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クルミ 42 袖にされ

前回

コノミ夫婦に見送られクルミは旅立つ。


はじまり、はじまり



そしてクルミが戻り、大分落ち着いた頃、一人で校長室にやって来た。

「どうしました?バックなんか持って。お出掛けですか?」

「違うの。あのね父ちゃん先生、あたいね、お願いがあるのよ」

「なんでしょう」

クルミはバックから【青衣】を取り出し茂吉に渡す。

「これは青衣ですね?」

「うん、知ってるの?【風】って云う兄ちゃんから貰ったのよ」

「クルミ、あのお方は【風神様】なんですよ」

「ぇえーーッ!?そうなの??あたい知らなかったーッ!」

「また会える時がありましょうから、その時にはちゃんとお礼を言いましょうね」

「はい、でもあたい・・・」

「どうしました?」

「あたいね、風神様に《菰傘村》に行きたいって言ったの、だけど遠いいからいけないのって...」

「それで、この青衣を頂いたのですね?」

「うんそうなの。だけどね、あたい、よく考えたらそんなことはいけない事だって思うの」

「どうしてです?」

「だって菰傘村に一番行きたいのは三吉だもの、三吉が我慢しているのにそんな卑怯なことできないわ」

「内緒にしたらどうですか?」

「そんな事したら、あたい三吉に顔向けできないもの」

「ふふ、それではこれを風神様にお返しすればいいのですか?」

「そうなの、寒いのに袖をくれたのに、あたいから返すなんて義理が悪くて」

「ははは、どこで覚えるのでしょうね?わかりました。あたしから風神様にお詫びしましょう」

「へへ、それじゃあね!あたい今日は西軍なの、早いとこ行って陣取りするのー」

クルミは元気よく駆けて行く。三吉とクルミはあれから茂吉の勧めで保育園に通い、子供達と毎日、東西に別れ戦っている。おしゃまも生意気も変わらないが、子供帰りは上手くいっているようだ。

「それにしても風神様は、さぞやがっかりなさるだろうに」

茂吉はその日のうちに【風雷宮】に赴く、折り良く【風神】も【雷神】もいた。

「風神様、申し訳なく言葉もありませぬ。ご厚情を無にする事に相成りまして...」

「クルミに袖にされたなあ」

「欲の無い子よ。なれど袖がなくて寒かったから、丁度いいわ」

「誠に申し訳なく...」

茂吉は平謝りである。

「茂吉、あの子は素晴らしい恵み子よな」

「はい、ほんに裏表のない正しい子です」

「三吉もそうであったな」

「ええ、もうそっくりです。驚く程似ております」

「茂吉は楽しそうよの」

「お前達が楽しそうにしてるは我らの喜びよ」

「もったいのうございます」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
sodenisale2.jpg


「・・・雷、いい加減笑うのは止めたらどうだ」

「スマン、スマン。風が振られるなんてあり得ないから可笑しくて、可笑しくて、腹が痛いわ
アッハハハ、止めてくれぇ」


勝手にしろ!


二人の会話に恐縮していた茂吉も釣られて笑い、風神も笑ってしまう。それから、皆であれやこれやと楽しく語り合い、茂吉が帰ったのは一週間もしてからだ。その時、雷神特製のKAMINARIケーキをお土産に貰ったらしい。



               ♢




附記
あれから三年が経過した。

茂吉はお係所のクヌギから報告を受ける。蟻牢に入れられていた与さ松という狸族の罪人の移動願いだ。蟻牢に入っているのは、あくまでも一時のことでしかない。

この世界に刑務所は存在しない、《理》を破れば問答無用で魂沈めにされるので、蟻牢に入る者達と云うのは更生の余地がある罪深い者達と云える。

そう云った者達は反抗的で利己心の固まりなので、入牢(じゅろう)する事により、万分の一でも勝手気ままな性格が削がれる。

少しだけ大人しくなった罪人達は卍宿の病院に行く。只の病院ではない、裏卍(うらまんじ)と云われている特殊な病院だ。







つづく









敢えていうなら前編のクルミはここで終わりです。
確かにクルミ、コノミ姉妹は幸せになりました。
しかしながら、本当の幸せになったといえるのでしょうか?
これからは姉妹の喉に刺さった古い棘を取る物語となります。


ぴゆう
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非公開コメント

姐さん、おこんばんわ!
ご機嫌うるわし・・・くも、なさそうだにゃ。
ま、ま、そこはほれ、鎮めて、鎮めて。

ほーほー、姉妹の喉に刺さった古い刺・・・トゲと言ったら、アイツしかいないやねぇ。
そうか、後篇は鬼退治になるのかにゃ。
で、卍宿の裏卍・・・なんだべ、その病院!?
その病院で、罪人に、一体なにを施すんだべ???
面白そうだにゃ!!

取り敢えず つづく が続いて欲しいと 切に願いますのよん(笑)
週に1度の、大事な「息抜きの場」なもんでね^^

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おはようございます。

ふ・風神さま・・・ずっとこんな不自由な格好で
生活をなさっていたのね。
まぁ、かっこいいお方だからいいか。。。

本当の幸せかぁ。今後のお話、さらに目が離せませんね。
って、裏卍病院ってなんだぁ〜?

こんにちは^^

クルミはほんとに気持ちのまっすぐで綺麗な子だな~

大人達も振り回されながらも楽しそうね。

喉に刺さった古い棘が喉を潤すのど飴っこに変わることを願っているわ^^

現実はなかなか厳しいけどね。

タリオンという薬を処方されているよ^^
症状は軽い方なのかも。

こんにちは

分からなければ、自分だけ得をしても良い…
クルミは、こんなにも幼いのに、
それが人?イヤ!猫として卑怯な事だと分かるのですね。
だから恵み子なのでしょうね。

次からの物語…姉妹の喉に刺さった古い刺を取る…

まだまだ読んでないこれまでの物語、どんな刺があったのでしょう…
喉に刺さった古い刺を取らなければ、いつまでもチクチクと痛みます。
どんな刺取り物語になるのかしら…です。

私は、おかげ様で、古い刺が取れたようです。
いつかきっと、私のクルミにも逢えそうな気がします。

41 見送りの物語のコメント、園主さんへのお返事で…

“思い合う会話っていいですよね。 
話している本人達は勿論のこと、回りにいる者にも良い影響がある。 
言霊ってあると思います。 ”

って、書いてらっしゃいましたが、おっしゃる通りですね。
私は、びゆうさんに強い言霊をいただけました。
本当に有難うございます。


私、時々コメントまで読んでしまう事がありまして…
だから、余計読むのが遅くなるんですね~(;´Д`A ```
ま、私ペースで、ゆっくり追いかけます^^

クルミの心は純真でどこまでも正直ものですね。
子供ながらにすでに人格と言うものを感じてしまいます。
茂吉様をはじめとして周りの者が、良いことを良いことだと認めて
損得関係なしに判断してあげるところが素晴らしい!

風神様も雷神様も神様たちは気を許した間では、意外とお茶目なのですね。
でも何でもお見通しなので、びしっと決めるところはさすが神様ですよね。
これからちょっと違う展開になりそうなので想像もつきません。
お手やわらかに。  KAMINARIケーキってどんなお菓子かな?

袖にされるとは、ナイス!
風神様、ずっと片袖だったのですね^^
でも、これも色っぽくてアリだとおもいます。
しかし、雷神~、笑いすぎ。

ここで姉妹のお話は終わりかと思ったけど、ぴゆうさんは、丁寧に刺抜きをしてあげるのですね。
優しいぴゆうさんらしいな、と感じました。
続きも楽しみにしています。

やっぱりまだ、教育すれば何とかなる可能性があるんですねあのバカ親!

「荒野の少年イサム」で、事情があって牢獄入りした主人公がそこで、「ここに入ることによって自分が犯した罪は清められるんだ!」と感激するシーンがありましたが、やっぱり刑務所というものは矯正施設であるべきだと思うのであります。

問題は、そこを出た後の社会復帰にあると思うのですが、まあ三本の木さえあれば、食のことだけは保証されている世界ですから、何とかなるのではないかと思います。

平和な未来へレッツゴーであります。

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クルミも落ち着いて良かったと思ったら何やら
姉妹の喉に刺さった棘・・・。
楽しみです。それに裏卍という特殊な病院とは・・・・。
わくわくするのにゃ~。

設定は面白いですよね。
刑務所の概念がないのはまさに神の世界の真骨頂なような。
魂という概念が存在していれば、魂を埋めるのが一番ですからね。
また、クルミちゃんの冒険を見てみたいですね。(*^-^*)

こんにちは(^0^*)ノ

そっかあ~~・・・・・
これでクルミのお話も終わりかなぁ?と思って
ちょっと寂しく思ってたから、また楽しみが出来たo(^^*)o♪

それにしても、風神さま、
お可哀想に・・・・・・
袖を返されて袖にされた上にお腹痛いほど笑われちゃうなんて(^^;)
でも、だからこそクルミの素直さが際立つというもの・・・
それに免じて許して下さいませ~~風神様~~~m(^^*)m

llama姉さん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

ホッホホホ
もうとっくに冷めてますがな
削除したからスッキリざんす
売れらたら買いますけん

だな
ある意味そうでござ居ます
フッふふふ
裏卍では何が行われているか?
内緒でござる。

嬉しい事を云うてくれる。
幸せ者じゃ
自分でも猫国だけは終わらせたい。
どれだけ掛かるのかな?
頑張ります、お付き合いの程を宜しくお願いします。
v-410

Mieさん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

いいんですよ。
寒いとこに居ないしね。
ぷぷ

これからが本当に書きたかった事なのかもしれません。
其の子が幸せになった、それだけでハッピーではないだろうと
不気味だよねぇ〜
ニャハハハ
v-410

どーちん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

これが恵み子なのです。
理の具現者なのですねぇ
誰に教わるわけでもなくね。
それだけに恵み子に選ばれる者は、
本当に極わずかなのでしょう。

だね。
そうなれるといいね。

そりゃ良かった。
旦那情報によるとアレルギーは全て腸なんだそうだ。
腸を健康にすることが何より大事なんだって
お大事に
v-410

ごんばさん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

全くその通りです。
恵み子は其の言葉だけでなく、天より茂吉に下された恵みなのです。
故に髪一筋も間違ったことは致しません。
それだけに、めったに現れないのです。

このまま、放っておいたらいけないですから
刺抜きはしないとね。

ええそうですとも
猫国に訪問をして、交流を持つだけでも
既に猫族とは繋がりが出来たということ。
きっと猫神様が連れてきてくれます。

園主さんが本当に良いお人柄で
私なんて泥まみれで恥ずかしいです。

とんでもない。
母の昔話をしただけです。
慰めになれたら良かったです。
私もごんばさんに幸せを頂いています。

それは全く気にしないでください。
読んで好きな所にコメを書くのも自由だし
お好きなペースで読んでくださればいいのです。
ね。
v-410

園主さん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

ですね。
子供が持つ、本来の姿かも知れません。
茂吉も幼い時、えこひいきはいけないと藤平に言うほどでした。
公明正大は恵み子の特徴かもしれません。

そうなんですねぇ〜
二人共、茂吉が大好きです。
素の神々様もいいですよね、何せイケメンですから
それだけでいいんです。
ニャハハハ

雷神様は中々のパティシエらしいです。
中でもKAMINARIケーキは食べて驚くピリ辛らしいです。
v-410

limeさん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

ありですよね。
もちっと毟っとけばよかった。
ニャハハハ
二人共、大の仲良しですから
それに茂吉の前だと素が出ちゃうようですよ。

ハイその通りです。
むしろ、刺抜きを一番したかったと言えますね。
優しいってソレはないない。
クルミ、コノミ姉妹が可愛い故ですね。

頑張ります。
v-410

ポール、いらっしゃ~い!

こんにちはー

ぷぷ
刑務所ではなく蟻牢ですね。
そこでは労働も何もありません。
只、蠢く蟻達の大群に囲まれているだけ
食事以外、外にでることはありません。
脱獄も無意味です。
やることもありません。
そこに期限も何もありません。
しかし、死ぬことも許されません。
何せ、億単位の蟻に見張られているのですかね。
どんな罪人も二三ヶ月もすれば、表面だけでも大人しくなります。
飽くまでも一時預りです。

普通の罪人はそれから好きな職業の学校に行きます。
徹底的に教えられ、一人前の職人にさせます。
不思議なことに罪人はやる気を出し、一般人より優秀なことが多かったりします。

レッツゴーー
v-410

うにゃままちゃん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

大きくて古びた棘があるでしょう。
それがあるのに本当の幸せにはなれないと思います。

ありがとニャン。

裏卍は確かに特殊な病院になりますね。
v-410


LandMさん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

へへ
茂吉の真骨頂と言えるような仕組みです。
魂は存在します。
存在するからこそ、己があると思っています。
なくていいのなら、機械かアンドロイドだけで事は済む
間違えば壊せばいい、廃棄すればいい。
そうできないから、難しいのでしょうね。

クルミはもう冒険はしないですねぇ
今は子供帰りに勤しんでいます。
ぷぷ
v-410

かじママちゃん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

こののままでは姉妹の物語になって
家族の物語にはなりませんものね。
ありがとうございます。

風神様は袖を返され暖かい。
茂吉はクルミの潔さに嬉しい。
風神様は可笑しくて楽しい。
これぞ三方丸くなるの段でござる。
ニゃははは
v-410

風神様、残念降られちゃってねぇ。しかし、爆笑してる雷様の後姿の面白い事!最高、腹が痛いだって・・・。神様も人間っぽいですね。しかし、クルミは成長しましたね。ただ、最後のぴゆうさんの言葉が気になります。喉に刺さったとげが抜けて、本当に幸せになってほしいですね。御片付けご苦労様です。私も、5月の出店が終わったら、大掃除がしたいです。まずは、窓ふき(カーテンは洗ったので)がしたーい。

むらななちゃん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

本当、ふられちゃった。
ぷぷ
雷神様はとても明るくて、二人は対照的ないい兄弟のようです。

棘が抜けないままでは片手落ちになってしまいます。

忙しくて大変だろうなぁ〜
何せ、一つ一つが手作り。
頑張ってるよなぁ
v-410
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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