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クルミ 19 三吉の話 

前回

思わぬ三吉の告白に驚く茂吉、二人の行動の理由を知ることになる。


はじまり、はじまり


「三吉、わかりましたよ。あの厭な親は紫狼がどこかに連れて行きましたよ、二度とここには来ません」

本当!?でも、それじゃ違うとこに出されちゃうのかな...」

「とんでもないですよ!クルミも三吉もとてもとても役に立ってますよ。居ないとあたし達は困ってしまいますよ、どうしましょう...三吉、どうしたらいいのでしょうね?」

「それなら大丈夫だよ!明日、紙芝居小屋の裏で待ち合わせしているんだよ。おいらと約束したんだ。だけど、連れて来ても怒っちゃ厭だよ-」

「怒るわけありませんよ。でもどうしてそんな事を言ったのでしょうね?」

茂吉の焦る気持ちが手に取る様にわかる恵み子達は、三吉に気づかれないようそっと部屋を出る。急いで町に出掛けクルミを必死に探す。夜空にクルミ1人、置いとくわけにはいかない

「三吉、どうしてクルミは売られて来たと思っていたのでしょう?」

「うん...よくわかんない。けどね、クルミの姉ちゃんは売られたんだって!」

「あたしもそう聞いてます」

「あんな馬鹿親だからクルミの事も売るつもりだったんだよ!クルミも姉ちゃんみたいに大きくなったら売られるとは思っていたけど、まだ小さいのにここに売られて来た。

『売られて来たけどここは大好きだし、離れたくないんだ』って言ってたよ。だけどね、クルミはね、皆みたいにお勉強もしてないし、皆の役にも立ってないって...病気したりして迷惑掛けてるって、、、そう言ってたもの」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります

sankichinohanashi.jpg

茂吉は溢れる泪を拭いもせずに泣いた。

「どうしたの?父ちゃん先生、すごく泣いてるよ」

「三吉、あたしはクルミが可哀想でなりません。そんな辛い気持ちを抱えていたのかと、、、そんなことにも気が付かないあたしはとんだ愚か者です」

「そんなことないよッ、父ちゃん先生!クルミは父ちゃん先生も、紫狼兄ちゃんも、クヌギ姉ちゃんも皆、皆、大好きなんだよ!だけど、皆みたいにお勉強してお役に立ってない事が心配なんだよ」

「そうだったのですか?お前達は並の恵み子ではなかったのですものね。何故、まだお勉強しなくていいのかをきちんと説明して上げればよかったのですね」

「おいらも不思議だったんだ。このままだと普通の子と変わらないもの」

茂吉は『子供返り』を説明をする、三吉は納得した。

「なんだぁ-、そんな事だったの?それならこれからは堂々と遊べるよ~」

「三吉は遠慮してたのですか?」

「勿論だよ!恵み子なのに勉強もしないで遊んでばかりいて良いのかな~?って。だってさ、何かお仕事している兄ちゃんや姉ちゃん達にきまり悪くてさぁ」

「これからはお墨付きがありますから威張って遊べますね?」

「うん、えへへ」

茂吉は半分ヤキモキしながらも三吉と話していた。子供というのは知らぬ間に驚くほど成長しているものだと沁みじみ感じる。

考えてみれば自分の幼い頃、いつも年下の子供達が一緒だった。だがクルミはどうであろう?あの子の周りは大人ばかり、、、ここに来てもそうであった。

そんな中にいて、子供らしさを求める事自体があの子には苦痛だったのでは?大人に囲まれていれば否応もなく大人びる、そんな子に『子供のままでいなさい』と言っていた、、、

最良の環境を与えているつもりだったがそうではなかった...さっそく明日から保育園に連れて行こう!まずそこからあたしは考えを改めなくてはならない、此の歳になっても判らぬ事は多いい。

茂吉は考えながら三吉を宿舎に連れて行く。賄いの者に三吉の食事を支度する様に言う。

「三吉、それでは明日必ずクルミを連れてきましょう、あたしも一緒に行って良いですか?」

「ぇえー!?そんなことしたらおいらがお喋りだってバレちゃうよ~」

「そうですか...それなら後を付いて行くのなら構いませんか?クルミには、偶々出会ったということにしましょう」

「うぅーん、そうだなぁ、、、父ちゃん先生もクルミが心配だものね。わかったよ、そうしていいよ!」

「ありがとう。そしたら三吉はご飯を食べて寝なさい、あたしはまだ御用がありますからね」

はーい!

食堂に駈けって行く。茂吉は急いで校庭に出ると戻って来た恵み子達と会う。

父様先生!どこにもおりませぬッ

「商店街の裏通り等も探しましたが見つかりません!」

「そうですか、他の者達は?」

「もっと先を探しに行ってます」

「わかりました、それでは少し待ちましょう」

茂吉達は校長室でヤキモキして待っていた。帰ってくる恵み子達は皆、首を振る。流石の茂吉も耐えきれず、とうとう紋次に言う。

「紋次、クルミを探しておくれ!

「罪人でなくとも宜しいのですか?」

勿論です!、こんな夜にあの子を外に置いておけません、野宿なんてとんでもない事です!風邪でもひいたら大変です!」

クルミは既に恵み子なので病気には罹(かか)らない、茂吉はそんなことも忘れている。暫(しばら)くすると紋次は尻の動きを止める。

「茂吉様」

「どうです?見つかりましたか?」

「おりませぬ」

何ですって!?もっとよく探しなさい!」

「はい、ですがクルミ様の御気配がございませぬ」

「どういうことです?」

「此の界隈にクルミ様の御気配は、、、ございません」

クルミがこつ然と消えた・・・





つづく


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この界隈から、クルミが忽然と消えたですってぇ!?
姐さん、何処に隠したんじゃ!?
そんな心配を抱えて、一週間を過ごせと言うのんか???
私の病状が進んだら、姐さんのせいだからにゃ!
ガラスのハートは、脆いんだからねっ!

にゃはは、姐さん、おこんばんは~m(__)m
挨拶も忘れて、書いてましたわな^^
今日は一日、駆け足の連続・・・にゃんとか間に合いましただよ。ふぅ

ありゃま、左に木登りおーちゃんの写真が・・・わいるどだぜぇ!
チョットの間に、ずいぶん大きくなったね。
キトン時代はあっという間。
振り返ると、実に早いものだわにゃ。
大変だったけれど、今じゃあの頃が懐かしいわさ♪

ん~~?
クルミは何処に消えたの?
きっと誰かが連れて行ったのか・・・?
何処へ??
気になって今夜は眠れないかも・・(-ω- ?)
ぴゆうさんは罪作り・・・。

っていうか・・・ほんとうにどうしたの??

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子供って不思議なもので。

勝手に遊んでいなさい、と言われるよりも、わあ、役に立つわあ、嬉しいなあ、と言って上げた時の方が、何倍も嬉しそうな顔をするんですよね。
誰かの役に立ちたいって、小さい心の中で常に願っているんですよね。健気です><

だから虐待されたとき、自分が役たたずだからだと思ってしまう。
大人って、本当にそんな繊細な子供の気持ちに、ちゃんと気づく責任がありますよね。
茂吉も、幼い子に教わることが、まだまだあったようで^^
そんなことが、しみじみ感じられます。
茂吉がちゃんと涙ながらに反省する姿に、ぐっときますね。

さて、クルミちゃんは、大丈夫なのかな?

みんなが、必死に探してるのに、見つからないなんて、なんだか嫌な予感がしましたが、クルミは一体どこに消えたんでしょうか?気配がないってことは、この世界に存在しないってこと?えー、どこに行ってしまったんでしょう。茂吉の動揺が手に取るようにわかります。心配事も無くなって、これから心置きなく過ごせるのに・・・。早く茂吉探して、クルミが戻ってこれるようにしてほしいです。

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え〜〜〜消えたって〜〜
お願い、どんな手を使っても探して〜
ひとりぼちっでかわいそう〜
次回は、元気なクルミちゃんを登場させてね。
お・ね・が・い。

それにしても、いるだけで、宝なのに
役にたつとかたたないとか・・・不憫ね。

紋次にさえ 探し出せないって
もう 神隠しなんじゃ・・・

恵み子だから病気にならないってことを
忘れるくらい 取り乱して心配する茂吉の
なんて慈悲深いことだろう(T T)
この涙を見ていたらクルミも
潜在意識にまで凍り付いている
疑いの氷河が溶けていただろうになぁ。

それにしても
こんな寄宿学校が人間世界にあったら
どれだけ世の中が幸せになることかと思うわ。

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こんばんは~(^0^*)ノ

わあ!!クルミ、何処行っちゃったんだろう??!
みんな心配で仕方ないよね・・・・・
そんなに遠くへ???
ひょっとして、
桃吉とかオロとかが見つけてくれてたりしたら良いんだけど・・・
それとも、久々のノン吉様の出番かな???
クルミのことは心配だけど
ぴゆうさんの猫国だから悲しい事にはならないはず・・・
だから逆に、これからの展開がめっちゃ楽しみですo(^^*)ov-238

さらわれた?

逃げ出した?

いずれにしても早く見つけ出さないと、なにが起こるかわかりません。

うーてんと烏天狗軍団に頼めば、見つかる……かなあ。子供の足ではそう遠くまで行けないはずだからなあ。

ここで善人の旅芝居一座の馬車に拾われて大冒険が始まる、なんてことになったら百話かかってしまうしなあ。いやそういうのも嫌いじゃないけど(^_^;)

いずれにしても次週が待ち遠しいであります。

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こんばんは~~♪
え~~~くるみちゃんの気配もないということは
何が起こってるのでしょう??
心配・・・
今日の絵はとっても優しい雰囲気がでていますね。
色使いがほわんとして癒されます。

こんばんは^^

近くに気配がない!?

空を飛んだのか、瞬間移動したのか?それとも川下り?

幼いクルミではそう遠くへは行けないはず・・・

良い出会いがあったことを期待して。



使い捨てカイロを買いました。^^

急展開ですね(°°;)
もはや狐夫婦の仕業とは思えませんが

次で某探偵みたいにイイトコ取りであの大きなお猫様が何事もなく解決…
ってことにはならないですよねぇ(´・ω・`)

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クルミはどこへ行ってしまったの?
すご~く心配だよ~。
早く探してあげて!!

子供って大人が考えもしないところで色々考えたり
悩んだりしてるんですにょう。
自分は皆の役に立ってないから必要ないなんて可哀相。
三吉は理由を聞いて安心したけど、早くクルミにも説明
してあげられるといいね。
 
お兄さん、お姉さん恵み子たちの気持ちも知らずにどこで
どうしてるの?クルミちゃん。早く出て来~い。

こんばんはー

 クルミさんはどこに行ったのでしょうね……

 私みたいに、<新しい世界>を探しに行ったのでしょうか? あの時は見つからなかった。空腹で体が満たされたあの漠然とした悲しみの旅に出たのでしょうか……おそらく違う理由だとは思いますが、もしかするとv-291

 子供の自由の翼を信じれば、大人の忘れたものを思い出させ進化を促す。
 年の離れた人間と接するのも意味のある事だと痛感する、最近の私であります~

llama姉さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

知りませんがな
ぷぷ
ガラスのハートがヤキモキしませんように
切に願いまする。
ニャハハハ

いつも本当にありがたいことでございますよ
幸せ者のぴゆうです。

もうね、二倍になったよ
横幅も大きくなっているの。
でも赤ちゃんだから動くものに興味津々だから
耳がピコピコして、目がキョロキョロしている。
早いよねぇ〜
v-283

きらたるちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

何処に行ったのやら?
次回で納得してもらえるかな
いい睡眠ができますように
眠るって大事だものね。
ぷぷ

ストレートな質問にタジタジでござる。
v-388

limeさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

全くですね。
何かを任されると、一生懸命に守ろうとする。
子供の素直なところですよね。
素晴らしい精神を持っているのですよね。

役立たずとか要らないとか
産まなきゃ良かったとか
まあ、数知れないほど悪口雑言の刃
心はズタズタになりますよね。
ここでの暮らしで癒やされていたのか
それとも違っていたのか

茂吉も勉強したと思います。
過ちては改むるに憚ること勿れ
実践できてこそ徳あるものと云えますね。
v-410

むらななちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

嫌な予感しまくりですよね。
幼子が一体何処に行くというのでしょう

本当にそうです。
これからと云うとこなのに本人がいない。
困ったものです。

茂吉の心配はまだまだ続きそうです。
v-390

Mieさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

困ったのぉ〜
行方が知れるかなぁミタイナ
其のへんで勘弁して下され

全くその通り
居てくれるだけでいい
茂吉もそう思っているでしょう。
v-410

園長さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

流石の紋次もお手上げになりました。
蜘蛛の糸にも限界はあるようで

どうしようもないくらい親バカちゃんになっています。
これほど愛されていると知ればクルミの閊えもなくなるでしょうに
今はまだ先のようです。

私も思います。
現実世界は余りに酷すぎる。
イヤなニュースを見る度、
ささくれ立つ心を癒してくれるのがお子ニャン達。
茂吉達もきっとそんなだと思います。
v-410

かじママちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

流石の茂吉も焦りまくりです。
一体何処に行ったのやら
次回で原因がわかります。

残念ながら今回は登場しないのでございます。
皆で持ち回りみたいな
ぷぷ

ありがとうございます。
頑張りやーーす!
v-410

ポール、いらっしゃーい!

こんにちはー

色んなことが考えられます。
きっと其のうちの一つでしょう。
キッパリ
ぷぷ

うーてんには出番がにゃいなぁ

一応長編だから、ニャンとも云えません。
そこまで大冒険させるとややこしくなりそうだわね。

ありがとうございます。
頑張ります!
v-391

りんだちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

何もなければ良かったのですが
そうはいきませんでした。
茂吉の苦労は続きそうです。

ありがとうございます。
大好きな二人なので
フワフワになるのかなぁ〜
へへ
v-410

どーちん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ぷぷ
どうだろう?
もっとシンプルかもしれないよ。

だよねぇ〜
そうなるのか、ならないのか
見守ってくださいな


雪は降りだしたのかな
寒そう。
冷えないように防寒バッチリにしてくださいね。
v-410

大阪ちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

おおーーー
鋭いのぉ〜
ぷぷ

デカ猫なら五黄しかいないね。
今頃、遊びまわっているのかな
今回は出番がないにゃ
v-391

うにゃままちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

行方しれずになってしまいました。
次回でわかるような

全くその通りです。
心の成長って体より早いよね。
目で見えないから
いつまでも子供のままだと考えてしまう。
苦労した子は普通の子とは違う
無理やり成長させている。

心配をさせている
こんな普通のこともわかっていないのよねぇ
いつかわかるといいですけどね。
v-390

ゆうちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

何処に行ったのやら?

ポエムですなぁ〜
今回は無理やりになりますね。
でもそれも必要だったのかもしれません。

大人の世界と子どもの世界
きっちり分かれているといいのにね。
大きなドアがあってさ
沢山、階段を登らないと辿りつけない。
途中で休憩して、昇るのを止めちゃった子供たちもいたりしてさ
いつの間にか、其のドア目指して昇る子供たちも居なくなって
錆びついたドアの向こうには、子供が居ない大人の世界があるだけ
v-12

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 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
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今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

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