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第五章 九尾のお蜜 女猫お蜜2

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挿絵参照↑↑↑   絵をクリックすると大きくなります

お蜜は下の階にいるお熊に声を掛ける。

「お熊~、旦那様がおいでだよ。お食事の支度をお願いよ」

お蜜は食事の仕度ができる間にお茶を入れる。

「ねぇお前さん、この部屋どう思う?」

「どうって」

「うふ。気に入ってくれたかしら」

お蜜はとてもきれいな藤色の猫である。耳毛だけは白く、とても良いアクセントになっている。

九本の尾は藤色から濃い紫色へとグラデーションになっていて、他の猫とは比べようもなく美しい。五黄は見る度に思うのだが、お蜜の九本の尾っぽが、からまないのが不思議でならない。

「お前さんたら、何考えてんのよぉ~あたしが何度も呼んでいるのにッ」

「へっ?いや別に。随分きれいだなあって見とれていたんだよ」

「もお、お前さんたら、いやあねぇぇ~、本当のこと言って」

「・・・・・・」

五黄は忘れていた。お蜜は半端じゃないナルシストだったことを。
それが原因で猫になった事をすっかり忘れていた。

お蜜の自慢話を適当に聞いているとドアをノックする者がいる。

「お嬢、お食事をお持ちしました」

「ありがとう、お熊。入って頂戴」

お熊は入って来ると手際よくテーブルに食事をセットした。

「お熊は元気そうだね」

「はい、旦那様。旦那様がいらっしゃるのがわかっていれば、もっと美味しいものを用意しましたのに」

「どうしてそんな事を言うのだい?」

「だってこんな代り映えのない品ばかりで・・・」

五黄はここの豆腐料理が好きだった。貞の作る九味豆腐は絶品であるだけでなく、どのように加工しても豆腐本来の美味しさが生きている。

特にお熊が調理する豆腐料理の数々は飽きる事がない。

「俺はお熊の作る食事が大好きだよ。お蜜には悪いけど、ここに来るのはお熊の料理を食べたいと思って来るのかもね(笑)」

「ひどいわ~!あたしはおまけなの?」

お蜜はそう言いながらも、身内同様のお熊を褒めてもらうのがうれしい。お熊はお蜜をかばう為には平気で誰にでも憎まれ口をきくものだから、好いてくれる者もいないし、まして褒めてくれる者等五黄以外にはいないと思い込んでいる。

「旦那様はこの熊めの拙い手料理をいつもお誉めくださる。熊は果報者でございます」

「ふふ、大仰な事を言うよ。それじゃ頂きます」

五黄は食事をどんどん平らげていく。お蜜もお熊もいつもながらの食べっぷりに感心している。

「ねぇお熊~、これお豆腐かな?とても喉ごしが良くて美味しいのだけど」

「はい。それはざる豆腐より弛(ゆる)めのものを使います。とても柔らかいので青竹に入っています。
井戸でよく冷やし、その冷えた処に夏なら茗荷、生姜の極々細い千切りを。

今は春ですので、たらの芽を茹でて煮浸しにしてから、これも良く冷やして、お召し上がる直前にそっと豆腐の中に忍ばせます。

そこに冷えた胡麻だれを掛けたのでございます」

「さすがだねぇ~、豆腐の甘さとたらの芽の苦みが堪らなく美味しいよ」

「お気に召されて何よりでございます」

「本当に美味しくて気に入ったよ。藤平へのお土産にしたいよ。でも、太吉の豆腐屋でもあるのかな?」

「これはまだ、どこにも売っていません。貞によりますと加減が難しく弟子達にも教えられないそうです。
ですから、ぜひお土産にしてお持ち下さいませ」

「お熊ったら何を言うのよッ!お土産なんてぇ~、もう帰るみたいじゃないの・・・」

「そんなことないよ、ねえお熊」

「はい。旦那様がお土産にしたいと仰って下されたのを貞が聞けば、喜ぶと思います」

「ふふ、お熊は貞と気が合うのかい?」

「とんでもないことです。あの馬鹿は御嬢の御苦労も忘れて、自分だけが苦労していると思っている唐変木です。この前だって散々に叱ってやりました。

尾の毛を禿げにしてまで、役立っているお嬢をわかっちゃいないんです。
猫一倍自惚れが強いお嬢が、この頃は傍目(はため)でも目立つ程におなりで、、、

誰にも会わずに閉じこもって、昼間はシェスタだとか云って、子分達には言い訳までなさって、、、あの馬鹿たちは何にもわかっちゃいません。

見て下さいまし!御嬢の尾を」





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