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第七章 オロとキュー助 オロの物語1

前回

桃吉が眠りから目覚めた時には、すでに一ヶ月が経っていた。
焦る桃吉、それでも何に焦っているのかすら、本人はわからなかった。
ただ、自分が人であったと云う事だけは、妙にはっきりしていた。
話の中でオロが人であった事を知る。
オロはキュー助と桃吉に勧められるまま、過去を話し始める。


はじまり、はじまり



「でも、オロは行ったんだ?」

「へへ、あたぼうよ」

「やっぱりだもんね」

「とにかくだね、そんなうまい話を聞いてまんまにする訳ないさ。だけども俺だって馬鹿じゃないから、河童対策していったんだよ」

「何よ、それ?」

「へへ。まっ、とにかく俺は朝早くこっそりと出かけた。いつもの蜆採りなら、すぐ下の弟の大助を連れて行くんだけど今回は違うだろ?何かあったらまずいから置いていった。

聞いた通りに川縁に沿ってどんどんと上流に向かったのよ。最初の沼に着いたのは一刻程してからだった。

俺が聞いていたのは、この沼ともうひと回りでかい沼が有って、其の二つの沼はどこかで繋がっているという事。それで、でかい沼の方がもっともっと大きい蜆が採れるらしい。

だけど其の沼に行くには、俺がいる沼をぐるりと一周しないといけないので大変だと聞いていた」

「そこに行ったの?」

「まあ~待ってなよ、話を続けるよ。
でも俺はそこの沼で採り始めたのよ。確かに良く採れたんだよ。

形も大きく、どっしりと重くてさ。嬉しくなって、持ちきれないかな?って程の量を採ってその日は帰ったわけよ。

大きいし、ずっしり重いし、その上『味がいい!』って言うんで馬鹿売れよ!忽ち(たちまち)に売れちゃったさ。
調子に乗った俺は次の日も又次の日も雨が降らない限りは毎日通ったのよ。

処がさ、あんまり採りすぎて大きいのが無くなっちゃったのよ。
その上、採りやすい場所も大概採り尽くしてたし、困っていたらデカイ沼の事を思い出したのさ。

時間は掛かるだろうけど、ここの沼より大きい蜆なら倍以上の値を付けたって楽に売れるって、、、そんな事考えたらもう居ても経ってもいられなくて大急ぎで、デカイ沼に向かったのよ。そこの沼に行くのは大変だったよー。

辛うじて道がある程度の薮(やぶ)だらけで、笊(ざる)だの篭(かご)だの背負っていたから、着くのに半刻は掛かった気がしたよ」

「大変だったねー!」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります

oro.jpg

「ようやく着いて、ちょいと蜆を掬(すく)って見たら驚いたよ!見た事も無い程でかいのよー!
まるでお椀みたいによ。俺は飛び上がって喜んだよ。笊なんか要らないんだもの。

手で掴んで篭に入れれば良いんだからさ。
夢中になって蜆を掴んでは篭に入れてを繰り返していたのさ。

するとさ、声がするんだよ。
『おーい』ってね。声の方を振り返ると驚いたね!

沼の真ん中辺りに、俺くらいの小僧が垂直に立っている丸太ん棒に乗って釣り糸を垂れていたんだよ!
垂直に立ってる丸太ん棒に立ってたんだぜッ!

ユラユラと揺れてんだ。
俺が驚いて声も出さないでいると、『こっちの方がもっと大きいのが採れるぞー』って、、、

恐ろしくて鳥肌が立つなんていう生易しさでなくて、生まれて初めて全身の毛穴が開き、頭の毛が一気に逆立ったんだよー!一目散に逃げたよ。

逃げて逃げて、フラフラになりやっとの思いで小さい方の沼に辿(たど)り着いた。
そして何気にフッと其の沼を見ると、さっきの小僧が、同じように丸太ん棒に乗って釣り糸垂れてるじゃないかー!?

俺の足より速くこの沼に来るには獣道を行くしか無い訳よ。
獣しか通れない道を俺みたいな子供が通れるわけないのに、そんな事できるのは『河童』に違いない!もうたまげて死ぬ思いで逃げ帰ったのよ。

それからは俺も懲りてそこの沼には近寄らなかった。いつも通り、川でちっこい蜆採りをしていたんだよ。
その時は大助が熱を出していて一緒じゃなくてさ、一人で採っていたんだよ。

フッと気がつくと、いつの間にかそばで見かけない子供が蜆採りしてんのよ。あれ誰だっけ?だけど、どっかで見たような顔だなぁ、、、ってね。

俺の見えるとこには大人も居たから安心していたから、そんな子供の事はすぐに忘れて蜆採りに没頭していたんだよ。

その内に、『カリカリ』って音がするのよ。最初はわからなかったんだけど、子供がそばに近づくとそんな音がするんだよ。

俺が振り向くと、何故かいつの間にか子供は遠くに居て蜆採りしてるのよ。子供が近づくと『カリカリ』って音。
振り向く俺。

そしていつの間にか遠くにいる子供。
そんな事が何度か繰返されてた。何度も繰返しやっているから意地が焼けたんだろうね、、、そいつが俺に向かって


『固えケツだな!』


『取れやしない!』



って怒鳴ったと思ったら、川の中にバシャーンと潜って行ってしまったのよ。
俺は暫くボー然としていたよ。それから子供の顔を思い出した!

あの沼に居た河童だってね、、、

それと俺は沼に行く前に河童に『尻小玉』を取られないようにギヤマン(ガラス)の欠片を股引の股辺りに母ちゃんに、縫い止めてもらっていた事をすっかり忘れていたのを思い出したのよ」

「それじゃ、河童はオロの尻小玉抜こうとしたんだ?」

「そうなのよ!沼で失敗したから今度は直に取りに来たという訳。だけど尻にはギヤマンの欠片があって固くて諦めたのさ」

「その河童、残念だったね...」

「何、言ってんだよ!取られていたら俺はここに居ないよッ」

「本当だぁー!」

「まっ、俺はとにかく無事だったわけ」

「それなら、なんでオロは河童になってるのよ?」

「まだまだ、先が有るのよ」





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こんばんは^^

来てるよ、とっくに(笑)。
ぴゆうの事だから、あんなは言ってたけど絶対夜中に挙げるってアンテナが教えてくれたから(爆)。


ふむふむ・・・・・・・
オロも人間の頃、河童を恐れていたんだね。
でも何故か、今はその恐れていた河童に自分がなってる。
そこに伏線が隠れてるのかな・・・?

まだまだ話は続きそうだから、早合点は良くないやv-398
次回もじっくり読ませて頂きましょうv-391

蘭、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

きゃうv-405

恐るべし、蘭太郎アンテナ!v-399

ムフフ、楽しんでね。

昔話を沢山散りばめた、大好きな章でもあります。

v-398

ぽちってたら、更新されてた
チョッとビックリi-237

垂直に立つ丸太ん棒の上で釣り糸をたらしてるって、こわ~い日本昔話の曲が頭を駆け巡りましたよi-282
河童クンは自分の漁場を荒らされたと思ったのかなぁ
後から尻小玉抜きに来るなんて・・・

・・・思わずレオは自分の尻元?を見てたりi-229
オロが、どうして河童になったのか気になる。
何気に弟の大助も気になる。

レオ、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

マジの昔話だから、怖いよね。

えっえーーv-405マジだもの。

この章には、マジ話が沢山のてんこ盛りなのよん。

楽しんで下さいね。

大助は・・・ですね。

辛い話になりそうですね……。

望んで河童になったのか、望まずに河童になったのか、で話は違ってきますけど、

辛そう……。

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ポール、いらっしゃーい!

おはよーv-411

悲観論者だねぇ~~

ププv-410

悪い事ばかりだと救いがないでしょ。

そんなことはあるわけない、ないv-391

おはよう^^

 男前河童は人のときはさらに男前だね~i-179

涼しげな男前で暑さを吹き飛ばそうi-198

やっと、静かになったよ。i-185

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こんにちは。^^
河童って、見たことは無いですが、身近な感じがします。
ちょっと怖いですね。(≧∀≦)
でも、気になっちゃう。^^

どーちん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

イケメンでしょ。

描くのも楽しいのよ、ウルトラね。

猫国のお宝ですね。気持ち的に、デレレレン。


静かになったの?

よかったねぇ~~v-398

途端に家が広く感じるよね。

マダム猫柳さん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

わずか八十年くらい前までは、いたのですよ。

マジぃv-405

マジですv-391

いろんなものが、消えてしまった。

人だけの暮らし、味気ない事よ。

こんにちは!
オロはどうして河童になったんだろう・・・。
河童になるには理由があるとは思うけど・・・

美系の河童って、はじめてみたよ!(笑)

出た!
尻小玉。

ふーん。お話のなかではこんなふうに使うんですね。
で、ギヤマンがわからなくて、また聞くのはアレなんで
検索ってきました。
ダイヤ?ガラス?
ガラスですよね。貧乏なんだもの。

絵、お上手ですね。

きらたるさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

これからズンズンと始まります。

いいでしょ、v-283猫国のアイドルなんですv-415

どーーーーか、一つ、ご贔屓にして下さい。

v-410

torotoroさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

私はギヤマンと聞きました、びいどろはポルトガル語から来ているらしいです。

一番聞かされた昔話を多用している章になります。


torotoroさんの漫画もマジ絵も大好きです。

特にv-283マジ絵は素晴らしいの一言です。

torotoroさんに褒められると・・・

地球の裏側まで、穴を掘らないと・・・

ありがとうございますv-410

ええ!

まだまだ!
カリカリっていうカンジなのか…。

一旦無事。でも河童になってる。
このさきどうなるのかなぁ~

いずきちさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

本当に「カリカリ」ってしたらしいですよ。

ププv-391

昔は面白い時代だったのですよねぇ。

この章は、昔話を多用しています。

楽しんで下さいねv-398

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こんにちは

河童になるのとネコになるのでは
どちらが幸せなんだろう...

望んでなれるのであれば
天狗が一番のような気が...

すとす、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

どっちだろう?v-392

民は魂納めの宮で、種族を選べるからね。

小天狗にはなれるチャンスはあるのよね。

でも何生も願わないと叶わないv-391

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こんばんは、素敵な絵ですね。
グラフィックなんですか?
ちょっと最初から進みました。
桃吉が猫になったところ。

オロも人間だったのですね。
先が楽しみになりました。

そうそう私のブログにリンク貼ってもいいかしら?

ほほう、尻こ玉をぬかれないためには
ガラスで防御すると良いのですなっ

まだまだ先にあるそのお話が
なんとも楽しみです。
さ、長くなりそうだから 茶でもいれてくるかな( ^^) _旦~~

こんちは

シジミは無いけどあさりをとった事はあります。
随分昔ですが……要は潮干狩りですね。

貝を取る作業はまるでお宝探しみたいで楽しかったと記憶しています。
勿論、儲ける気なんて一切ナシ。帰って味噌汁に入れておいしく頂きました。

……

……なのに、現在は貝類を食べるのが苦手になってしまった私って一体……

にゃんこさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

桃が猫になった所だと、一章ですね。

長い物語だから、のんびりと楽しんで下さい。

挿絵はCGです、ちまちまと描いています。へへv-391

ありがとう、CGのお蔭さまです。原画はヘタクソ丸出しです。

喜んで、私もリンクします。

仲良くして下さいね、よろしくお願いしますv-410

園長さん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

この話は昔話、まんまなんですよ。

オロがなぜ、河童になったのか、少しずつ明らかになります。

ププ、お菓子も用意した方がいいかもv-410

贔屓にしてねぇv-415

由ちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

蜆とりって、今はできないよね。

今の時代、そんな川もないし、

私が聞いた話では、とても楽しかったそうです。

キレイな川があるからこそですよね。

潮干狩りは私もしたことがあります。

楽しかったですv-398

今もいい思い出として残っています。

いやぁ、楽しいです!

童話の楽しさ。ファンタジーでなく童話。
ああ日本でよかったなって思います。

でもお尻にギヤマン! 痛いですよ(笑)
各地の堤には、同じ様なカッパの話があって、

沼遊びに行く子どもたちを引き止めるために
尻子玉を抜く話が出来たのかなとか、

以前に考えたことがありました。
それ以上に話の先も気になります♪

ちあ、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

どう答えていいやら、確かにどっちやねんだにぃv-389

好きな方に見てもらえたら、いいね。

ギヤマンはね。マジなんだね、本当なんだね。ププv-410

オロは縫い付けてもらったけどね。

尻小玉はね、怖い現実に則したものなのね。

昔の人は、すごいことを考えるよねv-389

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは

今回の話はオカルトっぽい^^;
ちょっと鳥肌もんでした。
ありえん場所に立ってるし
尻小玉を取ろうとするし
その絵を想像すると・・やっぱり怖い^^;

で、尻小玉って昔話で耳にしたことあるけど
いったい何なの?

よしさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

川で溺れた水死体はお尻の穴が開いているらしいです。
それを見た昔の人は河童に尻小玉を抜かれたと言いました。
魂を尻小玉と言っていたのかもしれせん。

憎い河童を葬る為に黒葬式といい、鯨幕もすべて黒尽くめにすると尻小玉を抜いた河童が死ぬらしいです。
怖いです。
v-12


 こんにちは 
うん 先ず 尻小玉って 結局 何なんだろう。
カッパは 取った尻小玉を何に使っているのだ 
カッパに きゅうりやなすびを与えるのも… 昔の言い伝えって
色々内包している物があるから 奥深いよ。
うん 取り敢えずは 桃吉 無事だぁーーー。

ウゾちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

何だろうね。
そんな疑問に答えられるのは河童族だけだな。
へへ

このページの逸話は本当のことばかり。
沼の話は親父の伯父さんが本当に体験したもの。
実際は釣り糸を垂れている長い白髪のお爺さんだった。
v-12

子供河童が恐ろしい!!
なんか子供時に読んだ妖怪百選みたいなのを
思い出しました(汗)
夜中に一人で読んでるから、怖いっすぅー(泣)

さやいちちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

ぷぷ
怖いよねぇ~
これって本当の話なんだよぅ
v-399
プロフィール

 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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