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クルミ 10 ねぇ、クヌギ姉ちゃん

前回

やっと健康になり、初めて我儘も言ってみる。オドオドしているクルミを皆の温かい愛情が包み込む。


はじまり、はじまり


もっともそれはクルミにとってであって、紫狼や他の恵み子達は茂吉が居ない間の体制を整えていたのだった。漸(ようや)く準備が整ったので茂吉も安心して里帰りを決めた。(本編九章参照)

茂吉は菰傘村にひっそりと着きたかったので夜に旅立つ事にした。夕食を終え皆で見送る。

「父様先生、お気をつけて」

「今から、わくわくするよ」

「本当にお久しぶりですものね」

「それじゃ、行って来るね、クルミはいい子にしてるのですよ」

「校長先生、何処に行くの?」

クルミは茂吉の事だけは校長先生と呼んでいる。中々恥ずかしくて父様と呼べないのだ。茂吉はそんなクルミにいつか父様と呼んで欲しいと願うだけである。

「ふふ、里に帰るのだよ」

「どこ-?」

「菰傘村だよ」

「直ぐに帰って来る?」

「ふふ、帰って来るよ。それじゃ、後は任せたよ」

「はい、いってらしゃい」

そう言うとひらりとジャンプして行ってしまう。クルミは驚いた。


きゃぁあー!校長先生が飛んでったぁー!


紫狼がニコニコして言う。

「クルミ、父様先生は凄いでしょう?」

「うん、おびっくりしたッ!

「ふふ、さっ中に入りましょう」

それからのクルミは茂吉が出掛けて行った理由をクヌギや紫狼に聞いた。何でも、自分と同い年の恵み子を迎えに行ったらしいのである。

その子の様子によっては今回ではなく、もう少ししてから連れて来るかも知れないと教えてもらった。クルミはその夜、ドキドキして眠れない。

自分がここには居られなくなるかも知れないと考えたからだ。クルミはここで暮らして二年になり、ここがどんな所なのかは少しだけ理解してきている。

紫狼以外の恵み子達は仕事から帰って来ると忙しそうに資料を抱え、其れぞれが勉強部屋や図書室に入って何やら難しい顔をして机に向かっている。

そんな光景を毎日のように見ていた。紫狼にそのことを言うと、『皆お勉強をしているのですよ』と答えてくれる。『自分もしたい』と言っても『もう少し大きくなってからね』と、答えるだけである。

他の者に言っても『クルミは遊ぶのがお勉強だよ』と言われてしまう、、、つまらないので、いつも広間で積み木遊びをしていたが、その内に勉強部屋にいるクヌギにまとわりついて遊んでとねだる。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
kunuginechan.jpg

クヌギは余程のことが無い限りは、遊び相手をする。甘えるクルミが可愛くて仕方ないので、皆の邪魔にならないように広間に移動すると本を読んで上げる事にした。クルミはもう殆どの字も覚えたし、漢字も大分読めるようになっている。

「ねえクヌギ姉ちゃん」

「なあに、クルミ」

「ねえ、皆どうしてお勉強しているの?」

「そうねえ、、、

クルミはお勉強したいのね?だけど今に沢山出来るわよ。あたし達のお仕事と言うのはお勉強をし続けるようなものなの。一生懸命にすることが大事なの、それが此の世界の人々のお役に立つ事なのよ

だから、皆頑張っているのよ。父様先生なんか、もっともっと頑張ってきたのよ、お休みも取らずに...凄い父様だわ。だからあたし達もお役に立てるようにこうして頑張ってお勉強しているのよ」

結局、クヌギも今はしなくていいと言う。だがクルミは此所に居るものは(勉強をしなくてはいけない)そんな風に理解をしてしまう。

クルミは焦る。表面上は何の変化もないので誰もクルミの心はわからない。紫狼でさえ全く気づかなかった。

そうしてイライラが少しづつ高まっていた時、茂吉が三吉を連れて来た。クルミはまず様子を伺った。三吉が自分よりどれほど優れているかを確かめなくてはと思う。

話してみても自分より優れているとは思えなかったが所詮は六歳の子狐、そんな気持ちはいつの間にやら薄れてしまった。

初めての同い年の友達が出来たのである、寝るのも遊ぶのも一緒、クルミと三吉は大の仲良しになった。三吉が何かと分からない事を訊いてくるのもクルミは嬉しい。

知っていることを答えているとお姉さんにでもなった気がして気分が良かった。三吉が来て一年程経ったある日、クルミと三吉は町中に遊びに行った。

卍宿は、恵み子の学校を中心として、他の学校郡があり、取り囲むように関係者の施設や卍宿病院、御係所に行く者の宿泊施設、それを当て込んだ商売の店があるという大変に賑やかな町である。

三吉は町に遊びに行くのが楽しくて仕方ない。菰傘(こもかさ)村にはなかった店も多く、何しろ色んな種族の姿が見れるのも楽しい。

子供達が町に出るのを茂吉も紫狼も最初は渋ったが、団栗銭(どんぐりせん)の使い方や色んな種族、色んな商売を知るのは勉強になると他の恵み子達に言われ仕方なしに承諾した。

初めは非番の者や紫狼がついて行ったのだが、その内に二人で出掛けるようになる。時間になればきちんと帰って来るのでいつしか誰も気にしなくなった。



つづく

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非公開コメント

そうか~、クルミは他の子と同じように勉強がしたかったんだ~。
なのに、まだ、遊ぶのが仕事と言われて、つまらなかったのか~。
わかるような・・・わからないような・・・。
勉強をしなくていいと言われれば、したくなり・・・。
しなさいと言われれば、したくなくなる・・・。
不思議だけれど、そうなのよね~。
でも、クルミは、三吉という友達ができたのでよかったね~~!
これから、兄妹のように支えあって生きていくのだろうな・・・。
私も、うれしいな・・・。

よれよれ姐さん、こんばんべ~^^
ふふ・・・殿すけ相手に、相当の苦戦を強いられているようだにゃ(笑)
ま、それも楽しみの一つじゃてな。
せいぜい頑張って、母ちゃん業に精を出しておくれな。

うーーーん、クルミの心は複雑だね。
子供とはいえ心の屈折は、他人には計り知れないもんだからね。
でも、三吉と一緒なら大丈夫・・・な気がする。
これから支え合って、伴に大きくなるんだろうね。

支え合うって、大切だもの。
姐さんと私も、支え合ってる。
姐さんとにゃん達4人も、支え合ってる。
私と伽羅も、支え合ってる。

そういう大事な物を気付かせてくれる。
「ここ」は、素敵な場所だね^^

デカい「白ちゃん」のサービスショット、ありがとうです!
久々に見て、心和みましたと、お伝えくだされ。ぷぷ
何度も言うけれど、蛍の照明・・・いいね!!
これがホントの「蛍光灯」だわ(笑)

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三吉の存在に、クルミちゃんちゃんは最初、気が気ではなかったのですね。
自分の後から来た子が、自分より優れていたら、自分の居場所がなくなるんじゃないかって思うんでしょうね。
弟や妹が生まれる時に、似てるかな。

でも三吉はいい友達(弟)になりそう。
これから二人で成長していくんでしょうね。

おはようございます。

>おびっくりしたッ!
かわゆい。うちの中学生が、小さい頃
「お」をつけたら丁寧になると知って、連発していた
時期がありました。懐かしいわ。

クルミちゃまの心が、すくすくと育っている様子
ほっとしました。ほんと、環境は大切ですね。
そして、同年代のお友だちを得て、さらに
豊かに成長していくことでしょう。

クルミちゃんの気持ち、
分かる様な気もするな~
良くされてるけど、ちょっと寂しかったりしたのかな?
でもワタシは、勉強はしたくナーイ!!!(笑)
そんなトコロにやってきた、三吉。
2人はいいコンビになれそうですね^^
やっぱり子供の内は、
同じ年頃の関係って大事な気がするから。

昨日はお祝いのコメント、
ありがとうございました♡
長くやってるだけのブログなんですが…(汗)
5年目もどうぞよろしくお願いします^^

自分に価値がないと捨てられてしまう不安から
無意識にいい子になって頑張る。
クルミちゃんが勉強しなくちゃと焦るのも
たぶん そんな不安からなんだなぁ。
でも ちゃんと甘えられるようにもなってるし
友達もできたし
本当に安心できるところに来られて良かったよ(泣)

私も人間以外の種族も一緒に生活するような
面白い世界に行ってみたーい(^o^)/

勉強の価値はね。
意外に大人になってから分かるときも多いですよね。
まあ、勉強したいときにするのが一番なんだと思います。
一番いいのは、将来なりたい職業を目指して勉強するのが一番であって、
それを考えると、いかに、親が大切かで、
将来の職業などを選択肢を与えるかは重要であるということを感じます。

前に小学生の詩で、

しがつには みんな べんきょうしたい べんきょうしたい と いっていた

いまは みんな あそびたい あそびたい と いっている

というのがあって大笑いしたことがありますが、クルミちゃんもそうなるのかな。

とりあえず今は、三吉くんと二人三脚で「果てしない勉強」の扉を開けてもらいたいものであります。できれば二人いっしょに(^_^)

1人だけ、勉強しなくてもいいって言われても、今までの生活を振り返ると、クルミは焦りますよね。でも、子供は遊ぶのが仕事か。子供は泣くのが仕事って、よく育児のときに言われたなぁ・・・て思い出しました。三吉がきて、クルミにとっては遊び相手が出来て良い事ですね。
とにかく、クルミはあんなひどい所で育ったんだから、まずはその分の愛情をみんなからもらって、育ってほしいなぁ。まだ、まだ小さいから勉強は後でも大丈夫。でも、あんまり遊んでると、わが娘みたいに追試になるどぉ~。気を付けましょう。子猫ちゃんは元気ですか?忙しいっていいながら、嬉しそうで、いいなぁって思いました。また、写真アップしてください♡

わーーい\(^0^*)/

おお!!いよいよ現在に戻って
お話が動き始めましたね!!!
楽しみだなあ~~~!!!
一体全体なにが起こるんだろう???
楽しみだけど、ちょっと心配(^0^;)\

くるくると元気な可愛い恵み子達が
いったい何を引き起こすのか??
また巻き起こるのか???
超!!期待!!!

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こんばんはー

 空飛ぶ校長羨まし。
 私も空を飛びたいと何度も思って、小さい頃はロクボクからゴミ袋広げてジャンプしていたものです。飛行機じゃ無くて自分の体で、科学の束縛から離れて風に乗って大空を飛べたらって今でもたまに思います。しかしまだ、空を見上げるのみv-13

 
 一生懸命は良い言葉ですが、辛い記憶もある言葉でもあります。
 こちらが生き苦しい時に、そうしたくても出来ない時に、他者と比べられるように使われるとただただ重くのしかかる、呪縛のようなものであったこともありました……
 
  
 

こんにちは~~♪
周りでやってることって子供でなくても
興味をそそられてやりたくなります・・って私だけ?(。^p〇q^。)プッ

くるみちゃん三吉君が来てよかったですね。
やっぱり子供同士なら気持ちも通じ合うことも多いでしょうね。
それにしても6歳の子供同士で街中に出かけて・・・
時間までどのような過ごし方をしてるのか興味津々!!

こんばんにゃ。

ご無沙汰してる間にまたお話し進んだのですね。
クルミの目も見えるようになって子供らしい我儘
なんかも出るようになって良かったと思ったら、
周りの子たちと違う自分に居場所がなくなると悩んで
いたんですね。苦労の多い子ですね。
でも、優しいクヌギお姉ちゃんも出来たし、弟分の
三吉いてやっと落ち着いたのかな。
町の面白さにはまってしまわないといいけど・・・。


猫ちゃん可愛いですね。ひどいことする人がいるものです。
ぴゆうちゃんに愛されて幸せになるね。まだこれからも
大変だろけど、可愛いねこちゃんもアップしてね。

皆様へ

今回は不本意ながらまとめてコメ返をさせて下さいませ。

おーちゃんに振り回されてヘトヘトでござるv-404
子ニャンコがこんなに大変だったとは・・・
ちーやぽーは母ニャンコのみーが全てしていたので楽でした。

やっと夜だけはケージで寝てくれるようになりました。
普段は庭に出ないように監視しているしかない。
フェンスを設けてもジャンプして飛び越えてしまい
3日と持たず、無駄でした。
猫ドアが在るために締め切ることも出来ず
その上、先住猫の大人猫たちへ挨拶もできず
遊んでもらいたいのが先で
唸られる始末・・・
不憫でございます。
理想は母ニャンコのみーに躾けてもらうことなのですが、全くダメぽっい。
せめて居るのに慣れてもらうしかないのが現状です。
さっきは猫ドアから脱出、鈴を持っておーちゃん連呼。
やっと戻って来ると早速二階に直行
遊んでいる模様・・・
ここが家だと認識しているようで、そこはホッとしています。

震えも収まり、倒れることもなく
健康になってくれたのはいいけど
トホホホv-406

今までクルミの過去の出来事を知って頂きました。
辛い、苦労の狐生であったこと。
母親のこと、姉のこと
受け入れた茂吉や紫狼の事情など色々ありました。
これからがいよいよ本番となります。
どうかお付き合いの程を宜しくお願い申し上げます。

訪問が明日以降になりそうです。
スミマセン
どうかご寛恕下さいますように。
v-435

なんであれ「育児」はたいへんですね。

お身体、無理はなさらないでください。はりきりすぎるところがあるような気がしますからぴゆうさん……。

ふふ・・・そんなことだろうと思って やってきたぜ~^^

とにかくね 天から引き受けた「大切な命」を預かったんだ。
気を抜かずに、シッカリおやり~~~♪ けけ

訪問など よいよい。
私の処など ホントに よいのじゃよ^^

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

ポール、llama姉さん、いらっしゃ〜い!

こんにちはー

ありがとうねぇ
本当にクタクタも大分慣れました。
先住猫達も少しづつ慣れてきたみたい。
怒られてばかりだけどね。
注射もやっとできた
その日は熱を出したりして具合も悪かったけど
今はちょー元気になりました。
いろいろとご心配をお掛けしました。
v-421

添え状さん、いらっしゃ~い

こんにちはー

ありがとうございます。
お暇な時に遊びに来て下さいね。
v-410
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

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