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第十章 開道 狸国顛末4

前回


捕縛蜘蛛(ほばくくも)の紋次が連れて来たのは既にこと切れた狸七と九市であった。二人の凄まじい形相が全てを語る。暗殺に失敗した二人に残されていたのは醜い責任のなすり合いしかなかった。

九市の頭の中にあるのは殺されると云う恐怖、焦り。狸七にあったのはこの役立たずを始末をする。九市が狸七に先手と云わんばかりに合い口で刺す。狸七が逃げる九市を持っていた合い口で刺す。

あとは地獄図である、一言も発せずお互いの息が止まるまで刺し合う二人。茂吉達にはその光景が走馬灯のように見えた、だが狸七がこと切れることに合点が行かない、五黄が天宮に行こうと言い出す。



はじまり、はじまり



一行はゾロゾロ屋敷から広い庭に出た。狸兵衛は庭に出ると自分の太い尾を股から前に出す。その尾をふわりふわり振る。すると振る度に尾が、横に縦にと広がっていく。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
riheinoo.jpg

瞬(またた)く間に十畳ほどの大きさになると狸兵衛は満足そうだ。自分の尾の上に胡座(あぐら)をかく。まるで金色の絨毯(じゅうたん)の上に座っているように見える。

「久しぶりじゃったが、忘れてはおらんかったわ。乗ってくれ」

「ふふ、いい出来だよ。皆も乗りなさい」

皆は恐る恐る乗る。さすがのおーてんや茂吉、十字でさえ経験がなかった。足下が十センチは沈み込むような、ふかふかの気持ちのいい踏み心地だった。気持ち良さに喜んだのはきゅー助とオロだった。

わあぁー!ふかふかだよ~ぉ」

「本当だね~、気持ちいいねぇー!」

狸兵衛も嬉しそう。

「気に入ってもらえて何よりぞ。さっ、皆座ってくれ。出発するぞ!」

重さも感じないようにふわり宙に浮き、一行を乗せた狸兵衛は、【天宮】に向けて飛び発った。天宮に行くのは五黄も狸兵衛も久しぶりのこと。きゅー助やオロはもちろん初めてだから目を丸くしている。

天宮は相も変わらずに美しい花畑がどこまでも、どこまでも続いていた。眩(まばゆ)いばかりに輝く金銀の二つの光がキラキラ空中に浮いている。

一行は光のそばに近づくと、二つの光が『さーっ』と【陽の神様】と【月の女神様】になる。五黄達は平伏(ひれふ)す。

「お久しぶりで御在ます」

「五黄よ、久し過ぎるではないか?」

「われら、人形(ひとがた)になるのを忘れるほどよ」

「おもう様おたあ様、申し訳ありません」

「ほほほ」

「五黄は訊きたい事があって来たのかな?」

「珍しい顔ぶれよ」

神達は至極暢気(しごくのんき)である。狸兵衛が堪らなくなり訴えた。

「おもう様!おたあ様!わたしの弟の狸七めが獺(かわうそ)の九市と死んでおりました。それも只の短刀で刺し違えて、、、どういうことなのですか?」

「彼奴(あやつ)は只の狸だからのぉ」


え"ーーーッ!?


【陽の神様】の言葉には誰もが驚いた。

「でっ、でも、そんな、、、狸七殿は王族です」

茂吉が思わず声を出す。

「茂吉までそのように。さて、我から言おうか?それともそなたが言うか?」

「そなたが言えば良いわ」

「それでは。狸七は《理ことわり》を破った時点で普通の狸となったのよ」

「そんな、、、どうしてなのですか?この茂吉、一向に合点がいきません」

「茂吉よ。そなたに【お係所】【身魂抜きの宮】【魂納めの宮】を造らせたのはそもそもがなんであった?」

「それは、二度と人国の過ちを繰り返さぬ為で御在ます」

「そうじゃ、民草(たみくさ)はそれで宜しかろ。なれどそれだけでは片手落ちであろうよ」

「どういうことですか?」

「永遠の魂を持つ者達は別格か?」

「それは・・・」

「お前達は普通の民草と違う。それは永遠の魂だけではない。《理》の具現たる存在なのじゃ。故にその《理》を破り、蔑(ないがし)ろにした時点で全ての妖力も永遠の魂もなくなる。死んだ狸七は九太夫を殺める企(たくら)みを遂げた時点で只の狸よ」


なんと!


「それでは、狸七はすでに普通の狸だったのですかッ!?

「残念なことよ。狸兵衛、我らはお前を哀れに思う。なれど仕方もなし。狸七の心根が招いた結果よ」

「はい、、、わかっております.....」

「わかってくれるか」

狸兵衛は下を向いたまま震えてる。

「我らは国を兄弟で治めよという、それはお互いを補うことが大切だからよ。王が光ならば弟は陰となり支える。それは弟や妹の資質からそうなっている、また王もそうなのだ。

我も女神がいてこそなのだ。どちらも欠けてはうまくいかぬ。狸七は兄王を蔑ろにし一人立とうとした。狸兵衛は狸兵衛で九大夫の死により手足がもがれてしまった。仕方もなし、なれどこのまま狸国を返上するか」

「・・・・」

「できはすまい、国はお前の血肉じゃもの」

「うっぅぅぅぅ・・・」

【月の女神様】は優しくそっと狸兵衛の頭を撫でる。

「狸兵衛、そなたには既に良き弟が出来ておる。きゅー助、オロよ、こちらに」

突然、【陽の神様】に呼ばれた二人は足がガクガクして歩けない。おーてんや十字に抱えられやっと来る。

「狸兵衛や。きゅー助もオロも見事な心根持つ者達よ。お前の足らぬ処をこの者達に助けてもらえば宜しかろ。我ら、お前達の生き様にこの世界の明日を見る思いであった。

善き者達よ。ここにおらぬ桃吉もそうよ。五黄、狸兵衛、良かったのぉ。褒めようぞ、きゅー助。オロ。」

「はっ、はいッ!」

二人の足のガクガクは中々おさまらない。後からおーてん達が支える。

「女神よ、授けてやれ」

「ほほ、わかりました。さっ、目を閉じるがよいわ」

【月の女神様】がきゅー助の額の白い模様に触れる。すると白が銀色になり輝き出した。今度はオロの頭の皿を撫でる。すると銀色の皿になった。見た事もない光景に『ぉおおっーーーッ!』と声を上げる。

「ほほ、これで狸兵衛は弟ができましたね。さっ、目をお開けなさい」

二人は恐る恐る目を開け、お互いの銀色に声を上げる。


おわゎゎーーーぁ!


ぎっ、ぎ、銀色ーッ!


「これで二人、共に狸兵衛の弟よ。狸兵衛を頼みまする」

二人とも平伏す。







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