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クルミ 9 初めてのわがまま

前回

突然、目が見えなくなったクルミ、茂吉はガスを招聘する。


はじまり、はじまり



「茂吉様、ガスめがお役に立てるものなら何でも致しましゅよ」

「先生、ありがとう御在ます」

ガスは長旅も何のその、さっそくにクルミを診てくれた。

「ふむふむ...この子狐は大分、肝の臓がやられてましゅなぁ」

「そうなのですか?」

「ぅうむ。それが目に来てると思えましゅる」

「いかがすれば?」

「まずは一歩も歩かせてはなりましぇぬ。そして濃い蜆汁を毎日欠かさず飲ましぇ、後は処方した薬を飲ましぇましょう。それでまず、様子を見ましょう」

それからガスは日に何度もクルミを診てくれた。
「他にも何かありましぇぬか?」と言ってくれるので茂吉は学校での講義を頼む。快く恵み子の学校や医者の学校でも特別講義をしてくれた。

高名なガスに感銘を受けた者は後にガスの元へ弟子入りをする。一月もすると、目の濁りもとれ、いつの間にか元の澄んだ瞳に戻った。そして、すっかり皆になつく。

だが、心の中には売られて来たという蟠(わだかま)りを内に秘めたままだ。ガスは目が良くなったクルミに安心して帰って行く。それからは見る見る内に元気になった。

クヌギはそんなクルミを愛した。クルミもクヌギのそばから離れようとしない、姉のコノミを思い出すのだろう、、、茂吉も紫狼も親子姉妹のように仲良くしている二人を愛した。

クヌギは御係所の仕事に本格復帰した後も寝る時はクルミと一緒に寝ている。そうして、少しずつここでの生活に慣れてきたクルミだった。

売られて来たとはいえ、とてもここでの生活が気に入っている。優しい者達に囲まれ、怒鳴られる事も叩かれる事も無く、ご飯も沢山食べていいと言ってくれる。

だけど少しだけ嫌な事があった...クルミは怒られるのを覚悟して言ってみた。最初は遠慮して口答えも我が儘も言わなかったが、試しに少しだけ言ってみる。

小さい声で

「あたい、蜆汁なんかもう飲みたくない・・・」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
hagimetenowagamama.jpg

叩かれるかと首を竦(すく)めてたが周りを見ると、何故か皆はニコニコしている。聞こえていないのかと、もう一度勇気を振り絞って言う。


あたい、もう飲みたくないのッ!


そばに居るクヌギが嬉しそうにしている、皆はクルミが子供返りをし始めた事に喜んでいるのだ。そんな事は知らないクルミはいつ怒られるのだろうとびくびくしている、茂吉がニコニコして答える。

「今まで頑張って飲んでいましたものね、クルミは偉かったですよ」

「えっ?怒らないのぉ?」

「どうしてですか?」

「だって我が儘言ったのに」

「そんなことありませんよ、ねえ皆」

「本当に偉かったよ~」

「良い子だねー!」

其れぞれがクルミを褒めてくれる、クヌギは黙ってクルミの肩を撫でてくれた。

「それでは違うものを食べましょうね」

今までクルミだけお汁が違うのはいけないと、皆も付き合って蜆汁を飲んでいたのでクルミの我が儘は逆に嬉しかった、良い心根の者達である。

皆でさっそく台所に行くとクルミの食べたい物を作る事にした。クルミは憶(おぼ)えている少ない料理の中から一度だけ姉のコノミが作ってくれたお汁粉が食べたいと言った。

それを聞いて恵み子達は不憫だと泣く、、、どうにもクルミが可愛くて仕方の無い者達なのである。さっそく小豆を洗って弱火で火にかける、小豆が煮上がるまで皆はクルミと一緒に遊んだ。はしゃいで手に負えないくらいだ。

出来上がると、お餅が沢山入った美味しいお汁粉を皆で食べる。クルミは大きなお餅を二つも食べた。そしてぽんぽん腹のクルミを寝室に寝かせ、すやすや寝ている姿を見て安心する。

「父様先生」

「なんです、クヌギ」

「あたし、この子の姉になりたい」

「もうなっていますよ」

「それなら、あたしも!」

「皆、クルミの親でも兄弟でも姉妹でもあるのですよ。この子がこれからどんな成長をしてくれるのかとても楽しみです。
少し心の中に何かあるように見えますが、今にきっと解(ほぐ)れる事でしょう」

「そうでしょうか」

「何かあれば支えになって上げれば良いのですよ。あまりにこの子は幼い....この子がこれから恵み子としての道をわかって歩むにはまだ幼さ過ぎる。

子供返りをきちんとさせなくてはなりません。それには皆の愛情が何よりも必要ですよ。今にたくさん我が儘を言う生意気な子狐にさせなくてはなりませんから、嘗(な)めるように可愛がらないとね」

「ふふ」

「楽しいですね~」

「早く生意気を言うクルミが見たいですね」

「本当ですよ!」

「我が儘娘になれるように皆で頑張りましょう」

「はーい」

恵み子達は楽しみが増えたと言わんばかりに喜んだ。そうして二年が経ち、クルミは元気に日々を過ごしている。茂吉に恵み子にしてもらったのでもう病に罹(かか)ることもない。

そして何よりも恵み子達が丹誠込め過ぎた所為か?立派な我が儘の生意気娘になっていた。少しなり過ぎたきらいはあったが皆はクルミが可愛くて仕方ないのである。

そんなある日、茂吉が突然に里帰りを決めた。



つづく





今日は皆様にお知らせがあります。
妹が蹲っているこの子を保護したのですが、病院に早速連れて行くと神経障害がありました。
どうも人に蹴られたのではないかとのこと・・・
幸い、骨折がなくてよかったのですが、首を振ったり、バタンと後ろに倒れてしまいます。
ノミも沢山、寄生虫がいたりで入院をしていましたが
(その間、顔を覚えてもらおうと毎日、日参していました^^)
先生の適切な処置の甲斐もあり、何とか退院。
晴れて我が家の息子になりました。
生後二ヶ月くらいだそうです。
おーちゃんです、どうか宜しくお願いします。
oochan.jpg
先住猫のちーにそっくりの黒雉です。
マイブームは私のトド腹に乗せて寝かせることです。
クーラー冷えの腹には真によろしい天然カイロでございます。
ぷぷ
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Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
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