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第四章 藤平と三吉 三吉の秘密1

高い天井にはシャンデリヤが下がっている。
驚いている三吉を引っ張るように手の込んだ寄木細工の廊下を歩いて、一番奥の部屋に連れて行く。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
toubeiyoukan.jpg

コンコン

「藤平様、草助です」

「お入り」

広さは二十畳程だろうか、とても明るい部屋だった。
窓には色とりどりの透き通ったガラスが嵌め込んである。
外の景色も見えて気持ちいい。
置いてある調度品の数々は、どれも珍しく美しかった。

「藤平の父ちゃん、あっ、いけないッ、藤平様。三吉をつれてきました」

「ふふ、ありがとう草助。それからこれをね」

草助は藤平からきれいな箱を預かるとドアを閉めた。

「三吉はお加奈に会って来たのかい?」

藤平は眼鏡を外し読んでいた本をテーブルに置いた。
これまた手の込んだ象眼細工のテーブルは、キラキラとして美しい。

「ここにお座り」

勧められた椅子は美しい花柄が刺繍されているゴブラン織りの長椅子。
おどおどして中々座れないでいる三吉を抱えるようにして座らせる。
満足げに三吉を見ている。

「どうしたんだい?借りて来た猫だよ」

「おいら、じゃなくて僕は・・・・」

「三吉や、おじちゃんはね、お前みたいな小さな子に、難しい口を利きなさいなんて言わないよ」

「えっ、そうなの?」

「当たり前だよ。そんなことはお米くらいの歳に成れば自然と出来る事なのだよ。そりゃたまには先ほどの草助のように幼いときの癖が出るくらいなもの。だからそんなことは気にすることもない。

今のお加奈に話しなさいと言っても、ニャアニャアと言うだけ。歳相応に覚えていけば良いことなんだよ。
無理に難しい言葉を使うことなどありはしない。今することは、毎日を楽しく遊ぶことが一番なのだからね」

「へーぇ、気が楽になったよ」

「お前はどこでそんな言葉を覚えるのかね?」

ニコニコしている。

「大人が言ってるのを覚えておくの。でも、いつでも使うとおかしいでしょ?だからどんな時に使う言葉かも一緒に覚えるの」

「ふふ、楽しい子だねえ、もう読み書きは出来るのかい?」

「う~んと、ひらがなやカタカナは出来るよ。だけど漢字は少しだけだよ」

「驚いたなぁ、まだお前は六つだろうに」

「お加奈が一年前位にもお熱出したでしょ、その時にお米姉ちゃんが皆にご本を読んでくれたの。すごく楽しかったから、もっと読んでって言ったの、でも忙しいから今度ねって。でもおいらはその先も知りたかったし、部屋にある他のご本も読みたかったの」

「へー、それで字を覚えたのかい」

「そうなの。今はお加奈を送りながら、ご本を借りてお家に帰るの。でもほとんどのご本を読んでしまったから、おいらは困っているの」

「子供部屋の本を全部読んだのかい?」

「そうだよ」

「へー、三吉はすごいねぇ」

「すごいかな?」

「ああ、大したものだよ」

「へへ、おいらおじちゃんに褒められちった」

「いいもの上げよう」

藤平は菓子箱から薄桃色したお饅頭を差し出した。三吉は受け取らなかった。

「どうしたのだよ?甘くておいしいよ」

「おいらだけかぃ?」

「違うとも、草助に半分持たせてあるから、ちび達は今頃食べているよ。自分だけ食べるのは嫌かい?」

「うん、嫌だ。それに、おいらだけ食べて皆のとこに戻ってみなよ、お種なんか甘いの好きだからすぐにわかるよ。
だからそんな卑怯なことをしたら、大将の威厳がなくなっちまうもの」

「三吉は大将なのかい?」

「そうだょ。今日はちびのお加奈が居なかったから戦をして来たんだ」

「誰としたんだい?」

「きゅうりイボイボ軍にとうもろこし畑のノッポ兵だょ。戦いはおいら達が優勢に進めていたんだけど、稲穂沼でオタマジャクシ軍のドロドロ攻撃にあって、魁(さきがけ)のおいらは討ち死にしちゃったんだ」

藤平は三吉のキラキラと動く目を見ながら感心するばかり。

「それは残念だったのぉ。だけど大将なのに魁なのかい?」

「今は猫手不足なの」




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おはよう♪

朝から、いそいそとやって来ました^^

藤吉様の温かな言葉が、何だか音声になって聴こえて来そうな今回のお話。
二人のやり取りにホンワカした気持ちになれました(^^)
藤吉様からお饅頭をもらって、本当は食べたいだろうに「皆と一緒じゃなきゃ」と固辞する三吉がとってもいじらしい。

でも、タイトルは「三吉の秘密」なんだね。
どんな展開になるのか楽しみです☆
ではでは、拍手・応援ポチポチッ★ですv-343

蘭、いらっしゃーい!

おはよう!

いよいよ今回から口の端にのぼっていたニャン物の登場とあいなります。

そして、三吉の本当も少しずつあきらかになっていきます。
なぜ、この子がこうも賢いのか。
楽しみにしてねぇ~~
v-286v-406

三吉さん、エエ猫や~。
こんな、親分なら、そりゃ子猫たちもついていきますよ。うん、うん。

今回の挿絵は洋風なんですね。
五黄猫国だからこそなし得た、和洋折衷入り混じる素晴らしきパラレルワールド! ぽちっ

キムラさん、いらっしゃーい!

ププ、私、和洋折衷が大好きです。
特に明治、大正、昭和初期のレトロな感じが好きです。
でっ、ついつい趣味に走ってますv-389

三吉は皆に愛されて幸せな子猫です。
v-286v-406

三吉なんて可愛らしいんでしょう。
お饅頭の話も漢字の読み書きの話も忘れていたころの記憶を思い出しました。
ネットで急ぎ行きかうこの時代、ゆっくりと語られるこのお話。
砂利のなかで、綺麗に光る石をみつけた気分です。
キュウリイボイボ軍との戦いのことや、続きがとても気になります。
いいとこで終わってるーー><

ハク、いらっしゃーい!

懐かしいよね。
私達も大人の前は子供だったんだよね。
すごい褒め言葉をもらえたぁv-402
嬉しいから頑張ってるハクにも座布団を一枚あげよう。
ププ、大人の事情です。
また来てね。

ますます楽しくなってきましたね。
すごく続きが気になります  ウズウズ

また明日、楽しみに訪問させていただきます♡

三吉ちゃんのかわいらしさに胸が暖かくなりますっ
イラストの二人の後ろ姿もなんともいえず抱きしめたくなりますねっ>∀<
ぴゆうさんは、絵も字も書いて、更新頻度が落ちなくてすごいなぁ・・・

ライ母さん、いらっしゃーい!

どうもありがとうです。
続きを楽しみにしてもらえるのは何より嬉しいです。

それにやっと、この章で藤平を紹介できるのが楽しくて仕方ないです。
五黄とは違う藤平の大きさに触れてもらいたいです。
また来て下さいね。

びたみんさん、いらっしゃーい!

かわいく描けてますか、よかったぁ。

前に描いたのを没にして、描き直しをしたので嬉しいです。
絵って仕上がっても何か気に入らない、決まらないというのがあって・・・
めげる時がありますね。
そんな時はコメントドリンクを飲みます
すると単純なドテラは元気もりもりv-91になるのです。
本当にコメってありがたいです。

更新は頑張りマス。
それに苦ではありませんよ。楽しいのが先なんです。

また来て下さいね

こんにちは!

三吉の心が嬉しくもあり頼もしくもあります。
自分だけ美味しい思いするのでなく
他の子達の事も気にかけるイイ子ですね。

藤平様も器の大きさを感じますね♪

v-286  v-286  v-426

コメントありがとうございます。この内容で、更新速度も速い。さすがぴゆうさん、体調に気をつけてがんばってください。

ryuさん、いらっしゃーい!

藤平はとても、とてもいい猫です。
そして、深ーい愛があります。

ああryuさんに知ってもらいたい、皆さんに知ってもらいたい。
五黄と藤平が創った猫国を

いつもv-286v-406

ハタオ、いらっしゃーい!

ふふ、恐れ入ったかv-389

何を隠そう私はリングでは「ドテラ返しのドテラクイーン」と呼ばれたことがあーる。
カッカカカv-411
嘘だよ~~ん

へへ、ありがとうね。

こんばんは、ぴゆう(^^@)/

最近は、藤平様のように上手に褒める大人が
少なくなった気がします。

甘やかすのでなく、褒めることで延ばされる能力もあります。
そうすれば三吉のように素直で元気な子が育つと思うのです。

子猫たちの健全さはそのまま五黄猫国往来記の大人猫が
鏡に映しだされているようです。

ちあ、いらっしゃーい!

だねv-391

ただ褒めればいいと云うものではない。

今の大人は嫌われたくない、憎まれたくないと思っている。
我が子にさえ、
それでは子供は何も知らず、社会に出て苦労をする。
しなくていい苦労をね。

こんちは~

ますます三吉には感心しました^^
6歳で読み書きできるなんてすごい!
世の吉の子とはおもえましぇん。
藤平さまも優しくていいおじさんですね

いつもコメントありがとうございます。
では、ポチしてかえるニャ(=^・^=)

よしさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

まったく世の吉のお子とは思えぬ利発さ。
へ理屈も天下一品だものね。
並の大人は敵いません。
ププ

藤平は良い爺様です。
これからもご贔屓に。

こちらこそです。
よしさんのお陰で久しぶりに読み直してコメをする。
挿絵を見ながら、あの時はと思い出す。
私にもとても嬉しいことです。
ありがとうニャン。
私もせっせとポチ&コメをしますよん。
v-410

も~~~~~っっ!きゃわゆい!!

なんだこの、三吉のかわいさ!賢さ!
あぁ・・・うちのムスメもこんなだったら・・・(いやいや、ひとりごとです)

いやそれにしても、藤平様のお屋敷に、洋館があるとは驚いた!
すっかり、江戸時代くらいの日本を想像していたもんで・・・
えっと、明治大正あたりを想像すればよろしいっすか?


「猫手不足」っすか。ぷぷぷ。
「人の手も借りたい」くらいなんですかね(^^)


あぁ楽しい。ぽちして帰ります (^-^)/~~

秋沙さん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

きゃわいいでしょ。
へへ
親が知らない所で子供って賢く、頼りになる存在にいつのまにかなっているもの。
そう思うのは親だけだよ。
というより、子供でいて欲しいのかな。
ふふ


それでいいっすよ。
まっわたしめの趣味みたいにゃーーー

大当たりーー

嬉しいぞよ、いつもありがとニャン。
v-410

あぁ、私もこんな孫がほしい。。。
順序間違えてます(笑)
三吉は優しくて正義感の強い理想の男の子ですね。

さやいちちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

ぷぷ。
確かにお子ちゃまが先だわね。
それもいいのでござーーる。
三吉は普通でないものなぁ。
v-410
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 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

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