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クルミ 34 風神とクルミ

前回


木平と別れ、本当の独り旅が始まる。目の前には美しい花畑、行かずにはいられない。



はじまり、はじまり



クルミは小さな背を一杯に伸ばしても花しか見えないので諦めてトボトボ歩き出す。

「まっ、いっかぁ!だってこーんなに綺麗なんだもの」

歩いていると段々、登りになって行く。花で地面が見えない程になっているので地形がわからないが、どうやらこの先は丘になっているらしい。

「高い所なら行く先がわかるかも!わからなくてもいつかはどこかに着くわ~」

確かにそうかもしれないが、クルミは何だかこの旅の所為で大胆になっていた。歩き疲れる程だっだが何とか辿り着き、振り返ると花畑一面が見渡せる。

きゃああーー!きれーーい!
わぁ~、父ちゃん先生にも紫狼兄ちゃんにもクヌギ姉ちゃんにも、三吉にもそれからそれから、コノミ姉ちゃんにも皆に
みーんなに、見せて上げたぁーい!!

クルミは一人、はしゃいでいた。

「あれ?どうしたことだろ?こんな所に狐の子がいる」

クルミはふいに声がするので振り返る。さっきまでクルミだけだったのに、いつの間にか目の前には、青く薄い衣を着た知らない種族がそばに立っていた。

「えっ!?あんた誰なの?それにあたいが見たことない種族ね」

「ふふ、驚かしてしまったね。どうしてこんな所にいるのかな?」

「ちょっとー、まずあたいの質問に答えて頂戴」

「ふふ、怒ったかな?わたしは【風】と云うものだよ、宜しくね」

「へへ、あたいはクルミって云うのよ。でもそれって種族の名前なの?」

「うーん、わたしの名前だね。種族って言われてもなあ...」

「知らないの?知らない事って多いいわよね!あたいも自分の事なのに知らないことだらけよ。父ちゃん先生や紫狼兄ちゃんは『まだ知らなくてもいいよ』って言うけど、あたいは知りたいもの」

「そうなのかい?」

「そうよ、このお花の名前だって知りたいわ!何でも知りたいわ!」

「クルミは知りたいだらけだね。この花は【常世花(とこよばな)】というのだよ、普通の者はこの花畑には入らないのだよ」

「ふぅーん、あたいこのお花に誘われて、つい入っちゃったのかしら?」

「そうかもね。わたしもつい来てしまうもの」

「あたいと一緒ね!」

「ふふ、そう云う事になるね」

クルミが話している相手は【風神】である。

クルミは神様を見た事がないので『知らない種族』くらいしか思っていない。風神も其れが面白い、こんな事があるから、たまに下界に降りてくる。

下界ではまず最初にここに寄る。【常世花】で結界を創っているので誰も来れない。だがそんな結界をさらりと越えたクルミが面白かった、、、【恵み子】というのは楽しいものだ。

風神はもっと良い景色のとこに行こうとクルミを誘う。

「ほら、ここからだとクルミが目指している粒傘村が見えるよ」

「えっ?あたいの行きたいとこがわかるの??」

クルミが見ると遠くにうっすら、村が見える。

わぁーーー!あそこに姉ちゃんがいるのね!
よぉーしッ、行ッくぞぉおーー!!

クルミは今日中には着けると思っているがそうではない。今、見ているのは蜃気楼のようなものなのだ。嬉しそうにバックから黒飴を取り出すと風神にあげる。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
fujinkurumi.jpg

「あたいの気持ちよ、あたい本当は迷っていたの。でもお陰で助かっちゃった!風のお兄ちゃんありがとう!」

「ふふ、くれるのかい?ありがとう。それではわたしもクルミにお礼をしよう」

「あらいいのよ、あたいそんなつもりじゃないの。あたい黒飴大好きなのよ!三吉は蜂蜜飴。まだまだ子供なのね」

「ふふ、三吉とは仲良しなんだね」

「うん!あたいの大好きな友達よ!三吉の居た菰傘(こもかさ)村にも行ってみたいけど、まずは粒傘村に行くの。でも姉ちゃんに会ってから菰傘村に行くのはきっと無理だわ...」

「どうして?」

「だってね、ついでに訊いたんだけど菰傘村ってとっても遠いいんだって!それに父ちゃん先生がひどく心配しているし、三吉ともお約束破ったし、木平おじちゃんが父ちゃん先生にあたいの事を伝えてくれるようになっているんだけどあたいも少しいけないとこもあるし、、、

でも三吉の母ちゃんって優しいんだって!優しい母ちゃんってどんな猫なのかなぁ...お種って妹、どんな子なのかなぁ~?って」

「会ってみたいの?」

「うん、、、あたい、我が儘なの...」

「ふふ、そしたら黒飴のお礼に今からクルミを粒傘まで連れて行って上げよう。そしてもう一つ、これを上げよう」

【風神】は、たおやかなドレープを創っている長い袖を引き千切るとクルミに渡す。

「あっ!そんなことしたら寒いでしょ?あたいみたいに毛が生えてないのにぃ」

「ふふ、寒くはないよ。此の衣は《青衣》と云って、これを纏(まと)って行きたい所を言えばそこに連れて行ってくれるよ」

ひゃーッ!便利なのねッ!」

クルミは受け取ると軽さに驚く、そして大事にバックに仕舞う。衣はとても大きいのに小さなバックにスルッと入ってしまった。

「それからクルミはけっして我が儘ではないよ。今のクルミにとっては知りたいと思う事は必要だからなのだよ。茂吉にはわたしがきっと伝えよう」

「えっ!?風の兄ちゃんって、父ちゃん先生の名前知っているの?」

「ふふ、わたしも知りたがりだからね。何でも知ってるよ」

「あたいと良く似てるわね!」

「そうだね」

「あたいと友達になってくれない?」

「いいとも。楽しいね、わたしにも友達ができたなんて」

「そしたら、友達記念に、も一つ黒飴上げるね!」

「ふふ、友達になれて良かったこと」

【風神】はクルミに息を『ふっ』と吹きかけた。あぁ~ら不思議!クルミは気が付くと粒傘村の外れにいた。







つづく




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