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クルミ 17 連行 

前回


紫狼の言葉で救われた狐夫婦。無駄にならなきゃいいが


はじまり、はじまり


ひぃひぃぃ-』情けない声を出しているお順とこん竹を術で黙らせる。

「五月蝿くてかなわない」

「本当です!それではさっそくガス先生の元へ連れて行きます」

「その前に紋次の糸を付けておこう」

「ああ、それは気が付きませんでした!それなら、ガス先生の所より逃げ出せば直ぐに判ります」

「紋次、おるか?」

「はい、ここに」

紋次は大きな机の上で文鎮のようにしている。よく見るとテントウ虫や蜻蛉がオブジェのようにジッとしている。

お順とこん竹は蜘蛛が話すのを見て、信じられない事ばかりに驚く、ついには考える事も出来なくなってしまう。

「此の者達に蜘蛛の糸を付けておくれ」

承知!

紋次は机からポトンと落ちるとお順とこん竹のそばに素早く来る、尻を向けユラユラ振り出し、振る度に体は大きくなり三十センチ程になる。

今度は尻から細-い、細ーい糸をより出し二本の糸に分ける。その糸を引っ張り、強さを確かめるてから二人の尾の先に付けた。

「ふふ、綺麗に付いたの」

「お褒めに預かり、恐縮です!」

紋次はそう言い、途中の糸を茂吉に渡す。そしてユラユラ尻を振り糸を吐き出して行く。かなりの長さになった。

「茂吉様、此の長さなら大丈夫だと思えまする」

「紋次、すまぬな」

二人は糸を切ろうとあがいている。

「紋次の糸を切ろうとあがいても無駄な事」

「さて、紫狼、お前が連れて行くが良かろう。ガス先生に宜しく伝えておくれ」

「畏まりました」

紫狼は二人の尾に付く糸を持つとそのまま歩き出す。糸は絡まる事なくするする繰り出される。校庭に出て呪文を唱えると白い雲が足下に階段となって延びてくる。

コン竹は悄気(しょげ)返り、お順はどうにでもなれと不貞腐れている。二人の糸を引っ張りその雲に乗せた。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります

renkou.jpg


「これから、この世の修行をし直すが良いわ」

雲は【連傘滝】へ静かに向かって行く、、、その様子を三吉は宿舎から見ていた。何かはわからなかったが、厭な狐達を紫狼が連れて行った事は理解できた。

急いで宿舎を出ると裏に周り校舎の様子を伺う。茂吉は紫狼から三吉が狐にしてのけた恵み子として有り得ない態度を考えた。

「どうやら、クルミから何事か聞かされていたようだ、、、詳しく聞かねばならないがさて、見つかるか?」

独り言を言うと紋次が答える。

「茂吉様、紋次が見つけますか?」

「まさか、罪人ではないのだよ。ふふ、三吉はかくれんぼをしているのだよ。可愛いことよ。紋次、それより面倒を頼んですまぬな」

「かまいませぬ、此の糸の管理は透け次にさせまする」

「おお、それは良い事。紋次の仕事なら張り合いもあるから、頑張るであろうよ」

「はい。それでは、、透け次、こちらに」

「はい」

また茂吉の机からぽたり蜘蛛が落ちた。紋次より大分小さい。

わたしめの出番でございます~
嬉しゅう御在ます~、いい加減、置物にも飽いていました~」

これ!!茂吉様の御前で何を戯けた事を申す!」

紋次達は普段、用のない時は茂吉の机の上の置物になっている。紋次は文鎮をしているので始終動き回っていて忙しいが、他の蜘蛛や昆虫達は茂吉に用を言い付けられない限りは沈黙し、じっと動かない。

透け次は用を言付けられて嬉しいらしい。さっさと紋次から糸を受け取ると自分の尻の糸と結び、ユラユラ揺らしながら鼻歌を歌い出す。

♪伸ぉびろ~ぉお~♪伸ぉびろ~ぉお~♪蜘蛛の糸ぉー
♪♪細っくぅッ、しなやか美しくぅ~♪
強っくぅッ、しなやか美しくぅ~♪ユララぁ~ユララぁ~♪」

「ふふ、透け次、頼みますよ。それではあたしは三吉探しをしましょうか」

茂吉は部屋を出て行く。真に不思議な蜘蛛の糸、するすると一定の間隔を刻む様に伸びていくだけで止まったり、絡まったりもしない。透け次はご機嫌で歌っている。

三吉は茂吉が校舎を出て宿舎に向かって歩いて来るのを見て急いで隠れた。そうとは知らぬ茂吉は宿舎に入って行ってしまう。三吉は脱兎の如く駈けて行く、向かった先は校舎だ。

「はぁ、はぁ、灯台下暗し作戦だーニャー!

校長室に入ると勢いよくドアを閉める。

「あれ?三吉様」

紋次と透け次が驚く。

「へへ、おいらが此所に居ること言っちゃ駄目だよ」

「どうしてです?ああ、先程、茂吉様がかくれんぼとおしゃってました」

「えっ?あッ、そうそう。そうなんだよ!鬼が父ちゃん先生なんだから内緒だよ」

「勿論です、この紋次と透け次にお任せを」

「へへ、ありがとう。だけど此の部屋で何所に隠れたらいいのかなぁ?」

「それならば、あの本が積み上げている所がようございますよ。あそこなら、滅多な事では気が付きません」

「ありがとう!よぉーし、隠れるぞー!」

三吉は器用に本で自分を隠すスペースを作るとその中に潜り込んだ。




つづく


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脅してあぶく銭を手に入れようとしたこん竹とお順。
所詮悪いことは続かないのだよね。これからガス先生の
ところで人生やり直して醜い心が変わると良いですね。
蜘蛛の糸をつけられて逃げる事も出来ないし、きっと
長い時間かければ変われるかな?

三吉は叱られると思っているのか、隠れているつもりだけど、
どうなるのかな?クルミは?

こんばんは~~(^0^*)ノ

クモの糸面白いなあ~~!!!
透け次の糸はどういう役割をするのか・・・
次回が楽しみ~~~o(≧∀≦)o

お順と、こん竹は心を入れ替えることが出来ると良いけど・・・
糸を取ろうともがくなんてバカな狐たち・・・

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ぐふっ、紋次の登場だぁ!
んで、蜘蛛の糸つけられたかぁ!
こりゃ、愉快。
こん畜生(あ、こん竹か)ども、自分だけは助かろうと足掻くのかにゃ?(苦笑)

ま、逃げようったって、逃げられぬわな。
せめて「苦しんで生きること」を、学べればいいわ。
最終章での溜飲下りに、期待じゃ。

今日のお話を読んで、芥川龍之介を読み返したくなった。
昔からよく読んだ本なのですが、読む時々で深さを増す。
生き方に迷いを生じたときは、向かい合う。
カモメのジョナサンも・・・ね(^_-)-☆

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心を入れ替えると言うのはなかなか言葉でいうより難しいものですよね。
そのために時間がというものがあるわけですが。
人の人生は有限ですからね。
儚いものです。

おはようございます。

環境が変われば、かかわる人がよければ
変わるのかな? 心の底からひねくれているから
赤ちゃんを育てるみたいに、一から始めないとだめね。
いやいや、胎児から始めた方がいいな。

連行も、蜘蛛の糸付きなんて
ちょっと楽しそう! と思うのはワタシだけ?
こん竹とお順はそれどころじゃないかも
しれませんけどね^m^

勘違いして隠れる三吉、
上手く隠れられるのかな?
今後の展開も楽しみです。

今回の挿絵もステキだな^^
蜘蛛の糸がキレイです~♡

お順、ふてくされてるんですかぁ。ここまで来て、そんな態度取るなんて、まったく怒りを通り越して、あきれますね。なかなか人の性格や、態度は変わらないですね。果たして、ガス先生の所で、心がかわるんでしょうか・・・?三吉、上手く隠れるられるかなぁ。そうそう茂吉をだますことは出来ないと思うんだけどなぁ。しかし、そろそろクルミ戻ってきてもいいのに、何やってるのかなぁ?1人で心細くないかと心配です・・・。

本の山に隠れたところを蜘蛛の糸で縛り上げられ、クルミを連れ帰ってきた茂吉先生にふたり仲良くこんこんとお説教(^_^)

というのを期待しておりますが、ぴゆうさんはその上を行ってくるんだろうなあ。

ガス先生も狐夫婦を持て余さなければいいのですが。そういえば、あいつらには変化の術はかけないんですか? 狐国のお姫様にやったみたいに……って五黄様留守か。タイミングが悪いなあ……。

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紋次と透け次のキャラが、とってもユニークで面白いですね。
用事を言いつけられなければ、延々と置物の透け次^^
役に立てるって、うれしいもんですよね。

しかし、三吉はまだかくれんぼ?
叱られるとおもってるのでしょうか。子供らしくて可愛いけど、逃げてちゃ恵み子はつとまらないし。そして、クルミも気になりますね。

うにゃままちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

外れた道は何れ、行き止まりになるもの
深入りして戻れなくなる寸前の二人でした。
振り返れば、
自分たちがどれほど曲がった道を歩いてきたかわかるというもの
気がつく者いれば、そうでない者もいる。
どちらでしょうや

三吉もまだまだと云うことでしょうかね。
ぷぷ
v-410

かじママちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

透け次の糸は細くて長くて丈夫です。
今回は特に張り切っているので
うんと強いでしょうね。

糸を取ろうとするとビシっと絡まり、取れなくなります。
不思議な糸です。
罪人は糸付きと呼ばれ、みっともないものです。
v-389

llama姉さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

さてどうなるでしょう。
こん竹は諦めの良いタイプのようで、観念していると思われます。

逃げることは一切できません。
流石に茂吉が信頼する紋次達の蜘蛛の糸。
一度、尾に付いたら自分たちではどうにもなりません。

私も大好きな本です。
カンダタの人間らしさ、子供の時は馬鹿だなぁと考えたけど
今なら、そりゃ言いたくもなる。
筒井康隆のパロディでこんなのがありました。

カンダタは一声でも出せば糸が切れそうなので、黙々と糸を上り到頭、
お釈迦様のいる天界まで到達しようとした。
焦って覗き込もうとしたお釈迦様
いい幸いにヒョイと腕を掴むと同時に勢い良くカンダタは天界に
お釈迦様は引っ張られて真っ逆さま
蜘蛛の糸には罪人たちが山のように群がり、次から次へと天界へ
お釈迦様は慣れぬ血の池でアップアップ
しばらくすると、何不自由のない生活で人相もすっかり見違えたカンダタ
「そう言えば、お釈迦様はどうしているだろう?」
池を除くと青息吐息のお釈迦様が見える。
自分を助けてくれたと蜘蛛の糸を垂らす。
お釈迦様は何とか蜘蛛の糸を掴む
「おいおい、そんなに登っては切れてしまう」

こんな話だったような、業とは深いものですなぁ〜
v-391

LandMさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

全くですね。
染み付いた垢は中々落ちませんもの

二人にとり、長いか短いかは己次第でしょう。
儚いものにするか
甲斐あるものにするか
それも本人次第です。
v-391

Mieさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

易きに流され続けてきた二人
今までの自堕落な生活と正反対の生活になります。
不平不満だけでしょうね。

本当に一と言うよりマイナスからですね。
v-391

★すももママ★ちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

綺麗なのにねぇ〜
絶対に取れないものが付いているとどうなんだろ?
ぷぷ

バレると思います。
マダマダですもの。
へへ

ありがとうございます。
蜘蛛の糸ってロマンがあるよねぇ〜
人工の蜘蛛の糸が出来たらしいけど、
ものすごく強靭なんだよね。
宇宙エレベーターも夢じゃないのかもね。
v-410

むらななちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

呆れるという言葉がピッタリですわ

さてと?無駄な時間を過ごさなきゃいいですけどね。

三吉もマダマダ、茂吉には最強のブレーン達がいますものね。
すぐにバレバレになります。
ぷぷ

何をしているのか
v-403

ポール、いらっしゃーい!

こんにちはー

ぷぷ
いいですねぇ〜
愛らしい二人にピッタリでございます。

お蜜のように容姿に拘りがあるわけでなく
何より、性格が違いますね。
五黄は狸兵衛と魚釣りでもしているのでしょうかね。
相変わらず、遊び猫なんでしょうね。
v-391

limeさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ですね。
机には他にも色々います。
透け次は嬉しくて張り切っています。
ファンタジーの何が楽しいってこういうのが楽しいです。
^^

ですね。
恵み子というより、只の子ニャンコですね。
今はそれでいいのだと思います。
茂吉達に色々教えてくれるのが、
頑是ない子供だったりする。
茂吉もマダマダなのです。
v-410

こんばんは~~♪
蜘蛛の糸が出てくるとは・・・
それにしても狐夫婦の表情がおかしい(。^p〇q^。)プッ
本当にぴゆうさん絵が上手ですね。
それにしても三吉くんは隠れてこれからどうしようと思ってるのかしら?
くるみちゃんはどうしてるのか!?とっても心配。

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りんだちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

ファンタジーらしいでしょ
へへ

ありがとうございます。
お順の顔を描くのが楽しかったですよ
いつもだけど、きれいな顔より特徴のある顔を描くのが楽しい
特に好きなのはまま子でござる。

バツが悪いみたいな感じかしらん
いっちょ前でございますよ。
ぷぷ
v-410

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猫国の住民達の物語を書いています。
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