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クルミ 12 案内

前回

クルミの母親が居た!今日一日をやり過ごせば何とかなると、落ち合う場所を決め、二人はそれぞれに別れる。


はじまり、はじまり


三吉は紙芝居を見るつもりだったが、クルミにこずかいを全部渡してしまったので、何も買う事も見る事も出来ない。

「へへ、しょうがないから帰ろうかな-」

三吉がスタスタ歩き出すと先の方にクルミの大嫌いな親が歩いているのが見える。三吉は用心深く後を付ける事にした。

角々で恵み子の学校の場所を訊いて行くものだから中々前に進まない。イライラしながら見ていると二人の話が聞こえて来る。

「あんたあ~、まだ着かないのかねえ?」

「もう少しみたいだぜ。しっかし立派な建物ばかりだよ」

「ふふ、堪らないねえ~、
あの小娘がいい銭を稼いでくれるよ!

しっ!そんなにでけえ声で話すなよ、どこに耳があるとも限らねえぞ」

すでに三吉の耳がある。
自分の事を一瞬言われたのかと思ったが、相手は三吉がクルミの友達とは知らない。だが成る可く悟られないように少し離れて歩くことにした。

三吉が耳を大きくして聞いている事を知らない二人は、人通りが無くなると途端に話し声が大きくなっていく。

「紫狼なんて、気どった狼はちょいと脅かせばブルブル震えるよ!」

「違いねえ、俺様の鋭い眼光がものを言わせねえよッ」

「頼りにしてるよ~」

「へへ、任せなよ、その為の俺様だぜ!」

「それにしても大仰なものさね~、そんなに偉いのかよってんだよッ」

「お偉いんだろうよ、何せ恵み子様とくらあ~」

「ふふ、早く吠え面かくのを見てみたいものだよ」

「ちげえねえ、こちとら手塩にかけた子供を誘拐されたんだものなあ―」

「とんだ手塩だこと、ふふ」

三吉は聞いていて腸が煮えくり返った!
今まで生きてきてこんなに頭に来たのは初めてだった。狐達を噛み付きたくなる。あまりにクルミが可哀相で泣きそうになった...

最初はそんな親がいるのか?と半信半疑だったが、狐達の話しを聞いている内にその気持ちは吹っ飛んだ。そして『クルミを絶対に帰すものか!』と固く誓う。

三吉は気取(けど)られないように少しだけ離れて歩き出す。商店街に入ると二人の狐は大人しくなっている。その内の一軒の店に入り、誰かと話している。

男狐と店先に出て来たのは三吉達と仲良しの狸のい平だ。行き先を丁寧に教えているようだった。三吉は遠くから見ていると、何も知らない狸のい平に見つかってしまう。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
annai.jpg


三ちゃーん、こちらの方、恵み子様の学校に御用があるんだって、丁度良いからご案内してあげてよー」

「・・・・」

三吉はい平を無視して行こうとする。

「三ちゃ-ん、聞こえないの~?」

わかったよッ!こっちだから付いて来れば?」

「三ちゃん、いけないよ、どうしたのさ、あれ?そう言えば、く・」

あ゙あ゙あ゙あああーーーーーー!い平の兄ちゃん!わかったからわかったからねッ、さっ、どうぞどうぞ、こちらです!」

三吉はそう言うと、二人の手を引っ張って連れて行く。

「三ちゃん、またね~」

い平は飽くまでも暢気(のんき)である。暫(しばら)く行くと二人の狐が文句を言い出す。

「ちょいと、そんなに引っ張らないでよ!」

「おい何だよ、そんなに・・ったく、痛えよッ」

「ふん!おいらが握ったくらいで痛いなんて大人の癖に弱虫だよ」

「なんてまあ、こづら憎い事を言うガキだよッ、放しやがれ!」

「たっく、爪立てやがってよッ、あ~あ、跡がついちまった...」

「ふん、なんだい!それぱっかしで、アッカンベーだ


何だとぉおーーッ!


あんたッ、尻の一つも叩いてやんなッ!」

一目散に逃げて行く、捕まる気はない。急いで校庭を抜け宿舎に逃げ込むと紫狼の元に駆け込む。


紫狼兄ちゃ-ん!こ、怖いよぉーーーッ!


「どうしたのです?そんなに怯えて...あれ?こんなに震えて」

三吉は態とらしいくらいに震える。
なんとしても奴らを追い出すのだ!自分に無体な事をしたと紫狼を怒らせ、あいつらを帰してしまおうと考えた。騙す事になるがこの際、クルミの為である。猿芝居でも何でもするつもりだ、狐達は凄い勢いで追いかけて来た。


隠れてるんじゃないわよッ!


出てきやがれーッ!此のクソガキッ


大声で叫んでいる。三吉は必死の形相で震える(ブルブルブル)中々真に迫っている、騙そうと必死だ。紫狼は三吉の様子に不思議がる。どうしてこの子がこんなに震えているのか?何か理由があると三吉の小さな背中を撫でながら思う。

「わかりましたよ、安心してここに居なさい」

紫狼はうるさく怒鳴っている狐達を黙らせる為に外に出て行こうとする。

「紫狼兄ちゃん、あいつらおいらに酷い事をするんだ」

紫狼はニコリと頷(うなづ)き出て行った。三吉は様子を見ようと後からコソコソついて行く。宿舎の玄関口に風体の良くない狐達がいた。




つづく








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三吉くん、非常事態だとはいえ、せめて紫狼さんくらいには本当のことをいいましょう、そのくらいの事情はわかる人だから、と意見したくなるのはわたしが世慣れてないからですかなあ。

次の日、クルミちゃんを単独行動させたことで廊下にバケツ持って立たされてなければいいけどなあ三吉くん。

紫狼さんがこの鬼母にキレてしまったら、とか、心配事が増えるばかりであります。毅然としながらも穏便な対応を期待いたします。

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うわあ!!

偶然来たんじゃなくって
恵み子の学校と知っていて、たかりに来たのね!!!
なんてやつら!!!
本当に、こんな女狐!親なんかじゃない!!!

でも、これからぎゃふん!!と言わされるのよね??
あーーーーもーーーーー!!!
早く、ぎゃふんと言わしてええええ(≧Д≦)o

欲深い人は、どう転んでも欲深いんですね。
まさか、更に因縁つけてたかろうとするとは。
でも逆にここまで勧善懲悪なら、容赦はいらない感じです。
紫狼、頼みますよ~。
とはいえ、クルミちゃんの方は、母親がギャフンと言わせられても、悲しみは一緒なのでしょうが・・・。

姐さん、おこんばんはm(__)m
あいや すまねぇ・・・一日間違えちまってたよぉ(汗) 

金狐酒(喜びの酒 松竹梅♪ によく似てるにゃ~)・・・菰樽見本に描いたね?
しかし、懐かしい酒だ。
飲めない人間がどうして うまく描くもんだわにゃ^^
向かって右下に覗く グリーンの耳は・・・あぁ 三ちゃんだね。
相も変わらず手の込んだ挿絵だ。

もうね 端っから呆れ果ててさ 大概の事では腹も立たないさね。
バカ狐らが!!

ふ~~~ん、そうか、ついに紫狼と対峙するときがきたか。
こりゃ見物だわな。
紫狼のお手並み拝見だ~ね!

・・・て 「つづく」 だったさ(爆)

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想像だけど たぶん紫狼は
「普段温厚な者ほど怒らせると怖いものない」の
見本みたいな人物・・・いや狼物なんじゃないかと思うな。
だから 睨まれてブルブル震えちゃうのは
狐の二人連れ、
だって だいたい普通でも
狐は狼にはかなわないもの~♪

まったく、この2人は・・・・。紫狼にこってり絞られて、2度とクルミの前に現れないようにしてほしいです。でも、学校に隠れた方がクルミは安全だったんじゃないかな・・?1人で大丈夫でしょうか?でも、この親の心根の汚さは、どうしたらいいでしょう。きっと、諭しても絶対わからないと思います。どうしたら、ここまでお金の事しか考えられないんでしょう。2りの会話を聞いてると、むかむかします。反省って言葉しらないのかな・・・?

愛と所有欲は違うものですね。
一緒のようで違うのが妙なんですよね。
そういうことが分かる分からないがまた大人の妙なんだと思いますが。
大人になりきれない子どもは今も昔も多いものです。

遅くなりました~~!

もう、どこまでバカ親なのか・・・。
呆れてものが言えない・・・って、このことじゃないかな?
紫狼は、どんなふうに対応するのか・・・。
楽しみだぁー!
三吉は叱られるかもねぇ~。
クルミにお金まで持たせて勝手に逃がしちゃったから・・。

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おはようございます~~♪
遂に恵み子の学校まで押しかけちゃったのですね。
この母親が改心することがあるのかしら?
こんな親の元に生まれたら悲劇ですね。
くるみちゃん可哀そう~~その分幸せになって欲しい。
でも一人で今頃どうしてるのかしら?
良くないことが起こらなきゃいいけど・・・・

ポール、いらっしゃーい!

こんにちはー

とっさの事というので勘弁してもらいましょう。
ぷぷ

そういう心配もあったのか。
さて、どうなることやら

紫狼がどんなに穏やかな恵み子だとしても
無理だと思うけどなぁ
へへ
v-389

かじママちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

全くその通りでございます。
どうして知ったものやら
理由は後々、明らかになります。

いつになるか
どんな手を使うのか
脅しをかける相手を間違っていますねぇ〜
ぷぷ
v-389

limeさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ですね。
転んでも只起きないって、本当にあるんですよね。
根本が間違っている者を正すというのは
とてもの事じゃないが出来ないのです。

これは真理ですね。
親子は難しいです。
v-390

llama姉さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

そんなこと気にしないでぇな
ぷぷ

勿論だよ。
そうでないとわからないもの
呑まないし
へへ

ほっほほほ
三吉に気がついたにゃ

これからウンと腹が立ちますよ。

紫狼にはねっ
控えているから
安心してねぇ〜
v-392

園長さん、いらっしゃーい!

こんにちはー

ぷぷ
突いてますなぁ〜
ある意味、正しいでござーーる。

震えるだけならいいけどね。
もっと敵わないものがいたーーーー
ミタイナ

これから、
スカッとしてもらえるといいニャ
v-392

むらななちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

むむ
何気ない感想の中にストーリーがある。
ニャンてね。

クルミも三吉もマダマダなのですよ

知らないようですね。
振り返ることを一度だってしたことがないのだから
大事なことなのにね。
v-410

LandMさん、いらっしゃーい!

こんにちはー

所有欲と見栄って似ている気がするなぁ〜
本当に必要なものって
そんなにはないのかもしれない。

言い換えれば、子供のままでいる。
それって不幸なことだよね。
いつか、それも大失敗して気付かされる
子供は子供らしく
大人は大人らしく
大事なことかもしれない。
v-410

きらたるちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

本当にそう
全くその通りですね

紫狼も中々ですよ
楽しみにしていてね
ぷぷ

どんなことになるか
幼子に振り回されるのも
楽しんでいるかもしれないね。
へへ
v-410

りんだちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはー

とことん阿呆な欲深狐でした。
恵み子を脅そうなんて
欲で頭がおかしくなっているのでしょうね。

クルミの悲劇ですね。

今頃、どうしているのか
これからですね。
クルミも頑張らないとね。
v-392

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 三吉君って肝がすわってますね~
 私が同じ状態だったら本当にガクガクブルブルするばかりでしょう。普通にこの状況は怖いと思います。ビバ臆病者~

 しかし、こういう隠れてる時に限って声かけてくる空気読めない的な感じの人って結構いるんですよね~悪者の目を盗んでこっそり子供を助けようとしてるところに、大声で「何してるんですかー?」って……ああ、それはこのまえのTVドラマの中の話でしたv-519

ゆうちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

何せ三吉は世の吉父ちゃんとお陽母ちゃんの怒鳴り合いには慣れています。
馬鹿な大人の扱いは手馴れています。
それなりに冷静に判断したのでしょう。
ぷぷ

今で言うKYな奴ですよね。
狸はいいようですが、それだけですね。

制作はどうですか?
焦らず、完璧なものを目指して下さいね。
楽しみにしています。
v-410
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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いろいろ
今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

母のみーです。 mi3.jpg

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娘のぽーです。 po1.jpg

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