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クルミ 23 クルミの知恵 

前回


苦しみ悶えるテレ、救いの手は明日まで来ないのか



はじまり、はじまり

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります

kuruminocie.jpg


「ねえ、トチ兄ちゃん」

「なんだい?」

「あのね、あたいね、前に目が見えなくなった時があったのよ」

えっ!そうなの?それで?」

「その時にね、とっても良いおじいちゃん先生に助けてもらって治ったのね。そのおじいちゃん先生はあたいのそばにいる時に色んなお話しを皆にしていたの。

『お腹が死ぬ程痛くて捩(よじ)れるような時は【はこべの青汁】を飲ませると、不思議と腸の腫れと痛みに効く』って言ってたよ」

本当か!?

「うん、本当だよ。このまま放っとくと、このおじちゃん可哀相だよ」

「よし!親爺、まだ【はこべ】が生えているとこってどこかな」

「軒下の柔らかい土のとこにも生えてたなあ、あそこならけっこう出てると思うよ」

「わかった!皆も手伝ってくれーッ

「ああいいよ!」

「勿論だよ!」

宿の泊まり客も総出で手伝う、沢山のはこべが採れた。クルミの指示通りにさっと洗うと刻んですり鉢ですり、それを布巾で包み、ぎゅっと絞るとお猪口一杯くらいにはなった。

「急いで飲ませて」

「わかったよ」

トチは痛がって転げ回るテレに何とか飲ませる。最初は痛がっていたが、その内に転がらなくなり腹は押さえているが少し楽になったようで息づかいが整って来る。

「おいおい、すげえなあーッ
、このちび狐の言う通りだよ!」

「たまげたなあ!」

「まだ、はこべあるよね?」

「ああ、沢山あるよ」

「そしたら洗っておいて」

「もっといるのかい?」

「もう少し経ったら又飲ませた方が良いし、絞り立てがいいと思うの」

「うん、わかった!」

「それから、おじいちゃん先生はね、『はこべ汁は後で煮詰めてドロドロにしたのをはこべがない季節に使うんだ』って」

へえー!たまげたよ~、いくらでも生えてるから作っとけばいいんだね?」

「そうよ、また困った時に使えるよ

「へーッ!感心したよ~!」

主人の殿次も客も大いに感心する。一時間程経つとテレは痛みも取れて気持ち良さそうに寝始めた。どうやら、はこべが効いたようだ。

少し飲ませてから皆は寝るのも忘れ、はこべ汁を煮詰めた。とろとろになる迄には朝方になってしまった。クルミは台所で丸まって寝ている。

「しかしすげえなあ~、トチの知り合いかい?」

「そうじゃねえよ、小さな友達だな」

「お陰でテレは命拾いだな!」

「全くだよー、良かったよー!」

「起きたら、美味い朝飯食わしてやろう」

「ああ、そうしてやってくれ」

殿次が張り切って朝食を作り、クルミを上座に据えて皆で食べた。腹がくちくなると寝ていなかったので皆でごろごろ眠りだす。昼近くになって戸をドンドンと叩く者がいる。


開けてくれーッ、ぎ助だあ!
医者を連れて来たぞーッ!



戸をガラガラ開けると眠そうな顔のトチを見て、ぎ助は勘違いした。

「間に合わなかったのかッ!?....うぅ....急いだんだけどなあ、、、、、」

「ふわぁーーーッ、眠たいなあ~」

「何だとッ?泣いてたんじゃねえのかよッ!

トチはぎ助に説明をし、態々来てもらったので医者にも一応診てもらう事にした。

「ふーむ...確かに腫れていたようじゃが、今は大分に引いておる」

「先生、兄貴は大丈夫ですか?」

「うむ、このまま三日は安静にな。だが腫れが引くとは・・・」

「はこべの青汁を飲ませたがいいって、クルミちゃんに教えてもらって急いで飲ませました」

「ん?よく知っていたなあ、感心感心。劇的に効いたようじゃ。いやはや、わたしより余程の名医じゃ。青汁は盲腸にも腸捻転にも効くのよ。医者しか知らぬ事、大したものだ」


へーッ!すげえなあー


医者は感心しながら帰り、トチは薬をもらって一安心した。

「良かった!これで安心だわ」

「本当だよー!」

「ぎ助ありがとうなッ、恩に着るよ!」

「気にすんなよ!でも恩に着るのはクルミって云うあのおちびにだぜ」

「本当だよ、兄貴はクルミちゃん様々だよ」

「テレも変わるかもよ」

「そうだといいけど・・・」

ぎ助達とは悪仲間だった。小さな盗みもするし、テレとトチがしていたような女衒紛(ぜげんまが)いの事もする何でも屋だ。

そんな奴らだが少しは良心もあるし、友情には厚かったりもする。不思議なものだが仲間意識は強いのだろう。トチは、ぎ助達に今迄の事を話す。

「かわいそうになあ~」

「おいら、ますますクルミちゃんを姉ちゃんに会わせたくなったよ」

「そりゃそうだよ」

「テレの奴、命の恩狐に何て言うのかね?」

「生意気言ったら俺らが許さねえよッ!」

宿の主人も客達も皆クルミの味方だ。ぽんぽん腹になって気持ち良さそうに寝ているクルミを見ると皆、仏心で一杯になる。

「可愛いねえ~」

「何か大分会ってねえ、子供を思い出しちまった」

「そりゃいけねえよ、帰ったがいいよ」

「帰ろうかな?」

「帰りなよ」

里心だす者ありと今までに無い不思議な雰囲気になってくる。クルミが起きた。皆は、ますます善い者になろうとした。




つづく









この話にある「はこべの効能」は凄いものがあります。
実際に明治の頃、渡欧したお役人が彼の地で盲腸炎になりました。
その時、身近にあったのがウシハコベだったそうですが、
同じように青汁を飲ませた処、劇的に治り公務を無事終えたという逸話が残っています。
私も作ったことがありますが、時間はかかりますが冷蔵庫に入れておけば腐らないので便利です。
お正月に七草粥で食べますが、はこべにこんな力があることを知っていると味わい深いものになると思います。

ぴゆう
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クルミちゃん、すんばらしっv-218
やっぱ、正真正銘の「恵み子」なんだよね。

せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ
総てに薬効があるとは知っていましたが、はこべらにこの様な力があったとは・・・。
生憎のアレルギーで七草は食べられないけれど、いにしえ人の知恵(知識)には感心しきりですわ~^^

で、やっぱり「腸ねん転」じゃん!
で、やっぱ「ガスしぇんしぇい」絡みじゃん!!
マジで予想が大当たり~~~♪
・・・て、喜んでる場合かねぇ(笑) ←ヘヘ アフォなだけや

でもさ、こうなりゃ、テレもトチも仲間たちも当然一肌脱ぐさーね。
クルミちゃん、大好きなお姉ちゃんに会えるといいねv-398

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おはようございます。
クルミちゃま、お話をきっちり聞いて、
そして覚えていたのね。おりこうさん。
話、半分しか聞いていない、うちの中学生に
爪の垢をプレゼントしておくれ。

七草がゆ、ぴゆうさんのことを思いつつ
食べるじょ〜

すごい効力ですね。はこべってすごい。昔の人はいろんな知恵で生きてたんですね。七草、苦手て食べないですが・・・。テレは、もう大丈夫なのかな。でも、また痛くなるかもしれないですよね。クルミも人助けができて、少しは自分に自信が持てたかな?さて、これからどうなるのかな?クルミに助けてもらったんだから、レテも少し改心するといいんだけどなぁ。そう簡単にはいかないか。クルミ、お姉ちゃんと無事会えるといいな。

こんばんは~~♪
はこべって凄い薬効があるんですね。
ぴゆうさんも作ったことがあるんですね。効きましたか?
クルミちゃんは本当にその場の雰囲気まで替えてしまう力があるのですね。
流石恵み子なんですね。

最近の医学では、虫垂炎(盲腸炎)は切除ではなく、断食と、殺菌効果のある薬剤で治すのが主流だそうですな。だから盲腸炎だとしたら、クルミちゃんの処方は理にかなっています。

とはいえ、放っておいて膿が溜まってしまったら、破裂して手遅れになる前に虫垂を切除しなくてはならんそうで。薬剤の殺菌力に不安があったつい十年くらい前までは切除が中心であったのもこのせいだそうであります。

その境目を見分けるのは素人には無理ですので、おなかに激痛が走ったら、はこべの汁よりも、病院で医者にかかるべきであります。

処方が早くてよかった。というより、半分はクルミちゃんの「善人パワー」みたいなものの効果じゃないのかなあ。さすが恵み子……。

クルミちゃん 賢い!
よく先生のいう事を覚えていたね~
みんなを優しい気持ちにさせちゃうなんて
やっぱり生粋の恵み子だよ、
役に立たないなんて とんでもないっ!
これからお姉ちゃんにも春風が届く予感♪

それにしても ハコベってすごいです、
盲腸炎のちらし薬として有名だもんね。
七草として食べるときは
普通のハコベより大型のウシハコベのほうが
泥臭さが少ないって書いてある本もあったな。
でも薬効はわからないから やっぱり
普通のハコベで作ったほうがいいね。
ウサギのえさにするなら・・・
そりゃもうひとつかみでたくさんとれるウシハコベだけど(笑)

はこべって、我が家の庭にもびっしり生える、あれですね!
(って言われても困りますよね^^:)
そんな効用があったとは。
クルミちゃんの聡明さと純粋さがテレを救ったのですね。
大人はもう一度、その純真の力を見つめ直すべきです。

貧困は人の心を貶めてしまうけども。
それにからめとられてしまっては負けですよね。

次は、くるみちゃんが救われてほしいな。

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良かったあ~~!!!

良かった~~~~~(^^*)v-238
さすが恵み子!!
しかも伊達に苦労して無い!!!
それにしてもハコベってすごいね~~!!!
畑の隅みたいな栄養豊富な土のハコベは
柔らかくて如何にも美味しそうだし
普段からハコベをおひたしにして食べるべきだね!!!

こんばんはー

 お久しぶりでガンス!
 ひと段落ついてちょっとホッとしてます~そしてボーナスが……ニヤリ。

 そういえば私も、昔死ぬほどお腹が痛くなって医者に運ばれたことがありましたな。この話じゃないけど死ぬかというレベルでした……着いた時にお医者さんに「これはまずいですな」と言うようなことを言われたのを覚えています。点滴と入院えなんとか回復しましたが、それ以降しばらく、原因の可能性が高かった(食あたりだった?)サバが怖くて食べられらなかった……苦い思い出です。

こんにちは☆

クルミは人を虜にする力を持って
いるのかな?

それにお父さん先生の言う事をしっかり
覚えてて役に立てるなんて・・なんて賢い子なの。
これできっとテレも心入れ替えて良い方向へ
向いて行くよね。きっと・・・信じたい。

お姉ちゃんに会えて、二人とも幸せになって欲しいにゃ。

llama姉さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ですねぇ。
これを知ったら皆、泣いて喜びますね。

七草もダメなの・・・
なんてこったい。
それは辛すぎるなぁ〜
自分も甲殻アレになってしみじみと感じますよ。
不思議なことに食べたいと思わなくなったなぁ。

病名はどちらでもいいかなと思うています。
盲腸炎にしても命にかかわることは間違いないですものね。
ガスのお茶飲み話が役に立ちました。
ぷぷ

全くでございますな
情けは人の為ならずです。
v-410

Mieさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

頭の良さはピカイチでございます。
羨ましい〜

何を仰る
聞いてないようで脳は記憶してますって
凄いもんだよ

ぷぷ
七草の季節が来月なんだよねぇ
あっという間だわ。
v-410

むらななちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ですね。
今の者は足元にも及びませんね。

要安静でしょうね。

自信にもなったろうし
何より、人助けって気持ちが良いものね。
テレも考えないとね
考える時が来たんだと思います。

応援して下さいね。
v-410

りんだちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ありますねぇ
手近にあってこれだけ効くのはないですよね。

けっこう効きますよ。
小さじ程度を舐めるだけですけど
不思議と効きます。
無くなると柔らかいのを摘んで作ります。
面倒臭いけど・・・・

ですね。
間違いなく恵み子だと思います。
v-410

ポール、いらっしゃーい!

こんにちはー

おおーー
なるほど、そうなっているのですか。

ふむふむ
勉強になりました。

そんな正論を言われてもなぁ〜v-8
医者を探しに行っているのもあるし、
最終的には診てもらっているしなぁ
唯、薬は元々植物由来が殆どではあるし
薬効を人工的に高めたのが薬なので
手近にあるもので救急処置をできればした方が
命を救うことになるのも事実。
見ているだけでは何もしないのも一緒、
医者がよく言いますよね。
救急の処置が良かったので助かったみたいなことをね。
素人でも覚えていた方がいい。
v-391

園長さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ガスにしたら何気ない会話でも、クルミには大事な知恵となりました。
この事を後で知ったら、ガスも喜ぶでしょうね。
「ガスも鼻が高いでしゅ」
なんてね。
ぷぷ
本人も大いに自信をつけたと思います。

そうなんですか。
勉強になりました。
やっぱ詳しいなぁ〜
先人は凄いですよ。
渡欧した先にあったのはウシハコベだったらしいです。
薬効に違いはないのでしょうね。
v-410

limeさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

あれです!
我が家もご同様でございます。
沢山生えてるのが嬉しいです。
へへ
本当に
知恵があっても優しい心がなければダメですよね。

そうなんですよねぇ。
負けですよ

助ければ助けられる。
まずは自分からなのですかね。
v-410

かじママちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

クルミも役に立てて嬉しかったと思います。
恵み子として、自信もついたかもしれません。

それいいよねぇ
絶対に栄養満点だろうなぁ
苦味もない野草なんてあまりないものね。
植物の力って本当に凄いものです。
v-410

ゆうちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

おおーー良かったねぇ
ご褒美だね。

鯖であたると酷いって言うものなぁ
しかし、ゆうちゃんは色んな目にあっているのぉ
疲れて免疫力が落ちている時は特に要注意だね。
滋養がつくものを普段から食べるように心がけるといいよね。
牛蒡なんて最高だぞよ。
v-410

うにゃままちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

持っているかも知れませんねぇ
柄がきれいなのもお得かもね。

いざという時に役に立ちますよね。
知ると知らないでは大いに違う。
ええ
信じて下さいな。

いつかそうなるよう応援して下さいね。
v-410

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猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
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