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クルミ 11 紙芝居屋

前回

三吉が学校に来て一年、いつの間にか二人は大の仲良しになっていた。

はじまり、はじまり


「三吉~、今日は町外れまで行こうょ」

「うん、そうしよう!雨がずっと降っていたから遊びに出れなくてつまらなかったものー」

クルミと三吉は駈けって行く、道々に何があるのか楽しくて仕方ない。

「あそこのお兄ちゃん、また怒られてるよ」

「本当だぁ~、あのおじちゃん、ガミガミ五月蝿いよね-」

道には八百屋、魚屋、豆腐屋、髭結(ひげゆ)い床、鍛冶屋と店がずらりと並んでいる。二人が言っていたのは酒屋の旦那と奉公人の話である。

『配達が遅い!』『釣り銭が足りない!』と、いつも奉公人を怒っている。クルミも三吉もあんまり可哀相になって奉公人の狸のい平に飴をあげたことがある。い平は泣いて喜んだ。

「後でまた飴玉あげなくちゃね!」

「うん!あ、そう言えばもう飴玉少なくなって来たょ、あたい黒飴買いた~い」

紫狼は二人に毎月おこずかいをくれる。

「ねぇ、三吉」

「なあに?」

「あんたの親って愚か者なの?」

「何でよ?」

「恵み子って、愚か者の親から生まれるのょ」

クルミは何処で聞いたのかわからないがそんな事を三吉に言う。

えーッ!おいらの父ちゃんも母ちゃんも愚か者じゃないよ」

「じゃ、三吉は恵み子じゃないわね」

「どうしてよ?」

「だってあたいの母親は愚か者だから、姉ちゃんもあたいも売られたのょ!」


ぇ゙え゙ー!!売られたのッ!?


「そうょ、親に売られたの…」


うっそーーッ!


「嘘じゃないわょッ、本当ょッ!」

「えぇ~~ッ!じゃおいらも売られたのかな...」

「わからないけど、売られた子は買ってもらった先で気に入られないと又、愚か者の親に戻されてしまうのょ」

「そうなの?」

「そうょ、だからあたい用心してるの。いつ戻されるかと思ってびくびくなのょ...」

「どうしてよ?おいらは戻されてもいいもん」

「あたい、絶対に嫌ょッ!ご飯だって食べさせて貰えないし、ぶたれるし...絶対に
イヤょッ!

「・・・くるみって可哀相なんだね...」

「・・・・」

「おいらの親なんてそんなことしないよ。ここに来る前だって鯛やお赤飯炊いて祝ってくれたし、お種って生意気だけど可愛い妹もいるし、それにおいらは大将だったから子分の島吉や小吉、それにお加奈もいたから毎日楽しかったよ」

「あたいと全然違うね...三吉の居た所っていいとこなのね」

「そうだよ、菰傘村っていうんだ。おいらの家は髭結いやってんだ」

「ふぅーん、、、あたいのとこは酒場ょ。いつもいつも酒臭い奴が来て嫌だった」

「ふーん」

「あたいはね、きっと追い出される気がしてるの」

「どうしてよ?」

「だってあたいは役に立ってないもの」

「なんでよ?」

「だってあたいはお熱出したり、病気したりして迷惑掛けたし、その上あんたが来たのょ」

「どうして、おいらが来ると追い出されるのよ?」

「あたいが役に立たないからあんたを態々、校長先生が迎えに行ったのょ。あたいなんか二年も先に来てるのに、きっと駄目だと思ったのよ。

だから今すぐじゃないとしても今にきっとあたいの親が来るわ。あたいを引き取りに来るわ、、、それでもって又売っちゃうのょッ、

今度はこんな良いとこじゃないわ...きっときっと姉ちゃんみたいに郭(くるわ)っていう酷いとこに決まってる」

「おいら、そんな事ないように言って上げるよ!」

「何言ってるのょ?あんただって役立たずなら帰されちゃうわょ!あ...でも、三吉は帰されても平気だったんだね...」

「だからクルミを帰さないように言って上げるよッ!」

「無理ょ・・・」

二人はそんな話をしながらいつものように道を曲がった。曲がった先にもっと賑やかな繁華街がある。

常設の紙芝居屋、見せ物屋があったりしていつも子供達が群れている。先ずはそこに行くのが二人の楽しみなのだ。

クルミが「あっ!」と声を出すと、急いで隠れる。「どうしたの?」三吉も一緒に隠れる。そっと覗く先には、クルミとよく似た柄の女狐がいた。母親お順である。


挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
kamishibaiya.jpg


「とうとう来たッ!」

「えっ?」

「さっき話してたあたいの親ょ」

「じゃ、クルミを迎えに来たのッ?」

「そうに決まってるわ。それにあの嫌な男狐もいる...」

母親のそばには風体の良くない男狐がいる。クルミは真剣な顔をして三吉に言う。

「三吉ッ、いい?」

「なにが?」

「あたいは逃げるわ」

えっ!どうしてよ?」

「あたいは絶対にあの親のとこには帰りたくないの!このままだと絶対に帰されちゃう・・・だから逃げるのッ」

「でも、でも、どこによ?」

「わかんない、わかんないけど・・・三吉は時間稼ぎしてょ」

「そんで?」

「あたいが居るふりをするの。だから学校に帰るのを遅くにするのょ。そうすればあたいは町から出る事くらい出来るもの。今日連れて帰られなければもう少し学校に居られるもの」

「わかった!そうすればクルミが帰されなくて済むものねッ」

「そうょ、見つからないようにしていれば大丈夫だもの。あたいは頑張って今日は野宿するわ!」

「そんなに頑張るの?」

「明日まで居るわけないもの。ねっ、そうでしょ?」

「うん、そうだよね。そしたらお銭がないとご飯も食べれないから、おいらのこずかい上げるよ。明日残ったら返してくれればいいからさ」

「あっ、ありがとう!あたいの分だけで足りると思うけど取り敢えず貰っとくね」

「うん、そうしなよ。そしたら明日ね!明日おいらここに迎えに来て上げるよ、そして一緒に学校に帰れば良いよ。親が帰ったかどうかも教えて上げられるからね!」

「ありがとう三吉、あたい頑張るね!」

クルミと三吉は紙芝居屋の前で待ち合わせをする事を決め、其れぞれに別れた。





つづく






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クルミ 12 案内

前回

クルミの母親が居た!今日一日をやり過ごせば何とかなると、落ち合う場所を決め、二人はそれぞれに別れる。


はじまり、はじまり


三吉は紙芝居を見るつもりだったが、クルミにこずかいを全部渡してしまったので、何も買う事も見る事も出来ない。

「へへ、しょうがないから帰ろうかな-」

三吉がスタスタ歩き出すと先の方にクルミの大嫌いな親が歩いているのが見える。三吉は用心深く後を付ける事にした。

角々で恵み子の学校の場所を訊いて行くものだから中々前に進まない。イライラしながら見ていると二人の話が聞こえて来る。

「あんたあ~、まだ着かないのかねえ?」

「もう少しみたいだぜ。しっかし立派な建物ばかりだよ」

「ふふ、堪らないねえ~、
あの小娘がいい銭を稼いでくれるよ!

しっ!そんなにでけえ声で話すなよ、どこに耳があるとも限らねえぞ」

すでに三吉の耳がある。
自分の事を一瞬言われたのかと思ったが、相手は三吉がクルミの友達とは知らない。だが成る可く悟られないように少し離れて歩くことにした。

三吉が耳を大きくして聞いている事を知らない二人は、人通りが無くなると途端に話し声が大きくなっていく。

「紫狼なんて、気どった狼はちょいと脅かせばブルブル震えるよ!」

「違いねえ、俺様の鋭い眼光がものを言わせねえよッ」

「頼りにしてるよ~」

「へへ、任せなよ、その為の俺様だぜ!」

「それにしても大仰なものさね~、そんなに偉いのかよってんだよッ」

「お偉いんだろうよ、何せ恵み子様とくらあ~」

「ふふ、早く吠え面かくのを見てみたいものだよ」

「ちげえねえ、こちとら手塩にかけた子供を誘拐されたんだものなあ―」

「とんだ手塩だこと、ふふ」

三吉は聞いていて腸が煮えくり返った!
今まで生きてきてこんなに頭に来たのは初めてだった。狐達を噛み付きたくなる。あまりにクルミが可哀相で泣きそうになった...

最初はそんな親がいるのか?と半信半疑だったが、狐達の話しを聞いている内にその気持ちは吹っ飛んだ。そして『クルミを絶対に帰すものか!』と固く誓う。

三吉は気取(けど)られないように少しだけ離れて歩き出す。商店街に入ると二人の狐は大人しくなっている。その内の一軒の店に入り、誰かと話している。

男狐と店先に出て来たのは三吉達と仲良しの狸のい平だ。行き先を丁寧に教えているようだった。三吉は遠くから見ていると、何も知らない狸のい平に見つかってしまう。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
annai.jpg


三ちゃーん、こちらの方、恵み子様の学校に御用があるんだって、丁度良いからご案内してあげてよー」

「・・・・」

三吉はい平を無視して行こうとする。

「三ちゃ-ん、聞こえないの~?」

わかったよッ!こっちだから付いて来れば?」

「三ちゃん、いけないよ、どうしたのさ、あれ?そう言えば、く・」

あ゙あ゙あ゙あああーーーーーー!い平の兄ちゃん!わかったからわかったからねッ、さっ、どうぞどうぞ、こちらです!」

三吉はそう言うと、二人の手を引っ張って連れて行く。

「三ちゃん、またね~」

い平は飽くまでも暢気(のんき)である。暫(しばら)く行くと二人の狐が文句を言い出す。

「ちょいと、そんなに引っ張らないでよ!」

「おい何だよ、そんなに・・ったく、痛えよッ」

「ふん!おいらが握ったくらいで痛いなんて大人の癖に弱虫だよ」

「なんてまあ、こづら憎い事を言うガキだよッ、放しやがれ!」

「たっく、爪立てやがってよッ、あ~あ、跡がついちまった...」

「ふん、なんだい!それぱっかしで、アッカンベーだ


何だとぉおーーッ!


あんたッ、尻の一つも叩いてやんなッ!」

一目散に逃げて行く、捕まる気はない。急いで校庭を抜け宿舎に逃げ込むと紫狼の元に駆け込む。


紫狼兄ちゃ-ん!こ、怖いよぉーーーッ!


「どうしたのです?そんなに怯えて...あれ?こんなに震えて」

三吉は態とらしいくらいに震える。
なんとしても奴らを追い出すのだ!自分に無体な事をしたと紫狼を怒らせ、あいつらを帰してしまおうと考えた。騙す事になるがこの際、クルミの為である。猿芝居でも何でもするつもりだ、狐達は凄い勢いで追いかけて来た。


隠れてるんじゃないわよッ!


出てきやがれーッ!此のクソガキッ


大声で叫んでいる。三吉は必死の形相で震える(ブルブルブル)中々真に迫っている、騙そうと必死だ。紫狼は三吉の様子に不思議がる。どうしてこの子がこんなに震えているのか?何か理由があると三吉の小さな背中を撫でながら思う。

「わかりましたよ、安心してここに居なさい」

紫狼はうるさく怒鳴っている狐達を黙らせる為に外に出て行こうとする。

「紫狼兄ちゃん、あいつらおいらに酷い事をするんだ」

紫狼はニコリと頷(うなづ)き出て行った。三吉は様子を見ようと後からコソコソついて行く。宿舎の玄関口に風体の良くない狐達がいた。




つづく








クルミ 13 恵み子学校

前回

生意気な口を聞かれた狐達は、怒って追いかけてきた。紫狼を騙そうと必死の三吉。さてどうなるやら

はじまり、はじまり


「やっとお出ましかよッ

「それはすみません、お待たせしたようですね」

ふん!ここに薄緑の子猫が入っただろッ」

「そいつに用があるんだよッ!さっさと出しなよッ

「三吉に用ですか?」

「三吉って言うのか?あのクソガキ!

「そのガキだよッ」

「あたし共の身内です。何かあるのでしたらあたしが聞きましょう」

そーかい!あのクソガキったら、あたしらを恵み子の学校に案内するように言われたら爪立てて手を握りやがるわ、『痛いっ』て言ったら、『大人のくせに』弱虫だの何だの言いやがって、あんまり躾が悪いから尻でも叩いてやろうって追いかけて来たのよ!」

「ほほほ、それはそれは、それでは後でお尻を叩いておきましょう」

「あんたにしてもらわなくたって、
あたいらがしてやるよッ!

「ほほほ、その汚い手で三吉に触れようというのか?」

なんだってぇーッ?もう一辺言ってみやがれッ!」

「ここは恵み子の学校がある神聖な場所。お前達のような者の来る場所でない」

「なんだって!えっ?ここは恵み子の学校なのかい?」

「そうです」

「それなら、知らぬ間に来てたんだよ」

「そうみてえだな」

「そしたら丁度良いさ。ここには紫狼とかいうクソ狼がいるだろう?そいつに用があって態々来てやったんだよ!出しやがれッ!

「何のようです?」

「ふふ、クルミと言えばわかるだろうよ~」

「紫狼、紫狼」

遠くで茂吉が呼んでいる。

「はい、今参ります」

「へっ?てめえが紫狼かッ、すっとぼけやがって!

「名乗る謂(いわ)れもありません」


何だとーーッ!!


「紫狼」

「はい」

紫狼は今にも掴み掛かろうとした男狐の間をするりと抜けると茂吉の元へ走って行く。二人の狐は後を追うが、すでに三吉を追いかけるのに体力を使い果たしているのでヨレヨレ足がもつれている。校舎の前にいる茂吉と紫狼が話し終わってもまだ二人の元には辿り着けない。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
gamandes.jpg

「紫狼、いいですか、堪忍ですよ」

「はい、父様先生」

「あたしは校長室にいますよ」

「はい、わかりました」

茂吉が校舎の中に去ると、やっと狐達がやってきた。

「ハアッハアッ・・・ったく、すばやいぜ」

「本当だよ」

ぜいぜい


「体が相当に鈍っているようですね?」

五月蝿いッ!それよか、クルミの事どう始末をつけるんだよッ」

「親の面目、どう始末をつけるんだよッ!」

「ほほ。あなたは、いつクルミのてて親になったのですか?」

「・・・・」

「五月蝿いねッ、あたいと結婚したんだから、れっきとした、てて親だよ!

「そうですか、それでは中にご案内します」

「やっと話しをする気になったのかい?」

「端からそう言いなよ」

紫狼は取り敢えず待合室に連れて行く。

「こちらで少々お待ちを」

「けッ、逃げるんじゃないよッ!

紫狼は怒りで毛が逆立ちそうになるのを茂吉に言われていたので我慢をした。校長室に入ると、茂吉がにこやかに迎える。

「紫狼、コーヒーを飲みなさい。落ち着きますよ」

「いりません

「何をそんなに腹を立てる?お前までその様に興奮していてはいけませんよ」

「ですけど」

「ふふふ、いいから飲みなさい。それからこちらに連れて来るように」

紫狼は仕方なくコーヒーを飲んだ。

「父様先生、あんな奴ら追い出せばいいのです」

「そんなことをしても又来るだけですよ、いいから連れて来なさい」

「・・・」

紫狼は不満気に部屋を退出すると待合室に向かう。待合室の椅子にふんぞり返っている二人の狐を睨(にら)みたいのを我慢して言う。

「こちらにどうぞ」

「おい、こっちに来いとよ―」

「あ~ら、さんざ待たせておいて、茶の一杯も出ないんだね~?」

紫狼は怒りを堪えもう一度言う。

どうぞ、こちらに」

「ふん!聞こえてるよッ!あんた行こうよ、子供を誘拐しておいて何だよ、偉そうにッ」

「俺がビシっと決めてやるよ」

さて、どうしてクルミの居場所がわかったのだろう?...

キナはあれからクルミの親の隣に店を持っているのが嫌になり、狸宿に引っ越している。紫狼はとうに忘れていたが、キナに送り返した花篭が原因だった。

キナを喜ばせるのが徒(あだ)になってしまった。花篭に入れたのが鈴蘭百合だったのが全くいけなかった。何と云っても極楽山脈にだけ咲く、希少な鈴蘭百合の花だったから、近所の者が見に行く程だった。

母親は悔しかったが野次馬に紛れ見に行く。『こんなに!?』と云う程、溢れるくらいに沢山の鈴蘭百合が盛られていた。こちらの店にまで、うっとりするような香りが漂って来る。昔一度だけ嗅いだ事のある鈴蘭百合の香り...

自分の店の客にいくらねだっても高くて買えないよと言われていた鈴蘭百合なのである。それがあのくたびれおかまの元にあるのだ。キナの得意満面な顔は見るのも汚らわしい。

許せなかった...鈴蘭百合ごと火付けをして燃やしてやろうと思う程憎たらしかった。その内に、おかま河童は、挨拶一つなく出て行った。それがまた腹が立つ。




つづく




クルミ 14 対面 

前回

この狐夫婦は欲で目が眩んでいるので、自分達がとんでもない所に来ていることをわかっていないようだ。


はじまり、はじまり


腹を立てる方が不思議なくらい世話になったり、迷惑を掛けているのにこの女狐はそんなことは頭には無い。
妬ましい、悔しいと云う執念でクルミの行方不明とキナが急に若返った事、

キナの元に花篭が届けられた事が殆ど同時期であると云う事に気が付く。それから花篭を配達した狸にタダ酒を飲ませ、ようやく突き止めた。

恵み子様の学校に居る紫狼という美しい紫色の狼が寄越した事。そしてもっと調べるうちに、クルミが消えた日に、紫色の狼が大きな篭を大事そうに運んで行ったと云う目撃者も居た。

狼族はこの狐宿の近辺には住んではいない。増してそれ程美しい狼は珍しい・・・『間違いない!』確信を持つ。
勿論、クルミの事等、端からどうでも良い事。

それよりもあんなに高価な花を惜しげも無く、腐れ河童に送れる立場の者にクルミが連れて行かれたと云う事が何より重要だった。コノミは大した銭にならなかったが、クルミはひょっとして大きな儲けを生むと考える。

それから今や亭主になっている男狐の『こん竹』を連れ、ここに来たのである。紫狼を見た時、掴み掛かりたかったがもったいないので我慢する。

怪我でもさせて銭を渋られたら元も子もないからだ。だけどきつい皮肉だけは言ってやる。
そうして紫狼の後を付いて茂吉の待つ校長室に向かう。

紫狼は失礼しますと言いドアを開け、部屋に入るよう促(うなが)す。学校の立派さと中の凝った造りに益々喜ぶ、取りはぐれがないと嬉しくなる。

挿絵参照↓↓↓  絵をクリックすると大きくなります
taimen.jpg


部屋に一歩入ると踏みしめる絨毯はフカフカで足が埋まるよう。中央に微笑む藤色の猫が居た、自分達が会っている者が茂吉とは露知らない。茂吉が恵み子の校長までしている事を全く考えもせず、只の偉そうな猫くらいにしか思っていない。

「どうぞお座り下さい、遠路遥々(はるばる)お出ですからね」

「あら、あたいらが何処から来たかご存知なの?」

「勿論ですよ」

「それなら、茶の一杯くらい出しても罰は当たらないんじゃないの?」

「それは失礼しました。紫狼、お茶をね」

「・・・」

「紫狼」

「はい、わかりました」

「ふふ、仇の家でも口を濡らせと言いますものね」

「あらそうなのかい」

「俺は酒の方が良いよ」

「馬鹿、何言ってんだ、黙ってなね」

紫狼が馥郁(ふくいく)たる香りのお茶を煎れる、ものを知らない二人でも美味しいのが分かるらしく舌鼓を打つ。

「さすがに良いもの飲んでる事、贅沢してるよ」

「ふふ、そうですか」

「まっそろそろ本題に入るとするかね?」

「ご遠慮なく」

てめえーッ!
こっちが大人しくしてりゃ、付け上がりやがって!



凄むこん竹に茂吉も紫狼もへっとも思わない、少しも怯(ひる)んでくれないので引っ込みが付かない。

「ちょいとッ、何だねえ、柄の悪いッ!お前は黙っていなよ」

怯む所か茂吉達は落ち着いている。手はずとは違うが仕方ないので止めに入る、二人で話し合って来たのだろう。
こん竹が脅し役、びびる相手にすかさず助け船を出す。

そして自分がこん竹を宥(なだ)める代わりに、思うがままの木の皮銭を出させようという魂胆、とんだ猿芝居である。紫狼は悔しいのと腹立だしいので目がクラクラしてくる。

「さっ用件をどうぞ」

「そうですか、話って言うのはあなた達が良ーくご存知のクルミのことですよ」

「はい、それで」

茂吉が顔色一つ変えないので、苛ついて到頭大きく出た。

「ふふ、お惚(とぼ)けは止しにしてもらいますよ!
やいッ、野良猫!
あたいの可愛いクルミを勝手に連れて行きやがって!
帰しやがれって言うんだよッ!

「そうですか・・・クルミも大分元気になりましたから、どうぞお連れ下さい」

「父様先生!そんな」

紫狼が思わず声を出すと茂吉は目で制す。

えっ今更帰すって

「そうですよ、元気になりましたよ、さぞや会いたい事でしょう」

「・・・」

「お連れ下さいって・・・なあ?!」

「五月蝿いねー!ちょっと黙ってなよッ!」

茂吉に考えてもなかった事をとっさに言われたので、悪知恵をフルに働かせる。帰すと言われてもクルミは只の邪魔者、その上一銭にもならなければここまで来た甲斐もない、そんな話に乗れるわけもなく、どうしたら銭だけ貰えるかを考えた。

「ふふ、困ったのお」


「何だってッ?チキショー!」


その時、二人は生涯で一番の恐怖を味わう事となる。








つづく

クルミ 15 茂吉の変化 

前回

居室に通された狐夫婦、これで金を引き出せるとゴキゲンだ。しかし、茂吉にクルミを連れて行けと言われ、言葉に窮する。


はじまり、はじまり



部屋の空気が一瞬で『キィーーン』と冷える。その寒さに『ゾクッ』とすると二人の狐は有り得ないものを見た!

茂吉のふわりとした長毛は針の様に逆立ち、部屋を満たす程に膨(ふく)れていく。針の様な尖った毛先がズブズブとガラスや壁を突き刺さす。

口は裂け、犬歯が恐ろしい程伸び金色に光る目には血が粒になって浮いている!目の怖さは尋常ではない。その目で睨まれると焼け焦げそうである。爪は長く伸び刀の様に尖っている。


ぅぎゃややーーーッ!


ひぃいいーーーー!!


「紫狼、けっして気絶させるでない」

一層、恐ろしくなる。

挿絵参照↓↓↓  絵にマウスオンすると一層、怖くなります。




今までも何度か茂吉の変化を見たが、ここまで凄い変化をした姿を見た事はない。紫狼はあまりの凄さに声も出ず、自分まで気絶しそうだ。

紫狼は二人の後に廻り、気を入れ込む。二人はようやく気絶から覚める。覚めた途端に茂吉を見て又、気絶しそうになるが気を入れられるので気絶も出来なければ、目も瞑(つむ)れない。恐怖に支配された二人は口から涎(よだれ)を垂らし惚けてしまう。


父様先生!お直し下さいませ!


目を瞑りながら叫ぶ。

「このままでは此の狐達は死にます、
どうか、どうかお願いしますーー!

紫狼まで目を瞑っている。

「わかりましたよ、直しましょう」

『サッ』と顔の前を手で振ると何事もないように元の茂吉に戻る。

「父ぉ・様・・・先生、、、」

声を絞り出すが体の強ばりがとれない。流石の紫狼も改めて茂吉の凄まじさを再認識する。これだけの怒りの感情を押さえていた事に対しても驚きだったが、クルミに対しての愛情がこれ程に強い事も知らなかった、、、茂吉の力の所以(ゆえん)とは愛情から発するものだと改めて知る。

「気を入れなさい」

「は、ハイっ!

完全に気絶しているお順とこん竹に気を入れ込む。二人の狐は起きはしたが目の焦点は定まらずユラユラ頭を振っている。

「利き過ぎましたかね?」

「父様先生、あたしまで気絶しそうでした」

「ふふ、紫狼は面白いこと」

「・・・」

全然面白くない。

「さてどうしましょう?このままでは話しも何も出来ませんね」

「父様先生がいけないのです」

「ふふ、この女狐があまりにだからね」

「そうですね!その通りです!

「少し放っておきましょう」

「はい」

茂吉と紫狼は細々とした仕事の事や三吉の態度の話をしていた。一時間程経った頃にこん竹が正気に戻る。


ひぇええーーーッ、お、お助けをーーッッ!


「お前の名は?」

紫狼が聞く。

「こん竹と云うケチな野郎です」

「隣の女狐は?」

「お順と言いやす」

「起こしなさい!」

紫狼は飽くまでも厳しい、こん竹にブルンブルン揺すられお順は正気に返った。こん竹を見ると抱きついて震えてる。

「お前の名はお順と言うのか?」

紫狼に言われた途端、これ以上ない程に這いつくばり頭を下げ震えた。茂吉はそんな二人を黙って見ている。沈黙が余りに続くので紫狼は困惑し、茂吉を見た。

「お順、お前はクルミが幾らに売れるか楽しみであったな?」

「そんなことありません!あたしはクルミを、、、」

「お前の心が見えぬ茂吉と思うてか!」

ぇ゙え゙ーー!?もッ、茂吉様って?茂吉様って、、、
理知る茂吉』?・・・」

こん竹が叫ぶ。お順はとんでもない者に悪たれをついていた事を知る。

「もッ、申し訳ありませんッ!今までの事はお忘れ下さいーッ!ちょっとッ、あんたも謝るんだよッ!!」

「すいやせんすいやせんッ!とんでもないお方にとんでもねえ事をッ!
申し分けねえですッ!

「ふふ、茂吉だとわかるとこうも態度を変えるのか?なれど心は変わっておらぬようよ」

「ゥ゙ッ、、、」

「ぁ゙・・・・」

「お順、こん竹、そのように表面を取り繕っても無駄な事、止めるが宜しかろ。お前は紫狼がクルミをここに連れて来た事をなんと思うてか」

「そ、それは・・・」

「恵み子なんて気どった事言っているけど、クルミはあれでも器量はいいから将来きっと妾にでもしようと言うんだよ、あたいはそう思うよ、とんだ恵み子様だよ!

だから親のあたいが行ってご覧よ~、びくついて内緒にして欲しいとか言ってさ、あたいらの思うがままの木の皮銭が貰えるさ。本当にメスを産んで良かったよ~」

茂吉はお順の口振りそのままに言ってのけた。お順もこん竹も茂吉の言葉が丸きり同じだったので言葉もない。

「ふふ、今のはお前の魂が話したのよ。紫狼がクルミと会った時、河童のキナが食べさせてくれていたとはいえ、食うや食わずでいた幼子はガリガリに痩せていた。

お前はあの子に食事を作る事はなかった、コノミがいた時は、あの子もどうやら三度の食事を摂る事も出来たが、お前が銭欲しさにコノミを娼家に売ると、クルミにはキナの優しい心に縋(すが)るしかなかった、、、キナがお前を怒るとお前は悪たれをつくだけだった。

余りにクルミが不憫で毎食、食べさせてやりたいが、お前に隠れてするにも限度があったからな、、、キナにしてみれば居たたまれなかったのであろう、、、

そして紫狼と出会う。紫狼はクルミの余りにか細い手に泪で見ていられなかった。連れてきたクルミは栄養不足から体力が殆どなかった。高熱を出し、死の床についた。

紫狼たちによる必死の看病によって何とか回復したがあの子は目が見えなくなった。我はあの子を二度と病いにさせまいと幼子ではあったが恵み子として魂の封印を解いた。目が見える様になり、体力も回復した。ようやくあの年頃の子と同じ程に大きくなった」






つづく



クルミ 16 嫌だよーー

前回


茂吉の怖ろしい変化に恐怖を味わった狐夫婦、生涯忘れないだろう。



はじまり、はじまり




「・・・・」

こん竹は黙る。


あたいだって売られたんだ!


「お前が売られたと?」

「そうよ、あたいだって親に売られたんだ!だからあたいがしたっていいじゃないかッ

「お前の母はお前を売ったのか?そうではあるまい。お前の母は連れ合いを突然事故で失った、、、お前の父よ。

幼子を抱えた母は稼ぎのよい工事現場に出ては、男に混じり泥だらけになって必死に働いた。背負われたお前はその時の汗の匂いを憶えているだろう」

「・・・・」

「そんな母も疲れから遂には病いになってしまった、、、そんな母親を見知っていた者が狐の唐カンだった。唐カンは篤志家の狐。

お前の母を引き取り、病いを治させると共にお前も育てた。唐カンの元にはそのような者が大勢いたが決して粗末にはされなかった。

助けられた者たちは礼を言い旅立つ者も居れば、お前の母の様に残る者もいた。お前の母は回復すると、感謝を込め唐カンの店の手伝いをするようになっていた。

母親は気立てがよく働き者だった。そして十八年が過ぎ、お前の母は唐カンの右腕の様になっていた。だからと言って、母親と唐カンの間が男女の中と云う事でもない。まこと心清き者達よ。

母親はお前が何もせずに遊んでいる事が申し訳なく悩んでいた。そして母はお前に唐カンの店を手伝えと言った。お前は育ててくれた事に感謝する処か母親に『唐カンと一緒になりたいからあたいが邪魔なんだ!』と邪推し怒り、しまいには自分を売るに決まっている! いや売ったんだ!と言い張り、夜中に店から銭を盗んで逃げた」

「じゃあ、売られてなんかないじゃないかッ、このアマーッ!ほら吹きやがってッ!」

黙れコン竹!


紫狼は厳しい。

「その後のお前は好き勝手、好き自由に生きて来た。年寄り銭持ちを騙しあの店を手に入れると、今度はあの店を大きく豪華にする事に夢中になった。仕方なく産んだコノミやクルミに愛情をかける事なく生きて来た。

コノミが言い値で売れると迷う事なく、高々、三枚の木の皮銭で売った。その銭で店を改築した。クルミも大きくなれば売るつもりだった。

それを紫狼に邪魔されたが、考えようによっては娼家に売るよりいいかも知れぬと、こうしてコン竹とやって来たのだな」

ふんッ!それがどうしたのよッ!」

お順は何もかも知られているので不貞腐(ふてくさ)れるしかない。

「我が憎いと思うは他者の心を傷付ける者よ。お前達はこの世の宝である恵み子に手をかけずとも殺めようとしたも同然の罪を犯し、また、姉のコノミを物のように売り、恥もせずにいる。

お前の苦労した母や、助けてくれた唐カンの恩を仇で返した。クルミの幼心は深く傷付けられた、、、コノミも然り、そして母や唐カンの気持ちも傷付けた」

「あたいの子だよッ、あたいが煮ようと焼こうとあたいの勝手だよッ!」


まだ言うか!


茂吉がゾワっと変わりそうになるとお順は『ヒッ!』と言い目を瞑(つむ)る。

「お前という奴こそ煮ても焼いても食えぬ狐よ!何を勘違いしておる!もとより子供をなんと心得ておる

クルミやコノミが、お前が腹より出(い)でたは唯の巡り会わせに過ぎぬ。此の世界の母子とは血肉の縁に過ぎぬ、魂の縁ではない。

魂はこの世での寿命を全うせずに死する者、あの世に行くよりもこの世を選ぶ者、他もあるがそのような者達の強い意志が【魂納めの宮】でなりたい種族を選び、そして次の生を待つ事となっておる。

此の世界に生まれ出ずる為に必要不可欠な血肉を分けてもらっているに過ぎない、それだけしかない。それ故にこの世だけの縁と謂える。

儚(はかな)い縁だけにお互いを大切にし慈しみ合い暮らす様にと母子は他にない強い絆を持たされる。腹にあるときはへその緒で繋がり、産まれてからは母子の姿が似ると言う事よ。姿だけでなく仕草であったり癖であったりな、、、

だがけっして、お前の所有物ではない!天より一時お預かりしただけよ。お前は天の神々様より、過ぎたる幸せを与えられたことに感謝することなく生きて来た。我の決断はお前達を今すぐ魂沈めをする。この世で吐き続けた毒を身を以て知るがいい」

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ひゃややあーーー!!


いッ、いやだーーッ!!!

お順もこん竹も腰が抜け、立って逃げて行く事も出来ず這いずり回っている。

「父様先生」

「何よ、紫狼」

「そこまでなさらずとも...」

「ふふ、紫狼ならいかとする?」

「此の者達の今までしてきた事は許しようもなく又許されません。なれどクルミの親に違いなく、一度だけこの狐達に機会を与えて欲しいのです」

「どのような事をさせるのが一番と思う?」

「はい、このお順もこん竹も一度も他者の為に奉仕する事なく生きて来ました。ですから何でもいいのですが、何か他者の為になる苦労をさせてみては?と...厭がって逃げたりすればその場で魂沈めしても遅くはないかと」

「そうか。なら、ガス先生の元に送るがよかろう。他ならぬクルミの目の病いを治して下されたお方、あの病院で少しは役に立つ働きをすればお礼にもなるであろ」

「お聞き届け下さいますか?」

「無論よ。なれど聞け、狐!

茂吉に大音声で言われると逃げようとあたふたしていたお順とこん竹はピッ!とした。

「紫狼の命乞いで今回だけは助けようぞ。が、もしこの紫狼を蔑(ないがし)ろにしたる場合は此の茂吉、お前らの魂を千切り切って魂沈めするぞ!よいな!


ひぇえーーッッ!


お、お助けをーーーッ






つづく




クルミ 17 連行 

前回


紫狼の言葉で救われた狐夫婦。無駄にならなきゃいいが


はじまり、はじまり


ひぃひぃぃ-』情けない声を出しているお順とこん竹を術で黙らせる。

「五月蝿くてかなわない」

「本当です!それではさっそくガス先生の元へ連れて行きます」

「その前に紋次の糸を付けておこう」

「ああ、それは気が付きませんでした!それなら、ガス先生の所より逃げ出せば直ぐに判ります」

「紋次、おるか?」

「はい、ここに」

紋次は大きな机の上で文鎮のようにしている。よく見るとテントウ虫や蜻蛉がオブジェのようにジッとしている。

お順とこん竹は蜘蛛が話すのを見て、信じられない事ばかりに驚く、ついには考える事も出来なくなってしまう。

「此の者達に蜘蛛の糸を付けておくれ」

承知!

紋次は机からポトンと落ちるとお順とこん竹のそばに素早く来る、尻を向けユラユラ振り出し、振る度に体は大きくなり三十センチ程になる。

今度は尻から細-い、細ーい糸をより出し二本の糸に分ける。その糸を引っ張り、強さを確かめるてから二人の尾の先に付けた。

「ふふ、綺麗に付いたの」

「お褒めに預かり、恐縮です!」

紋次はそう言い、途中の糸を茂吉に渡す。そしてユラユラ尻を振り糸を吐き出して行く。かなりの長さになった。

「茂吉様、此の長さなら大丈夫だと思えまする」

「紋次、すまぬな」

二人は糸を切ろうとあがいている。

「紋次の糸を切ろうとあがいても無駄な事」

「さて、紫狼、お前が連れて行くが良かろう。ガス先生に宜しく伝えておくれ」

「畏まりました」

紫狼は二人の尾に付く糸を持つとそのまま歩き出す。糸は絡まる事なくするする繰り出される。校庭に出て呪文を唱えると白い雲が足下に階段となって延びてくる。

コン竹は悄気(しょげ)返り、お順はどうにでもなれと不貞腐れている。二人の糸を引っ張りその雲に乗せた。

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「これから、この世の修行をし直すが良いわ」

雲は【連傘滝】へ静かに向かって行く、、、その様子を三吉は宿舎から見ていた。何かはわからなかったが、厭な狐達を紫狼が連れて行った事は理解できた。

急いで宿舎を出ると裏に周り校舎の様子を伺う。茂吉は紫狼から三吉が狐にしてのけた恵み子として有り得ない態度を考えた。

「どうやら、クルミから何事か聞かされていたようだ、、、詳しく聞かねばならないがさて、見つかるか?」

独り言を言うと紋次が答える。

「茂吉様、紋次が見つけますか?」

「まさか、罪人ではないのだよ。ふふ、三吉はかくれんぼをしているのだよ。可愛いことよ。紋次、それより面倒を頼んですまぬな」

「かまいませぬ、此の糸の管理は透け次にさせまする」

「おお、それは良い事。紋次の仕事なら張り合いもあるから、頑張るであろうよ」

「はい。それでは、、透け次、こちらに」

「はい」

また茂吉の机からぽたり蜘蛛が落ちた。紋次より大分小さい。

わたしめの出番でございます~
嬉しゅう御在ます~、いい加減、置物にも飽いていました~」

これ!!茂吉様の御前で何を戯けた事を申す!」

紋次達は普段、用のない時は茂吉の机の上の置物になっている。紋次は文鎮をしているので始終動き回っていて忙しいが、他の蜘蛛や昆虫達は茂吉に用を言い付けられない限りは沈黙し、じっと動かない。

透け次は用を言付けられて嬉しいらしい。さっさと紋次から糸を受け取ると自分の尻の糸と結び、ユラユラ揺らしながら鼻歌を歌い出す。

♪伸ぉびろ~ぉお~♪伸ぉびろ~ぉお~♪蜘蛛の糸ぉー
♪♪細っくぅッ、しなやか美しくぅ~♪
強っくぅッ、しなやか美しくぅ~♪ユララぁ~ユララぁ~♪」

「ふふ、透け次、頼みますよ。それではあたしは三吉探しをしましょうか」

茂吉は部屋を出て行く。真に不思議な蜘蛛の糸、するすると一定の間隔を刻む様に伸びていくだけで止まったり、絡まったりもしない。透け次はご機嫌で歌っている。

三吉は茂吉が校舎を出て宿舎に向かって歩いて来るのを見て急いで隠れた。そうとは知らぬ茂吉は宿舎に入って行ってしまう。三吉は脱兎の如く駈けて行く、向かった先は校舎だ。

「はぁ、はぁ、灯台下暗し作戦だーニャー!

校長室に入ると勢いよくドアを閉める。

「あれ?三吉様」

紋次と透け次が驚く。

「へへ、おいらが此所に居ること言っちゃ駄目だよ」

「どうしてです?ああ、先程、茂吉様がかくれんぼとおしゃってました」

「えっ?あッ、そうそう。そうなんだよ!鬼が父ちゃん先生なんだから内緒だよ」

「勿論です、この紋次と透け次にお任せを」

「へへ、ありがとう。だけど此の部屋で何所に隠れたらいいのかなぁ?」

「それならば、あの本が積み上げている所がようございますよ。あそこなら、滅多な事では気が付きません」

「ありがとう!よぉーし、隠れるぞー!」

三吉は器用に本で自分を隠すスペースを作るとその中に潜り込んだ。




つづく


クルミ 18 かくれんぼ 

前回

容赦なく連れて行かれる狐夫婦、三吉は憎い二人が居なくなるとホッとすると同時に、クルミの行方を問い詰められてはマズイと隠れる。


はじまり、はじまり


茂吉はどこを探してもいない三吉に可笑しい。何か本当にかくれんぼをしている気になってくる。

『ふふ、懐かしい...幼い頃は兄さんとよくしていたなあ~弟や妹達が一緒に遊べる様になるとますます楽しかった...あの子達も二人だけで遊んでいるのは寂しかろう、、、

そうよ、保育園があったわ!何故気付かなんだ、その子達と知り合えば、又遊びが広がって面白かろうて!そうしよ、そうしよ、そうしましょう~』

さっそく保育園へと行き、帰って来たのは夕方になってしまう。直ぐに帰ろうとしたが、茂吉が保育園に居る事が知れると其れぞれの学校から校長や教師や生徒達が押し寄せ、大変な騒ぎになってしまった。

茂吉が来る事は滅多にないので僥倖(ぎょうこう)と謂わんばかりに、皆してそばにやって来る。茂吉は皆から学校に関する意見を聞いたり、話しをしたりと思わぬ時間を取られてしまう。それでも帰るに帰れないので、日を改めて会うと約束し納得させる。

そして保育園の園長には近い内に、三吉とクルミを遊びに来させると約束した。園長は二人の恵み子に会えると泣いて喜ぶ。

卍宿にいても滅多に恵み子と会うことはない、ましてや親しくなる事は皆無と云っていい。それ程に恵み子は、一般から遠い存在なのだ。

やっと、宿舎に戻り三吉とクルミを探すが見つからない...流石の茂吉も心配になりだす。クヌギ達が帰って来たので訳を話すと身魂抜きの宮で働く河童のタンが言う。

「父様先生、三吉の事ですからここには居ないと思います」

「それではどこでしょう?」

「多分、灯台下暗しだと推察します」

「ふふ、流石に恵み子ですね。ふふ、楽しい事、此の茂吉を手こずらせるとはね」

「いいですね~!あたし達もお役所の辛さをあの子達が解消してくれます」

「本当です、あたしも毎日帰るのが楽しいです」

「ふふ、皆のお役に立ってますね」

「充分、立ってますよ-!」

クヌギやタン達と茂吉は校長室に向かいそっと部屋に入ってみる。紋次と透け次はまだ働いていた。茂吉を見て声を出そうとすると茂吉が指を口に当てた。

紋次と透け次は頷くと本が山になっている一角を教える。静かに近づくと小さな鼾(いびき)が聞こえてきた。

「父様先生」

魂納めの宮で働く夜し吉が小さな声で言う。

「なんですか、夜し吉」

「坊ちゃんは、おねんねの御様子ですね」

「ふふ、それではそっと出しましょうか?」

「はい」

皆がそれぞれ本を何冊か持つと直ぐに三吉が出てきた、気持よさそうに寝ている。

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「可愛いですね~」

「ほんに」

「あれ、クルミがいません」

「本当です、どうしたのでしょう?クルミだけ違う場所に隠れているのでしょうか?」

「そんな訳ありませんよ、三吉とクルミは大の仲良しですもの」

クルミの事で皆の話し声が自然と大きくなり、その声で三吉は起きた。

「ふぁ~あ、よく寝たぁ~!」

見渡すと皆が三吉を見ている。

ありゃりゃ?見つかってる!おいら本の山に隠れたのに」

「ふふ、残念でしたね」

あっ!父ちゃん先生、どうしてわかったの?おいら間違いないと思ったんだよ」

「灯台下暗し作戦」

「あっ、タン兄ちゃん、知ってたの?」

「大当たりでした」

「おいら、まだまだだなあ...」


ははははは


皆で大笑いしてしまう。茂吉は三吉を抱きソファに座らせる。

「さて三吉、クルミが居ないようだけど、どうしたのかな?」

「おいら知らないよ」

「おかしいねえ、三吉はクルミの一番の友達なのに、クルミは今頃、お腹を空かして泣いてるよ」

「そんなことないよ、だっておいらのこずかいも上げたし、なんか買って食べてるよ」

茂吉も恵み子達も黙っていた。三吉は茂吉の態度が初めからとても自然なので、ついつい話してしまう。まだまだである。

「ふーん、だけど、もうそろそろお陽様が隠れちゃうよ。まっ暗い所にいたら、可哀相だよ」

「そうなんだよね-、おいらそれが一番の心配なんだよ。だけど、『一日くらいは我慢する!』って言ってたしなあ、、、ありゃりゃ?おいら『内緒に』って約束したのにッ!アワワ・・・」

急いで口に手をやる。

「ふふ、クルミには内緒にしときましょう」

「本当!?」

「本当ですよ。ねえ、皆も内緒にしときましょうね」


はーい


恵み子達はニコニコしている。茂吉も恵み子達もこんな会話を心から楽しんでいる。子供の他愛なさが何よりも気持ちを穏やかにさせる。特に三吉やクルミは久しぶりの恵み子達だし、何よりも小さくて可愛いのである。

「でも、何故クルミは野宿しようというのでしょう」

「だって、厭な親がクルミを取り返しに来たからだよ。そしたら、また売られちゃう!今度は郭とか云う酷いとこだって...クルミは役立たずだから、きっと帰されちゃうって…おいらも役立たずで居るとその内に帰される!って...」

思ってもみなかった事が三吉の口から出て、茂吉も恵み子達も唖然とする。




つづく



クルミ 19 三吉の話 

前回

思わぬ三吉の告白に驚く茂吉、二人の行動の理由を知ることになる。


はじまり、はじまり


「三吉、わかりましたよ。あの厭な親は紫狼がどこかに連れて行きましたよ、二度とここには来ません」

本当!?でも、それじゃ違うとこに出されちゃうのかな...」

「とんでもないですよ!クルミも三吉もとてもとても役に立ってますよ。居ないとあたし達は困ってしまいますよ、どうしましょう...三吉、どうしたらいいのでしょうね?」

「それなら大丈夫だよ!明日、紙芝居小屋の裏で待ち合わせしているんだよ。おいらと約束したんだ。だけど、連れて来ても怒っちゃ厭だよ-」

「怒るわけありませんよ。でもどうしてそんな事を言ったのでしょうね?」

茂吉の焦る気持ちが手に取る様にわかる恵み子達は、三吉に気づかれないようそっと部屋を出る。急いで町に出掛けクルミを必死に探す。夜空にクルミ1人、置いとくわけにはいかない

「三吉、どうしてクルミは売られて来たと思っていたのでしょう?」

「うん...よくわかんない。けどね、クルミの姉ちゃんは売られたんだって!」

「あたしもそう聞いてます」

「あんな馬鹿親だからクルミの事も売るつもりだったんだよ!クルミも姉ちゃんみたいに大きくなったら売られるとは思っていたけど、まだ小さいのにここに売られて来た。

『売られて来たけどここは大好きだし、離れたくないんだ』って言ってたよ。だけどね、クルミはね、皆みたいにお勉強もしてないし、皆の役にも立ってないって...病気したりして迷惑掛けてるって、、、そう言ってたもの」

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茂吉は溢れる泪を拭いもせずに泣いた。

「どうしたの?父ちゃん先生、すごく泣いてるよ」

「三吉、あたしはクルミが可哀想でなりません。そんな辛い気持ちを抱えていたのかと、、、そんなことにも気が付かないあたしはとんだ愚か者です」

「そんなことないよッ、父ちゃん先生!クルミは父ちゃん先生も、紫狼兄ちゃんも、クヌギ姉ちゃんも皆、皆、大好きなんだよ!だけど、皆みたいにお勉強してお役に立ってない事が心配なんだよ」

「そうだったのですか?お前達は並の恵み子ではなかったのですものね。何故、まだお勉強しなくていいのかをきちんと説明して上げればよかったのですね」

「おいらも不思議だったんだ。このままだと普通の子と変わらないもの」

茂吉は『子供返り』を説明をする、三吉は納得した。

「なんだぁ-、そんな事だったの?それならこれからは堂々と遊べるよ~」

「三吉は遠慮してたのですか?」

「勿論だよ!恵み子なのに勉強もしないで遊んでばかりいて良いのかな~?って。だってさ、何かお仕事している兄ちゃんや姉ちゃん達にきまり悪くてさぁ」

「これからはお墨付きがありますから威張って遊べますね?」

「うん、えへへ」

茂吉は半分ヤキモキしながらも三吉と話していた。子供というのは知らぬ間に驚くほど成長しているものだと沁みじみ感じる。

考えてみれば自分の幼い頃、いつも年下の子供達が一緒だった。だがクルミはどうであろう?あの子の周りは大人ばかり、、、ここに来てもそうであった。

そんな中にいて、子供らしさを求める事自体があの子には苦痛だったのでは?大人に囲まれていれば否応もなく大人びる、そんな子に『子供のままでいなさい』と言っていた、、、

最良の環境を与えているつもりだったがそうではなかった...さっそく明日から保育園に連れて行こう!まずそこからあたしは考えを改めなくてはならない、此の歳になっても判らぬ事は多いい。

茂吉は考えながら三吉を宿舎に連れて行く。賄いの者に三吉の食事を支度する様に言う。

「三吉、それでは明日必ずクルミを連れてきましょう、あたしも一緒に行って良いですか?」

「ぇえー!?そんなことしたらおいらがお喋りだってバレちゃうよ~」

「そうですか...それなら後を付いて行くのなら構いませんか?クルミには、偶々出会ったということにしましょう」

「うぅーん、そうだなぁ、、、父ちゃん先生もクルミが心配だものね。わかったよ、そうしていいよ!」

「ありがとう。そしたら三吉はご飯を食べて寝なさい、あたしはまだ御用がありますからね」

はーい!

食堂に駈けって行く。茂吉は急いで校庭に出ると戻って来た恵み子達と会う。

父様先生!どこにもおりませぬッ

「商店街の裏通り等も探しましたが見つかりません!」

「そうですか、他の者達は?」

「もっと先を探しに行ってます」

「わかりました、それでは少し待ちましょう」

茂吉達は校長室でヤキモキして待っていた。帰ってくる恵み子達は皆、首を振る。流石の茂吉も耐えきれず、とうとう紋次に言う。

「紋次、クルミを探しておくれ!

「罪人でなくとも宜しいのですか?」

勿論です!、こんな夜にあの子を外に置いておけません、野宿なんてとんでもない事です!風邪でもひいたら大変です!」

クルミは既に恵み子なので病気には罹(かか)らない、茂吉はそんなことも忘れている。暫(しばら)くすると紋次は尻の動きを止める。

「茂吉様」

「どうです?見つかりましたか?」

「おりませぬ」

何ですって!?もっとよく探しなさい!」

「はい、ですがクルミ様の御気配がございませぬ」

「どういうことです?」

「此の界隈にクルミ様の御気配は、、、ございません」

クルミがこつ然と消えた・・・





つづく


クルミ 20 油断大敵 

前回

クルミは一体、何処に消えたのだろう?



はじまり、はじまり



話しは少し戻る。

クルミは三吉と別れ、急いで町外れまで駈けて行く。どうしてそんなに駈けるのかわからないほど走る。

「はぁはぁはあッ、こんだけ離れていれば安心ね」

気が付くと今まで来た事もない場所に立っていた。通りには色々な店屋が並んでいる。圧倒的に屋台が多く、食べ物屋からいい匂いがしてくる。

狐宿を思い出す。狐宿は猫宿の様に雑踏と喧噪の町で、色々な店も屋台も沢山あった。

ねぎ焼き~ぃねぎ焼きッ
美味しいよー!

鼻をくすぐる香ばしい味噌の匂いに堪らなくなって葱焼き屋に行く。葱焼き屋とは葱をぶつ切りにして串に刺し、香ばしく焼いて味噌を塗っただけの品を売る屋台で、店によっては餅を焼いたりもする。

「おじちゃん!焼き葱一本おくれ、それからあんこ入りの餅も焼いておくれ」

「はいよ!お客さん、よく知ってるね~あんこ入りは特別だよ。ちょっと待ってておくれよ、今から焼くからね!葱はもう出来てるからお食べよ、美味しいよ~、特製の味噌ダレだよ~」

クルミは受け取ると『はふはふ』言いながら食べた。

「あ~ッ美味しいぃー!三吉にも教えてあげよう」

葱焼き屋から餅を受け取ると砂粒銭を渡し、歩きながら餅を食べる。笹で包まれた餅は香ばしくて美味しい、直ぐに食べてしまう。こんなに沢山の屋台を見たのは久しぶりだったので楽しくて仕方ない。

あっちこっち歩き回って大分疲れてくると今度は喉も渇いてくる。甘酒屋の屋台に寄り、甘酒を一杯飲んだ。狐宿にいた頃から飲んでみたかったが、姉のコノミは『小さいからダメょ』と言って飲ませてくれなかった。

ふーふー言いながら全部飲んでしまう。フラフラしながら歩いて行くと道外れにフカフカの草が生えている場所があった。子供が寝てたとしても見咎(とが)められない、大人が見過ごしてしまう町の死角になるような場所だ。

そんな事も知らず、横になると丸くなって寝てしまう。そのまま何事もなく済んでいれば、朝になって三吉と再会していただろう...

だが違った!

町中を歩いていたクルミは目立っていた。一人で歩いていた事もそうだが買い食いまでしている子狐の姿は、狐宿や猫宿のような柄の悪い土地ならいざ知らず、恵み子の学校がある謂わば学園都市である卍宿にはない光景だった。

そんな場所に相応しくない者がもう二人、河童のテレとトチの兄弟がいた。

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「おいトチ!見てみなね」

「なんだい?兄貴」

テレが指を差した先には甘酒をぐいぐい飲んでいるクルミの姿があった。

「この辺じゃ珍しいねえ、あんなちびの癖してさあー」

「そうだろう?さっきから見てたんだけどあの子狐だけみたいだよ」

「へー、親が心配してるだろうにね」

「そんなことねえだろう?ちび一人を放っとく親だぜ、ろくな者じゃないよ!うん、そうに決まってるよ」

「そうかい?」

「そうさ、それなら俺達が何してもわかりゃしないね」

「何だい?何って?」

「全くお前はどうしてそう巡りが悪いんだよ!ご注文があったろッ、俺達にはよ!」

「何のよ?」

「ぶつよ、本当に。東雲だよ!しののめ!

「ああ、あそこね。それで?」

「もういいよ!おめえは話したそばから忘れるんだからよッ。それよか、あのちび、あんな一辺にたんと飲むから、フラフラしてるぜ」

「後付けようか?」

「勿論だよ」

クルミが草むらに寝てしまうと河童達はそっと近づく。通行人がいない訳ではなかったが、道から少しでも離れてしまうと目に入らない。

「なんて、うめえ具合に!ありがてえ~」

「どうするよ、兄貴」

「おめえの背負い駕篭に入れちまえ!こうして、こうしてこうすれば、ほら簡単だ!」

テレは慣れた手つきで、素早くクルミに猿轡(さるぐつわ)をかますと手足を縛り、トチの背負い駕篭に入れてしまった。驚いて叫ぼうとしたが、あっという間だ。

二人は誰かに見つかっては大変なので一目散に駈けて行く!町を出ると本街道をそれて薮に出る。そのまま、本街道を横目に見ながら猫宿に向かうつもりだ。

テレとトチの兄弟は何でも屋だ。

何でも屋というだけあって、頼まれれば何でもする。今回は東雲楼(しののめろう)の主人に『可愛い子が欲しい』と注文を受けていた。器量が良ければ言い値を出すと云う滅多にない美味しい仕事だ。

張り切った二人は本街道を北に向かう。行った事のない町を探してみようと考えたからだが、着いてみるとそれが失敗だとすぐに後悔する。

恵み子の学校に、多種多様の学校郡、そのうえ【御係所】や【身魂抜きの宮】に【魂納めの宮】がある風紀の良さは猫国ぴか一の場所だ。夕方の六時になるとどの店も閉まってしまうし、子供達を見かけるのは僅かな時間だ。いたとしても大人が必ずそばにいる。

テレとトチは仕方なく猫宿に戻ろうとしていた矢先にクルミを見かけた。




つづく



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 のくにぴゆう

Author: のくにぴゆう
猫国の住民達の物語を書いています。
作者はコメを食べて生きてます。
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