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第一章 桃吉 菰傘村2

himonoya6.jpg


前回

たくまは桃吉と云うピンクの猫になった。戸惑いながらも世の吉の後を付いて行くしかなかった。


はじまり、はじまり





「あんたぁぁ~♪」

「へっへへ俺の嫁だょ」

「あんまり遅いからサァ~心配でサァ~」

しなを作るメス猫。でれでれした世の吉は、気色の悪い声を出してる。

「五ぉ黄ぅ様に引きずり回されていたんだょ~ごめんニァぁ~」

「そうかぃ、それニャらいぃいんだよぉ~お前さんが無事ならさぁぁ」

ひときり、いちゃいちゃした二人は、阿呆面している桃吉にやっと気付く。

「誰だい?」

「あぁ、こいつは五黄様の子分で桃吉だよ」

「ふぅーん、変な奴だね。それにしても凄い色をしてるねぇ、生まれつきかい?」

「違うよ、こいつは人だったんだよ、それを五黄様が変えたんだよ」

「な~んだぁ、やっぱりねぇ~。フっ、良く見りゃ、いい猫っぷりだ事。あんたぁ紹介しておくれよォオ~」

「こいつは猫成り立て。ほやほやの桃吉」

「ょろしくぉ願いしまス」

「あたいはお陽だょ。よろしくぅぅ桃さん♪」桃吉にしなをつくる。


「まったく~、誰かれかまわず色気出しやがって…こっちに来いッ


中っ腹の世の吉はお陽を引っ張って行く。


「後から着いてこい!」


「はいハイ」

小一時間も歩いた頃、ぼーっと明かりが見えてきた。
先を歩いていた世の吉夫婦が呼ぶ。

「あそこが菰傘(こもかさ)村だよ」

月明かりに照らされる村は茅葺き屋根が美しい、田んぼの水面がキラキラ反射している。

「何をボサっとしているんだよ、行くぜ!」

「はいハイ」

渋面下げてついて行くと村の中心部に出た。
寝静まっているのか…誰も居ない道を歩いていると商店街のような通りに出た。

その中の一軒の店の前に立ち、潜り戸を叩きはじめた。

ドンドン


「おぉーい!居るかぁぁ~?五斗よぉ~、起きろよ~、世の吉だょ~!」


「やだねぇお前さん、皆起きちまうだろ、もっと静かにおやりょ」

「ホぉ…~ぃ、ぉきッろ…~」 

「へぇーい!今時分何でぇすか~?」

ボサボサ毛の猫が出てきた。

「おっ、すまないなぁぁ~新入りの猫を連れてきたんだよ。ついさっきまでお前と同じ人間だったんだ、いろいろ面倒見てやってくれよぉぉ。

おいらのとこは、かかあもガキも居るから狭くて泊められないのよ。お前は一人もんだし、それに元人間だし何かと便利だからよ」

「ええ、ぇぇ!どぉ~せあっしのとこには嫁もいませんよ!誰かさんのおかげでこんな柄ですか
らねッ!ぇっ!」

心底恨めしそう…。
五斗吉の柄は、十二色の絵の具をいい加減に混ぜたような表現しがたい模様、冴えない猫だった。

「まっ、そう言うニャょ。機嫌直してさぁ、頼むわ」

「いやだなぁ~、面倒なのは。あっしには仕事もあるし…」

「仕事なんて、こいつにも手伝わせればいいんだよ。猫の手が増えたと思えばいいじゃんよ」

桃吉の背中をぽんぽん叩く。

「ほら丈夫そうだし。なっ!お前働くよな!」

目で合図する。桃吉がボーとしているので足を踏んだ。

「い゛、イデでっ(涙)…は、ィイ働きまス」

「ほら!働くってよ」

「仕方もねえなぁ~わかりましたよ」

「悪いニャぁぁ、恩に着るよ。そんじゃ、こいつ桃吉って言うから後宜しくニャ」

桃吉をその場に置いて、さっさっと世の吉夫婦は行ってしまった。

「お前、桃吉てのか?」

「はい、何だかそうらしいそうで…宜しくお願いします。ぅ?」

「俺は五斗吉っていうんだ。まっいいやな、家に入れよ。疲れているだろ」

思わぬ優しい言葉を掛けられ、泣き出した。

「泣くんじゃねぇょ。さっ、入んなょ」

桃吉は今までの経緯をベソ泣き状態で話す。頷きながら五斗吉は黙って聞いていた。暖かいお茶を薦められ、口を濡らすとなぜかしら落ち着いてきた。

「お前も災難だなぁ。でもまぁ生きてりゃ、いろいろあるさ」

「そんなハぁ~(半ベソ)」

「なぁ~に、がっかりするなよ。それに、生きてここ来たのは凄いことなんだぜ!」

「ヘー?どういう事ですか?」

「普通ならあの五黄様に睨まれただけで石っころになっちまうし、まして猫にしてもらえるなんざぁ~めったにないことさ。」

「じゃ、ラッキーだった?の?」

「なんだか知らんがめったにないことさ。だってそうだろ?あのお方は年がら年中遊びに行くし、人にもけっこう会っている。まっ、あっちに行けば人間に化けるらしいけど。

猫姿を見られて無事な奴はいねぇんだよ。俺なんか砂浜歩いているとこを五黄様に会って、アっ!?と…いう間にこっちの世界よ」

「えっ!?俺は川を渡りましたょ…」

「五黄様が一緒でないからさ。あのお方は行きたい場所に一瞬で移動するんだよ。世の吉兄ぃなんかとは訳が違うんだよ」

「へぇーっ、訳がネェ」

「今日はもう遅いし、疲れているだろうから寝よう…」

布団といっても名ばかりのペラペラの煎餅布団を出してくれた。

「俺、興奮して寝れませんょ」(ぐぅぅー)

言うが早く大鼾の桃吉。
翌朝、深い眠りから起こされた。

「起きなょ、桃よぉ」

揺り起こされて、しょぼしょぼした目を擦りながら布団から起きる。
寝ぼけた頭でボーっと周りを見回す。知らない部屋にいる。(あれ?)誰かの家に泊まったっけ(?)

猫、飼っていたっけ(?)


「え゛っー!?あ゛ーッ、あ゛ーーーっ!」


桃吉のパニクる姿を五斗吉は無視してる。

「おい、布団を畳んだら飯にするからょ、顔洗って目を覚ましてこいや」

五斗吉はサッサと外に出ていった。
話す猫を見ながら、繋がらない思考をむりやり繋げた。

昨日の出来事は夢でなかった…。が、我が身に起きた出来事に現実感もなく、頭を掻いた。

「痛っ!痛いなぁぁ」

爪が伸びていたかな?と、ふっと手を見る。


「ぎゃあ゛ーー!て、って、手が、デが、猫の手になっているうぅぅ・・・」

完璧に気を失った。永遠に気を失っているつもりだった。

「いい加減に起きろよ~!」


五斗吉に猫ジャンプで腹の上に乗られ、痛さと共にこれは夢でなく『現実』で、『猫』で『ピンク』『桃吉』なんだと観念した。


「お前さぁ、あきらめ悪いなぁ~。もう猫なんだからさ」

泣きたいような…泣けないような…複雑な気分でいたが、五斗吉に促され渋々外に出る。
朝陽は優しく桃吉を歓迎する。

「川で顔を洗ってきな」

魚臭さに気が付いて、周りを見ると干物が板に行儀よく並べてある。見れば看板が立てかけてあるのに気がつく、【五斗の干物】と、書かれてある。

「ふぅーん、ここは干物屋なのかぁ」




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良い猫、悪い猫の違い

可愛い猫とかかっこいい猫の違いってなんでしょうね。
LandMです。

やっぱりモテる猫とモテない猫がいるように、何か違うんでしょうね。
どこがどう違うのかはヒトである私には分かりませんが。まあ、そんなことを読んでみて率直に思いましたね。更新するのも結構大変でしょうが、頑張っていきましょう。

う~ん

とても答えるのが難しくて、う~ん。
わたしの考える猫達は、とても個性的であると云う事くらいで
それはいつも傍らに居る我が家のおニャ達が、個性的だから自然にそうなったと思います。
なんか、答えになっていないような....

LandMさん、わざわざコメント欄にありがとうございます。
また、形が整った気がします。

桃吉は……

案外この世界でやっていけるのではないかと思えてきたw
すぐに寝過ぎw今日はいろんなことが起こってよほど疲れてたんだね。

CHIゆさん、いらっしゃーい!

案外どころか、けっこう適応力があるかもね。
この事がきっかけになり、本来のあるべき姿に桃吉は成長して行くのです。
ヒーローとはいえないけど、生温い目で見て下さいね。
また来てねv-411

こんばんは。こちらでは初めましてのtamaです。
先日は弊方のマイナーブログにコメをいただきありがとうございました。

お話、ゆっくりゆっくり読ませていただいてやっと第1章読了です。
すごい面白いですっ
賽の河原で釣られた人間が猫になっちゃうなんて、今まで出会ったことのない世界観に圧倒されてます。
猫たちの会話のテンポが何とも気持ちいいですっ
桃吉の動揺しながらも結構図太いキャラがかわいらしくて好きですっ

一気に読みたいんですが、楽しみは長く続けたいのでw
ゆっくりゆっくり読み続けさせていただきます。

また遊びに来させていただきますね!

では、失礼しました~

tamaさん、いらっしゃーい!

わぁ、嬉しいです。
へへ、桃吉はけっこう適応力があります。

猫として生きなおす彼には、これから様々なことが起きます。
どんな成長をしていくか、tamaさんに見守ってほしいです。

二章はとても長いと思いますが、ゆっくり遊びに来て下さいね。
いつでも五黄達はtamaさんを待っています。

ネコなのに女房がいるんですか……。

てっきり季節になるとさかるものだとばかり(゜゜ )★ぽかっ\(^^ )

ファンタジーですねえ(^^)

落語の世界みたいであります。

ポールさん、いらっしゃーい!

男猫達は年中、色々な事を色々と考えては色々としています。
その度に彼女や奥さんにお仕置きを受けています。
人と基本変わらないですv-411

なんてこった、世の吉に嫁さんがいるだと・・・
桃吉にも春はくるのかね。

節さん、いらっしゃーい!

おお、がんばっている。

いるんだねぇ、これがまた。

世の吉と云う濃すぎるキャラに
対抗できる凄いのが次回に出てくるよぅ。

五斗の干物屋さんてほんとうにありそうで、
おもわず同名の店を見つけたら、

店主の顔をじっと見つめて、
もしかしてお名前はと聞いてしまいそうw

五斗吉さんはそれらしい雰囲気です^^ゞ

乾物好きなので連れらからおっさんと言われますww

ちあさん、いらっしゃーい!

この後も五斗の店は出てきますよ。

私も乾物は大好きです。高野豆腐や切り干し、ひじきやお豆さん達。
おっさんですと!
乾物好きはおっさんと云われるのか・・・
おっさんけっこう!毛だらけ猫だらけの猫国へようこそでござ~~るv-389
乾物好きなだけに、ずっぽりと沁みて下され

第一章読ませていただきました。
絵本ですね。大人向けの。笑。
夜釣りと書いてましたので、猫なら当然「魚」と思っていたのですが……。

桃吉さんは運が良かったのか、悪かったのか。
これからわかりますね。

また来ます!


ヒロハルさん、いらっしゃーい!

おはよーですv-411

ありがとう、さっそく来てくれた。

とても長い物語だから、のんびり、ゆっくりでいいんですv-410

大人の絵本と云われると、照れながらもとても嬉しいです。

拙い物語ですが、心だけは込めています。

また来て下さいねv-435

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

妻子持ち

なんと!世の吉は結婚してたんですか~?
しかも子供もいるとはビックリ!!

五斗吉は優しそうだけど、どうなんだろ~?

では、また~(^^)/

よしいぞうさん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

はい、そうなんです。

俗にいう髪結いならぬ髭結いの亭主。

ご気楽満点の男猫でございます。

五斗はいい奴です。

二人ともご贔屓のほどをよろしくお願いします。

v-410

こんばんは、ぴゅうさん。

なるほど、この世界で生まれた猫もいれば、人間から猫になった人(猫)もいるんですね。

しかし、五黄さまの力って凄いんですね。
トトロとは大違い。

文章の中に、所々で笑いを入れてるのは凄いです。
登場人物が増えていくと、読んでる方も楽しくなります。

本日も勉強して帰ります。では。

オムちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

そうですね。
人間からというのもそれなりの理由があったりします。
へへ

トトロはがわいいーー
好きだわーー
五黄はちょっと説明しづらいかも。

嬉しいですにゃーー
褒められているのにそのままというのもねぇ。
座布団三枚上げましょ。
さすがデカッ腹ーーー
太っ腹だろが!
まったく・・・ツッコミをうまくなってきたわね。

マタマターーー
それ以上、座布団は上げまシェン!
v-389

いやぁ~~~ん面白いっっ!

落語のような軽妙な会話。
にゃんとも不思議な猫国。

そして、ぴ、ぴんくの猫になってしまった桃吉・・・_・)ぷっ

いや、だけど、まさか三途の川を渡りかけている人間を猫にしてしまうとは思わなくってびっくりしました。
しかも、猫国の住民みんながそうなわけではなくて、そういう猫も溶けこんで生活してるわけなんですねぇ。いやぁ、懐が深くていい猫ばっかりじゃございやせんか。
江戸っ子みたいな「粋」がありますにゃぁ。

これからも楽しみに読ませて頂きますっ!
(うぅ、自分の書いてる重たいお話に戻るのが辛い)(^^;

秋沙さん、いらっしゃーい!

ごめんよぅ~v-406
コメヘンが抜けてたぁーーーーーー
申し訳ないです。
気をつけているのに・・・
すみませんでした。
v-435

嬉しいなぁ~
落語は大好きなので、すごく嬉しいお言葉です。

三途の川も川に違いなし、川から流れてきたら桃太郎。
桃色はピンク色。
これぞ桃吉三段論法ニャンて。

理由はこれからなんとなくわかるかな。
菰傘村自体が特別な村なのですねぇ。
五黄のお膝元なのでとても恵まれている村だといえます。

ありがとうございます。
わたしもピンク色に染まりながら陽ちゃんに会いに行きますぅ~
v-10

会話がテンポ良く進むってのは良いですね。
無駄な状況説明を省けるし、場面を直ぐに移動できる。
私は会話を大事にしなければ。

オム、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

前もそう書いてなかったけ?
へへ

オムはうまいよ。
短編なんか会話だけのがあったじゃない。
笑えたし、面白かったよ。
自信を持って下され。
v-392

口は悪いけど、やさしい五斗吉と会えて、
桃吉はよかったですね。
五黄様は魔法が使えるんじゃなくて、
妖怪なのかなぁ~???

さやいちちゃん、いらっしゃーい!

こんにちはーv-411

五黄は王族なのね。

五斗吉は結構いい奴です。
これから、知り合いが少しずつ増えていくことになります。
v-410

こんにちは。

世の吉夫婦に五斗吉。
いろんな猫が出て来て物語が賑やかになってきましたね。

それにしても、桃はいつになったら自分が猫になった自覚をきちんと持てるのでしょうか?
でも、それは読んでのお楽しみ、ということで。

今回はこの辺で。
ではでは。

ラナちゃん、いらっしゃーい!

こんばんはーv-411

少しずつね。
お馴染みになって行くメンバー達です。

まだねぇ~一日も経っていないものね。
生温ーく見守ってやって下さいませ。
v-389
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 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
コメくださ~~い!
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