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クルミ 35 再会

前回

常世花の花畑で風神と出会ったクルミ、二人は友だちになったそうな。


はじまり、はじまり



「ふぅぅ...頭がくらくらする~、あれ?【風】のお兄ちゃんはどこ?・・・あれぇ?足が治ってる-ッ!不思議だわぁ...
ぁあっ!?やっと、やっと来たぁあーーッ!!

目の前に、《ここより粒傘村→》と、大きな道案内がある。クルミは迷わず村に入り、行き会った村の者に豆腐屋の場所を訊ねた。豆腐屋に近づいて行く内に心臓がドキドキする。コノミは大きなお腹を抱え、埃っぽい店先に水を撒いていた。

「いやだねぇ、豆腐に砂埃が入っちまうよ~」

「コノミ、そんなに気にすんなよ、苛々してると腹の子に悪いよ」

「だってさぁ~」

「姉ちゃんッ!、、、」

「えっ?」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
kurumisaikai.jpg


振り返ると忘れられない顔があった。会いたくて会いたくて仕方なかった、たった一人の妹...

「ウソ・・・」


姉ちゃぁああーーーん!!


クルミーーーーーッツ!!!


二人は抱き合って泣く、富吉が驚いて近づく。いつの間にやら猫だかりができている。コノミは泪で妹の顔が見れない、クルミもそうだ。

二人はお互いの顔を手で擦って見ようとするのだが泪で見れない。そんな二人の様子を見ていた富吉もやはり泣いている。コノミから妹の事を散々聞かされていたので、胸が熱くなる。


クルミーーーッ!


姉ちゃーん!


「さあ、こんなとこじゃ何だよ、コノミ、クルミちゃんを中に入れてお上げよ」

「ああ、ああ、そうだね!そうだね、とにかく入りなよ。連れはいるのかい?」

「ううん、あたいだけ」

「なんてまあ-ッ、何でもいい、詳しい話しは幾らでもしよう、とにかく入りな」

うん!




               ♢





茂吉達の気持ちは浮き立っていた。粒傘村に行けば会えると思うと嬉しくて仕方ない。もし会えなかったとしても今度こそは周辺を探すだけでいい。

「父ちゃん先生、もう着くの?おいらネムネムなの、、、」

「もう少しですよ、三吉は寝ていなさい」

「三吉、雲に包まりなさい」

「はーい」

紫狼は三吉を雲で包む。ふかふかの雲から顔だけチョコンと出して覗いてる三吉、中々愛らしい。三吉は気持ちいいのか直ぐに寝てしまう。

「父様先生、おナマを言ってもこうして寝ていると可愛い子猫ですね」

「本当です。この子だけでもそばに居てくれるので安心です」

「大事なお宝ですね」

「ええ、そうですとも」

「あれ?あれはっ

遠く、雲に乗る【風神】の姿が見えた。

風神様!

茂吉と紫狼は慌てて平伏そうとしたが、アっという間にそばに来る。

「ふふ。茂吉、紫狼久しぶり」

「風神様、お久しぶりで御在ます」

茂吉も紫狼も平伏(ひれふ)す。

「茂吉、こちらに参るが宜しかろ、お出で」

三人は薄青い雲に乗っていた。

「風神様、、、」

「お前の行き先は知っていますよ。先ずはわたしの話しを聞いてからにしましょう」

「あの、、風神様」

「紫狼、風神様に従いなさい。何もかもご存知のようです」

「ふふ、わたしの宮にでも行こう」

【風神】は《風雷宮ふうらいきゅう》に着くと、寝ている三吉を素敵な金剛石のベッドに寝かせてくれた。風雷宮は金剛石で造られていて、キラキラ輝く美しさは目を射るようなものではなく、心穏やかになる輝きで、その美しさは例えようもない。

風神は手ずから茂吉達に美味しいお茶をいれ、勧める。紫狼は畏(おそ)れ多くて固まってしまう。

「さあ飲みなさい。お前達は寝てもいないし、食べてもいない。三吉が起きたら食事にしよう」

「ありがとう御在ます。ですが、あたしは心が急いてなりません」

「ふふ、クルミに会いたいのだね?」

「ご存知なのに?」

「紫狼、控えなさい」

「あの子は姉と漸(ようや)く会えましたよ、ご覧」

【風神】が『サッ』と手を振ると大きな鏡が現れる。その鏡にはコノミと泣いて抱き合うクルミの姿を映していた。


ああ!クルミ、、、」


クルミー!!


二人は鏡に縋(すが)り付く。

「父様先生、あの子は元気そうです!」

「おお、本当にそのようです」

「ふふ、クルミは大分成長したようだよ」

「はい、とても顔がしっかりしているようで」

「ええ、こう何て言えばいいのか、、、とても逞(たくま)しくなってます」

「お前達に間違いはなかったのだよ」

「えっ?」

「・・・・・」

「お前の心の底にはいつも疑問があった。あの子可愛さ故、愛しい故に目を瞑(つむ)り、恵み子にしてしまったか?健やかな暮らしをさせたいが為に浅はかな過ちを犯したか?と、、、幾ら心宥(なだ)めても忸怩(じくじ)たる気持ちは消えなかった。そうではないかな?」

「風神様・・・」

「だからこそ、クルミは旅に出なくてはならなかった」


ええーッ!!!


「紫狼も同じ事。クルミが恵み子であると云う確固たる自信を持ち得なかった、愛するが故にな。だがどうじゃ?三吉と同じ程、いや、それ以上に恵み子ではないか」

「あっ...」

「ふふ、気が付かぬか?恐れ入った親馬鹿よ」

「面目次第もございません」

「もう、ただあの子の行方知りたさで一杯でした」

「戸の宿の殿次が申したろう?あの子のお陰で荒くれ共の性根が変わったと。河童兄弟の気持ちもな」

「ええ、そうでした」

「父様先生!あたしは嬉しい!!」

「紫狼!」

二人は抱き合って喜んでいる。






つづく


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おこんばんは^^
ちと遅くなり申した・・・すまぬm(__)m

コノミ&クルミ姉妹の感動の再会シーン。
いやはや、こちらまで涙してしもうた。
よかった、よかった。
後は茂吉&紫狼との再会を待つのみ。
めでたし、めでたし。
で、いいのだよね?
まだまだ新たな展開が・・・あるのかね。

桜豆腐かぁ(涎) 
あと、がんもどきも美味しそう! 
是非、試食してみたいにゃ~(笑)

会えてよかった、本当によかった。
またまた問題が起きて、会えないのかも?と
心配していました。グスン・・・。

風神さまの大きな鏡・・・どんな世界も
見られるのかな。大好きだったおばあちゃんに
会いたいな。

あ~、やっと会えたぁ・・・。涙、涙の再会ですね。私もうるってきてしまいました。長い道のりでしたね。クルミも色んな人に会って成長しました。こんなに幸せな再会はありません。茂吉も紫狼も安心したでしょう。コノミはママになるんですね。これもまた幸せな事です。最後にハッピーエンドになって良かったです。茂吉も心配で仕方ないですが、河童三兄弟も心配してる事でしょう。クルミは、たくさんの人に愛されてるってわかってほしいな。

うわ~~ん(´Д⊂。・゜・。

本当に本当に良かった~~~!!!
もう、こっちまで涙が止まらないよ~~!!!

ひょんな調子で始まった様な旅にも
沢山の意味があったのね・・・・・
やっぱり、物事に無駄な事なんて一つもない!!

良かった良かった良かったね!!!
って、猫国のみんなと手を繋いで輪になって
踊りたいくらいです!!!!!

やっとのことでお姉ちゃんと出会えたクルミ。
婿の富吉さんがやさしい方で良かったですね。
お姉ちゃんはお腹まで大きくて、幾重にもおめでたを感じます。

あのお偉い茂吉様もイケメン風神様の前ではただの親ばかみたいに
なってしまうんですね。それだけ人が善いという事でしょう。
でも安心しました。
綺麗な挿絵を大きく伸ばして飾りたい豆腐屋さんが多いでしょうね。

次回が楽しみです。

紫狼はクルミが本当は恵み子じゃないのかもしれないと、悩んでたんですね。
恵み子かどうかは、あらかじめ決まっているものではないのですね。
感情で判断を誤ることもあるのだとしたら、紫狼も不安だったでしょう。
でも、よかった。
クルミの旅も、必然だったのですね。
風神さま、さすが。

こんにちは。

風神様のお陰でコノミとクルミは感動の出会いが出来ましたね。
良かった、良かった。富吉もやはり心優しい猫のようでコノミも
幸せだぁ。うるうる・・・。

風神様は何でもお見通しなんですなあ。
心配で胸が一杯の茂吉や紫狼に、クルミが恵み子であるべき子だと
いう自信を持たせる事も忘れない。心の広い素敵なイケ面神様。
ホレボレだわ~。
全て揃ったところでこれからの展開は?

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普段だったら自分の意見など
とうてい申し上げないであろう神様を相手に
それでも言葉を紡ごうとする紫狼の必死さに
感動します。
慈悲深いねぇ。。。

でも茂吉は さらにその上をいき
さらにさらに その上にたつ風神様は 
なにもかも過不足ないようにしてくださる。

そしてその偉大な風神様は
なんと小さなキツネの子 クルミちゃんのお友達。

この世界には小さいモノがもっと大きなものに
順番に見守られ
一番大きなものが一番小さいモノと
直接つながっているという循環の輪が
ちゃんとできているのね。

こういう世界なら
子供は安心して冒険できるな~。
羨ましいわ。

クルミ、良かったね~~(涙)
やっと会えたお姉ちゃん。
それにしても、さすがの風神様・・・・。
なんてステキな計らい・・・。
茂吉も神様にはかなわないのか~~。
でも・・・、やっぱり、早く再会したいよね~。

コメントをしたつもりですっかり忘れていたという(汗)

それにしても、長い旅でしたね。人生として。風神様がいなかったら、クルミの旅はより長く困難なものであったことは間違いないでしょう。

今はただ、再会できたことを喜ぶだけです。

これを記念して「胡桃豆腐」を売るとか……って、豆腐とは作り方がちがいますね(^_^;)

名物になるかと思ったのに残念(^_^;)

llama姉さん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

気にしないでけれ
まったく、真面目なんだから
良い人じゃ

やっとですものね。
再会を長年、夢見ていた姉妹。
泣けます。

この二人はもう少し待たないとね。
それも大切なことです。

姉さんを猫国に招待することは決まったこと。
その時は本家本元の貞吉に作ってもらいましょう。
張り切って作ってくれると思うな。
ただし、あんまり褒めると調子に乗るから要注意だね。
ぷぷ
v-410

Mieさん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

やっとでございます。
そんな罪作りなことは致しませんことよ
ぷぷ

おお〜〜
羨ましいな
Mieさんには特別で見せてもらいましょう。
ねっ♡
v-392

むらななちゃん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

やっとですね。
長くて辛く悲しく・・・
会えた喜びは想像が出来ないほどでしょうね。

本当にそうですね。
短期間ではありますが色々ありました。
その一つ一つがクルミを成長させました。
振り返れば、得難い経験だったでしょうね。

愛されることの楽しさ、嬉しさ、喜びは
何より安心感を与えますよね。
きっと分かっていると思いますよ。
v-410

かじママちゃん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

本当にそうですね。
この世で一番会いたかった姉ですもの。

沢山の意味がありました。
そうだよねぇ
無駄な命もないし、無駄なこともないのよね。

おお〜〜
かじママちゃんと猫国の皆が輪になって踊っているって素敵ぞな
やっぱマイムマイムでしょうか?
ぷぷ
v-410

園主さん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

本当にやっとです。
富吉は心根の優しい男。
貞吉に厳しく仕込まれたので腕もピカ一です。
コノミにもしっかり仕込んだようで
ニャハハハ

全くですね。
見守る風神様もある意味、親馬鹿ですね。
どっちもどっちかもしれません。
ぷぷ

ありまぁ!
嬉しいお言葉、精進せねば
v-391

limeさん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

恵み子候補はいますが、真に恵み子に足り得る者は少ないのです。
其のために紫狼は決定するまで度々、面接をします。
恵み子達は大概、青年になってからになります。

茂吉も紫狼もお互い口に出さなくても、いろいろ考えていたと思います。
風神様からすれば其の悩みを取り払って上げたかったのでしょう。
親馬鹿はどっちでしょう。
ぷぷ
v-410

うにゃままちゃん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

やっと会うことが出来ました。
優しい富吉のお陰で、いつしかコノミの殻も取れ、
いい女将さんになっていました。

まるっとお見通しでした。
可愛い茂吉が苦労をしているのは不憫なのでしょうね。
どちらが親馬鹿なのか
ぷぷ

旅の目的そのものを教えてくれると思います。
v-410

園長さん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

紫狼はマダマダなのですよね。
これで神様への尊崇の念が一段と深まると思います。

神様って何でもお見通しで何でも分かっている。
茂吉も又、愛されていることを感じる。
幸せだよね。

凄いことなのにクルミは、どんな風に思っているのでしょうかね。
ぷぷ

おお〜〜
わかって下さいますか
神様達の恩寵が隅々にまで行き渡っている世界なのです。
だからこその仕組みかもしれません。

ですね。
可愛い子に旅をさせたくなる世界ですよね。
v-410

きらたるちゃん、いらっしゃ~い!

こんにちはー

姉妹の一番の願いが叶いました。
嬉しくて、嬉しくて
言葉にならないほどでしょうね。

かないませんね。
茂吉の心の底までお見通しですもの。
もう少し掛かりそうですよ。
v-410

ポール、いらっしゃ~い!

こんにちはー

ぷぷ
アレレって思っていた。
仕方ないと思えるぞよ。

終わってみれば短かったかもしれません。
旅ってそんなものだよね。

いいかも知れん。
中に砕いた胡桃を入れるのもいいし、
胡桃ソースを掛けて頂くのもオツかもしれん。
富吉に伝えときます。
v-410

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは~~♪
会えたんですね~~~感激の対面ですね。
お姉ちゃんが幸せそうでよかったです。
なんかこのまま姉妹一緒に生活させてあげたいような・・・
それにしてもあのイケメン風神さまは偉いお方なのですね~~♪

う~~む。深いですね。
愛するが故の家出というのも。。。
私は家庭環境があれでしたからね。その反動形成もあるのでしょうかね。
愛があっても、なさすぎても結論が同じになるのだったら、
それはそれで不幸な気もしますが。
愛を確認することができたことは人生において至極なことですね。

りんだちゃん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

やっと会えました。
二人共、抱きしめあい、声を聞いて顔に触れて
やっと実感できたと思います。
長かったものね。

りんだちゃんはやっぱり鋭いなぁ〜
本当にそうですよね。

偉いお方でございました。
一番の親馬鹿は神々様かもね。
ぷぷ
v-410

LandMさん、いらっしゃ~い!

こんばんはー

お久しぶり〜
待ってましたよぅ

家庭環境があれと言うのは何だろう。
本当に色々あるよね。
あるけど、それを乗り越えて生きている。
それだけでも素晴らしいことだと思う。

全くその通りです。
愛されているってわかるだけでもものすごく幸せなことですよね。
クルミは幸せものです。
v-410
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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