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第二章 旅立ち ノン吉登場1

前回

桃吉は世の吉に菰傘村に連れて来られた、適当な事を言われて五斗吉の家に預けられた。
五斗吉の優しさに、安心したのか疲れもあり、ぐっすりと寝た。
翌朝、猫の姿にまた、びっくりはしたが、それも次第に慣れて来た。
顔を洗って来いと言われ、始めて独り、外に出る。

はじまり、はじまり


清々しい空気は全てを鮮やかに映す。
桃吉は思い切り深呼吸をした。(スぅーハぁー)

茅葺き屋根と細くたなびく煙、長閑(のどか)な景色に心を奪われながら歩き出す。実り豊かな畑があり、近くを通ると野菜の青い匂いに懐かしくなる。

「昔に嗅いだなぁ、田舎のばあちゃん家でさぁ」

水田に出ると一気に視界が開け、心地よい風にさらされた。
田んぼの稲穂が勢いよく茂っている。

青々しているのもあれば、黄金色になって稲穂が垂れているのもある。チグハグな印象を受けながら歩いていると川に出た。

その川の幅は十メートル程だろうか?立派な石橋が架かっている。
橋の袂には橋桁があり、降りて行けるようになっている。

その川の清き水の流れに桃吉は、ひどく感動した。

「わぁお!」

美しい緑の藻が流れている、花が咲いているのもある。深い感動に襲われた桃吉は自分の特色というべきか、雰囲気と美しさにすっかり興奮して、詩情溢れる自分の高揚した気持ちを叫んだ。

「やっほぉ~」

試しに小声で言ってみた、それが心の叫びとなり、次第に大声になる。


「やっほっー!やっほほーほーぃ!」


調子に乗ってきた。


「やっほぉー!ヤっホー!」


何度も叫んでいた。

「うるさいなぁ、うるさいよ!」

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
nonmomo7_20100114215800.jpg


ムッとして見た視線の先には、白黒のスマートな猫がいた。

「お前誰よ、それにしても派手な色してんなぁ」

気持ちよく叫んでいたのを邪魔され、ふてくされながら答えた。桃吉であることや昨日から猫になった事、五斗吉のとこに居ることなどを説明した。

白黒スマート猫は髭をびんとさせながら、ニコニコしている。

「俺はノン吉って言う風来坊だよ、お前何してんのさ」

気安く尋ねられたので、顔を洗いに来た事を言った。

「ふーん、だけど叫んでいたろ?」

「あふれる高揚した気持ちを表現したくて叫んでいたんです」

ノン吉はげらげら転げ回って笑う。

「腹がよじれるよう~(爆笑)」

ひぃひぃ言いながら笑っている、勝手によじれていろ!桃吉は思った。

「おッ前すごくいいなぁ~」

涙目になる程笑った顔で言う。

「なあ桃吉ってさあ、こっちの事どれくらい知ってんのよ」

「昨日は疲れて寝てしまったので、殆ど何も知らないです」

「暢気(のんき)だねぇ。人間やってた猫っていうのは、五斗みたいに真面目で面白みのない奴ばっかりかと思っていたけど、やっぱいるんだねぇ、変わり種がさぁ(笑)」

ふんふん言いながら納得している様子に桃吉も思わず相づちをうつ(ウン、ウン)その姿を見てまた笑う。

「よし気に入った!俺、お前の世話役になってやる!」

「世話役って何ですか?」

「今までやった事ないけど、親しい友達みたいなもんかな」

へらへら笑いながら、ウインクをした。猫にウインクされた。

「……」

顔を洗いに来たのだろうと云われ、冷たい川で顔を洗う。
桃吉は昔から手を動かさないで、顔を動かすという洗い方をしている。

ノン吉はその姿にまた、笑う。変な洗い方だって。失礼な奴である。

「変なのは小さい時から言われているので、自分でもわかっているのだからして…」

「怒るなよ」

タオルを差し出してくれたので、礼を言い、顔を拭いた。





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第二章 旅立ち ノン吉登場2

前回

桃吉は始めて目にする美しい景色に心地よくなり、「ヤッホー」と暢気(のんき)に叫んでいた。そんな桃吉をどういうわけか、白黒猫のノン吉が気に入ったようだ。


はじまり、はじまり




coffee.jpg

挿絵参照↑↑↑  絵をクリックすると大きくなります



こっちにこいと誘われ、川沿いの道をついて行く、広い空き地にテントがあった。
モンゴルの草原にあるパオのような形をして、骨組も丈夫そうだ。

「ここが俺のねぐらなのさ」

案内されてテントに入る。中は天井が高く広々している。

「おっと、いけないや」

ノン吉がアチチと言いながらヤカンを取る。

「コーヒー飲むかい?」


「飲む、のむ、飲む!」


「さすがに元人間だけあって、熱いのをよくまぁ飲めるもんだなぁ」

感心しているノン吉は、コーヒーを桃吉が全て飲み干してしまったので、昨日の残りのコーヒーを飲んでいる。
桃吉はたぷたぷのお腹を揺すりながらゲップをした。

「うーッ、飲み過ぎたぁ~気持ぢ悪い゛」

「バカだねぇ(笑) そういやお前これからどうするのさ。このまま五斗のとこに居れば奴の商売の干物屋を手伝わされるのがオチだぞ」

「干物臭くなるのはいやだなぁ...そういえば、俺って人間の頃から何をすればいいのかわからないままに夢無き人生を歩いて来たから今さら猫になったところで、急に何かに目覚めようはずもなく、全くわからないや」

「やっぱり面白い奴だねぇ~」

「ほっといてくれ(プン!)」

「お前、桃吉さぁ~俺について来るかい?」

「どこに行くんですか?」

「俺はさぁ、旅から旅の股旅者なのよ。一人で旅してきたけど、桃吉を見てたらなんか一緒に旅をしたくなったょ」

ノン吉が嬉しい事を言ってくれる。

「俺もあてがないし、このままでも仕方ないしナぁ...」

「じゃ、ついて来な!」

ノン吉に背中を叩かれ、その気になった。

「それじゃ五斗に筋を通さないといけないな。後は誰かに世話になったかい?」

「はい、世の吉さんに。それに奥さんが迎えに来ました」

「あいつのカミさんにも会ったのかい」

「はい」

「一人でなくて良かったなぁ~。あのカミさんの色気は並でないからなぁ、世の吉も大変だよ。あいつらのそばにいたら年がら年中の痴話げんかに付き合わされてたまんないよ。

大げんかしたかと思えば、すぐにイチャイチャするから、馬鹿っプルで有名なんだよ」

「へぇー!こっちでも馬鹿ップルなんて言うんだぁ」

「なんでもいいやな、ほら行くぜ」

「ここはのどかでいいですねぇぇ」

「こっちはさぁ、お前のいた世界と違って、何事のんびりしているのよ、何事もさ。だから、あっち風でいると疲れるょ」

「ふーん。ノン吉さんは...」

「兄貴って呼びなよ」

兄貴と呼ぶことにした。ここでは年上の男はたいがい『兄貴』女は『姉さん』と呼んでいれば間違いないと教えてくれた。



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第二章 旅立ち ノン吉登場3

前回

ひょんなことからノン吉と知り合った桃吉は、ノン吉に猫国のことをいろいろと教えてもらうのであった。


はじまり、はじまり



「ノン吉兄貴は、ずい分あっちの世界の事をご存知ですね」

「風来坊だから、いろいろな世界を知っているのさ。
そうだなぁ~ お前が居た人国の百年がこっちだと十年くらいになるな」


なんですって?それだと俺はすでに浦島太郎状態......?」(想像してる)


挿絵参照↓↓↓ 絵をクリックすると大きくなります

urashima.jpg

「ふふ。何だか知らねぇけど、そんな所さ」

「そしたら俺が世話になっている五斗吉兄貴はいつ頃来たんですか」

「あいつはここに来て二十年にもなるかな」


ええーッ?そしたら江戸時代の人だったの!?...そんな人に俺、世話になったの.....(ビックリ)」


「ふふ。まっいいやさ、桃吉もこれからはこっちの者になったんだしな、
それに俺と一緒にフラフラするのも中々面白いぞ。処でお前は旅したことあんの?」

「自分が人間だった頃は、旅なんていう程ご大層なことした事ないなぁ。
小さい時に行ったらしい写真で見た記憶のない家族旅行に、学生時代の修学旅行くらいかな。
あまりにしょぼくてお粗末な旅の記憶...情けない(トホ)」

「そんなにがっかりするなよ。
俺はさぁ、ここのノンビリしているとこも好きだし、違う世界を旅するのも刺激的で好きなんだ。
ここは食い物は美味いし、気候も穏やかでさ とろとろしちまう場所なのさ」

「へぇー、なんかわかります」

「だけど、あんまりここにいると溶けちゃうくらいに体がなまっちまうのよ。
だから旅に出るという寸法よ」

相づちをしている内に、五斗吉の店の前に着いた。

「相変わらずの干物だねぇ」

ノン吉が楽しそうにしている。桃吉は潜り戸を叩いた。(トントン、トントン)


「今帰りましたー!」


戸をガタガタ鳴らせて、店の中から五斗吉が出てきた。

「あれれぇ、桃吉なにしてんだよぉ、飯が冷めちまうだろ、顔洗ってこいって言ったらいつまでも帰って来やしねえんだからョッ」

「すみません」

「すまないなぁ~俺のせいなんだよ、五斗吉よう」

その声を聞き驚いた顔をした五斗吉がノン吉を見て、途端に態度を変える。

「驚かさないで下さいよ!ノン吉兄貴じゃないですか!
しかしお久しぶりですねぇ~だけどなんでノン吉兄貴が桃吉と一緒にいるんです?」

不思議そうに聞くので、あらましを話した。

「へー、あっしはなんでも良いですよ。兄貴がこいつを気に入ったのなら構わないし、あっしは世の吉兄ィに頼まれただけだし、厄介払いできるし。だけどこの事は世の吉の兄ィに言わないとね」

あまりな言われように桃吉はブルーになった。

「俺もそのつもりよ。お前に話したらその後で、世のとこに行くつもりさ」

「そんじゃあっしは兄ィのとこに、ひとッ走りして呼んで来ますよ」

「兄貴と桃吉は支度してありますから、飯でもやっていて下さいましよ」

五斗吉は請け合って走り出した。(猫走り)
見送るノン吉は「五斗はカワイイ奴だなぁぁ」独り言を言う。
桃吉は自分を厄介払いできるからって、あんなに張り切って行ったよッ!とふて腐れる。



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第二章 旅立ち 干物屋五斗1

前回

ノン吉の姿を見た途端に、五斗吉は破顔する。よほど好かれているらしい。桃吉は嬉しそうに駆け出す五斗吉を見送った。


はじまり、はじまり



ノン吉は勝手しったるなんとやらで、五斗吉の家に入って飯を食べだす。

「やっぱ五斗の作る干物は美味いな~まったくピカ一だよ。他は全く面白みのない奴なのに、干物を作る事にかけては天下一だよ!」

褒めているのか、けなしているのかわからないノン吉に、食べてみなと勧められ、桃吉は面白くもない気分で干物なんて、どこも変わらないょ!と、思いながら食べてみる。

本当に美味かった。ふっくらとした焼き加減といい、干物の風味を最大限に生かした絶妙な塩加減。桃吉は知らずに『うミャアー』と鳴いた。

二人はミャアミャア騒がしく、がつがつ食べていた。暫くすると潜り戸が開いた。


挿絵参照↓↓↓ 絵をクリックすると大きくなります
kuisugite.jpg


「失礼しやす」

世の吉達が入って来た。五斗吉の用意していた朝飯を米びつまで空にした
ぽんぽん腹のノン吉がニコニコしながら声をかけた。

「久しぶりだなぁ」

飯粒と干物のかすを顔中に飛ばして、全くしまりのない顔でえらそうに言う。

「五斗に聞いたんですが、桃吉がノン吉兄貴に世話になる!ってこいつが息せき切って言うもんですから、そりゃ、一大事って言うんで取る物も取り合えずに急いで来たんですよっ(ゼイゼイ)

しかし、ノン吉兄貴はもの好きですねぇ、この桃吉のどこが気に入ったんだか 
こんな猫なり立てのぼんくら。言っときますけど、なあぁーんも知っちゃいないんですぜ。

五斗なら元人間だから、ちったぁ教えられるかぐらいなもんで
しかし、しみじみ変わりもんですぜ、こんなやっかい事を背負い込むなんて」

世の吉は言いたい放題である。

「どうせ、俺は変わりもんよ」

ノン吉はニヒルに決めたつもりだが、干物と飯粒が邪魔をしてまったくしまらない。
三人はあまりのおかしさに吹き出した。
あまり笑われるものだから、しまいにはノン吉が怒りだした。

「何、笑ってんだよ!」

世の吉と桃吉がひぃひぃ言って笑っているので、五斗吉が仕方なさそうに言った。

「ノン吉兄貴、俺の朝飯を気に入ってくれたのは嬉しいですけど、顔中飯粒と干物のかすが付いていて色男が台無しですょ」

「へへっ、それなら先に言ってくれよ。
久しぶりに五斗の干物を食ったもんだから、興奮しちまって我を忘れたね」

赤い舌をぺろりと出す。横腹のポケットからタオルを出して顔を拭い、今度は鏡とくしを出して入念に髭(ひげ)と毛並みを整える。

「なんでも出てくるなぁ、便利だなぁ」

「お前にもあるぜ」

「へっ?何が?」

「横腹にポケットがさ」

桃吉は自分の横腹を探る。


「ぎょッ!穴があいてる!俺の腹に穴があるーっ、ギャゃーぎゃー!」


「こんなですぜ。何も知っちゃいないんだから。本当に鼻から教えなきゃだめなんですから知りませんよ。後で文句は言いっこなしですぜ」

「わかってるよ。俺も承知の上さ」

「そんならいいですけど」

「うちらはいいんですけど、五黄様にはなんと言えばいいですかね」

「ふぅぅん そう言えば五黄の父ちゃんが居ないようだね。どうしたの?」



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第二章 旅立ち 干物屋五斗2

前回

ホッペが落ちるほど、美味しい干物を堪能していると、あたふたと世の吉と五斗吉が店に戻って来た。
二人の平らげぶりに五斗吉は嬉しそう。世の吉は桃吉が役にも立たないと力説してる。
そんな話の中、五黄の話題から世の吉にとり、義兄弟の貞吉の話題になる。


はじまり、はじまり


世の吉はお蜜の話をする。

「あらまっ!やっぱ揉めたのね」

「ご存知なんで?」

「あのジョニーを連れて行ったのは俺なのよ」


え゛ーーッ?あんまりだょ~、俺の義兄弟の貞なんか尾っぽが痛いって痩せたって。 なんでそんな野郎を連れて行ったんですか?」


「だって九尾のお蜜がさぁ
あいつがたまには毛色の変わった猫とつき合いたいって言うんだよ。
普通の猫は飽きたのよって。

あんたはいろんな場所にも行くし、
知り合いの中に色々な猫もいるだろう?ねぇぇ聞いておくれでないかいぃ? なんて、あのもの凄い色気の流し目でお願いされてみなょ、仕方ないだろが」

世の吉も五斗吉も口を揃え「そんじゃあ、仕方ないです」

「あの姐御にお願いされたらあっしだって、火の中水の中ですよ。
いいなぁ~きっとお願いょん、なんて言いながらゴロニャンされたんでしょ?」


「ちっきしょーーッ!」


五斗吉は桃吉の耳を噛んだ。(ガブッ)


ふんぎゃゃーっ!


桃吉が泣き叫んでいると世の吉がおっかない顔をする。


「だまってろ!」


「だってダッテ五斗吉兄貴が耳噛むし...(涙)」

痛さで半べその桃吉を皆、無視してる。

「まっ、コロニャン程度かなぁぁ」

ノン吉はあごをこすりながらニヤニヤする。


「ちっきしょーッ!」


五斗吉はまた又、桃吉の耳を噛もうとしたので、とっさに耳を手で隠した。桃吉の小さな抵抗に憤まんやる方ない顔をした五斗吉は世の吉の尾っぽを噛んだ。それもかなり思いっきり。


う゛ぎゃゃーー!尾っぽが、尾っぽ切れだぁーッ!


世の吉は天井まで飛んだ(ビョーン)戻ってくるなりもの凄い顔をして五斗吉に殴り掛かった。どたばたしているので、ノン吉が間に分け入った。

挿絵参照↓↓↓ 絵をクリックすると大きくなります
yonoopo.jpg

「いい加減にしろよ、五斗の癖の悪さは世のも知っているんだから、五斗は板きれでも噛んどけ。まったく。だからこの界隈じゃ、耳や尾っぽの先が欠けてんのが、ごろごろいるんだよ」

桃吉は耳が欠けなくて良かったと思った。(ホッ)

「尾っぽの先がないぃぃ~(涙)」世の吉はひぃひぃ泣いてる。

「五斗、先っぽはどうした?」

「腹の中」


「俺様の尾っぽ食いやがった!?俺の尾っぽをッ、尾っぽを返せぇぇーー!」



泣き叫んでいる。

「食っちまったんだから仕方ねえだろう、そんなに騒ぐんじゃないさ」

「だって、俺の大事な先っぽ......」

「仕様もねえなぁ、ガキみたいに泣くなよ、取っておきのいいもんやるから」

ノン吉はポケットを探ると、テニスボールを取り出した。

桃吉は知っていたが黙って見ていた。

「なんですか?」

「これをこうしてお前の尾っぽの先に付けるのよ、これは夜になると光るのよ。(ピカピカ)蛍玉っていうのさ、夜になるのを楽しみにしてな」

世の吉は途端にご機嫌になる。

「え?それいいなぁぁ」

五斗吉は羨ましがる。テニスボールを知らないらしい。


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第二章 旅立ち 干物屋五斗3


前回

五斗吉に尾っぽの先を食われてしまった世の吉は、ヒィヒィ泣いている。ノン吉は泣き止まない世の吉にテニスボールを与えた。途端にごきげんになる。


はじまり、はじまり



「まったく、お前達のお陰で話が脱線しっぱなしだよ」

「・・・・」

「おい桃吉、俺はどこまで話をしたっけ」

「はい、ノン吉兄貴がお蜜様にコロコロニャンされたまでです」


ノン吉は素早く、噛みつこうとして口を開けた五斗吉に板きれを押し込んだ (ムギュ) 口をうぐうぐ言わせている。


「へぇー、そうやればいいんですか」

「簡単なもんよ、それで色男のジョニーはどうしたのさ」

「貞たちに袋にされて、なんでも長い尾っぽをバッサリ切られちまったそうで」

「あらまぁ、自慢の尾っぽだったのに不びんだねぇ、どうも」

ちっとも可愛そうな素振りも見せずにニヤニヤする。

「まっ、たんといい思いをしたんだから仕方ないやねぇ。そのうちに会う事もあるだろうから、そしたらなぐさめてやろうかな」


「ざまぁないですよ。『色男、あんたの尾っぽに巻かれたい』なんて歌がありましたけど、野郎これからはそうもいかないや」


桃吉は、なんだやっぱり尾っぽは長くないとかっこ悪いのでないのょ、と恨めしそうに世の吉を見ると「嘘つき」と独り言を言った。

「それで、五黄の父ちゃんに口聞きを頼んだ訳なの?」

「はいそうです」

「また俺の男の魅力をわからせなくてはなるまいな!なんて言っただろ?」

「へい、その通りなんで」

世の吉はノン吉が見ていたように言うので不思議そうにしている。


「どうしていつも同じ事を言うのかね。それでお互いがそうなんだから、五黄の父ちゃんも九尾のお蜜姐もあんまり長生きしてるもんだからボケてるね、違いない。お前達は百年と生きていないから知らないだろうが、あの五黄の父ちゃんはとんでもなく長生きなんだぜ」


「あっしらは六百四十歳って伺ってます」


「とんでもないよ、俺だって 千年位 になるんだから」


三人は驚いて口をあんぐりと開けた。(・・・・)


「凄く変わっているんだよ。だいたい、歳なんて関係ないような長い年月生きてんのよ。だからどうでもいいじゃんと思うのだけど、老けるのはまだ早いとか言ってさ。
ものすごーくサバ読んでんのよ、あれで」


三人は二度びっくりした。(!!!)

「そういうのって、サバを読むというレベルでないでないの」
(サバがサンバ踊るわ)

挿絵参照↓↓↓ 絵をクリックすると大きくなります

sanbasaba2.jpg


「俺だってそう思うよ、ところが五黄の父ちゃんに言わせると気持ちの問題らしいんだわ。心から若々しいことが大事なんだと」

「・・・・」
 
「だけど六百四十っていう年齢だけで十分年寄りに感じますけど」

「そこがお前たちとは物の尺度が違うのよ。
 父ちゃん達の知り合いなんていったら万年単位クラスなんだぞ」


ひぇぇーっ!


三人はのけぞった。




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第二章 旅立ち 干物屋五斗4


前回

五黄達がとんでもない長生きだと知って、驚く三人達であった。


はじまり、はじまり


「じゃあ、あの九尾の姐御もですか?」

「あの姐さんがいくつだか知らないけど、恐ろしく長生きなことは確かだよ。
俺が知っているだけでも何回もくっついたり、離れたりしているからなぁ。

最初はニヤついて姐さんのとこに行くんだけど、しばらくすると、もう大変な剣幕で俺はあのメス猫に殺されちまう!って剣幕だけはすごいんだが、よれよれになってノン吉よぉ、迎えに来てくれよぉなんて使いをよこすんだよ。

一人でさっさ帰れるのに、ちゃんとした理由がないと帰してもらえないものだからね。姐さんの分別なしも少しはなくなったけど、あれは病気というより生まれついてのもんだわな」


「そんじゃ、あちしの嫁のお陽なんてかわいいもんですね」

「おう。かわいいもんさ」

「これは内緒だよって教えてくれたんだけど、ここだけにしてくれよ」

「へーい」

「お前達はあんな風に気安いから知らないだろう。
あのお方は本当は大親分どころか、とんでもない猫の神さまみたいなお方なのよ。

なんでもこの世をお造りになった神様がいてさ、その神様がある日、鼻毛を抜いていたんだと、あんまり抜いてたもんで その内に鼻がこそばゆくなって、大きなくしゃみをしたんだそうだ。

そのくしゃみと共に生まれたのがあの父ちゃんなのよ。
元は鼻毛らしいんだわ」


鼻毛!?


三人は大爆笑した。(ぐひゃひゃ、アヒャヒャ~)腹がよじれそうになってひぃひぃ言いながら笑った。

世の吉は泣きながら「どうりで、毛が固いはずだ~~」

挿絵参照↓↓↓ 絵をクリックすると大きくなります
warwara.jpg


またまた、大爆笑した、ノン吉も一緒に転げ回って笑っていた。
あんまり笑っていたので、潜り戸を叩く音に気がつかなかった。

「お前さぁぁん、居るのか~ぃ?」

戸をどんどん叩きながら、世の吉の嫁のお陽が騒いでいる。
やっと気がついた四人は、それでも腹を押さえて、ひぃひぃしている。
ノン吉に誰にも言うなよと念を押されてうなづいた、世の吉が戸口に向かって言う。

「うるせえなあ、今開けるからよ、そんなに戸を叩くもんじゃないさ」

戸を開けると、お陽がひょいと顔を出す。

「やだねぇぇ、干物臭いのと男臭いのでたまらないよ」

「どっちにたまらないんだか」

ノン吉が舌を出す、お陽がむっとした顔をする。

「早く出て来なょ、あたしゃ外に居るよ」

勢いよく戸を閉めた。

バッシっ!!




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第二章 旅立ち 干物屋五斗5


「お前のとこの山神さまは相も変わらず怖いねぇ」

「兄貴が余計を言うからですよ」

世の吉はへらへらしている。そろって外に出ると何やら賑(にぎ)やかな様子。

挿絵参照↓↓↓
momoshokai.jpg


どうも元人間の新入りが来たというので村中の老ニャく男女が見物に来たらしく五斗吉の店の前は大盛況、桃吉の姿を見た村の連中がおおっー!と物めずらしげに声を出す。
桃吉の視線の先にいる女猫たちは、きゃーキャーと黄色い歓声をあげる。
経験した事のない事態に桃吉は調子に乗ってあっちの女猫、こっちの女猫と投げキッス。
五斗吉に鋭い猫パンチをくらった。(バチン!)


「あれ、かわいそうに・・・」

「ひどいよねぇぇ」

「あんなに腫れてるよ~」

女猫達がチヤホヤしてくれる。また、デレデレしていると三人の凄い視線に気がつく。


「大丈夫です!」


世の吉がみかん箱に乗る。

「えー皆さんご静粛に!すでにお聞き及びの事とは存じますが、
ちょっとそこ!うるさいよっ。えーっ、えへん。昨晩、桃吉が村に参りました。何分にも昨日、五黄様の御手により、猫になったという成りたてホヤホヤの奴です。皆様方には何かとご迷惑、ご厄介をおかけするかと思いやすが、何分にも宜しくお願いしやす。ほら、挨拶しないかい」

世の吉に小突かれて「宜しくお願いしまぁーす」桃吉は頭を下げた。(ペコリ)

どよめきと黄色い歓声に満足げな世の吉。

「えー、挨拶もろくすっぽ出来ねえ半人前のスットコドッコイですが、可愛がってやっておくんなさい」

「気にしないわょぉ~」

「可愛がってあげるょ~ん」

「えー、それからノン吉兄貴が世話役になられましたので、兄貴からも一言、頂戴いたしたく宜しくお願いしやす」

みかん箱をうやうやしくノン吉に譲り、ノン吉もえらそうにする。

「え~、おっほん!本日はお日柄も良く皆様にはお忙しい中遠路はるばる、お集りいただきまして云々・・・」

遠くから来た奴いないじゃんと桃吉は思った。

「考えてみればわたくしノン吉は皆々様とはついぞ親しくする事もなく、今日まで参りました。たまにお庭先ともいうべき空き地に宿をとる程度のしがない旅烏(たびがらす)これを機会にそんな渡り鳥のような私も菰傘村の皆々様と親戚付き合いをしたいと・・・」

「ありがてー!」

「ノン吉兄貴様ーー!」

「嬉しいぃぃ~」

皆の異常に喜ぶ姿に馬鹿馬鹿しくなり、桃吉は誰の話題だとしらけていた。

いつの間にか、ノン吉は皆に担がれてわっしょい!わっしょい!

当然のように世の吉、五斗吉も仲間に入ってわっしょい!わっしょい!

どこかに行っちゃいました。(イッちャッタョ)仕方もなしにその場に居たが、待ちくたびれて座り込んだ。





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第二章 旅立ち 三吉の願い1

dositan.jpg


挿絵参照↑↑↑

いつのまにかウトウトしていたら、トントン肩を叩かれた。(ん?)

「なぁ兄ちゃん、起きてよ」

「おちてょぉ」

「ニャアニャア」

「死んでるのかニャ」

「そんな事ニャぃよ」

可愛い声に振り返ると、小さな子猫の集団に桃吉は囲まれていた。
つぶらな瞳に見られていると恥ずかしくなった。
(わぁカワィィ)その中の年かさの子猫が話しだす

「なぁ、にいちゃん。兄ちゃんって桃吉っていうの?」

「ああそうだよ」

「お前は?」

「おいらはね、三吉って言うのさ!」

「あたいはお種」

「島吉」

「小吉ニャァ~」

「ニャアニャア」

まだ話せないような子猫も一生懸命に名前を言う。あまりの可愛さに言葉も出ない。

「兄ちゃんはここで何してんのさ」

「えっ?皆を待っているんだよ」

「父ちゃんたちは皆で川の方に行っちゃったよ、ここにいても帰ってこないよ。大人のお水とか言うのを飲んでて、どんちゃんどんちゃんって太鼓叩いたり、お囃子をしたりしてうるさいよ。子供は帰りなとか言ってなぁ、追い出されたものなぁ」

「ちょーらょ」

「あたいたちには、大人のおみじゅは早いって」

「ニャアニャア」

「ニャァ~」

「そうか可哀相になぁ、大人のお水か 確かに早いわな。
それじゃ、ここで待っていても仕方ないのか」

「そうだよ、父ちゃん達呼んでたよ、おいら達に探してこいって。おっかない顔してなぁ」

「うん、おっかニャいよ」

「怒るとこわいよ。お尻ぺんぺんされちゃうょ」

「ちゃれちゃうぅ」

「痛いよ」

「ニャアニャア~」

「そうか、わかったよ。教えてくれてありがとな」

桃吉は可愛らしい子猫たちの頭を撫でた、ゴロニャンと鳴く。

礼を言って川に向かって歩きだした。

「お兄ちゃぁ~ん!」

「なんだい?」

「お兄ちゃん。あのね、父ちゃん達は大人の水でおかしくなっているから、大急ぎで駈けって来たって言った方がいいよ」

「わかった!そうするよ、だけどいつもあんななのかな。お祭りみたいだったね」

「あれはね、お兄ちゃんが来たからっていうのもあるけど、ノン吉おじちゃんがみんなに親しげに話をしてくれた事に感激したらしいょ。
だって、あんな風に話をした事なんてないからね。
おいら達にはノン吉おじちゃんは普通に話してくれるけど大人には話さないよ。五斗吉おじちゃんは干物売っているから口をきいてたけど、ここには五黄のおじちゃんに会いに来るだけらしいよ。だから皆して大騒ぎしたんだ」

「三吉は大人を良くわかっているね」

「だっておいらは頭いいもぉん。(ニャハ)とんびが鷹を生んだってこの辺じゃ評判なんだよ~ぉ!」

「へぇー、とんびがねぇ。それで三吉の父ちゃんって誰なのよ?」

「おいらの父ちゃんは、お兄ちゃんも知っている世の吉だよ」

(へっ?) まったくあれ以上の大とんびはいないだろう(クスクス)笑いをかみ殺すのに苦労した。

「いろいろありがとうな」

「うん、じぁねぇ(ニコっ)」




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第二章 旅立ち 三吉の願い2


三吉は可愛い尾っぽを振りながら子供達の方に駈けって行った。
言われたように走っていかないとまずいな・・・と考えながらも、
桃吉はまだこの体に慣れていないので駈けるなんていう事は全く無理な気がした。

(マイッタナァ・・・)

走るのって人間みたいに駈けるのかなぁ?ぶつぶつ言いながら走ってみた。

(あ、ヒョイっと)


どっ、すーーんッ!


物の見事にひっくり返った。

「い゛っだタタ・・・猫って胴が長い割には足が短いから走れニャイニャン(ウゥゥ)どうしよう・・・・・」

桃吉は転んだ痛みより、どうしたら走れるようになれるのか考えていた。(コウカ?アアカナ?)

挿絵参照↓↓↓

momosan9.jpg


「ニャア」

「ニャアニャ」

「兄ちゃ~ん、どうしたの?」

「どーちたの?」

「キャっキャっ」

子猫たちが笑いながら、転んで寝たままになっている桃吉の周りに集まって来た。

「走れないのよぉ。猫に成り立てだから、走るなんて出来ないょ(ショボン)」

「兄ちゃんって面白いね。なんで立ったままで走るのさ」

「えっ?違うの」

「当ったり前だよ!走る時はこうするのさ」

三吉は四つ這いになって走って見せた。他の子猫たちも走って見せる。

「そうだよね。俺達猫なのょね。ニャアなの、すっかり忘れていました!(アハ)」

桃吉は自分の周りをぐるぐる回る子猫たちを見ながら、何だかぁなぁ~と情けなくなる。(ハァ~ぁ)

「兄ちゃん、起きなよ。やってみなよ」

「ちょーだょ」

子猫たちにうながされて四つ這いになってみた。

「顔をこっちに向けないと転んじゃうょ」

「わかったよ。これでどうかなぁ?」

「うん、いい感じだょ。歩いてみてよぉ」

「ニャア、ニャア」

「こっちだよ~ぉぉ」

子猫たちが2メートル先でちょこんと座って手招きをしている。
うーん、まさに『招き猫』
そろそろと歩いてみる(ソロソロ)意外にいい感じ!手の長さと足の長さが同じだから、すごく歩きやすい。子猫達の所に簡単に行くと子猫達がえらく喜んでくれる。
可愛いい~のである。

「兄ちゃん、上手だよ」

三吉もほめてくれた、嬉しいのである。
俺ってほめられて育つタイプなのね(フムフム)




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第二章 旅立ち 三吉の願い3

「兄ちゃん、今度は走ってみなよ。走る時はこうするんだよ」

三吉はお手本を見せてくれた。
最初は小走りに。その内に体を思いっきり伸ばして地面に手をつく。足が後からついて行く、桃吉も三吉の真似をして歩き出す。
ふんふん(ナルホド)少し小走りに「おーッ!いいぞ!いけちゃうかな~」思いっきり走ってみた。

「うっひょぉー、気持ちいいぃぃ~♪」

速い!速い!調子良く走った。

「兄ちゃぁーん!」

三吉と子猫達がニャアニャア言いながら追ってくる、気がついて待っていた。

「兄ちゃん速いよ。びゅぅーって。すごいね!これなら大丈夫だね」

「ちゅごいニャ」

「ニャア、ニャぁ~」

「ニャア、ニャォ」

「へっへ、ありがとうな。皆にお礼しないといけないな。
たくさん教えてもらったよ、本当にありがとう」

「兄ちゃん、いいってことよ!気にすんなよ。
だけど一つだけ、ねだってもいいかな?」

「いいさ。ただし、猫成り立ての俺が出来ることだよ」

「あのさぁ、この子さぁ」

三吉は自分の半分程の子猫を抱き上げた。
その子猫は両耳だけが黒く、体は真っ白な子猫だった。
まだよく話せないので『ニャアニャア』鳴いている。

「こいつさぁ、『お加奈』って云うんだけど、捨て子なんだよ。
俺さぁ自分に親がいるから余計に可哀相でサ」

「んっ?じゃ俺が親になるの?自信ないなあ、自分でさえ持て余してんだもの」

「違うよ!こいつの親を探して欲しいんだよ。なんか手懸かりでもいいからさッ」

「何だ、そうか。かわいそうにな・・・」

桃吉はその子を重そうにしている三吉から抱き上げ頬ずりをした。
こんなに可愛いい子なのに・・・桃吉は得体の知れない怒りにぐらぐらした。

「三吉、探してみるよ!必ず探してみせるから、任してくれ!!」

怒りがそうさせたのか、威勢のいい桃吉を三吉はジっと見つめる。

「うん、頼むよ!それじゃ今度は本当に走って行きなよ」

「うん、わかったよ。ありがとうな!」

桃吉はお加奈をやさしく降ろし、心配そうな子猫達を見回す。

「安心していい知らせを待ってな。兄ちゃんがお加奈の親をきっと探すからな!」

三吉と子猫達は一様に安心した顔をした。

「じゃ、行ってくるわ。バイバ~イ!」

挿絵参照↓↓↓

yarikirenai.jpg


純真な目で自分を見る子猫達の視線にたまらなくなった。
走りながら、人でいた時と変わらずにいつもの安請け合いをしたのかと情けなくなり、そんな気持ちを振り払う様に大声で叫んだ。


「俺はやってやるぞぉーっ!ニ゛ャオーー!」


桃吉は走った!走った!畑も田んぼも通り過ぎ、あっという間に川縁に着いた。
橋の袂にノン吉がいた。





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第二章 旅立ち 昔語り1


「おい、どうしたんだよ」桃吉は抱きついて、泣きながら興奮状態で必死に話す(カクカクシカジカ・・)ノン吉はうなずいている。

「ふーん、お前の言いたいことはわかったぜ。ようするに三吉にお加奈の親を捜してくれと頼まれた訳だな」

「はい、そうなんです。
でも俺っていつも中途半端な飽きっぽい奴で、小学生の時だってノートを最後まで使わなかったし、鉛筆だって最後まで使った事なんて一度もない。
ましてや、用事を頼まれたりすると任せといてなんて調子のいい返事をする。そんなにいい返事をするものだから相手は俺に当然のように期待をする。

だけど俺って、最初の返事はいいけど後は知らんぷりの尻切れトンボ。(ナサケナィ)文句を言われれば一生懸命にやっているけど、こんな事やあんな事があって中々出来ない・・・ナンテ言い訳のオンパレード。責任転嫁は数知れず。そのうち相手も諦める。いや、諦めてくれる。
だいたい、俺に頼む事自体が間違っている。」

「おいっ、おい桃吉!どうしたんだよ。大丈夫か?しっかりしろ!」

桃吉が飛んだ目で話しているので、思いっきり猫パンチをくれた。

バッチーン!

「いっでぇー(涙)」

「まったく頭をしゃんとしろ、その涙と鼻水だらけの汚い面をそこの川で洗いな」

挿絵参照↓↓↓

kaoarai.jpg


桃吉はシュンとして言われたように、冷たい川の水で顔を洗った。
冷たい水で頭のごちゃごちゃがすっきりした気がした。
ノン吉が優しくタオルを渡す。顔を拭くと落ち着いた。

「全くよ、三吉に会ったらお前、なんか変なスイッチが入っちまったんじゃないのか」

「そう思います。
俺は人間の時いつも孤独でした。お前みたいにつまんない奴はいないよ。とか、
思い切って告白した女に、あんたと居て何か楽しいことあるの?とか・・・
家族とだって気が合わなかった・・・・・・だから誰にも相手にしてもらえなかった。
人と関わりあうのも臆病になっていたし、そんな俺を受け入れてくれないことにも俺の『理屈』で腹を立てていました。

だけどここでは、いつも周りに誰か必ず居てくれて、俺みたいなつまんない奴をかまってくれます。兄貴なんて面白いって笑ってくれます。
兄貴達がわっしょい、わっしょいって担がれて行っちゃった時も一緒に行けばいいのに。

何だよ、俺を放っといて行っちゃった・・・みたいな、変にいじけた心と、皆の仲間になっていいのかな?って、気おくれした自分がごちゃ混ぜになって、一人ぼっちでウダウダしていたら、三吉と子猫たちが声を掛けてくれたんです。

俺が走れないって言えばね、満足に話せない子猫達まで一生懸命に教えてくれる。
俺が走れるようになると、もの凄く喜んでくれる!そんな無邪気で可愛い子猫の中にお加奈みたいに親に捨てられた辛い経験をしている子がいるって三吉に聞かされて。
俺、今までみたいな尻切れトンボには絶対に絶対にならない!

必ず探してやる!

三吉やお加奈や子猫達の期待に答えるんだぁー!


ノン吉は黙って聞いていた。

「桃吉よう、そんなに自分を嫌うなよ。もっと好きになってやれよ」

桃吉は、ハッとした。





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第二章 旅立ち 昔語り2



「桃吉さぁ、三吉はそんな風にかた苦しく考えていないと思うよ
あいつのことだから親を捜してくれなんて、他の大人連中にも当然言っていると思うぜ。あいつはさ、嬉しかったのよ」

「何がですか?」

「自分達の話をちゃんと聞いてくれたからさ。
どうせお前、駈けって行かなきゃだめだよ、なんて言われただろう」

「はい、言われました」

「そんなだろうと思ったよ。走り方も知らなかったお前がすっ飛んでくるしさ。
あぁ、走り方も教わったなって、おまけに泣きっ面だよってな。
だいたいの見当はついていたよ」

「なんだぁ~猫が悪いなぁぁ~」

「へへ、でもいいやなぁ。処で話を元に戻すぞ。
三吉はな、まっ、特別なガキよ。誰に教わらなくてもだいたいの道理もわきまえている。
だけど所詮はガキよ。大人にすれば何をこまっしゃくれた事を言うガキだ、黙ってろ!くらいなものさ。どんなに正しい事を言ってもな。
何せ親は世の吉だぞ、想像がつくだろう?」

「そりゃ、確かに」

「そんな三吉が素直に話を聞いてくれるお前に会ったんだ、嬉しかったと思うぜ。
あいつだって、自分に出来ない事を頼むのだから、絶対とか必ずなんていう風には考えていないよ。ましてや猫なり立てのお前に出来るなんて思っちゃいネェよ」

「なんか複雑・・・」

挿絵参照↓↓↓

momohige.jpg



しょげて垂れ下がった桃吉のひげをニヤニヤ引っぱりながらノン吉は続ける。

「馬鹿だなぁ、がっかりするなよ。お前は三吉にお加奈の親を捜してくれと頼まれた」

「はッ、はい!」

「そしてお前は喜んで引き受けた」

「はい!」

「これでお前に立派な旅の目的が出来たじゃねえかょ」

「あっ、そうですね!」

「そうさ、ただ旅をするなんて言ったって、聞こえはいいがろくな事を覚えやしないさ。
いろんな奴にも会う、誘惑だって多いいしな。
だけどお前ニャ、三吉に頼まれたお加奈の親探しという大事な目的がある。
体に心張り棒が一本、ポーン!と入ったようなもんよ、しっかり筋がよ。
だから、ふらふらする訳にはいかないわけよ、良かったじゃないか」

「あっ、本当だ!なんか俺張り合いみたいなものを感じます(キリッ)」

「本当に単純で可愛い奴よ」

「ひでえなぁ」

桃吉とノン吉は笑った。清々しく笑えた。






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第二章 旅立ち 昔語り3


「それでお加奈の親の事をちゃんと聞いたのか?」

「えっ?そう言えば何も聞いてません。しまったぁ、今から聞いてきます!」

「バカ、いいょ。だいたいの事はわかってるよ」

「なんだぁ~、知っているならそんな事言わないで下さいよ」

「知っているったってだいたいだよ。全く~、ものを頼まれたら良く良く話を聞くんだよ 大馬鹿者」

ゴチンとげんこで叩かれた、口を尖らす桃吉を無視してノン吉は話し出す。

「昔から捨て子は、五黄屋敷の門の前に捨てられると決まっている」


挿絵参照↓↓↓    絵をクリックすると大きくなります。

gooumon.jpg


「えっ、どうしてですか?」

「俺がそうだったからよ」

「えぇぇーーーっ!?」

桃吉は大口をあんぐりと開けた。ノン吉は遠い目をしながら懐かしむように話しだした。

「俺もそう・・・遠い昔、千年も前の話さ。
村の奴の殆どは知っちゃいないが俺もこの村で育ったのよ。
今じゃ一緒に育った兄弟もここには居ないから、俺の過去を知っているのは大恩ある五黄様と藤平(とうべい)様くらいなもんよ」

「藤平様って誰ですか?」

「あぁ、お前は会っちゃいないのか?今まで話していたように五黄様は尻が定まらないお方よ。
あっちにフラフラ、こっちにフラフラとこの村にも年の半分は居ないのよ。
それではならねえから弟の藤平様が、いろいろな差配をするって言う事さ」

「ふぅーん」

「この村は五黄様のお陰で作物が季節を問わずに採れる。お前も畑の作物を見て変に思わなかったか?」

「いぃえ、全然。だいたい俺、野菜の区別もよくわからないし。実がなっているなぁ~くらいで(エヘっ)でも田んぼはおかしいなぁって思いましたょ。

まだ春なのにもう稲穂が黄金色で垂れている。だけど隣の田んぼの稲は青々していてピン!と立っている。不思議に思いましたょ」

「そうさ不思議なのさ。こんな不思議はこの村だけさ。他国にだってありゃしないのさ」

「へぇーッ!」

「五黄様の『五』は『五穀豊穣』からきている。
『黄』は『王』でもあり『黄金』でもある。
天の神様から愛され、この国をこさえた大事なお方なのよ。【猫国】の【王様】なのよ。」

「さっき話していたのは冗談でなかったの!?そんなに凄いお方に猫にされたの??
ひゃーッ!あァりィがァたァやァァ~!」

「ばかたれ。真面目に聞きな!まず五黄様はそんな事はみじんも見せない。
だいたい王様なのだから、せめて親方とか親分位は言わせて欲しいって言ったって、呼ばせないのょ。

年寄りみたいで嫌だとか何とか云ってさ。だから、へぇーきで『五黄ちゃん』とか『兄貴』なんて呼ばせてる、今の奴らなんて特にそうさ。五黄様より藤平様の方がエライと思っているんじゃないか?まっ、仕方もねぇけど・・・

世の吉と五斗吉くらいには言わなきゃなんないと思って話をすれば
あの野郎達は五黄様は元は『鼻毛』だから毛が固い!しか覚えてないのよッ。嫌になったょ(マッタクゥ)」

「・・・・・・・・・・・」(自分もそうだとは絶対言えない)




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第二章 旅立ち 昔語り4


「話がそれたが、そんな訳でここの収穫はものすごい!村の連中の食い扶持をのけても凄い量が余る。それを藤平様が他国に売買してデカイ商いをしている。大したもんなんだ~。

だけど藤平様と云うお方は、五黄様のフニャフニャと違ってカチコチの石頭ときている。曲がった事は大嫌い!てなもんで躾も厳しいんだ。俺はいたずらしちゃぁ、藤平様に大楠(おおくす)の木に吊るされたもんだよ(笑)

俺がニャアニャア泣いていると、どこにいても必ず五黄様が助けに来てくれて、藤平様に一緒に謝ってくれるのよ(ウル)


挿絵参照     絵をクリックすると大きくなります。
mukashikatari.jpg


弟の茂吉まで横で泣いて謝るし五黄様まで謝るから、藤平様も怒っていられなくてさ 結局、無罪放免。毎度のことだから藤平様はわかっててさ・・・そんな俺と茂吉に飴を用意してくれてるんだ。

俺は拾われた時、ニャンも言えずに『ノンノン』って言ってたらしいのよ。藤平様がこの子は言葉が話せないのか?って心配するとさ、五黄様はイイサ、いいさ、構わないさ。と言いながら、お前は『ノン吉』にしようなぁ~って
ノンよ、ノンよって抱きしめて頬ずりしてくれたんだ(涙)」

ノン吉は泣いていた。桃吉も、もらい泣きした。

「俺は五黄様と藤平様のご兄弟に愛情をたっぷりと注がれて育った。藤平様から礼儀や字も教わった。
いつの間にやら、俺の事が噂になると五黄屋敷の前に子が捨てられるようになった、他国の者まで捨てにくる。

それを五黄様や藤平様が代わりばんこにさ、ニコニコして、今日は誰かいるかなぁぁ?な~んて拾いに行くのよ。拾ってくると喜んで『ノン吉、ほら弟ができたぞ!今日は妹ができたぞっ!』てな。

お陰で俺には沢山の兄弟が出来た。だけど、そのうちに大きくなってくると自分でもどうしようもない衝動にかられて来たんだよ」

「どんな衝動なんですか?」

「俺を捨てた親を一目見てぇ。文句を言ってやりてぇってな。だけど育ての親の二人には言えなかった・・・悶々とした日々を送っていたある日五黄様に呼ばれた。多分、俺の様子がおかしかったんだろう。五黄様はニコニコしながら俺の頭をなぜて言うのさ

『ノンも大きくなったなこんなに大きくなったんだから、お前が立派に育った姿を産みの親に見せたいよな』
俺はよぉ、俺の気持ちを慮ってくれる五黄様の気持ちが嬉しくて嬉しくて、ただ、只泣いたよ・・・・ニャオーンと」

桃吉はずっと泣きっぱなしだった。

「五黄様は俺に他国の事情を調べるという名目を与えてくれた。
他の者の手前でなぁ、藤平様が考えてくれたのょ、それが旅烏のきっかけさ。二人共、俺の親なんて全く知らないし、お守り一つもなかったらしい。裸同然で捨てられていたからなんの手がかりもありゃしない。

母猫と子猫は柄が同じというそれだけを手がかりに、あっちの村こっちの村。宿という宿を探した。俺と同じ年頃の白黒を見ればそいつを捕まえてどこの生まれだ?兄弟は居るか?親は居るか?ってさ・・・馬鹿みたいな話さ。

白黒はいても俺と同じ柄なんていやしねぇんだ。その内に俺は何をしているんだろうって気がついたんだよ。
乳飲み子の俺を裸同然で捨てた親をなんで探す必要があるんだ。

第一、見つけたとしても親にしたら只の迷惑かもしれねぇし、恨み言なんて性に合わねぇし、なんでこんなとこに居るんだよ。馬鹿馬鹿しいってな。俺には帰るとこがあるんだ!

俺を育ててくれた二人の父ちゃんやたくさんの兄弟だって待っていてくれるって・・・矢もたてもたまらず帰ったよ」

「いい話ダぁ~(涙)」




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第二章 旅立ち 昔語り5

nonandkyodai.jpg

挿絵参照  絵をクリックすると大きくなります


「いさんで帰ってみれば五黄様は、九尾のお蜜姐の家に入り浸って帰らない。藤平様は、藤平様で収支が合わないとかなんとか言って商売の事で苛々しているし。
兄弟連中は、あっちがぶった!こっちが先に引っ掻いた!って言うんで大喧嘩をしている。

俺の思いはスっ飛んだ。てっきり、俺のことを皆が心配しながら今日か?明日か?と帰りを待っていてくれるなんて考えていた、おめでたい自分にあきれたよ。なんか気抜けしてチビ達の喧嘩をボーっと見ていた。

そしたら、喧嘩していたチビ達が俺に気づいてさ『ノン吉兄ちゃんが帰って来たぁぁ~~!』って大騒ぎ。
五黄の父ちゃんに知らせなきゃって五黄様を探すんだょ。

『だってお前達、五黄の父ちゃんは九尾のお蜜姐御のとこにお泊り中なんだろう?』

『違うよ、さっきまで居たょぉ』という返事。

『兄ちゃんが帰るのを五黄の父ちゃんも、藤平の父ちゃんも首を長ぁぁーくして待っていたょぉ』ってね。

俺も少しは旅先で苦労したから、五黄様や藤平様の気持ちがなんかわかちゃった。俺の事を心配して帰りを待っていたなんて知ると、俺は有り難がって二度と自分達のそばを離れたりしない。

恩返しをしなくちゃならねぇって思う俺の一本気な性格を読んでいるんだよ。
だから、俺が帰って来たら五黄様はソっと出かける。藤平様はぞんざいな口調でわたしは仕事で忙しいからお前の事なんて心配してる暇なんてないんだよ。二人で考えた小芝居を打つっていう寸法よ。

二人の父ちゃんは多分、自分達の深い愛情がいつか俺の負担になると考えたと思うよ。
だからこの機会に俺を巣立ちさせてくれたんだよ。

自分達は適当にやっているから心配するな、お前も深刻に考え過ぎずにもっと気楽にやれ、ってな。
そんなことを二人の父ちゃんに教えられたような気がしてさ、なんか気持ちも楽になったのよ。そんなこんなで今に至ってるっていう訳よ」


桃吉はもの凄く感動した。何もかも包み隠さず話してくれたノン吉に感動し、五黄と藤平に会いたくなった。

「へへ、話がいつの間にやら俺の身の上話になっちまったな」

「いい話を聞かせてもらいました」

「まっ俺の言いたい事は、ここに捨てられた子は、へたな親元にいるよりよっぽど幸せだっていうことさ。『愛情』も『教育』も『しつけ』も充分もらえて、その上たくさんの兄弟もできる。

お加奈だってそうなのさ。だけど三吉にすれば世の吉みたいな、しょうもない親でも自分にはいるから、お加奈が可哀相に思えるんだろ」

「うんうん、元捨て子の兄貴が言うのだから間違いないですね」

「そうよ。だからお前も必ず探し出す!探せなければ村には帰れない!なんてそんな悲壮な覚悟をして・・・・・・」

「そんなことまで言ってませんよぉう、勝手に話を大きくしないでくださいよ~」

「まっ、要は気楽にな。
だからと言って『だらだら』せず、だけど『キリキリ』せず、しかし締めるとこは締めて。それでもって、やる時はやるんだな、これが」
(意味ワカンネェェ~)

桃吉はノン吉の気持ちを理解した。(ホンマカイナ?)
が然、勇気とやる気が湧いて来た!思わず拳を上げた。

「ニャってニャるぞーー!!はい、ノン吉兄貴もご一緒に(ドウゾ)」


「ニャるぞー!ニャるぞー!」


いい歳の大人猫が二人して大きな声を張り上げご機嫌になっていた。





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第二章 旅立ち しばしの別れ1



すると、土手沿いの川下からヨレヨレしながら歩いてくる世の吉と五斗吉。
黙って見ていると、こっちに向かって手を振っている。

「ノンけろ兄ひィィ~」

二人が近づいてくると顔が『真っ赤ッか』で茹でダコみたい。

「なんらぁぁ?モロヒチもいるニャないろぉ」

酒臭い息を『プっシュー』と吹きかける。桃吉は酒臭さに閉口する。

「はい、世の吉兄貴も五斗吉兄貴もご機嫌のようで」

「あったりメエらろがぁぁ~ひぃーッく。なあゴロ吉~ぃ」

「違いねぇ。ニャって世の吉あじぃと飲んれぃたら
ノン吉あじぃって言ったらあじぃぃが居ニャくて、
ろぉぉ~していいニョかわからニャくなっぢっぢ、ヨノギチあじぃと探じでさがじで、おぉーいぃ!おぉーいぃって・・・」

「バッターン!」

五斗吉は倒れた途端にぐーぐー高いびき。

「こんなとこで寝ちまいやがって、おい世の!」

「ふぇーぃい、なぁんれぇふかぁ?」

「しばらくしたら五斗を起こして二人で藤平様に会いに行け。それで藤平様にノン吉はまた旅に出ます。新入りの桃吉を連れて行きます。どうかご達者で!って、そう伝えるんだぞ」

「ふぇぃ、わかりますたぁ~任しちくらへぇぃ」

「大ぃ丈夫かなぁ?」

「ニャにぉぉー!?らいじょうぷ?とはろういう事れすかっていうんらょーぉ
この、世の様に向かっれ、ふら゛けら事抜かしやら゛っでぇ」

世の吉は桃吉の顔の真ん前で『ぶっはぁ~』と息を吹きかけ、威勢良く猫パンチをくれようとした

「ニャんパンチ~~ぃ!」

が・・・・・桃吉はとっくに酒臭さに倒れていた。
世の吉の渾身の猫パンチはノン吉の左顔面にヒットした。

バチンっ!

すると一転、空はにわかにかき曇りノン吉の全身の毛は見る間に『逆立ち』目は『マッ金金』口は『裂け』どこに収まっていたのかという『長い爪』に変化した。

nonhenge11.jpg

挿絵参照↑↑↑    絵をクリックすると大きくなります


仁王立ちになり世の吉を睨む。低い声と共にゴォォー!っと風が吹く。

「よ~・の~・き~・ちぃ~」

「きゃッ」

メス猫みたいな声を出し、余りの恐ろしさに世の吉失神(サッキノ威勢はドコヘヤラ・・・)桃吉は頭を抱えてガタガタ・ぶるぶる。一千年も歳経た猫というのはこんなに怖いのかと失神した世の吉が羨ましくなる。

「よ~・の~・き~・ちぃ~」

風は痛いように吹きまくる

ゴォーゴォー

いぎたなく寝ていた五斗吉が目を醒ます。

「ニャんかぁ~しゃっぷぃれふねぇぇ」

五斗吉、変化したノン吉に気が付く。(白目を剥いて失神)





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第二章 旅立ち しばしの別れ2

桃吉はノン吉を見れずに、「ノンぎぢあじぎぃー(泣)」

「どいつもこいつも、意気地がからっきしだよ、怒る気も失せるわ」

爪が伸びた手を顔の前でサーっと横切らせると、元のノン吉に戻った。

「おいっ桃吉、このヘタレどもを起こせ!」

桃吉は急いで二人を叩き起こす。

(オキテョ、オキテョ)

「ノン吉兄貴ぃぃー、ご勘弁をぉぉーーッ(涙)」

這いつくばって謝っている。ノン吉は桃吉にウインクをする。

「今回だけは大目に見てやる。今度やったら承知しねぇぞ!わかったか!」

二人は這いつくばったまま。

「わっわかりました」

すっかり二人とも酔いが醒め、言葉がはっきりしている。

「世の吉よ、俺の言った用事を忘れていねぇな」

「へい、はいッ!わかっております!」

「それじゃ、今から二人で行ってこい」

「えっ今から」

「四の五の言ってんと・・・又、見てぇのか!!」

「ひぇ~~それだけはご勘弁をーー」

「さっさと行って来い!!」

脱兎のごとく、もの凄いスピードで走って行った。


フンぎゃぁーっ!!ーーーーーー


挿絵参照↓↓↓   絵をくりっくすると大きくなります  
nigeteku.jpg



「ニャはは、速い速い!」「おい桃吉」

「はい」

「さっ、奴らが戻ってくる前に行こうぜ」

「いいんですか!」

「構わないよ、気にするな」

「だけど、なんで兄貴は自分で藤平様に言わないんですか」

「いろいろと差し障りがあんのよ」

「へぇー、どんな?」

「どうでもいいやな」

「そりゃないですよぅ~ねぇってばぁ、さわりのさの字だけでぇもぅ~二人には内緒にしときますからネッ」

「お前もしつこいねぇ」

「だって、気になりますょ」

ノン吉は小さい声で言う。「だってお小言ちょうだいするんだもん」
(モジモジ)

「へぇっ!?」

「藤平の父ちゃんって怖いのょ」

桃吉は目を白黒させながら、このノン吉が怖いと云う藤平様はどんなお方だろうと思った。すっかり可愛らしくなったノン吉は続ける。

「行儀が悪い、言葉使いがいけない、いつからノンはそんな不良になった?そんな育て方はしていない!って、お小言もらうのよ。
『へい』なんて言いようものなら『はい』って言いなさいって、もぉぉ~厳しいのょ」

桃吉がニヤニヤしていると気がついたのか

「あー、エっへん!まっ、そう言う訳よ。ほら行くぞ!」

ノン吉は走り出した。
桃吉も一目散に後を追う、二人はどこへ行くのやら・・・




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Author: のくにぴゆう
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作者はコメを食べて生きてます。
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今まで紹介をしなかったのですが、それも変だなと 三ニャンを宜しくお願いします。

母のみーです。 mi3.jpg

息子のちーです。 chiko1.jpg

娘のぽーです。 po1.jpg

揃い踏み mcp1.jpg

木登りおーちゃん Ochan.jpg

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