スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夜矢 6  常世花

前回

夜空に遠く消えていく、哀しい二人を見送る五黄だった。


はじまり、はじまり


なんとまあッ

「あいつの嘆きは深かった・・・そこまで恋女房を追い詰めたとね、、、」

「でも、夜矢の誤解なのに?」

「少しは本当だったらしい。何せ相手は十七だ、最初は可愛いが、、、まっ、それだけってな」


酷いノン吉様ッ!


「それが男よ、わかっていても中に通っちまう、、、」

「ノン吉様を責められないよ。だってあたいら、それでおまんま食べているんだもの」

「・・・」

「それから、ずっとこんな事を繰り返している」

「夜矢の一念にそら恐ろしさを感じるわ」

「あたいは、わかる気もするなぁ」

「あちきも少し・・・そんなに惚れてみたいわ」

「男と女の仲は八幡の藪知らずだな」

「そうなんだねえ」

「今の夜矢は幸せなんだ」

「そう言うこった」

五黄は酒を呑み唄う。


「常世花、相惚れ二人、待ち合わせ

♪生まれぇ〜変わってぇも〜何度でぇ〜も♪


挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
tokoyobana.jpg


「夜矢、ほら常世花だよ」

「ゎぁ~綺麗ぃ・・・」

ノン吉は常世花の薫りに想う『何度こいつをここに連れて来ればいいのか...』小高い丘の上に降りると花畑が見渡せる。

「夜矢、少し起き上がれるか?ほら見てごらん」

ノン吉が後から支え、夜矢は何とか起き上がる。

「ねぇ、綺麗ねぇ...」

「ああ、たまんなくな」

「この薫り、、、ぁぁ...何度かいでも良い薫り・・・」

「思い出したのかよ?」

「ふふ、この匂いを嗅ぐとね...ゴホ、ゴホゴホッ」

「もう寝るか?」

「うぅん、、、このまま逝ったっていいもの」

「っッ、そんな事言うなよッ!今からでも遅くないから、父ちゃんに何とかしてもらおう!」

「イヤだよ」

「もう苦しませないでくれよ・・・なあ、頼むよッ俺だって苦しいんだ、、、もう、もう五度目だぜ」

「まだそんなもんかえ?」

「夜矢・・・」

「あぁ~、良ーぃ薫り。風がそよぐと尚更香るわぁ~ゴホンッゴホンッ」

「馬鹿!そんな口開けてよッ、咽(む)せるだろが」

「いいじゃない、好きな男とこうして常世花を見ていられるんだもの。楽しまなきゃ」

「いい気なもんだぜ」

「ねえ、、、そんなにイヤなの?」

「当たり前だろ、いい訳ないや」

「めぃゎく?」

「そんなんじゃねえよ、わかってるくせによ!終いまで言わせたいんですかっての」

「ふふ、言わせたいねぇ」

バカヤローッ!俺は行くぞッ」

「ふふ、いいともさ。あたいはこの花の中で死ねて本望だよ」

「全く、口の減らねえ女だよッ!わかったよ、、、」

「初手から素直になんなよ」

「けっ!生まれ変わる度に性悪になりやがるッ」

「お生憎様ぁ」

「だから俺は、堪んないんだよ。おめえはいつだって女郎になってやがる。おまけに因(よ)りにも因ってだッ、俺がお前と会う時は決まって死ぬ前さ。

それまで他の野郎共に散々に抱かれてよ、亭主の俺はお預けのまんまこれだ!あんまりだってぇのッ」

「ふん、情けないねぇ、そんな事を思っていたのかえ?あーぁがっかりした。こんな馬鹿野郎だったなんて!あーーッ、情けない」

「なんだよ」

「それが天翔猫のノン吉様の言うことかね?呆れてものが言えないよ。あたいはそうなるように望んで魂納めしているんだ。

あんたがちったぁ、あたいの苦しみを知るようにね!あたいがおさんの時は邪険にしてたのにッ」

「そんなことないだろう?あん時は忙しかったし・・・」

「忙しい合間をぬって郭に通ってたものねッ?今もお変わりないようでッ」

「そんな事ねえよッ!行ってねぇよッ」

「まだ言うの?」

「んッ、いや、、、全然じゃない・・・けど、そうしないとお前を探せないし、、、」

「ゴホンッゴホンッ・・・ゴホゴホ」

「おいッ!もう横になれよ、なっ、頼むから!」

「ゴホッ・・・ゴホゴホ」

「夜矢、俺...お前に苦労かけたよ。すまない、、、許してくれッ!」

「あんたって...あたいは...あたいは、、、」

「何だよ?何か言いかけで止めんなよッ」

「ふふ。なんか、、、なんか、やーっとわかったわ」

「わかったって、何がよ?何よッ?」

「内緒...」

「わかったよ、いいですよッ、どーせ俺には内緒でしょーよ」

「変なの、いつもか?ふふ」

「お前・・・」

「ぅぅうーッそんなに睨(にら)まれると息が、息が、、、」

「おいッ、おい!しっかりしろッ!

夜矢ぁあーッ

死ぬな、死なないでくれーーーッ!!


「まだ生きてるよ」

「このアマぁあーッ!騙しやがったな!金輪際許さねえッ、
ちきしょーッッ!

「ふふ、バーカ。あ~あ、あたいもあんたと少しは対等になれたわ」

「腕は上がったよ」

「ふふ、いい気分だわ~もう心晴れ晴れ-!」

「全くよ、俺もお前とこんな風に話せるなんて思わなかったよ」

「そぅ?」

「ああ。所帯持ったばかりの時は、、、悪いけどお前は子供過ぎて...」

「あんたも新しいおもちゃを欲しかっただけだったのよ」

「そうなのかな?」

「そうよ。まっ、お互い若かったのかもねッ」

「そうなのかな?だけど俺、、、あん時九百歳にはなってたぜ」

「数は今だっていってるわよ」

「違いない」

「そろそろ夜が明けるわ」

「本当だ」

地平線から太陽が昇り、花畑を橙色に染めていく。

「夜矢、お前まで染まってるよ」

「・・・・」

「夜矢、もう止しにしようよ。笑えないよ」

「うふふ、またね・・・・・」

「おいッ『またね』って?おいッ起きろよッ!起きろって言ってんだよッ!」

「・・・・・・・・・・」

「おぃッ・・・逝っちまうのか?なぁ、、夜矢、、、なあ...ッ
なぁああーーーーーッ!!


夜矢の目は二度と開かなかった。
ノン吉はいつまでも、いつまでも夜矢を抱いていた。


つづく
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

おはようござんすっ!
夕べは、どーしてたんだか(苦笑) 
何度来たと思ってるんだ・・・とは、こちらの勝手な言い分でにゃ(笑)

そうか、夜矢、逝っちゃったんだ。
げに怖ろしきや、女の執念。
「まだそんなもんかえ?」には、鳥肌が立ったわ。
しかも、ダイイングメッセージが「うふふ、またね・・・」て。

もしもし夜矢よ、夜矢さんよ。
こんな事を繰り返していたって、いい方には転ばないぜ。
でも、考え様か。
最期に常世花の下で、愛しい亭主に抱かれて死ぬ。
う~ん、まだ五度か・・・んじゃ、もうちょっと・・・なーんて思うのかも。
あ、いや、私は思わんわよ。

常世花・・・また難しい呼び名を知ってらっしゃること。
引き出しの多さに、感心するばかりじゃ。
んでさ、姐さんの中の『常世花』って、どんな花?
本来は「花橘」の事とされているけれど、そうすると花畑じゃないしね。
そんなことを想いつつ、夜矢の最期を読ませて貰いました。

つづく・・・とな。
善い方に転がる事を切に願います。

こんにちは^^

 夜矢ったら、次はなんてノン様に言わせたいのでしょうね

女を怒らせると怖いのよ^^ 最初は執念でも徐々に楽しんでないか^^

6度目には祝言を挙げてほしいな
 
 春だね。一番好きな季節なんだわ

ボーッとした私には心地よいのだが、こちらはまだ寒いのでちょこっとの辛抱なのよ

夜矢は、大好きな人の腕の中で死んじゃったけど、幸せだったんでしょうね。でも、なんだか切ないですね。また、同じことが繰り返されるのかなぁ。ノン吉を許してないのかなぁ。女心はなかなか難しいですね。次はいつ会うことができるのかな。また、生まれ代わった恋女房を探すんですね。次にあった時は、お互い幸せになってほしいです。ノン吉、つらくてまた飲んだくれますね。桃ちゃんが心配するぞ。

純愛。

また長いお別れをするのは悲しいけれど、夜矢って・・・もしかしたら、そうやって死んでいくことが、幸せなんじゃないのでしょうか。
わたしも、死ぬときには、大好きな人の胸で・・・とか、思いますもん。
(今から探そうか・笑)

この現世であと数十年生きるより、ここでまたノン吉に胸を焦がさせて、はるか何百年か先で出会うことを取る。
なんだか、束縛という純愛を感じます。夜矢って、すごい女性。愛に生きる(愛に死す)女だなあって。

もう、ノン吉は、胸を焦がして、あきらめるしかなさそうですね。
男は結局、聖母の手のひらの上・・・なのですね^^

こんばんはー


 一度離れてしまったものは、擦れ違い続けてなかなか、元には戻らないもの。
 けれど、すれ違う度にこの2猫のようにまた少しずつわかり合えていくのでしょうか……

 例え生まれ代わりを無しとする世界でも、夜矢さんみたいに『またね』と口にするだけで、その可能性が生まれるような、いつかどこかで再び逢えるような、そんな気がします。それが良いことかどうかは「わかりません」が、望むべきものならばその可能性は大切なものなのではないかと思います。




 大分暖かくなってきたけれど、まだまだ朝は寒くて着る服に困っている私です。
 コートを着ると、帰りの電車で暑い思いをするし、着ないと寒いし、ヒジョーに判断が難しいv-292

何ていうか・・・繰り返される因縁・・・。
繰り返し巡りあう魂・・・でも、永遠に結ばれない。
そういうことってあるのかもね・・・。
と、思ってしまった。
そして、女の念の強さ・・・というか、
執念を、ちょっと恐いと思った・・・です。

訪問、遅れました~~。^^;
最近、仕事が忙しくて、あっぷあっぷしております~~!

ノン吉にも夜矢にも悪いけど、連鎖はどこかで断たなければならないのです。

特にこんな悲しすぎる連鎖は、より悲しみが大きくなろうとも断たなければならないのです。

わたしはそう思います。

人に抱かれて死ぬのは死ぬほうにとっては幸せなのでしょうけど、
死なれた方にとってはどうなのか・・・。
というのはありますけどね。

猫は死ぬとき誰にも見られないところで死ぬのが通説ですけど、
それはやはり誰も悲しまないように死のうと思っているのかもしれませんね。。。
私が昔飼っていた猫も末期になってから、
家を出ようとしていましたしね。。。

llama姉さん、いらっしゃーい!

こんばんはー

スンマソ、予約投稿をしたつもりが下書きになってました。
ホッホホホ

ぷぷ
それがおにゃごですねん。
奥方を怒らせたが身の不幸、ノン吉も反省しないとね。

夜矢はどうなのでしょう。
いい加減わからないといけませんよね、
もうわかったかな?

姉さんこそ、凄いですなぁ〜
常世花の花畑はここにしかありません。
いい香りに誘われ、入ってしまうと寝てしまい、気がつくと大分時が経っている。
常世の国に連れて行かれると言い、この世界の者は立ち入りません。
そんな花畑です。

二人ならではの気長な物語かもしれません。
へへ
v-410

どーちん、いらっしゃーい!

こんばんはー

ぷぷ
其の通りだにゃ、楽しんでいるな。
だねぇ〜皆も望んでいるね。

夜になると冷えるけどやっば春だよね。
そっちは桜は咲いたかな?
昨日は夜桜を見てきたよ。
いいものだよね、日本っていいなぁ~って思うもの。
v-410


むらななちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

そりゃもう、幸せを一番感じたでしょうね。
大好きな亭主を困らせているのですもの
ぷぷ

ノン吉にもいい勉強になっていると思います。
言われてもわかんないものねぇ〜
当事者になって初めて分かることもあるのかにゃ?
ぷぷ

桃でも相手にして、愚痴っているといいです。
酒樽を空にしても足んないかな・・・・
へへ
v-391

limeさん、いらっしゃーい!

こんばんはー

おにゃごてきには絵になるよね。
五度もいい思いをしたのだから、いい加減にしないとね。
ぷぷ
またまたぁ〜

勝手といえばこれほど勝手なおにゃごもいない。
思い煩うこともなく、一心に思いつめる。
私にはできませんわ

ですね、それが契るということかもしれません。
ノン吉も会う度に好きになるのでしょうね。
勝手にしろの物語ですね。
へへ
v-392

ゆうちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

ですね
やっと分かり合えるようになってきてるのかも・・・

そうかもしれませんねぇ〜
またねっていい言葉かも。
何か希望があるものね、本当にそうだね。

昨日なんか本当にそうだったよ。
夜がまた一段と寒かった。
でも、桜がとても綺麗でした。
夜桜っていいよねぇ〜
寒いと風邪をひくから、羽織るものは絶対にあった方がいいよね。
暑ければ脱げばいいもの。
v-410

きらたるちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

あるかもねぇ〜
そんなのもいいよね。

おにゃごを怒らせるなですな
これは猫国の標語にしたいですな。
ぷぷ

おおーー気にしないでくだされ。
リアルが大事、体はもっと大事
無理しないでね。
v-410

ポール、いらっしゃーい!

こんばんはー

ぷぷ
ポールには納得出来ないよねぇ〜

こんなのってね。
でもこの二人には必要なことだったのかもしれません。
夜矢にもノン吉にもね
へへ
v-392

LandMさん、いらっしゃーい!

こんばんはー

ありますよねぇ〜
残されるものは辛すぎますよね。
それを五度もやられているんだから、どうかと思います。

この前ね、知ったのだけどね。
猫は具合が悪くなると
体温を下げてじっとしているんだって、そして体力を回復させようとする。
だから、静かで暗い所に行くらしい。
家族は居なくなってしまったと思うけど、本当はそうして治しているとか。
考えれば、家のにゃん達は調子が悪くなると隠れるように地面に座って大人しくしているの。
どっちなんだろうね・・・
v-390

ええーーー?!!

辛い~~~!!!
もう辛いとしか言いようがないーー(´Д⊂。・゜・。
こんな罰って・・・・・・・・
でも、ダメだよねえ~~???
私だって許さないよーーー!!!
もし旦那がそんなことしてたら
七度生まれ変わって祟ってやる!!てか??(笑)

夜矢、逝っちゃったの???
ノン吉、もうやらないよね??こんな辛い・・・・・・・・
許してあげて欲しいなあ・・・・・・・
でも、私も許さないかも・・・だけど・・・・
げに恐ろしきは女の執念・・・・なのかしらね、やっぱり・・・

おはようございます~~♪
常世花いっぱいの花畑綺麗ですね。
こんな所で好きな人に抱かれて逝けるなんて夜矢さんは幸せ!?
でも残される人の身にもなって欲しい。
やっぱ悪い事をするとなかなか許してもらえなくて大変ですね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

かじママちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

ぷぷ
おにゃごならではだよねぇ〜
わかっていても妬いてしまう。
ドンと構えていれるほど、当時のおさんには知恵も経験もなかった。
まだ幼かったのですね。
妬いて身を焦がしているより温かい味噌汁でも作っていた方が良かったのにね。
歌にもありすよねぇ
お座敷小唄だったけかな

♪妻という名にゃ勝てはせぬ♪

ぷぷ

本当に、げに恐ろしきはですね。
夜矢もいい加減、わかったかな?
v-389


りんだちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはー

良かったァ〜
甲斐があります。

ある意味幸せなのだろうけど、これでは夜矢だけだよね。
幸せって二人がならないといけないよね。
いい加減、わからないといけませんね。
ですね、頂いた命は大事にしないとダメですね。
v-410
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
ブログ内の小説、画像の無断転載、コピー、転用は禁止です。

もくじ
最新記事
リンク
当ブログはリンクフリーです。
最新コメント
いろいろ
今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

母のみーです。 mi3.jpg

息子のちーです。 chiko1.jpg

娘のぽーです。 po1.jpg

揃い踏み mcp1.jpg

木登りおーちゃん Ochan.jpg

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ





検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
pictlayer
画像をクリックすると大きく、もう一度クリックすると閉じます
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。