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第八章 お蜜再び ガスと云う河童3

前回

お蓑は三笹川に来てから、メメに、そしてガスに、思わぬ親切をされた。
それは、ささくれる心を和らげるには、十分過ぎるものだった。
御馳走になり、久しぶりに満腹になる。満たされた顔をしているお蓑をガスは優しい穏やかな目で見ていた。


はじまり、はじまり


元々メメから旅慣れてない猫が三険山に向かった事を聞いていたので、川に嵌(は)まったらいけないと思って用心し見守っていたそうだ。
最初は放っておいたが段々と痩せて来たようなので、心配になって姿を現したそうだ。

みんなに嫌われる不細工な自分を心配してくれた事が嬉しかった。溜まりにたまっていた思いをガスに包み隠さず話した。
ガスは『ふあふあ』と変な相槌(あいづち)をうちながら、要領の得ない話を辛抱強く聞いてくれた。

話すだけ話すと疲れて放心してしまった、ガスは何も言わずにニコニコしている。

「何も言ってくれないの?あたし、どうしたらいいのかしら?」

「ふあふあ、九尾のお蜜ともあろう者が五黄様からの謎掛けがわからんのかの」

「えッ?どういうことよ」

「ここでわしに会ったのも何かの縁じゃろなぁ~。良ければわしと暫(しばら)く暮らすがいい」

「えっ!なんで?」

「ふおふお、何でじゃろなぁ~。何も知らないお蓑に色々と教えたいからかのぉう」

訳が解らなかったが、確かに何も知らないのは本当だ。これから旅をするのにも不安だらけだった、、、

メメに貰った大事な魚も既に食べ尽くし、グズグズしてここに留まっていたのも、他で食料を調達する自信が全く持てなかったからだ。

今だって何も解らない。わからなければ遠慮しながら尋ねなければならない。他人に聞くのは一時の恥だとわかっていても、自分より下の者に頭を下げて聞くのはやはり嫌だった。

それに旅先でこれ以上自分の醜い姿を晒(さら)すのも我慢できなかった。嫌な事しか思い浮かばないお蓑の明日には夢も希望もなかった、、、

ガスが教えてくれるというのなら、願ったり叶ったりの話だった。
少しでも教わって、生活の知恵を身につけようと思った。

「どうするかな?」

「お願いします!あたし、何でもやりますから教えて下さい!」

「ふふおふ、そうか?わしは【お蜜】には教えとうないが、お蓑には教えたいんじゃのお」

不思議な事を言いながら、ガスはお蓑に食事の後片ずけをさせた。お蓑に芒(すすき)を何本か取らせるとそれをきれいに纏(まと)める。鍋を洗う即席の束子(たわし)である。

これで鍋を洗う事を教えられ、素直に従って鍋を洗うと鍋底もきれいに洗えた。お蓑の鍋は手でさっと洗っていただけだから、まわりがぬるついている。自分の鍋も一緒に束子で洗うとキュッキュッと音がするようになった。気分がいい。

次にガスは焚き火に水を撒いて、完全に消火したのを確認してからその場を離れた。

「火は大事なものだが、怖いものでもあるからのお。ここで泊まらないのじゃから、きちんと消しとかなくてはのぉ」

お蓑に自分の風呂敷包みを持たせると歩き出す。ガスは河童なので川を泳いで行くのが得手なのだが、お蓑に合わせて歩いている。歩くのが苦手だから、のそのそと杖をついて歩いている。

そんな事にもお蓑は気が付かない。ガスが年寄りなので歩くのが辛いのかと思い、手を組んで速度を合わせて歩き出す。ガスはお蓑がする 精一杯の親切を黙って受けた。いつの間にか伊佐が徳にしたように相手に合わす事が出来ている。

それからずっとガスと歩く時は、お蓑は必ず腕を組んでそろそろ歩くようになった。

「楽じゃのお~、お蓑は親切じゃのお~」

「そんな事ないわよ、おだてたって何も出ないわよ」

二人は暫く歩いた。何度か休憩してようやくガスの住まいがある『連傘の滝』に辿り着いた。素晴らしい瀑布だ。滝は何段にも渡って豊富に水を流している。

何本もの傘を連ねた様に滝が流れている処から付いた名前だろう。岩にぶつかった水は勢いよく周囲に飛び散っている。
ガスは川に入ると滝壺の方に案内する。

お蓑は水の冷たさが火照った足に気持ちよく、ずっとそうしていたい程だった。ガスと一緒に滝壺に行く。歩をゆるめる事なく滝に入って行こうとする。

「ちょっと~、水浸しになっちまうよ」

「少し濡れるだけじゃよ」

仕方なく一緒に付いて行くと引き摺られるようにして強い勢いの滝の真ん中に入った。水圧でおかしくなると思ったのも一瞬、目の前には広い洞窟が見えた。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
hikarigoke.jpg

「あら?奇麗だわ!」

「気に入ったかのお?」

光苔(ひかりごけ)がびっしり生えていて、洞窟一面が妖しく光っているのだった。高さは十メートル近くある。高い天井にも隙間無く光苔が覆い尽くしている。妖しい輝きに目を奪われた。

「キレイだわぁ~」






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