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クルミ 18 かくれんぼ 

前回

容赦なく連れて行かれる狐夫婦、三吉は憎い二人が居なくなるとホッとすると同時に、クルミの行方を問い詰められてはマズイと隠れる。


はじまり、はじまり


茂吉はどこを探してもいない三吉に可笑しい。何か本当にかくれんぼをしている気になってくる。

『ふふ、懐かしい...幼い頃は兄さんとよくしていたなあ~弟や妹達が一緒に遊べる様になるとますます楽しかった...あの子達も二人だけで遊んでいるのは寂しかろう、、、

そうよ、保育園があったわ!何故気付かなんだ、その子達と知り合えば、又遊びが広がって面白かろうて!そうしよ、そうしよ、そうしましょう~』

さっそく保育園へと行き、帰って来たのは夕方になってしまう。直ぐに帰ろうとしたが、茂吉が保育園に居る事が知れると其れぞれの学校から校長や教師や生徒達が押し寄せ、大変な騒ぎになってしまった。

茂吉が来る事は滅多にないので僥倖(ぎょうこう)と謂わんばかりに、皆してそばにやって来る。茂吉は皆から学校に関する意見を聞いたり、話しをしたりと思わぬ時間を取られてしまう。それでも帰るに帰れないので、日を改めて会うと約束し納得させる。

そして保育園の園長には近い内に、三吉とクルミを遊びに来させると約束した。園長は二人の恵み子に会えると泣いて喜ぶ。

卍宿にいても滅多に恵み子と会うことはない、ましてや親しくなる事は皆無と云っていい。それ程に恵み子は、一般から遠い存在なのだ。

やっと、宿舎に戻り三吉とクルミを探すが見つからない...流石の茂吉も心配になりだす。クヌギ達が帰って来たので訳を話すと身魂抜きの宮で働く河童のタンが言う。

「父様先生、三吉の事ですからここには居ないと思います」

「それではどこでしょう?」

「多分、灯台下暗しだと推察します」

「ふふ、流石に恵み子ですね。ふふ、楽しい事、此の茂吉を手こずらせるとはね」

「いいですね~!あたし達もお役所の辛さをあの子達が解消してくれます」

「本当です、あたしも毎日帰るのが楽しいです」

「ふふ、皆のお役に立ってますね」

「充分、立ってますよ-!」

クヌギやタン達と茂吉は校長室に向かいそっと部屋に入ってみる。紋次と透け次はまだ働いていた。茂吉を見て声を出そうとすると茂吉が指を口に当てた。

紋次と透け次は頷くと本が山になっている一角を教える。静かに近づくと小さな鼾(いびき)が聞こえてきた。

「父様先生」

魂納めの宮で働く夜し吉が小さな声で言う。

「なんですか、夜し吉」

「坊ちゃんは、おねんねの御様子ですね」

「ふふ、それではそっと出しましょうか?」

「はい」

皆がそれぞれ本を何冊か持つと直ぐに三吉が出てきた、気持よさそうに寝ている。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
kakurenbo.jpg

「可愛いですね~」

「ほんに」

「あれ、クルミがいません」

「本当です、どうしたのでしょう?クルミだけ違う場所に隠れているのでしょうか?」

「そんな訳ありませんよ、三吉とクルミは大の仲良しですもの」

クルミの事で皆の話し声が自然と大きくなり、その声で三吉は起きた。

「ふぁ~あ、よく寝たぁ~!」

見渡すと皆が三吉を見ている。

ありゃりゃ?見つかってる!おいら本の山に隠れたのに」

「ふふ、残念でしたね」

あっ!父ちゃん先生、どうしてわかったの?おいら間違いないと思ったんだよ」

「灯台下暗し作戦」

「あっ、タン兄ちゃん、知ってたの?」

「大当たりでした」

「おいら、まだまだだなあ...」


ははははは


皆で大笑いしてしまう。茂吉は三吉を抱きソファに座らせる。

「さて三吉、クルミが居ないようだけど、どうしたのかな?」

「おいら知らないよ」

「おかしいねえ、三吉はクルミの一番の友達なのに、クルミは今頃、お腹を空かして泣いてるよ」

「そんなことないよ、だっておいらのこずかいも上げたし、なんか買って食べてるよ」

茂吉も恵み子達も黙っていた。三吉は茂吉の態度が初めからとても自然なので、ついつい話してしまう。まだまだである。

「ふーん、だけど、もうそろそろお陽様が隠れちゃうよ。まっ暗い所にいたら、可哀相だよ」

「そうなんだよね-、おいらそれが一番の心配なんだよ。だけど、『一日くらいは我慢する!』って言ってたしなあ、、、ありゃりゃ?おいら『内緒に』って約束したのにッ!アワワ・・・」

急いで口に手をやる。

「ふふ、クルミには内緒にしときましょう」

「本当!?」

「本当ですよ。ねえ、皆も内緒にしときましょうね」


はーい


恵み子達はニコニコしている。茂吉も恵み子達もこんな会話を心から楽しんでいる。子供の他愛なさが何よりも気持ちを穏やかにさせる。特に三吉やクルミは久しぶりの恵み子達だし、何よりも小さくて可愛いのである。

「でも、何故クルミは野宿しようというのでしょう」

「だって、厭な親がクルミを取り返しに来たからだよ。そしたら、また売られちゃう!今度は郭とか云う酷いとこだって...クルミは役立たずだから、きっと帰されちゃうって…おいらも役立たずで居るとその内に帰される!って...」

思ってもみなかった事が三吉の口から出て、茂吉も恵み子達も唖然とする。




つづく



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