱ぐと、晴れ晴れしたらしく勢いよく走り出す。


ニャったぁぁーー!



道に股引を脱ぎ捨てたままに行ってしまったので、五黄は拾って歩き出した。

「伊佐はよっぽどだったんだな。世のが言ってはいたが、確かに不憫だねぇ」





とても励みになります。\(^o^)/ 
★PC_ぽちっとお願いしまーーす★

人気ブログランキングへ


拍手とコメントをありがとうございます。
戴いたメッセージのお返事は拍手欄にしています。
(鍵コメは管理人は読めますが返事ができません)
どうか宜しくお願いします。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

こんばんわ^^
むぅ~、世の吉いいですーー。
表情はもちろん、体の動きを的確にとらえている。
すごいな、さすがです。
わたしは、描きたくても頭の中に浮かばない構図。

また、物語で股引をぬいだあとの「ニャったぁぁーー!」は
こちらまで、すっきりしたー^-^
肉球を数えるとこもかわいくて大好き!

ハク、いらっしゃーい!

ププ、かわいいハクv-398

ハクはイラストレーターだから、見る所がまた違うよね。
ハクに褒められるように精進あるのみ(バッフン)

苦労してるからね、どいつもこいつもね。
荳傘の子分達もまた、愛される住民達です。
菰傘ともどもご贔屓にね

「ニャん転がす」こんばんわ「深夜のハタハタ」と書いて「狂った人」と読みます。
ぴゆうさんの作品は、最初から熱心に読んでいます。
今回は、ぴゆうさんの書きたい、主題「情」が明確に出てますね。
合わせて、元々上手い絵に精密さを加え、色の具合も調節されてます。
元は暖色系で、表現したこの物語を、青系でまとめてる。
ランキングの上位にいても、読者が読みやすいように考え、それがブログに現れていて、またランキングを高めてると思います。先に進む気持ち、まさに、気持ちだけは若い……あ、なんでもないです、次回も楽しみに待ってます。

ハタオ、いらっしゃーい!

ありがとう、深夜のいかれポンチこと、ハタオちゃん。
これは褒められているのだろうか?
多分、いや、かなり褒めようとは思っているが、素直に褒められない。
まさにひねくれ小僧の世迷い言、いや、それではあまりに可哀想。
素直に褒められてると思わねば・・・・

気持ちだけは若い・・・・

なニャぉーーーv-412もうーーー許せん!!
ニャ転がしてやる、ギッタンギッタンの開きにして五斗の干物屋に吊るしてやるぅ~~
ププ。

おはよう♪

肉球折り数え…って猫らしいねぇ~(^^ゞ

挿絵の五黄さまの頭の部分の後ろ姿だけが
より一層2m近い身体を思わせますね。

続きが楽しみです。
ポチポチ☆

ryuさん、いらっしゃーい!

これからは荳傘村の話になります。
伊佐もなかなか愛らしいニャン物です。
少ししか出ていなかった五黄をわかってもらえる章になると思います。
楽しみにしていて下さいね。
v-286v-406

こんにちは^^

遊びに来るのが、すっかり遅くなったよ~~(><;
って、今もあんまり時間ないんだけど、とにかく新しいお話を読みたかったからv-9

待ってました~、五黄様~~~~v-345v-345
んふ♪ 何だかとっても久しぶり?

まだ荳傘村に入ったばかりだから、中枢は次回以降って事なのね^^
お蜜さんを早く見たい! 見たい! 見たい~~~!v-9v-9
「九尾」だなんて、まるでナルト!?(違)

もうもう、今回も次が楽しみよんe-266

 何時読んでも、好い雰囲気の風が流れて居ますね。こんな日本的な童話に多くの読者が付いて、嬉しい事です。童話の世界だと、何かとカタカナ文字の主人公達が出て来る始末ですからね。多分、宮沢賢治の影響でしょうけど。
 童話も小説も、殆ど読まないで爺っさに成ってしまった武骨者です。でも、ラジオ世代でしたから、落語・浪花節・講談何かを一生懸命に聴いて育ったのが、団塊世代から上の世代だと思います。

 ぴゆうさんの凄い処は、これらの<日本の語り芸の童話版>を創り出している処なんですよ。だから、物語全体が、日本の風景・信条にフィットしていて、読後感にホンワリとした童話の世界が、余韻として残るんでしょうね。

 こんな爺っさ達の抒情感が、若い読者達にも共有・支持されている事に、アッシは、日本人の端くれとして『嬉しい』のでアリンスよ。へへへ。 さてさて、スパムに弾かれずに、届きまするかな・・・

蘭、いらっしゃーい!

いつも、ありがとうv-398

ププ、うちのは可愛いよ、怖くないよ。
妖力を持つ狐が、恐れられたり、嫌われる。
可哀想でならない。
玉藻の前、葛の葉達の悲しい物語。
私はいやなのです、不幸に終わる話は、どんな形であっても読後に疲れる。
読まなきゃよかったなんて思ってしまう。
私は読んで戴いてる方達に、
ああ楽しかったと、思ってもらえるものを書きたいと思っています。
どうか、これからもお付き合い下さい。

リョウさん、いらっしゃーい!

そんなことないですよv-398
私は浪速節、講談の類いが昔から好きでした。
時代劇も大好きです、今のワンパターンでなくて、名もない素浪人が活躍するみたいのが好きです。

リョウさんに評価されるなんて、これにすぐる喜びはござんせん。
<日本の語り芸の童話版>なんて!
嬉しい~~、会話だらけみたいにコメされた事もありまして、凹みまくっていました。
ハクや翌檜さんに励まされ、リョウさんにも・・・泣いていいですか?

これからも精進して参ります。
どうかお付き合い下さいますように

メルヘンの世界では、動物が人間の衣服をまとっていたりしますが、あれってやっぱり着ていてつらいんではないかと思います。

でも、「ハードSF的に、知的動物のいる世界で、彼らが着ているであろう『動物にとってひとりで着やすい衣服』を考察する」っ! などとわたしのように考えるのはやりすぎだよなあ。

SFファンの悪い癖……。もちろん沈思黙考はしたものの結論は出ませんでした(^^;)


それはそれとして。
ついに最新記事に追いつきました~♪

ポールさん、いらっしゃーい!

ププ、またぁマジ突っ込みしてぇv-389

へへ、でもそんな事を考えてもいなかったです。
確かにそうかも、でも、形式とかを決めてしまうと狭くなってしまうから、物語によってです。

今回の伊佐にしても、好きで股引をはいてませんからね。
それにうちの子達は「やる時はやる」なので肉球を伸ばすと指になりますから、ププ
「知っとけば面白い」に説明してますよ。だから何の問題もないんです。

ありがとうございます。楽しんでもらえたら幸せです(^^)
今回からお蜜の話になります。

こんにちは、ぴゆう(^^@)/

『自分を見て子猫に泣かれた事がないのが自慢である。』
いいですね。多くを語るよりも、これで五黄の優しさが伝わって来る。

でも伊佐の股引の汚そうなこと(笑)
ちゃんと洗っているのかな?
そんなことを朝から洗濯した後だったので思ってしまいました。

あの構図だと股引はかせないとまずいんですよねww
しかたないか……。

五黄猫国には雨や雪の日はないのでしょうか?
なんだかいつも晴れ渡っているような。
それもいいのですが……。

ちあ、いらっしゃーい!

ニャ、猫倫に触れるポーズは許されませんことよ

もう~~v-401

五黄を現すのはこれしかないなと。


雨降りはね、菰傘便りにちびっとね。
見てねv-392
短編だよ。

伊佐・・股引を履いた猫。
新しいキャラの登場ですね^^
ニャッター!←いいですね^^ねこらしい。

でっかいのにやさしい目!
僕も五黄さま好きだな~♪

よしさん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

伊佐は中々いい男猫。
五黄が大好きなかわいい子分達です。

ご贔屓にして下さいねぇ~~
v-410

ももひきをまたひきと読んでました(汗)
股引と言う漢字なのですね?
勉強になりました♪
五黄様が話をしてくれるって事で、伊佐さんもよかったですね。
確かに窮屈そうですもん。

さやいちちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

変な漢字だよね。
何を股から引くんだ!
ってツッコミたくなる。
へへ

伊佐が待ち焦がれていました。
五黄はきっと応えてくれます。
v-391
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
ブログ内の小説、画像の無断転載、コピー、転用は禁止です。

もくじ
最新記事
リンク
当ブログはリンクフリーです。
最新コメント
いろいろ
今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

母のみーです。 mi3.jpg

息子のちーです。 chiko1.jpg

娘のぽーです。 po1.jpg

揃い踏み mcp1.jpg

木登りおーちゃん Ochan.jpg

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ





検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
pictlayer
画像をクリックすると大きく、もう一度クリックすると閉じます
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。