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お種愛し 2 大切な妹

前回

兄恋しさでお種は走りだす。最初は良かったが途中で倒れてしまう、周りにいた旅人の中に木平がいた。


はじまり、はじまり


木平は卍宿に寄った。
茂吉と逢うことは自分が正しく生きている証のような気がして『気にしなくていい』と言われても止めることが出来ない(本編、第八章)

その日も楽しくお茶をごちそうになっていた。

「そうそう、新入りがいるので紹介をしましょう」

紫郎に連れて来られた三吉は、挨拶も堂に入っている。

「恵み子の道を歩み始めたばかりの三吉です。宜しくお願いします」

「おんやまぁ!たまげだぁ~、挨拶も並の童子どは違うっすなぁーわすはすがない薬売りの木平だす。こちらこそ恵み子様に挨拶してもらうなんて畏(おそ)れ多いいだす」

「へへ」

「三吉や、木平は薬をできるだけ安く売り困った者には身銭を切り助ける、と云う素晴らしい篤志(とくし)の狸ですよ」

「そっだらごど言われだら、わす・・・恥ずかしいだす」

三吉はこの狸良さそうな木平に好感を持つ。世界中を旅している木平の話は多岐に富んでいて面白く、滞在中にとても仲良くなった。

「あのぅ、、、木平おじさん、頼みがあるんだけど」

「なんだすか?三吉様の頼みなら何でもきくだすよ」

「やだなぁ~三吉様なんて言わないでよ、三吉でいいよー」

「じゃあ、三吉坊でいいだすか?」

「へへ」

「何だす?」

「手紙をね、菰傘村のお種に届けて貰いたいんだ」

「お妹様だすか?」

「うん。ここに来るのにあいつにはよく説明もしなかったし、よ吉も産まれたって聞いたから、お種の我慢もそろそろ限界かな?って、、、」

「お安いご用だあ、任せて下さい」

こうして木平は菰傘村へ手紙を届けにいく途中だった。木平から差し出された手紙【お種へ】見覚えのある字に涙が出てくる。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります

aninokimochi.jpg


元気か、お種
おいらはとても元気に暮らしている。
友達もいるんだよ【くるみ】って言う生意気だけどとても頭のいい子狐なんだ。
おいらもタジタジになるほどさ。
ここにいると教えてもらうことばかりで、知ることがとても楽しいんだ。
村に居た時はお種や皆の世話でそんな暇もなかった。
責任があったからなんだ。
勝手かもしれないがおいらの責任をお種に引き継いで貰いたいんだ。
お種は妹だから甘えん坊だし、泣き虫だけど今はよ吉がいるから姉ちゃんだ。
お加奈にとっても姉ちゃんだ。
お前に頼めるかな?
おいらはお種なら出来るって信じているんだ。
おいらも頑張るからお種も皆の姉ちゃんとして頑張ってくれ

三吉


お種は黙ったままだ。

「大丈夫だすか?」

「兄ちゃんにお友達がいるの?」

「くるみ様だすなぁ~三吉様と難しい字を教え合ったり、いつも楽しそうにすてますなあ」

「あたい、兄ちゃんはおじちゃん達に囲まれて一人ぼっちかと心配していたんだ」

「そうだったんだすか?」

「兄ちゃんはあたいだけでなく皆の兄ちゃんだったから・・・考えたら兄ちゃんに友達っていなかった、、、あたい達の世話ばかり焼いていた。

「・・・・」

お種はじっと考えた...そして突然、立ち上がる。

「あたい、、、あたい頑張る!兄ちゃんに任されたんだもの、メソメソしていたらガッカリするもの」

「その意気だすよ!」

あっ!よ吉をそのままにしていた、いっけなーい!おじちゃん、又ね!兄ちゃんに『あたい頑張る!』って言っといて!よそのおじちゃん、おばちゃん達ありがとぉ~」

お種は手紙を急いでポケットにしまうと一目散に走り出して行く。

木平は呆気にとられたが、元気よく走っていくお種の後ろ姿を見て安心した。三吉は手紙を見せながら木平に言っていた。

「会いたいだろうとか、寂しいだろうとかそんな事を書いたらダメなんだ。あいつは一層悲しくなる。それよりも、よ吉達の姉ちゃんとしての責任を持たせることが大事なんだ」

「凄いことを言うだすなぁ」

「だっておいらの大切な妹なんだよ、立派になってほしいじゃないか」

木平はキッパリと前を向いて言う三吉を思い出す。

お種はもう三吉に会いに行こうとはしないだろう。それよりも託された責任を全うしようと努力するに違いない。


追記

お種はその夜、疲れすぎた所為なのか目が覚めてしまった。襖越しに両親の声が聞こえる。

「三吉はどうしているのかねぇ」

「頑張ってるに違いないだろうが」

「わかっているよ、でもさぁ.....」

「お種に聞こえたらどうすんだよッ、あいつだって猫一倍どころか何十倍も我慢しているんだぞ、俺達が三吉のことを話したら切なくなって会いに行くかもしんねえだろ」

「やだよ、そんな事になったらどうすりゃいいんだよー、お種まで手放すなんてあたいは死んでも嫌だよー!」

「縁起でもねえこと言うな、もう寝ろよ」

「うん、そうするよ」

お種は冷たい訳じゃなかった両親に安堵した。寧ろ自分に気を遣っていた事を知ると心の底から嬉しかった。

「兄ちゃん・・・あたい頑張るねッ」





おわり




これにて中短編の段は一応の区切りと致します。
一週、お休みを頂いて7月3日から長編の【くるみ】をスタートさせたいと思っています。
この物語は本編、第九章で卍宿に旅立った三吉の其の後から始まります。
猫国はマダマダ続きます、どうぞ末永くご贔屓下されますようお願い申し上げます。

ぴゆう

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