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第四章 藤平と三吉 三吉の秘密2


「あはは。そう言えば三吉は私に用があるのだろう?」

「あっ、そうだった!すっかり忘れていたょ。あのね、父ちゃんから云われたのは、ノン吉おじちゃんが旅に出ました」

「ノンが?仕方もない奴だね。旅に出るならひと言、言えばいいものを」


「それから、桃吉兄ちゃんを連れて行くって。あーっ!おいら大変なこと忘れてた!!


三吉は心底慌てて、今にも走り出しそうにしている。

「私に話してご覧よ、それから出かけてもいいだろう?」

「うぅン・・・でも、おいらがしたことは藤平のおじちゃんにすまないもの・・・」

「あれ?私にすまない話なら尚更聞かせておくれ」

「でもぉ・・・」

「怒ったりしないよ、おじちゃんは嘘は言わないよ」

「うん。わかったょ!おいらね、、、」

「ああ、遠慮しないで話しておくれ」

「おいら、前からお加奈の親を捜していたんだ」

「えっ!?」

「おじちゃん、ごめんょッ。
おいらは五黄のおじちゃんと藤平おじちゃんがお加奈の育ての父ちゃんだって知っているのに・・・

いけないのはわかっていたんだけど、今日みたいにお熱出して寝ているお加奈を見るとさ、お加奈には面倒みてくれる母ちゃんが居ないのが可哀相で、可哀相で仕方なかったんだょ。

おいらやお種、島吉や小吉にも母ちゃんがいるのに、一番小さいお加奈に母ちゃんがいない・・・わァーー!


三吉は泣きだした。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
toubeikomaru.jpg


ニャゃーン、ニャゃーン


目を真っ赤にし鼻水をすすり泣きながら話す。

「そいでね、おいらはね、いろんな大人に尋ねたり、桃吉兄ちゃんにも探してくれって・・・


ニャぁーーン、ニャぁーーン


ニャのにニャのにッ、父ちゃんの唐変木はお加奈の母ちゃん知っていてさ。あんなにおいらは訊いてたのに、ひどいんだよぉぉーッ!」

「あれあれ、三吉。お前という子は・・・なんとまあ、こんなに可愛い子に苦労をさせてしまったね。おじちゃん、三吉に心底謝るよ」

「おじちゃん、怒らないの?」

「怒るどころか三吉に申し訳なくてね・・・おじちゃんは大人の都合ばかり考えていた、とんだ愚か者だった。三吉に教えられたよ。お前は父ちゃんからお加奈の親のことを全て聞いたんだね?おじちゃんはお加奈の母親が、商いで自立することだけを考えていたのかもな。

一番大事なお加奈の心にまで目がいかなかった・・・何不自由のない暮らしをさせているという私の奢りが目を曇らせていた。何不自由のない処か一番大事なことを不自由にさせていた。お加奈に『母親』を・・・お紺には『幼子』を・・・商売人の前に母親なんだよな、お紺はお加奈の母親なんだよな。

何も行商なんかさせずともこの屋敷に住まわせても良かったし、村に店を出させてあげれば良かったことなのに。なんと愚かなことよ・・・」

「おじちゃん、大丈夫?」

「三吉や」

「なぁに?おじちゃん」

「きっとお加奈の母親に知らせをして、お加奈が母親と一緒に暮らせるようにするよ。これで馬鹿なおじちゃんを許してくれるかい?」

三吉の顔は、パっと明るくなった。

「いいともさ」

「ああ、良かった。私も心が晴れた気がするよ」

「おじちゃんもおいらと同じに心が痛かったんだよ」

「心が痛い?」

「うん。おいらはお加奈の親を探してあげれなくて、お加奈を見ていると心がチクチクしていたょ。おじちゃんは、おいらとは違うけどお加奈に母ちゃんを会わせてあげることが出来ない、そうしてあげたくてもね。何故なら、出来ない理由があるから。

お加奈の母ちゃんには、子供を二度と捨てないような強い猫になって欲しかったから。おじちゃんは心をチクチクと痛くさせながらもお加奈の母ちゃんに「今は商売人に徹しなさい!厳しい世界を経験しなさい!お加奈の心配はいらないから!」って。そんなだったのかなぁって・・・」

「わたしは、もう何も言葉がないよ、その通りだよ。三吉・・・茂吉がお前が生まれた時に知らせてくれたのは間違いじゃなかったんだなぁ。三吉は茂吉を知っているかい?」

「うん、おいら歌ってるょ」

「歌?」


♪泣く子も笑う五ぉ黄様~

脇を固める藤平様♪

天翔(あまが)け猫のノン吉にぃ~♪

この世の理(ことわり)知る茂吉~♪





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おはようございます。
三吉がいじらしい。いい話だの~。
そうですね、親子はいっしょにいるのが一番なんだろうなあ。
挿絵の三吉から、泣き声が音声で聞こえてくるような錯覚にとらわれました。
今日も、じんわりと心にしみるお話素敵でした。
読んだあと気分がいいです、素敵な朝を迎えることができました。
ありがと☆

ハク、いらっしゃーい!

実は本当に泣いてます。ププ

にゃごにゃ~~ごってね。

こちらこそです。
良かったです、三吉の子供らしさと優しさがハクを癒したのね。
私も幸せになります。

ただいま^^

帰って来たよ♪
早速読み直した~。

>「おじちゃんもおいらと同じに心が痛かったんだよ」

何度よんでも、三吉の賢さには唸らせられる・・・
子供の何気ない言葉に、大人は気付かされるんだよね^^

蘭、お帰りなさーい!


まさに「負うた子に教えられる」

気づかされた藤平は「過ちて改むるに憚ることなかれ」なのです。

ププ、そんな2人が私は大好きなんです。

今日はいい天気だったね(^^)

こんばんは☆

三吉くんイイ子ですね。
本当に本当にいい子です。
なんか心打たれてしまいました。
藤平も立派だと思います。
子供相手にもちゃんと間違いを認めて謝れる。
こんな大人の後ろ姿を見て子供達は優しくて
思いやりのあるいい子に育って行くんだと思いました。
なんかとってもいいお話で感動しました。

v-286  v-286  v-218

こんばんは!
三吉!三吉っっあなたなんていい子なんだっ可愛すぎる・・・っ

うんうん、一番大事なことですよね。お加奈ちゃんにも素敵な未来が・・!

ああ素敵っ続きを楽しみにしています。

ryuさん、いらっしゃーい!

ありがとうございます。
ryuさんにそう感じて戴いて幸せです。
藤平は心底、子供達を慈しんでいます。
それは猫国の者達全てと言っていいくらいです。
広くて深い愛がぶれる事はないので、五黄でさえ甘え、安心して任せられるのです。
そんな藤平に養育を受けた子供達の心根が曲がる事はありません。
曲がったとしても長続きはしません。
まさに藤平あっての猫国とも云えます。

びたみんさん、いらっしゃーい!

ありがとうございます。

三吉の子供らしい優しさを藤平はとても嬉しく感心します。
その時点では確かに間違いではなかった。しかし今となっては事情が違う。
例え幼い子に教わったとしても素直に直そうとする。
それが藤平なのでしょう。
楽しみにして下さって嬉しいです。

よかれよかれ。
善意の心でとった行動が、
実は、誰かの歯車を狂わせてしまうキッカケになることもある。
世の中は難しいですね…。

いろいろと考えさせられました。ぽちっ♪

キムラさん、いらっしゃーい!

そうなのかもしれない。
私はこんな風に考える、発端に善意があったのなら、遠回りしても善に戻ると。
回り回って幸せになる。
お加奈とお紺、見えない糸だけど切れてはいない。
伸び過ぎた糸もいつかは巻き取られると思います。

v-286v-406

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

藤平さん……顔かわいいですね。ポッ。
いい味出しているおじいちゃんの顔です。笑。

ヒロハルさん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

ありがとうございます。

普通の爺ちゃん猫よりも、品があってとか、いろいろと悩みました。

藤平らしい顔になっていたら嬉しいです。

v-410

こんばんは

三吉は優しいいい子だね^^
親子は一緒に暮らすのが一番!
ホントそう思います。
やっぱり子供の心は純粋なんですね^^

今日は心あったまる良いお話でした。

では、またニャ(=^・^=)

よしさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

曇りなき眼と謂うのでしょうかね。
まっすぐに心配をしている。
藤平もその純粋さに心打たれたのだと思います。

いつもありがとニャン
v-283

何でも知ってる藤平様も、見落としてしまう事もあるんでしょうね。
幼いからこそ、欲望や願望、希望が単純で、素直になれる。
それを目の当たりにすると
気づかされる事ありますもんね。

さやいちちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

そうだよね。
「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」
昔の人はいい言葉を残している。
藤平もハッとしたろうね。
v-410
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 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
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