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夜矢 2 あやしい

前回

紅葉の十日はやるせない、縁があるやらないのやら
夜空は今日も美しい、冷たい風が頬を撫でて

会いたくねぇと口が言い、会いたいんだと心が言う。
切ないノン吉、飛んでいく。


はじまり、はじまり


ノン吉は『風に流され産海(うみ)に出るのもいいやあ』と思いながら飛んでいた。

夜矢は溜め息をつきながら、空を眺めていた。

「はぁ~ぁ~あの鳥、、、もう一度見たいなぁ」

ノン吉は夜矢を見かけると迷いなく近づく。


おーーい!


「えッ?・・・」

「お前だよ~お前に言ってんの」

「あたいかい?」

「他に誰がいるってんだよ」

「あんた、鳥かい?どう見ても猫にしか見えないけど、、、」

「猫に決まってるだろ」

「ふーん、そうかい。飛ぶ猫なのか、、、それで、何よ?」

「ここはどこだ?風に流されちまって、狐国は一年ぶりでよ、何だかさっぱりわからねぇ」

「ここは外れ(はずれ)宿だよ。二、三年前に出来た町らしいよ」

「ふーん、どうりで知らねえ筈だ」

「だけど前も飛んでいたろ?」

「そうだっけ?」

「しらばっくれてるよッ!先(せん)の宿であたいは確かに見たよ」

「物覚えは良いなー、そっか、、、で、この店は何て言うのさ」

「ここは『海流楼かいるろう』って言うのさ」

「ふーん、違う意味で流れ着いたのかな?」

「何言ってるの?」

「こっちのことさ」

「それはいいけど、飛んでいるのも疲れるだろ?少し休んだらよ。お茶くらい出してやるよ」

「お、悪いな~そんじゃ少し休んで行くか」

夜矢は飛んでいる猫に興味をそそられたのだろうか、した事のない親切をする。

「お茶、持って来るから待ってて」

「すまねえなあ~姐さんは部屋持ちかい?」

「まあね。客はいないから、寛いでてよ」

「そんじゃ遠慮なく横にさせてもらうぜ」

「そうしなよ」

ノン吉は横になると寝てしまった。

いつもなら有り得ない事だが、何故か心地好く寝てしまう。起きると布団が掛けてある。
そばに疲れた顏をした夜矢が寝ている、魘(うな)されているようだ。

「うッ...うぅん・・・ぃゃぁ、

イヤぁだあーーッ、、、

おいッ、しっかりしろ!大丈夫か!」

「えっ?、、、あらいやだ!あたい寝てたの?男の前で寝たことなんてないのに、、、」

「まっいいじゃんか。姐さんのお陰で楽になったぜ、ありがとよ」

「いいよ、別に何もしてないしさ」

「そうはいくかよ。商売の邪魔したろ、これで足りるか?」

「何がよ?」

「銭だよ、泊まりの相場は幾らだ?」

「・・・・」

「ほら、これ位で良いかな?俺、ここんとこさっぱり知らねえからよ」

「いいよ、いらないよ、何もしてないんだもの」

「まっ、添い寝代だよ。じゃあな、おーっといけねえや、名前はよ?」

「あたいはツバメだよ」

「違うよ、本当の名前」

「夜矢」

「ふーーん、じゃあな~!」

「ちょ、ちょいとッ、ちょいとったらぁー!

ノン吉は夜矢が止める間もなく、窓を開け夜空に飛んで行ってしまった。手元には沢山の団栗餞(どんぐりせん)
夜矢自身、少し不思議に感じる、客に本名を言うなんて一度もなかった。

「あたい、熱に魘されたのかしら、、、」

ノン吉は酔いが冷めていたとはいえ、やはり残っていたのだろう。フラフラして帰って桃吉を心配させた。

「兄貴、兄貴ってばッ!

ふわぁ~~あ!よく寝たあー」

「寝たなんてもんじゃないですよ、夜中にふらふらして帰って来たら
バタンキューですもん。

俺が声かけてもグースカピースカで心配しましたよ!
それでお二方はお元気でしたか?」

「ああ、元気だったぜ。相変わらずよ」

「ふぅーん、、、何か疚(やま)しいことあるでしょ

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります

ayashi.jpg

「何でよ?」

「だって、体中からいい匂いがしてる。

あーーーッ!

お蜜様とホニャラララしたんでしょ?
だからあーんなに遅くなったんだ、

違いない!

『ねえ、ノン吉。ちょいとぉ〜もっとお寄りよ~』

『そうかい、お蜜』

とか何とか言っちゃって、

キャーーッ、不謹慎!エロ猫!

許せないッ!チキショーーっ




馬鹿


桃吉は思いっ切りの猫パンチをくらった。


バッ、チーーーン!


「馬鹿たれ、そんな事をしたら五黄の父ちゃんに勘当されるわ」

「ふぅーん、本当かな?・・・」

「全くよ、他はいたってボケ茄子の癖にそっちだけは聡いよ」


フンだ!


「しょうがねえなあ」

ノン吉は昨夜のことを話そうとしたが止めた。どうせ内緒にした処で知れること、桃吉をやきもきさせるのも一興かなと考える、今にこいつと恋話の一つもできるのかなナンテ思ったり。

「ありゃ?忘れちまった!歳かなあ~」

「歳には違いないです」

「又、猫パンチ貰いたいの?」


ニ゛ャだぁーっ!


相変わらずの二人だった。
ノン吉と桃吉はこの頃、別行動が多い。それは五黄の発案で、王達が頻繁に交流をすることにしたからだ。

王族達はそうそう自国から離れる訳はいかない、五黄は別だが充てにはならない。
そこで羽のある二人にお鉢が廻って来た。

二人は其れぞれの担当を決めて廻っているのだが、桃吉が何カ所も廻るのは到底無理なので今の処は狸国だけになっている。後は全てノン吉だけなのだから大変である。

そして中日(なかび)に猫国に戻り、五黄と藤平に報告をする。屋敷の中庭に相変わらずテントを張ってあるので、其処に帰って来ている。

ノン吉は『ボーっ』としている。
桃吉は何かあると言い、付きまとって離れない。五月蝿い目を逃れ、鈴音川の辺(ほと)りにいた。



つづく
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