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クルミ 22 痛いよぅ 

前回


目的地が東雲楼(しののめろう)と聞いたクルミは行きたいと泣き叫ぶ。一方のトチは二度も売らせることは出来ないと心に誓う。



はじまり、はじまり


クルミがあまりに大きな声で泣くものだから、テレが戻って来る。

「うるせえなあ!どこに誰がいるとも限れねえのによッ」


どこに誰が居ようとかまうもんかッ!


テレはトチがとても興奮しているので驚く。

「どうしたんだよ?ああ、五月蝿いねえー、ガキを泣かすんじゃねえよ」

「可哀相なクルミちゃん、ごめんね、このろくでなしに好きにはさせないからね」

おい!何言ってんだよッ、何がろくでなしだよッ!」

「だってそうじゃないか!この子はね、姉ちゃんを東雲楼に売られてんだよッ」

「へえー、なら丁度良いじゃねえか」


なんだってぇえーッ!?もう許せない!
このヤローっ!!



トチはテレに殴り掛かる。突然、襲って来たのでテレは逃げ損ね、トチに思いっ切り殴られた。


わぁあーーーッッ


ぼこぼこ殴られテレはのびてしまう。

「へへ、のびちゃったよー!やれば俺だって出来るんだな、ウンウン」

クルミは目の前で突然起きた事に驚いて泣き止む。トチはクルミの元に行くと笑いかける。

「へへ、びっくりさせちゃってごめんね」

「ぅ・・・」

「おいらが怖いの?」

「ううん、だってびっくりしたの」

「そうだよね、おいらもびっくりしてるもの」

「どうして?」

「だって、まさか兄貴をのしちゃうなんてね!意外に兄貴って弱かったわ~へへ」

「そうなの?でも、あたい、殴ったりするの嫌いょ」

「ごめんねー、でもあんまりだったんだもの」

「ぅうッ、痛ってぇえー!」

「起きた?兄貴」

「何が兄貴だよッ!この野郎、いきなり殴るなんてよッ!はあーー、痛いわ」

「へへ、兄貴がいけないんだよ」

「なんでよッ」

「だってそうだろう?、くるみちゃんはね、売られてたんだよ」

「え?どう言うことよ?」

「この子は売られた先から逃げて来てたの」

トチの話しは微妙に違ってきている。

「そ、そうなのか?...」

「そうだよ!こんなに小さいのにさ。いくら兄貴でも二度も売るなんて非道を許されるのかよ」

「だって...知らねえもの、、、」

「でも今知ったんだからね!」

「・・・そうだな」

「あたい、姉ちゃんに会いたい」

「・・・・・」

「ねえ、叶えて上げようよ!クルミちゃんの姉ちゃんも救ってさ、この子に会わせて上げようよ!」

「ばか・・・」

「何よ?」

「お河童善しもいい加減にしろよ!どうして俺達程度が郭の足抜けなんてさせることが出来るんだよ、少し考えりゃわかるだろうが」

「だけど・・・・」

「ふん、いいから行くぞ!」

テレはそう言うと顔をしかめながら歩き出す。

「クルミちゃん、あの兄貴はイヤな奴に見えるけど本当は違うんだ。説得するのに時間が懸かるかも知れないけど安心して!今においらがきっと善いようにしてあげるからね」

「うん」

「ここは薮が深いから駕篭に乗りな」

トチはクルミを背負い駕篭に乗せる。トチは少し泣いた...過去を思い出したのだ。自分達兄弟もそうだった....

テレとトチの兄弟には上にもう一人兄がいて、三人で親に捨てられた。ある日、突然親が家に帰って来なくなった。探したが皆目、分からず、腹を空かしフラフラしていると親切なおじさんが声を掛けた。

そのおじさんは『飯を食わした礼をしな!』と言い三人を売った。売られた先は商家だったがとても酷い扱いを受けた。一番上の兄が十七に成ると三人で逃げた。その後は兄が物売りをしながら育ててくれた。兄が苦労し店を持つと二人は独立して今に至る。

「兄貴はどうしてるかなぁ?大分会ってねえなあ、、、、」

「くぅぅ」

クルミは寝てしまう。お腹も空いていたのだが駕篭で揺られている内にすっかり寝入ってしまった。
目覚めた時、知らない部屋にいた。障子はボロボロ、歩くと畳が凹む。枕元にはおにぎりと冷めたお茶が置いてある。

おにぎりをパクパク食べた。お茶を飲んでいると襖隔てた向こうから、うんうん唸り声が聞こえてくる。変な声にビクッ!としたが、そっと襖を開けるとテレが脂汗を流し唸(うな)っている。

そばに寝ているトチは気が付かないのかぐっすり寝ている。クルミは急いでトチを起こす。

「トチ兄ちゃん!おじちゃんがおかしいよ、ねえねえ、
起きてょおー!


涎を垂らし寝ていたトチは無理矢理、起こされる。

「むにゃむにゃ・・・なあに?クルミちゃん」

「トチ兄ちゃん!ほら、おじちゃんおかしいの!」

「えっ?あれ?兄貴!兄貴!どうしたんだよッ」


「ふんげーーッ、痛ってえーーッッ!!
腹がっ、腸が熱い捩(よ)じれるーーー!!!



挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
itaiyou.jpg

テレは転げ回っている。

わあッ!大変だあーッ!!どうしよう、どうしよーう!
あわわわ」

トチが大騒ぎしてたので隣の部屋の客が来る。

「うるせえなあ!あれ?トチ!どうしたんだよ?」

顔なじみの狸のぎ助だった。

「どうしよう、兄貴がッ!」


痛いーッ、痛ぃいー、
腹が痛いよーーッ!



「どうしよう??薬なんて持ってないよーッ」

「ありゃテレが変になってるよ、下に行って薬貰って来てやるよ」

「頼むよッ!」

トチがテレの汗を拭いていると宿の主人の殿次が来て薬を飲ませるが、それでも腹の痛みは全く取れない。


ひぃーッ、いだぁーーいッ、
痛いッいだいよーーッ!



「困ったなあ、医者が居る葛傘村までは急いで行ったって・・・」

「助けてやってくれよッ、おいらが行ってくるよ!」

「おめえは身内なんだから、そばにいた方がいいよ」

「そしたら、おいらが行くよ」

「ぎ助、すまねえ!」

「いいって事よ」

ぎ助は急いで宿を出て行った。だが、どんなに急いでも明日の昼にはなってしまうだろう...




つづく




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