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第八章 お蜜再び お蓑と呼ばれて1

前回

お蜜は且つて狐国の妹女王だった。本来は、姉のお風を手伝い、二人して狐国を守立てて生きていく事を定められていた。

しかし、勝手気侭(きまま)な性格はそのことを善しとせず、自分の我が儘(わがまま)を押し通し、乳母であるお熊と共に猫国入りした。五黄はお風との話し合い通りにお蜜を猫にする。

それから九百年もの間、その性格は変わる事なく、ますます酷くなっていた。貞吉達子分の窮状、乳母のお熊の必死の諫言(かんげん)を重く見た五黄に、お蜜は到頭、姿を変えられ放逐されてしまったのだった。(第五章、九尾のお蜜参照)


はじまり、はじまり


お蜜は五黄に村境まで飛ばされた。
暫く意識を失っていたが、モソモソと起き出した。

「まったくぅー!あたしの事をなんだと思っているのよッ、失礼しちゃうわッ!!」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
kousuke1.jpg



♪ヒョイとひょいとヒョイとな~♪
銭さえあれば何でも買える~♪
何でも屋の甲介が~♪揃えられない物はない~♪
ヒョイとひょいとヒョイとな~♪


浮かれた声を上げながら、何でも屋の甲介が歌いながら歩いてる。

「あら甲介だわよ」

お蜜は霞(かす)む目を擦りこすりしながら、甲介の元に駈けって行く。

「ちょっとぉ~、甲介!甲介ってばぁー!」

甲介は聞き辛い濁声(だみごえ)に振り返った。

「ん?誰かな、俺を呼んでいるのは?」

「あたしよ、甲介!」

ひどく醜い猫に気が付くと、あからさまに嫌な顔をする。(ウェー)

「誰だいッ?」

「あたしよ!わからないの?」

「悪いが全くわからないね」

「何、言ってるのよッ!散々買ってやったじゃない!客の顔も忘れたのかいッ?」

「失礼だが、俺は一度でもお客になったお方の顔を、忘れることなど有りはしないんだ!何をふざけた事を言いやがるッ」

「このお蜜を・・・九尾のお蜜を忘れたのかいッ!?」

「お蜜様だとッ!?とんでもない事を言いやがる!たまげたメス猫だねッ!」

「まぁーッ!ちょいと、メス猫ってどう言う事よッ!?」

「悪い事は言わねえが、お前さん鏡を見た事ないのかい?それともお頭(つむり)がいけないのかい?」

「何を言うのよッ!あたしの日課は鏡を見て始まるのよッ!そう言えば埃(ほこり)も払ってなかったわ」

自分の横腹にあるポケットを探ると、美しい手鏡を取り出した。鏡を覗く。くもっているようで、じっーと見た。(ジィー)段々と焦点が合ってくると、、、叫んだ。


「きゃーッ!誰よ!誰なのよッ?この醜い猫はぁーーッ!?」


「自分で自分を醜いって言うメス猫も中々いないよ、変な猫だ。構ってる暇は俺には無いから、行かせてもらうぜ」

「ちょっとーッ!ちょっと待ってよッ!今はこんな姿をしているけど、正真正銘にお蜜なのよッ!!」

「懲りない猫だねー。そんなこと此の先の荳傘村(まめかさむら)で言ったら、お前みたいなメス猫でも子分さん方に袋叩きにされるよ。いい加減に世迷い言を言うんじゃないよ!」

言い張るお蜜を甲介は持て余した。

「そういや、あんたは大分目が悪そうだね?眼鏡でも掛けたらどうだよ。はっきりと見えるようになれば、自分の惚(とぼ)けた頭もすっきりしてくるかもよ」

目が見ずらいのは、鏡を見て気が付いていたので、仕方なく頷(うなづ)いた。

「そうか?そうだよ!眼鏡を売ってやるからよ、銭を寄越しな」

「幾らなの?」

「フン、そうさね~お前みたいに見窄(みずぼ)らしい柄の猫に、売るにはもったいないような人国製だが、、、
大して銭もないだろうから負けてやって、五団栗だな」

「えっ!そんなにするの?だって貞が買った時は二団栗だったわよ!」

「貞の兄貴まで懲りずに呼び捨てにしやがってッ!身の程知らずもいい加減にしな!!気に入らなきゃ買わなくて結構なんだよッ」

「わかったわよぉ、、、わかったから頂戴」

「はなからそうすりゃいいんだよ」

団栗餞を毟(むし)り取ると、甲介は背中に背負っている篭から桐箱を出した。

「ほらよ、一番高級な代物だ。この眼鏡を掛けりゃ、その惚けた目がきっとすっきりするぜ」

甲介は桐箱を押し付けると、逃げるように去って行った。

「なんだいッ、あの野郎は!あたしはお蜜だって言ってるのにッ!そりゃ姿はかなり違っているけど・・・・・」

桐箱を開けると女物の眼鏡が入っている。試しに掛けてみると途端に視野が広がった。

何もかも鮮明に見え出す。見えると自分の毛が泥色している事が良く分かった。


ギャッ、畜生めッ!五黄の奴といい、甲介といい!どいつもこいつもふざけやがってーッ!まっ、いいさ。こうして尾っぽを一振りすりゃ、いつもの奇麗なあたしに戻るんだ」


(フ、フフン)

縮こまっている尾っぽを振ろうとする。いくら振っても、いつものように体に尾が振れる感触が無い。何回も振る内に、いい加減に気が付く。

「何?どういうことなの?少しも柄が変わらない。そう言えば尾の感触が・・・」

恐る恐る尾に触れながら、背中を見てみる。


「ぎゃーーーッ!あたしの尾っぽがないッ!ないッ!!なんか汚く縮れてるのが付いてるぅぅーーッ」


激しく泣いた。自分の美しさがなくなったのだ。泣いて泣いて泣き疲れるまで泣いた。


「あたしはどうすればいいの??どうやって生きていけばいいのよぉぉーーーっ!」






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