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クルミ 20 油断大敵 

前回

クルミは一体、何処に消えたのだろう?



はじまり、はじまり



話しは少し戻る。

クルミは三吉と別れ、急いで町外れまで駈けて行く。どうしてそんなに駈けるのかわからないほど走る。

「はぁはぁはあッ、こんだけ離れていれば安心ね」

気が付くと今まで来た事もない場所に立っていた。通りには色々な店屋が並んでいる。圧倒的に屋台が多く、食べ物屋からいい匂いがしてくる。

狐宿を思い出す。狐宿は猫宿の様に雑踏と喧噪の町で、色々な店も屋台も沢山あった。

ねぎ焼き~ぃねぎ焼きッ
美味しいよー!

鼻をくすぐる香ばしい味噌の匂いに堪らなくなって葱焼き屋に行く。葱焼き屋とは葱をぶつ切りにして串に刺し、香ばしく焼いて味噌を塗っただけの品を売る屋台で、店によっては餅を焼いたりもする。

「おじちゃん!焼き葱一本おくれ、それからあんこ入りの餅も焼いておくれ」

「はいよ!お客さん、よく知ってるね~あんこ入りは特別だよ。ちょっと待ってておくれよ、今から焼くからね!葱はもう出来てるからお食べよ、美味しいよ~、特製の味噌ダレだよ~」

クルミは受け取ると『はふはふ』言いながら食べた。

「あ~ッ美味しいぃー!三吉にも教えてあげよう」

葱焼き屋から餅を受け取ると砂粒銭を渡し、歩きながら餅を食べる。笹で包まれた餅は香ばしくて美味しい、直ぐに食べてしまう。こんなに沢山の屋台を見たのは久しぶりだったので楽しくて仕方ない。

あっちこっち歩き回って大分疲れてくると今度は喉も渇いてくる。甘酒屋の屋台に寄り、甘酒を一杯飲んだ。狐宿にいた頃から飲んでみたかったが、姉のコノミは『小さいからダメょ』と言って飲ませてくれなかった。

ふーふー言いながら全部飲んでしまう。フラフラしながら歩いて行くと道外れにフカフカの草が生えている場所があった。子供が寝てたとしても見咎(とが)められない、大人が見過ごしてしまう町の死角になるような場所だ。

そんな事も知らず、横になると丸くなって寝てしまう。そのまま何事もなく済んでいれば、朝になって三吉と再会していただろう...

だが違った!

町中を歩いていたクルミは目立っていた。一人で歩いていた事もそうだが買い食いまでしている子狐の姿は、狐宿や猫宿のような柄の悪い土地ならいざ知らず、恵み子の学校がある謂わば学園都市である卍宿にはない光景だった。

そんな場所に相応しくない者がもう二人、河童のテレとトチの兄弟がいた。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
yudantaiteki.jpg


「おいトチ!見てみなね」

「なんだい?兄貴」

テレが指を差した先には甘酒をぐいぐい飲んでいるクルミの姿があった。

「この辺じゃ珍しいねえ、あんなちびの癖してさあー」

「そうだろう?さっきから見てたんだけどあの子狐だけみたいだよ」

「へー、親が心配してるだろうにね」

「そんなことねえだろう?ちび一人を放っとく親だぜ、ろくな者じゃないよ!うん、そうに決まってるよ」

「そうかい?」

「そうさ、それなら俺達が何してもわかりゃしないね」

「何だい?何って?」

「全くお前はどうしてそう巡りが悪いんだよ!ご注文があったろッ、俺達にはよ!」

「何のよ?」

「ぶつよ、本当に。東雲だよ!しののめ!

「ああ、あそこね。それで?」

「もういいよ!おめえは話したそばから忘れるんだからよッ。それよか、あのちび、あんな一辺にたんと飲むから、フラフラしてるぜ」

「後付けようか?」

「勿論だよ」

クルミが草むらに寝てしまうと河童達はそっと近づく。通行人がいない訳ではなかったが、道から少しでも離れてしまうと目に入らない。

「なんて、うめえ具合に!ありがてえ~」

「どうするよ、兄貴」

「おめえの背負い駕篭に入れちまえ!こうして、こうしてこうすれば、ほら簡単だ!」

テレは慣れた手つきで、素早くクルミに猿轡(さるぐつわ)をかますと手足を縛り、トチの背負い駕篭に入れてしまった。驚いて叫ぼうとしたが、あっという間だ。

二人は誰かに見つかっては大変なので一目散に駈けて行く!町を出ると本街道をそれて薮に出る。そのまま、本街道を横目に見ながら猫宿に向かうつもりだ。

テレとトチの兄弟は何でも屋だ。

何でも屋というだけあって、頼まれれば何でもする。今回は東雲楼(しののめろう)の主人に『可愛い子が欲しい』と注文を受けていた。器量が良ければ言い値を出すと云う滅多にない美味しい仕事だ。

張り切った二人は本街道を北に向かう。行った事のない町を探してみようと考えたからだが、着いてみるとそれが失敗だとすぐに後悔する。

恵み子の学校に、多種多様の学校郡、そのうえ【御係所】や【身魂抜きの宮】に【魂納めの宮】がある風紀の良さは猫国ぴか一の場所だ。夕方の六時になるとどの店も閉まってしまうし、子供達を見かけるのは僅かな時間だ。いたとしても大人が必ずそばにいる。

テレとトチは仕方なく猫宿に戻ろうとしていた矢先にクルミを見かけた。




つづく



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姐さん、おこんばんは♪
いや、本格的に『冬到来』だにゃ。
悪ガキと悪風邪にゃ、ご注意くだされ(笑)

おぉ・・・やはりクルミは拉致されておったか。
しかも『東雲楼』とな。
もしかして、そこは「遊郭」ではないのかぇ?
そこで再会・・・・・いや、止めておこう(笑)
これも作者の根性の悪さ。
いい処でチョッキ~ンとするからね、どーも先々考えてしまうわぃ。

テレ&トチ・・・いかにもチンピラ風な河童どもだぁ!
ふふふ、こいつらからガスしぇんせぃに結びつくか?
いや、いや、いや、止めるんだった、やはり作者のせいだ、うん。

味噌葱焼き・・・・・これ、炭焼きで備長炭の香りでもしてごらんよ、涎がたれるわな!
あぁ、夕飯をたらふく食ったのに、燃費効率の悪い身体だことね。
小腹が減ってきたじゃないの!
実に美味そうなものを、考える付くことね。ふんダ

おはようございます。

クルミちゃん、食欲があって、ほっとしていたら
なんてことに・・・。
悪いやつらに目をつけられて、その上連れ去られるって〜
なんとまぁ・・・不運。

葱焼き〜おいしそう。
こちら地方では葱焼きといえば、お好み焼きに入っている
キャベツの代わりに葱を使ってつくったお料理のこと。
これもまた美味。

ちょうど、お腹のすいた頃に、美味しそうな葱焼き。
そして大好きなあんこ餅^^
うーん食べたい。
クルミにとっては、つかの間の自由な幸せな時間でしたね。

・・・って、過去形になってしまった。
なんとも運の悪い。
ここで終わらせないところが、ぴゆうさんですね。
この災難が、どうなっていくのか。続きを待っています。

さあ、冬本番になりましたね。
私もすっかり風邪をひいてしまいました。
でも繁忙期。お休みがありません。冬って・・・つらい><

ぴゆうさんも、気をつけてくださいね^^

寒いですにゃぁ。風邪引きに気をつけて!!

ああ、クルミはやはり大変な事になっていたのですね。
ろくでなしの親から逃げて遠くまで来たので安心したんだね。
見たことも無い屋台や甘酒の誘惑に負けてしまったんだ。

よりによってろくでもない兄弟に見つけられて遊郭(だよね)に
売られそうになってるとは。なんとか助けて欲しい。

もっと早く大人たちの気持ちがわかっていれば逃げる事も無く
頼れたのだろうに・・・。これ以上つらい思いはさせないで。

なるほど、そういうわけで
みんなが探してもクルミが見つからなかったのね。
でも この悪巧み二人組、
あとで茂吉の恐ろしさをよーく知ることになるかも。。。
いや、今度は紫狼の出番かな。
どんなことがあっても 子供が泣かされるだけでは終わらない、
ここは猫国だもんね(*^。^*)

不幸は引き寄せるというか、
同じ世界は同じ世界を引き寄せるというか。
そう言うことはあると思いますね。
生活環境が同じ生活環境を引き寄せ、
普通の環境で生きれないからアウトローの世界に行くのが常ですからね。

クルミは、運がいいのか悪いのか・・・?せっかくあの親から完全に離れられて、これから、何の不安もなく過ごせるっていうのに、よりによってこんな、性悪河童に拉致されるとは。早く茂吉探してあげてください。この2人、顔からして、こずるい感じが漂ってますね。茂吉にお仕置きしてもらいたいです。しかし、又遊郭なんかに連れていかれたら、ほんとにクルミは売られたと思って、傷が深くなってしまうんでは・・。眠ってる間に三吉や茂吉が見つけていいんですが・・。

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こんにちは~~(^0^*)ノ

ああっ!!!もう大変なことに!!!
とんだ狐さらい達!!!!!
でも、ひょっとしてこれは、あの伏線???
だったら良いなあ~~~~~
だったらだったら本当に良いなあ~~!!!!!

どちらにせよ、ああ・・・・・・
次が待ち遠しい!!!!!!
でもって・・・
甘酒ノミタイ!!!だって急に寒くなったし・・・
葱焼きもあんこ入りのお餅も美味しそう~~!!!
・・・・・・・・
お腹空いちゃった・・・(笑)

なんてこと!
要するに、クルミは誘拐されたってこと?
早く見つけてもらえるといいですね。
いよいよ、茂吉の出番で(=^x^=)?

こんばんは~~♪
クルミちゃん 心配してたらやりたい放題楽しい事してるじゃないですか(。^p〇q^。)プッ
でも甘酒飲んで寝てしまったのはまずかったですね。
・・・・ってその前から悪い奴らに目をつけられちゃってたんですね。
やっぱり子供にはちゃんとした大人が必要ですね。
早く茂吉さん達がきてくれないかなぁ。

ぬう……また悪いやつらが出てきましたなあ。

味方になってくれそうな人が東雲楼にいるわけがないし。

いやもしかしたら五黄の大将かノン吉兄ィが……。

都合よくいるわけもないしなあ。

クルミちゃんには己の機転でなんとかしてほしいものであります。

がんばれクルミちゃん!

こんにちは^^

なんと!!拐かされていたのか。

どこの世界にも悪い奴はいるものだわ。

河童たちにもお灸をすえてほしいな。



身体を冷やさないようにしてね。

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llama姉さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

風邪は中々、治りません。
しつこいというか、なんつうの?
いい加減、飽きてきたよ
悪ガキちゃんはお昼寝しています。
大食い大魔王に変身中です。
ぷぷ

遊郭でございます。
なんでそうなのかねぇ
わかりませーーん。
意地悪じゃないでぇ~ーす。

チンピラ河童でございます。
憎めないキャラになれるといいけどね。
どうかな?

ウマそうでしょ。
外はこんがり、中がじゅわぁ〜っと
滴り落ちる。
香ばしい味噌が鼻腔をくすぐる。
ニャハハハ
山椒味噌もいいなぁ〜
柚子味噌もいけるな
v-391

Mieさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

不運なことです。
ほんの少しでも時間がずれていれば
河童たちと会うこともなかったのにね。
それも運命のいたずらなのでしょうか

おおーー
一度だけ食べたことがあります。
お醤油をかけて食べました。
大人の味ですよね。
v-410

limeさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

束の間でしたね。
僅かな時間でも楽しかったと思います。
あんこ入りは上手いよね。
熱々なのがミソですね。
ぷぷ

どうか生ぬるく見守ってやってください。
災難を転ずることができるか
クルミのお手並み拝見です。

可哀想に・・・
私もずっとひきっぱなしですよ。
咳と痰が夜になると酷くなるの。
熱はそんなに高くならないのだけど
ずっとだから、疲れるよ。
limeさんも無理しないようにね。
v-410

うにゃままちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ひいちゃっているんだよ。
いい加減飽きてきたよん。
うにゃままちゃんも大事にしてよう。
寒いのも嫌だよねぇ。

負けちゃいましたね。
やはり子供ですものね。
久しぶりの一人。
気ままに遊びすぎましたね。

なんとかなればいいけど
この先はクルミの力試しです。
福と成すか
応援、よろしくお願いします。

大人たちにも試練でしょう。
それも大切なことかもしれません。
v-410

園長さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

そうだったのです。
居ない者は探しようがないよね。
紋次もお手上げです。

ぷぷ
茂吉は怖いですものね。
おおーー紫狼ちゃんも怖いです。

モチのロンでございますよ。
ここは猫国でございます。
良い者が得をする世界です。
v-410

LandMさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

アウトロー達にも仁義はあるはず
イヤ、無くてはならないのがこの世界です。
現実世界のように醜い鬼畜はいりません。
しかし、世の中
百鬼夜行のようでござますわ
v-37

むらななちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

どっちでしょう?

性悪のチンピラ河童ですね。
ぷぷ
茂吉も必至になっています。
流石の紋次も卍宿を出ていてはどうにもなりません。

遊郭に売られてしまうのでしょうか
本当に哀れな子狐ですよ。
間が悪いというのでしょうか
どうか応援をしてやってください。
v-410

かじママちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

あの伏線?
どの伏線でしょうや?
書いてる本人もわかってなかったりして
ニャハハハ

いつか連れて行きたいね。
かじママちゃんの猫国レポートなんて見てみたいものだ。
甘酒、美味しいよねぇ〜
こんな素敵な飲み物、他にないよねぇ〜

私も!
ぷぷ
v-16

きらたるちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ハイ、そうでござります。
残念ですけどね。

これからはクルミ本人次第かな。
v-410

りんだちゃん、いらっしゃーい!


こんにちはー

楽しかったでしょうね。
子供からしたら屋台村って夢の場所だろうね。

全く以てその通り
ちゃんとした大人が付いていればねぇ
これも運命なのでしょう。
v-390

ポール、いらっしゃーい!

こんにちはー

出てきました。
ニューフェイスでございます。
ぷぷ

都合よくいるのが猫国ですけど
今回は居ないです。
へへ

クルミの才覚しだいですね。
余りに幼いが仕方ないことです。
v-390

どーちん、いらっしゃーい!

こんにちはー

かどわかすなんて言葉
よくまあ、すぐにでること。
時代劇通でござるな
ぷぷ

クルミに任せましょう。
これからは独りで頑張るしかないのです。

急に寒くなって冬らしくなった。
このために普段から脂肪を蓄えていたのだ!
おそれいったか!
ニャハハハ
v-16

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Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
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