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ある日のきゅー助 3 狸兵衛と赤子 

前回

田平に打ち明けられた赤子の秘密。戸惑うばかりの家族にきゅー助はどこまでも明るい。いい知恵でもあるのだろうか?


はじまり、はじまり


「いいよ、そんな事気にしないでよ。それよかおいらにこの子を良く見せてよ、それに名前は?」

「はい、出来るならば、きゅー助様にお願いしようと前から決めていました」

「おいらが?・・・・それは荷が重過ぎるよ~、この子の名前は兄様にお願いしよう!」

「そんなー、もったいない事です」

「ううん、普通の狸ならおいらでもいいかも知れない、だけど、何か狸七(りしち)に関係がある子なら話しは別だと思う」

え゛っ?いまだに皆から憎がられている狸七と?!やっぱり・・・どうしよう、、、」

「皆も気付いていたんでしょ?だからそんな事をしていたんでしょ?でもきっと深い意味あっての事だと思うよ。

それにあの子は何も知らない可愛い赤ちゃんなんだよ。
親や田平がそんなにピリピリしてたら、勘の強い神経質な子になっちゃうよ」

「その通りです」

「だから安心してね。おいらが兄様を連れてくるから待っててよ」

きゅー助は赤ちゃんの尾を確認すると、狸兵衛(りへい)の屋敷へと向かう。狸兵衛がきゅー助とやって来たのは翌日だった。

きゅー助はそんなに速く飛べない。だから、来る時はしっかり狸兵衛の尾に乗って来た。狸兵衛に甘えん坊と言われても知らんぷりである。

二人が家に入ると大人狸は緊張して平伏し項垂(うなだ)れる。

対照的に元気よくきゅー助に怒ったのは、駒と花だ。

「あ~ッ!兄ちゃん!昨日黙って帰ってバカぁー!」

「キュウキュウの馬鹿ぁ」

そう言って二人は外に駈けって行ってしまった。

「あっ、いっけなーい!そうだったよぉ~」

「ふふ。きゅー助、後でしっかり謝らないとな」

「本当だね。あっ!簪(かんざし)も忘れたぁ~あ」

「小さくともおなごよ、これをやるがいいぞ」

狸兵衛はポケットから赤い珊瑚玉(さんごだま)を出すと手の平に乗せ『ふっ!』と吹く。あぁ~~ら不思議!あっという間に二本の簪になった。

ひゃぁー!便利だなあ~」

「ふふ。きゅー助も頑張って術を覚えればいいのよ」

「こんなに巧くいくかなあ~?」

「さてな」

狸兵衛が田平に言う。

「田平、耳子、戸平、顔を上げなさい。わしに赤子を見せてくれぬか?」

「はっ、はい!こちらで御在ます。こんなむさ苦しい所に態々御出で頂きまして、田平、恐縮の至りでございますッ!」

「田平、よいのよ、気にするでないわ」

流石に狸兵衛である。威風堂々としたその姿には、民の頭を自然と下げさせるだけの威厳がある。その子はすやすやと寝ていた、耳子が急いで狸兵衛のそばに連れてくる。

「ふふ、可愛い子よ。男狸と聞いたが?」

「はい」

「さて、尾を見せてもらおうかの?

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
riheiakago.jpg

おー、よちよち。おじいちゃんに可愛い尾っぽちゃんをちょっとだけ見ちぇてねえ~
べろべろばぁ~~♪

その場に居た者はあまりの狸兵衛の変わり様に唖然とし言葉も出なかったが、威厳もへったくれもないその姿に皆、嬉しく、心楽しくなる。

ぴりぴりしていた耳子は、狸兵衛の愛情深い姿に胸が一杯になった。

「ほほぉー、これでちゅねぇ~?たちかに銀色でちゅねー」

「あぅあぅ」

子狸は尾っぽを触られていて気持ちよくなったのか、勢いよく狸兵衛におしっこを掛けた。


ありゃーーッ!?


皆して驚く。

まあッ大変ッ!申し訳ございませんッ!」

耳子は急いで子供を抱くと、勢いよく発射されているお股にタオルを充てる。田平と戸平は真っ青になって慌てた。
きゅー助は笑いながらポケットから狸兵衛にタオルを差し出す。

「ぷぷ~、はい兄様」

「ふふ、楽しいの~」

顔を拭きながらも嬉しそう。

「兄様って、子供が好きなんだね」

「無論よ、国の宝よ」

「それで、どうすればいいの?」

「うむ、この事を他に知っている者は?」

「はい、産婆のシャケ婆です」

「ふーん、そうではないな、、、村の者は全て知っているだろう」

「えっ?あれだけ口止めしたのに!あの婆...」

「田平、それは無理な事よ。その証拠に店に客があまり来てないようだの」

「そういや、おいら店番していても誰も来ませんでした」

「ふふ、それ程に狸七は憎がられているのよ」

「だけど、この子は・・・」

「さて、この子は【一平】と名を付けよう、『一回目』だからの」

「なあに?一回目って、、、」

きゅー助不思議そう。

「後で、わかることよ。どうかなこの名は?」

「はっ、はい!ありがとう御在ます。何と誉れな事でしょうか」

「では、一平を村の者に紹介をしよう。皆を呼んで参れ」

よぉーし!おいらが呼んでくるから待っててよ~」


つづく

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