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夜矢 6  常世花

前回

夜空に遠く消えていく、哀しい二人を見送る五黄だった。


はじまり、はじまり


なんとまあッ

「あいつの嘆きは深かった・・・そこまで恋女房を追い詰めたとね、、、」

「でも、夜矢の誤解なのに?」

「少しは本当だったらしい。何せ相手は十七だ、最初は可愛いが、、、まっ、それだけってな」


酷いノン吉様ッ!


「それが男よ、わかっていても中に通っちまう、、、」

「ノン吉様を責められないよ。だってあたいら、それでおまんま食べているんだもの」

「・・・」

「それから、ずっとこんな事を繰り返している」

「夜矢の一念にそら恐ろしさを感じるわ」

「あたいは、わかる気もするなぁ」

「あちきも少し・・・そんなに惚れてみたいわ」

「男と女の仲は八幡の藪知らずだな」

「そうなんだねえ」

「今の夜矢は幸せなんだ」

「そう言うこった」

五黄は酒を呑み唄う。


「常世花、相惚れ二人、待ち合わせ

♪生まれぇ〜変わってぇも〜何度でぇ〜も♪


挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
tokoyobana.jpg


「夜矢、ほら常世花だよ」

「ゎぁ~綺麗ぃ・・・」

ノン吉は常世花の薫りに想う『何度こいつをここに連れて来ればいいのか...』小高い丘の上に降りると花畑が見渡せる。

「夜矢、少し起き上がれるか?ほら見てごらん」

ノン吉が後から支え、夜矢は何とか起き上がる。

「ねぇ、綺麗ねぇ...」

「ああ、たまんなくな」

「この薫り、、、ぁぁ...何度かいでも良い薫り・・・」

「思い出したのかよ?」

「ふふ、この匂いを嗅ぐとね...ゴホ、ゴホゴホッ」

「もう寝るか?」

「うぅん、、、このまま逝ったっていいもの」

「っッ、そんな事言うなよッ!今からでも遅くないから、父ちゃんに何とかしてもらおう!」

「イヤだよ」

「もう苦しませないでくれよ・・・なあ、頼むよッ俺だって苦しいんだ、、、もう、もう五度目だぜ」

「まだそんなもんかえ?」

「夜矢・・・」

「あぁ~、良ーぃ薫り。風がそよぐと尚更香るわぁ~ゴホンッゴホンッ」

「馬鹿!そんな口開けてよッ、咽(む)せるだろが」

「いいじゃない、好きな男とこうして常世花を見ていられるんだもの。楽しまなきゃ」

「いい気なもんだぜ」

「ねえ、、、そんなにイヤなの?」

「当たり前だろ、いい訳ないや」

「めぃゎく?」

「そんなんじゃねえよ、わかってるくせによ!終いまで言わせたいんですかっての」

「ふふ、言わせたいねぇ」

バカヤローッ!俺は行くぞッ」

「ふふ、いいともさ。あたいはこの花の中で死ねて本望だよ」

「全く、口の減らねえ女だよッ!わかったよ、、、」

「初手から素直になんなよ」

「けっ!生まれ変わる度に性悪になりやがるッ」

「お生憎様ぁ」

「だから俺は、堪んないんだよ。おめえはいつだって女郎になってやがる。おまけに因(よ)りにも因ってだッ、俺がお前と会う時は決まって死ぬ前さ。

それまで他の野郎共に散々に抱かれてよ、亭主の俺はお預けのまんまこれだ!あんまりだってぇのッ」

「ふん、情けないねぇ、そんな事を思っていたのかえ?あーぁがっかりした。こんな馬鹿野郎だったなんて!あーーッ、情けない」

「なんだよ」

「それが天翔猫のノン吉様の言うことかね?呆れてものが言えないよ。あたいはそうなるように望んで魂納めしているんだ。

あんたがちったぁ、あたいの苦しみを知るようにね!あたいがおさんの時は邪険にしてたのにッ」

「そんなことないだろう?あん時は忙しかったし・・・」

「忙しい合間をぬって郭に通ってたものねッ?今もお変わりないようでッ」

「そんな事ねえよッ!行ってねぇよッ」

「まだ言うの?」

「んッ、いや、、、全然じゃない・・・けど、そうしないとお前を探せないし、、、」

「ゴホンッゴホンッ・・・ゴホゴホ」

「おいッ!もう横になれよ、なっ、頼むから!」

「ゴホッ・・・ゴホゴホ」

「夜矢、俺...お前に苦労かけたよ。すまない、、、許してくれッ!」

「あんたって...あたいは...あたいは、、、」

「何だよ?何か言いかけで止めんなよッ」

「ふふ。なんか、、、なんか、やーっとわかったわ」

「わかったって、何がよ?何よッ?」

「内緒...」

「わかったよ、いいですよッ、どーせ俺には内緒でしょーよ」

「変なの、いつもか?ふふ」

「お前・・・」

「ぅぅうーッそんなに睨(にら)まれると息が、息が、、、」

「おいッ、おい!しっかりしろッ!

夜矢ぁあーッ

死ぬな、死なないでくれーーーッ!!


「まだ生きてるよ」

「このアマぁあーッ!騙しやがったな!金輪際許さねえッ、
ちきしょーッッ!

「ふふ、バーカ。あ~あ、あたいもあんたと少しは対等になれたわ」

「腕は上がったよ」

「ふふ、いい気分だわ~もう心晴れ晴れ-!」

「全くよ、俺もお前とこんな風に話せるなんて思わなかったよ」

「そぅ?」

「ああ。所帯持ったばかりの時は、、、悪いけどお前は子供過ぎて...」

「あんたも新しいおもちゃを欲しかっただけだったのよ」

「そうなのかな?」

「そうよ。まっ、お互い若かったのかもねッ」

「そうなのかな?だけど俺、、、あん時九百歳にはなってたぜ」

「数は今だっていってるわよ」

「違いない」

「そろそろ夜が明けるわ」

「本当だ」

地平線から太陽が昇り、花畑を橙色に染めていく。

「夜矢、お前まで染まってるよ」

「・・・・」

「夜矢、もう止しにしようよ。笑えないよ」

「うふふ、またね・・・・・」

「おいッ『またね』って?おいッ起きろよッ!起きろって言ってんだよッ!」

「・・・・・・・・・・」

「おぃッ・・・逝っちまうのか?なぁ、、夜矢、、、なあ...ッ
なぁああーーーーーッ!!


夜矢の目は二度と開かなかった。
ノン吉はいつまでも、いつまでも夜矢を抱いていた。


つづく
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