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第九章 親子 里帰り2

前回

屋敷の居間で五黄と藤平は、久しぶりの会話を楽しんでいる。お蜜が帰還を大歓迎されていたことを聞いた藤平はホッとした。これで狐国は何もかもうまくいくだろう。

そして藤平は藤平で茂吉が九百年振りに里帰りしたことをニコニコしながら話しだす。



はじまり、はじまり



「どうしたのかい?茂吉が来てくれるなんて夢みたいだよ」

「父様ったら、大袈裟(おおげさ)ですよ」

「だってしょうがないよ。お前はとても忙しいし、もう一人のフラフラ父ーちゃんと違って私は屋敷から離れる訳もいかないからね」

「ふふ、父様は相変わらずですね」

「当たり前だよ~、一番会いたい私がお前に会えなくて、何時だって兄さまばかりなんだから腹が立つよ」

藤平は気付いていないが、茂吉の前では平気で五黄を兄さまと呼んでしまう。やはりその方が自然なのだろうし、藤平と茂吉は昔から気が合うからその所為かも知れない。

「ふふ、だからこそ会いに来ました。長い間の希望がやっと叶いました」

「だけど、お前なんでこんな夜中にお出でかい?」

「誰にも知られたくなくて、、、」

「どうしたのかい?何かいけない事でも或るのかい?」

「いいえ、仕事はとても巧くいってますよ。この頃は今までの苦労の甲斐もあって色々任せられる程になりました。だからこうして来れたのですよ」

「それならいいけど。私はお前が一人で苦労しているのかと思うと不憫(ふびん)で不憫でしようがなかったよ、、、たまに空に向かって悪たれもついてたよ。

『茂吉ばかりに苦労をさせてあんまり酷い!神々様のろくでなしー』って」

「父様ったら、、、陽の神様も月の女神様も良くご存知でしたよ。

『藤平に怒られたよ、どうしよう』って」

「あれ!そうなのかい?まずかったね」

「ふふ、いいんですよ。あたしもたまには嫌になる事もあり、逃げ出したくなった事だって、、、」

「何だ、いつでも帰ってくればいいものを、、、わたしゃ、茂吉を待ち抜いて首が長くなり過ぎて、あんまり延びたから一度切って繋(つな)げた程だよ!」

アッハハハハ

「父様ったらー!」

ワッハハハハ


二人は久しぶりに笑った。茂吉は藤平の変わらぬ愛情に触れると、幼い日々に戻ったように感じた。忙しさにかまけて会いに来なかった事を反省した。

二人は寝室を出てリビングに入ると、藤平はさっそく茂吉に自慢のコーヒーを飲ませる。コーヒーを味わうと茂吉は家に帰って来た事を実感した。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
mokichicoffee.jpg

「やっぱり父様のコーヒーは美味しいですね~。あたしも真似して作りますが、どうもこの味にはなりません」

「ふふ。そりゃそうだよ、年期が違うもの」

「そうですね。美味しいコーヒーを飲みたくなったら、此処に来ようかな?」

「そりゃいいね。私はいつでも待ってるよ」

「父様とこうするのは久しぶりなのに、会った途端にあたしは子供になっちまう」

「当たり前さ~。だって、お前とノン吉は永遠に私と兄さまの子だよ。お前達の歌を作ってくれた子供達も、もうこの世に居ないものね」

「そうですね、、、でも、あの子達は立派に生涯を全うして魂納めの宮に参りましたよ」

「だけど寂しいよ...」

「あたしもこれからは再々、ここに帰ってきますよ」

「そうしておくれ。あれ、すっかり忘れていたよ!茂吉がこっそりと帰って来た訳をね」

「ふふ、父様はやはり違いますね」

「三吉のことだろ?」

「はい、その通りです」

「お前が来た事を知れば村どころか近在まで大騒ぎになる。そうなると動き難いものね」

「はい。なるべく早く親に会って話をしたいと思います」

「茂吉自らが親に会うのかい?」

「はい。親御はこれから寂しい思いをずっとすることになります。【恵み子】が親に会えるのは親御さんが死んで【魂納めの宮】で再会するのが関の山です。

それも再会を喜ぶ事も出来ない、、、考えれば辛い運命です...」

「そうだったね...」

「最初の【恵み子】は立ち直れなくなるほどのショックを受けました。その子はあたしに泣きながら言いました。

先生!僕は親に何も言わずに出てきました。どれほどに寂しく悲しい思いをさせたか...それなのに、それなのに、やっと会えても相手は既(すで)に死者。抱きつく事すらできない!』ってね、、、

あたしは思いました。こんな事になるのだったら、せめて少しでも親と大切な時間を過ごし、お互いが覚悟を決めて別れていれば、これほどまでに悲しむ事はなかったのではなかろうかと、、、。

自分の親に寿命がないから、あたしは他の者の違いに考えが至らなかったのです。愚かでした...。【恵み子】の親とはいえ、普通の民である事に気が付かなかったのです。

お恥ずかしい話です。それからは【恵み子】にもその親にも納得してもらい、そして親子で大切な時間を過ごし、お互いが覚悟を決めてからこちらに来てもらうようにしたのです」

「それでなのかい、お前が来たのは?」

「いいえ、特別ですよ。普段は他の者がしています。今回はあたしが自分の親に会いたいからです」

ペロッ

舌を出している。

「嬉しいね~、三吉様々だね」

「本当ですね」

二人の楽しい会話が途切れる事は無かった。




今回のアップが今年最後になりました。
長いようであっという間の一年だった気がします。
往来記もようやく九章まで来ました。それも皆々様の温かい励ましあってのこと。
まだ先が見えない猫国ではございますが、末永く見守って頂けたらと思います。
来年もよろしくお願いします。

のくにぴゆう





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