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第一章 桃吉  夜釣り1

machibuse2.jpg


挿し絵参照↑↑↑   絵をクリックすると大きくなります

♪ふんン♪ふんふぅ~ん♪


機嫌良い鼻歌が聞こえて来る。こんな夜更けに暢気な事だ。 
突然、鼻歌が止まった

「なにしてんだ? 見え見えだよ~」

そこへ勢い良く現れたのは?
『まっ黄色』な猫だった。

「ここであったが運のつき、五黄様! あっしという者がある事をお忘れじゃあーりませんか?ってんだ!(プンプン)

「何をつんつくしてんのよ~(笑)」

「何がじゃありませんての!ここんとこ何べんお屋敷に行ったことか!足がすり切れちまった......それなのにいつだって居やしねえ、それがどうよ?いつ帰ってたんですよ!」

「また大げさなんだからよ~おめえの話は又今度にな~急いでんだぁ」

「はぁ?何が急いでる!?急いでるのはあっしの方ですっ!

「まあまあ~~(笑)」

「先からお願いしてる、あっしの用には知らんぷり!かわいい世のがこんなに苦労してんのにぃ......(イジイジ)」

「ほっほう~かわいいねぇ~」

「貞からやいのやいのと催促の山なんですよ!このままじゃ義兄弟の縁を切られちまう......(ウッ)」

「......(?)」

「そんなあっしの用をさて置いて夜釣りに行こうなんて!それこそ許せねえーー!どうせ毛がはいてるオトトを釣ろうってに決まってらあ!!」

「もおぉ~どうしたらそんなに怒るの......困った野郎だねぇぇ まったく...(苦笑)」

「今日という今日は金輪際離れるもんじゃあねぇ!!(オコッテル)」

「何を気張ってんのかねぇぇしょうがねえなぁぁ もう行くよ~」

「行く!?行くよじゃねえーっての!これから、あっしはすっぽんの世の吉になりますからねッ(キッパリ!)

「困ったねぇ~離れないのぉ?」

「離れねえっ!絶対に!!五黄様が姐御のとこに行くまでは絶対に離れねえよ!!(カナリナマイキ)」

そう言うなり世の吉は五黄の尾にしがみついた。

「わかったよ、離しなよ、連れて行くからよ~そのかし文句を言うなよ(マイッタネ~)」

「ふんっ!大カマスでも釣るんですかっての、へーんだ!」

「どうしてこんなにひねくれられんのかねぇ~時もねえのに......しかたねえなぁ」

そう言うなり二つの陰がパッと消えた。




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第一章 桃吉  夜釣り2


前回

五黄を待ち伏せていた世の吉は、何が何でも付いて行くと言ってきかない、根負けした五黄は、世の吉をある場所に連れて来た。


はじまり、はじまり



二人が来た場所は石ころだらけの歩きにくい河原だった。

「なんですかぁぁあ? こっ、ここ!? 
なっ、なんか不気味ですよーぉ、はっ、早く帰りましょうよぉぉ(涙目)」

「なぁ~に言ってんだよ 今、来たばっかだろがぁ」


ギャぁあーーーッつ!!


「なぁ~んて声だすんだよしっかりしろよ」

「だってえぇ...半分透き通ったみたいのがあっしの前を......」

「仕方ねぇよぉここは賽の河原、歩いてんのは皆 人魂よ」

「人魂っ!?じゃ、ここは人国なんですか??」

「まっ そう言うこと、ほ~ら見てみろ」

五黄が指差す先には半分透き通っている人々が沢山歩いている。

「どこに行こうとしているんですか?」

「三途の川を渡ろうとしてるんだよ」

「三途の川!?川なんかありゃしないじゃないですかぁぁ」

「あれが三途の川なんだよ、よく見りゃ岸から先は何とな~く湿ってるだろ」

確かに色が濃くなっている。川底なのだろうか......

「渡ってるだろ 人魂がよ」

「確かに...言われてみりぁ川底みたいですね。
それに先はきれいな花畑ですね」

「渡っちまったら二度とは戻れねぇ ほら、渡らない者もいる」

たたずんでいる人魂に声をかけている者がいた。その話に納得したように戻り始める人魂もいる。

川底になっている三途の川を渡った人魂には、知り合いなのだろうか大歓迎をされている人魂もいる。
この場の様子に世の吉は興味しんしんである。

「まったく不思議な場所ですねぇ~
カラカラの三途の川って面白いですねぇぇ こんなら渡り易いわぁ」

「まっ、善い事をしてきた者(人魂)が濡れないように配慮してんだろな」

「へぇーッ」

「さてと、そろそろ時間だ。世の、その辺の高い所に行ってろ」

「へっ?なんで」

「何でもクソもね!さっさと行かねえと地獄に流されるぞ!!」

「はっ、はい!わかりましたよ もう邪見にしてぇぇ」

世の吉がふてくされながら小高い丘を見つけ、歩き始めてしばらくすると足下から地鳴りが聞こえて来る。


どっどっどっーー


「うわぁあ!?なんだ!なんだ!!」

(挿絵参照↓↓↓)   絵をクリックすると大きくなります
sanzunokawa4.jpg

地鳴りが轟音となって耳が痛い。


ドッドッドッどっどっどっどぅわあぁぁーーーーー!


その光景に世の吉は驚愕した。(ハッ)我に返った
世の吉は急いで振り返り五黄に呼びかける。


「五黄様ぁーー!五黄様ぁ~~!

え゛っ?!」



五黄は凄まじい濁流に半分浸かりながらもびくともしない。
それどころか持っていた釣り竿を振り回している。何をしようというのか?
もの凄い勢いの濁流の中には青い顔をした人達が手を出して必死にあがいている。

どのくらいの人が流されているのか見当もつかない程の人...また人...
世の吉はその凄まじく恐ろしい光景に声も出なくなっていた。
五黄は釣り竿を思いっきり振り上げる、何かが引っかかったのか?

釣り糸が「ピーン」と鳴った。
竿がこれでもか、これでもか!と弓なりに曲がる。


どりゃーーーッ!!


かけ声と共に何かがつり上げられる同時に、世の吉の方に向かって振り落とされた。


ドスン!


ぐぇ......ッ

「おい起きなよ」

世の吉はのびていた。
気絶していた世の吉を五黄は揺さぶって起こす。

「ぐぇ~~っ気持ぢ悪い゛ やめれ~やめれょ~」

「まったく意気地がねえょ受け止めるくらいできねえのかねぇ」

「な゛、何゛をおっじゃいま゛ずッ...よ、 世のは、五黄様みたいに粗雑にデカク出来てませんよっ(ニャにょ!) 至って繊細なんですっ ふぅ~んだ!」

「はいはい、繊細なのネ」

「そうですっ ふん!」

「世の、こいつを起こせよ」

「いやですっ!なんであっしが?イャあ~なこった(フン)」

「世のぉそんなに逆らっていいの?聞いてやんないよ」

「え゛っ!? もぉぉ......う わかりましたょ! もう、いけずな爺猫!」

「なんか言った?」

「言ってません!!」

正体もなく気絶している若い男、どうやら息はしているようだ......






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第一章 桃吉  夜釣り3

momokichi



前回

世の吉は威勢だけは良かったが、恐ろしい場所に連れて行かれ、帰りたくて仕方がなかった。五黄は川岸に立つと勢い良く流れる濁流をものともせず、竿を投げ入れた。独りの人間を釣り上げると、河原に放り投げる。


はじまり、はじまり



この男は[大井戸たくま(二十歳)]失恋が原因でやけ酒をし酔っぱらって足を踏み外して川に流された(...カワイソウ)世の吉は遠慮なく強く揺する。

「ぎも゛ぢ悪ぃーい゛っ やめてぇぇやめてぇぇ」

「起きたかな?」


「ぎょっえッ!ウワっ熊!? し、白熊だ~~っ!!」


「だまれっ!! 何を言ってるぅんだーぁ 五黄様は猫だぞ!!」

「ゲッ...ぎゃあぁぁ 『まっ黄色』の猫が喋ったあ゛~~!!」

突然の出来事に頭の中は真っ白。反射的にたくまは逃げた!逃げた!

「あれれれ!?(ナンデ......ナンデ?)」

「な~にしてんのょ」

「何してるって、ってて... にっ逃げてるんですぅぅーー」

動いているのは手だけであった。

「ぐぅわぁーーーーーーっ」死に物狂いで動かしても無駄だった。

「うぅ~るさいねぇぇ 口も動かない様にするかぁ...」

「ごっ、ご勘弁ぉぉ 着ぐるみ様~~!!」

「ニャンだとーー!!(怒)」

世の吉だけエキサイトしている。

「ニャンだとってて言われたって いっ今時、流行らない着ぐるみなんか着て...とにかく俺は帰る!」

だがどうやっても手しか動かない事に気が付く。

「あのぅ......足が...動きません......」

「そうだろうな」

「帰りたいんですけどぉ(泣)」

「どこに?」

「どこにって...家にですょ~」

「もぉぉー無理だなっ 俺に会ったもの」

「会ったものってぇ!?何言ってるんです!俺には帰る場所があるし...。 だいたい着ぐるみ着てる奴が偉そうにぃ......(ヨワキ)」

「お前は暢気だねぇ~そういや溺れてたんじゃないの?」

「えっ?そう言えばそうです......ネ」

「礼ぐらい言ったらどうだい このスットコドッコイ!

世の吉、たくまにまるで遠慮がない。思い切り猫パンチをくれた。

「い゛でぇーーーッ!」

「まぁまぁその辺にしときな おい世の、こいつを連れて行くよ」

「どこに?」

「あっちによ」

「えッーーっ」

「うるさいねぇ~とにかく連れて行くんだょ」

「そんなぁぁ」

「ちよっと、ちょっと待って下さいよ。何を言ってるんですか?俺は帰ります!ハイ、 それじゃ~どぉーも、失礼しましたっ」

猫達はたくまが何を言っても知らんぷり。

「それよか何色が良いかな~?」

「この前はひどかったぁ 五斗は今だに恨んでますょん。こんな柄だから嫁も来ないって。今度は一色が良いですよ、うーん そうだ!あっしは冴えてる~。 

先に桃太郎って物語を読んだことがありやした。どうも人国じゃ、川から流れた野郎は桃太郎って言うらしいんで」

「へぇそうか なら桃吉ってのはどうよ?」

「そりゃぁいいや!てんで間が抜けてる こいつにぴったり!ニャヒヒ」

「そうか、じゃそうしよ~」

「そうしようって......もしかしておっ、俺の事?」

「そうだよ」

五黄はたくまに向かって息を吹きかけた(プハ~~)


「ゲホッゲホッ」

むせ返ったたくまは突然『ピンクの猫』になった。
これからは愛を込めて桃吉と呼ぶ。

「おぉぉいいねぇ~♪ やっぱ一色は良いねぇぇ 
こうなんかすっきりしてね!」

「う゛わ゛ーーーっ! 手っぐわぁ~~
手がぐわあ~~『ピンク』ぅぅぅ」

「変わったのは色だけじゃないと思うよニャヒヒ」世の吉面白そう。

「えっ?ぎゃぁーーっ 手が猫だーー!!」

「...アホだわ」

「少しズレてるみたいだな」

騒いでいる桃吉が落ち着くまで二人は面白そうに見ていた。

「うわぁーーん」泣きながら座って草を毟っている。(イジイジ)

「今度は泣いてるよ」

「面白いですね~ぇぇ」

「まっ、とりあえずこいつは放っといてさ さっきの話しの続きをしてみな」

「へ~い。えーっと、なんでも貞によりますと、つい最近お蜜様は人国かぶれの猫と運命的な出会いがあったそうで。

へい、 でそいつがお蜜様に可愛がられてるのを良いことに好き放題しやがるんで、腹を立てた子分達が袋叩きにしたらしいんで。へい、 で、そしたらその野郎、根性ねえもんだからとんずらこいたらしいんで、へい。」

「あそこの子分達は気が短いもんなぁ 特にお前の義兄弟の貞吉はなぁ」

「お蜜様の怒りたるやすさまじいもんで。へい、 あたいの色に手ぇ出しやがったっ!てんで子分は身も世もない有様なんですよ~

 お仕置きだってんで、なんでも『スリッパ』だか『スッパツ』だかとか云うぴったりした股引を穿かされちまって『尾っぽが痛い』『厠(かわや)に行きにくい』『チクチクする』って泣いてますぅぅ 不憫じゃないですか...

ウッ(涙) あっしは可哀想で可哀相で泣けてくるんですよぉぉ~(涙、涙)」

世の吉は不憫そうに声を詰まらせる。

「貞なんか痩せたらしいです......ぅぅ」

「そんで俺にどうせいって言うのよ」

「五黄様の大親分!大明神様!大権現様!
何でも良いからお頼み申しますよ~
奴らのいいようにしつつ、姐御の機嫌を直してやって下さいよぉぉ~」

「ふぅん、俺に任せときな。 あいつとは古馴染みだし俺に惚れてるし。 ちっと行かねえと変な虫が騒ぐんだよ。 あいつのいけないところさねぇ~本当の男の色気っていうのを教えてやらずばなるまいなぁ」

ニヤニヤしながら長い髭をピンピンさせる。

「大丈夫かなぁ?
まっ、五黄様以外にあの九尾の姐御を納めるお方は居ねぇし、お頼みますよ」

「わかったよ、任せな」大きな腹をポンと叩いた。

「後はこいつだな」

「あのぉ俺って桃吉なんですか......?(キョトン)」

「そうだよ良い名前だよ」

「五黄様の命名だ!有り難くおもえ!!」

「思えって~~??」

また気絶した......

「しょうがねえなあ、また寝たよ」

「どうして、こんなの連れて行くんですよぉ 人間は厭だよ! 面倒でさあ~ ぴーぴー泣くし 勘は鈍いし 鼻から教えなきゃなんないし、それにもう一人いるからいいじゃないですか!」

「いい~の、いいの それよか起こせ」

「ぶぅぅーッ」

「ひィひィ、どうしてなの?どうして俺なの??」

「ふふ、いろいろあるわな」

「あるわなって......」

「まっ気にするな、おい!こいつは任せたぞ。
じゃ俺はお蜜のとこに行くからよ」

「ちょっと~五黄様!こんな薄っ気味悪い所に置いてけぼりじゃ、あんまりだあぁ」

「わかったよ、利根のはしっこにでも送ってやるよ」

「すいやせんです。それと、くれぐれも姐御と貞達を丸く納まるようにお頼み申しやす」

「わかったよ、じゃ送るぜ」

五黄はそう言うと指を鳴らした。(パチっ!)
二人の姿が目の前から消えた。

「さて、俺も行くか」





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第一章 桃吉 菰傘村1

kawawatali5.jpg

前回

五黄に訳もわからないうちに猫にされた桃吉は、慣れぬ身体に戸惑うばかりだった。一方、世の吉は桃吉の面倒を任されてしまって面白くもない。


はじまり、はじまり


二人は草薮の生い茂った川岸に立っていた。

「ありゃ何ですかここ?! 一体どこなの??」


「どこだっていいだろがぁ! スットコドッコイ


「ぶぅーッ!」

「まったくぅ~いいから立ちな。五黄様のお言い付けだからしょーうがねぇ 行くぞ!」

「行くぞ!…って、どこに?」

「いぃ~いから付いて来いっ(ッタクゥ)」

桃吉猫となったたくまは初めて猫としての一歩を踏み出す。

「あ゛っ!?あっ、足が猫だぁぁーーッ!」

「あのね、お前変だよ」

「なっ、何がですョっ」

「だって手足だけ猫なんじゃないのょ、ぜぇ~んぶ猫なんだよ、わかってんの?」

「なぁ~んですとぉぉ~?俺が猫?猫だってー!?」

桃吉は初めて全身くま無く触った。毛だらけだった。(モジャモジャ)
服も着ていないのに…
毛だらけなのに…
不思議と暑くない…
そして触っていくうちに変な物を触った。


「ん?うわっ!うわっ!この尻にも何だか、丸マッチイのが…おッ、尾っぽだぁぁーー!!」


「うるさいよ~」世の吉すかさず鋭い猫パンチ。(バチンっ!!)


「ふんぎゃぁぁー!痛でぇーー!だ、だってぇ…これじゃ近所のかっこ悪い猫みたい…(ショボン)

尾っぽって

『長ぁ~く』て、

『スぅーっ』として、

『ピーんっ』…て。

これじゃ出来ないじぃぃ…(涙)」

「仕方ないだろ~お前みたいに、猫成りたての奴は尾が長いとバランスが取れないのよん」

「そんなぁぁ~(涙)」

「そんなにカッコ悪くないし、短い尾の猫もいるし、その内伸びるよ」

「本当ですか!?」

「本当!?本当だよ・・・うん…きっと伸びるさねぇ(タブン…)」

「嘘っぽい・・・・」

「だけどなんか、お前ズレてるよ~普通さ、猫にされたら身も世もないって泣くのに」

「泣いてまっす!俺は…余りに色々有り過ぎて、心の整理も何も付かないままにですよ、尾っぽは『丸い』し!『ピンク』だし!どうすればいいのか・・・」

「まっ、色々だぁぁな」

「色々って…それだけなの??」

「それだけだよん。だって考えたって仕方ないさね」

「そりゃ~そうですけどぉ…。 あのぉ…そう言えば五黄様ってデカいですね」

「当然だよ、一番デカいな、それに長生きだし」

「へぇぇー!で、お幾つなんです?」

「そうさねぇ、聞く処によると六百四十歳だってサ」


「え゛ーーーーっ??うッそぉぉーーーー!?」


「ニャんだょ、いちいちうるさい奴だね~また猫パンチ貰いたいの?」

「いいえッ!」(きっぱり)

「そんじゃ、行こかぁ~」

「え?どこに?」

「お前わかってないね~お前は猫なんだよ、それも桃色の。こっちで生活が出来るんならいいけど、出来ないだろう?」

「あ、当たり前ですよ!猫になったことないし、この分だと多分野良猫になりそうだし、ゴミあさりとか自信ないし・・・」

「全くわかってねぇなぁ~黙って付いて来いやぁ」

世の吉はサッサと葦(あし)の茂みを掻き分けて利根川に出る。
桃吉は慣れない身体に戸惑いながらも何とか付いて行く。

突然降り掛かったこの身の不幸に(幸福?)どう対処したらいいのかもわからない。

「俺は猫になってしまった…(ナゼょ?)どうして猫なの?どうせなら空飛ぶ自由な鳥に・・ゥッ(涙)」

「早く来いよぉぉ」

「は、い…」

世の吉は川に向かって話し出す。

「締めのまま子様~!お通りお願いしまぁぁ~す!」

頭を下げた。桃吉も頭を下げさせられた(ペコリ)

「おとぉぉーりィイ~」

返事と同時に、なんと!川の水が左右に分かれ一本道ができたではないか。
桃吉は気を失わんばかりに驚いていたが、世の吉は平然と歩き出す。

ビビっている桃吉を無視して、世の吉はスタスタ先を行く。
川の水自体が大きな壁になっている。だが不思議にも音がない。

静かなところを歩き出す、二人が通り過ぎると勢いよく元の川に戻って行く。


どどどど~~ッ


その膨大な水量に怖くなり、世の吉の背中にしがみ付くように歩いて行くのだった。
ようやく渡りきると、そこもやはり葦原だった。

ガサコソさせながら、丈のある葦をかき分けて進むと、うねうねした一本道に出た。

「そろそろ夜が明けるんですねぇ」

「あ~に言ってんだぉ、まだ夜中だよ、お月様を見てみなね」

「だって明るいのッ!すっごぉーく明るいのよッ。
なんというか…しらじら夜が明ける前くらいに。これがまた何でもよく見えるのよ~ぉ」

「当ったり前だぁよ。お前は猫なんだから、夜道が見えるの当たり前だろがぁ」

「へぇ~だから夜でも明るいの?ふんふん(ナルホド)」

「まっ、そのうち慣れるってなもんよ~」

「俺の目のせいで明るいのはわかりますけど、月の形が違う気がするんですけど…不思議だなぁ」

「季節だって違うんだぜ!」

「あそこ(人国)の世界とはできが違うんだ。
こっちが本当さ、あっち側みたいにせせこましくねぇんだ。それにあっちはもう夏だろ?」

「そうですね八月だし、忘れられない真夏の夜の夢ってか…?」

「こっちは春だよん」

「え~ッ?春!?」

「いい季節さぁ~、大好きよん。毛が抜けてボサボサしないし、日向はちょうどいい暖かさだし、女達は色っぽく
なるしさ~(ニャひひ)」

にやにやしている…猫がにやにやしていると不気味である。
先の方から歩いてくる者がいる。世の吉達に気がつくと手を振りながら近づいてくる。



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第一章 桃吉 菰傘村2

himonoya6.jpg


前回

たくまは桃吉と云うピンクの猫になった。戸惑いながらも世の吉の後を付いて行くしかなかった。


はじまり、はじまり





「あんたぁぁ~♪」

「へっへへ俺の嫁だょ」

「あんまり遅いからサァ~心配でサァ~」

しなを作るメス猫。でれでれした世の吉は、気色の悪い声を出してる。

「五ぉ黄ぅ様に引きずり回されていたんだょ~ごめんニァぁ~」

「そうかぃ、それニャらいぃいんだよぉ~お前さんが無事ならさぁぁ」

ひときり、いちゃいちゃした二人は、阿呆面している桃吉にやっと気付く。

「誰だい?」

「あぁ、こいつは五黄様の子分で桃吉だよ」

「ふぅーん、変な奴だね。それにしても凄い色をしてるねぇ、生まれつきかい?」

「違うよ、こいつは人だったんだよ、それを五黄様が変えたんだよ」

「な~んだぁ、やっぱりねぇ~。フっ、良く見りゃ、いい猫っぷりだ事。あんたぁ紹介しておくれよォオ~」

「こいつは猫成り立て。ほやほやの桃吉」

「ょろしくぉ願いしまス」

「あたいはお陽だょ。よろしくぅぅ桃さん♪」桃吉にしなをつくる。


「まったく~、誰かれかまわず色気出しやがって…こっちに来いッ


中っ腹の世の吉はお陽を引っ張って行く。


「後から着いてこい!」


「はいハイ」

小一時間も歩いた頃、ぼーっと明かりが見えてきた。
先を歩いていた世の吉夫婦が呼ぶ。

「あそこが菰傘(こもかさ)村だよ」

月明かりに照らされる村は茅葺き屋根が美しい、田んぼの水面がキラキラ反射している。

「何をボサっとしているんだよ、行くぜ!」

「はいハイ」

渋面下げてついて行くと村の中心部に出た。
寝静まっているのか…誰も居ない道を歩いていると商店街のような通りに出た。

その中の一軒の店の前に立ち、潜り戸を叩きはじめた。

ドンドン


「おぉーい!居るかぁぁ~?五斗よぉ~、起きろよ~、世の吉だょ~!」


「やだねぇお前さん、皆起きちまうだろ、もっと静かにおやりょ」

「ホぉ…~ぃ、ぉきッろ…~」 

「へぇーい!今時分何でぇすか~?」

ボサボサ毛の猫が出てきた。

「おっ、すまないなぁぁ~新入りの猫を連れてきたんだよ。ついさっきまでお前と同じ人間だったんだ、いろいろ面倒見てやってくれよぉぉ。

おいらのとこは、かかあもガキも居るから狭くて泊められないのよ。お前は一人もんだし、それに元人間だし何かと便利だからよ」

「ええ、ぇぇ!どぉ~せあっしのとこには嫁もいませんよ!誰かさんのおかげでこんな柄ですか
らねッ!ぇっ!」

心底恨めしそう…。
五斗吉の柄は、十二色の絵の具をいい加減に混ぜたような表現しがたい模様、冴えない猫だった。

「まっ、そう言うニャょ。機嫌直してさぁ、頼むわ」

「いやだなぁ~、面倒なのは。あっしには仕事もあるし…」

「仕事なんて、こいつにも手伝わせればいいんだよ。猫の手が増えたと思えばいいじゃんよ」

桃吉の背中をぽんぽん叩く。

「ほら丈夫そうだし。なっ!お前働くよな!」

目で合図する。桃吉がボーとしているので足を踏んだ。

「い゛、イデでっ(涙)…は、ィイ働きまス」

「ほら!働くってよ」

「仕方もねえなぁ~わかりましたよ」

「悪いニャぁぁ、恩に着るよ。そんじゃ、こいつ桃吉って言うから後宜しくニャ」

桃吉をその場に置いて、さっさっと世の吉夫婦は行ってしまった。

「お前、桃吉てのか?」

「はい、何だかそうらしいそうで…宜しくお願いします。ぅ?」

「俺は五斗吉っていうんだ。まっいいやな、家に入れよ。疲れているだろ」

思わぬ優しい言葉を掛けられ、泣き出した。

「泣くんじゃねぇょ。さっ、入んなょ」

桃吉は今までの経緯をベソ泣き状態で話す。頷きながら五斗吉は黙って聞いていた。暖かいお茶を薦められ、口を濡らすとなぜかしら落ち着いてきた。

「お前も災難だなぁ。でもまぁ生きてりゃ、いろいろあるさ」

「そんなハぁ~(半ベソ)」

「なぁ~に、がっかりするなよ。それに、生きてここ来たのは凄いことなんだぜ!」

「ヘー?どういう事ですか?」

「普通ならあの五黄様に睨まれただけで石っころになっちまうし、まして猫にしてもらえるなんざぁ~めったにないことさ。」

「じゃ、ラッキーだった?の?」

「なんだか知らんがめったにないことさ。だってそうだろ?あのお方は年がら年中遊びに行くし、人にもけっこう会っている。まっ、あっちに行けば人間に化けるらしいけど。

猫姿を見られて無事な奴はいねぇんだよ。俺なんか砂浜歩いているとこを五黄様に会って、アっ!?と…いう間にこっちの世界よ」

「えっ!?俺は川を渡りましたょ…」

「五黄様が一緒でないからさ。あのお方は行きたい場所に一瞬で移動するんだよ。世の吉兄ぃなんかとは訳が違うんだよ」

「へぇーっ、訳がネェ」

「今日はもう遅いし、疲れているだろうから寝よう…」

布団といっても名ばかりのペラペラの煎餅布団を出してくれた。

「俺、興奮して寝れませんょ」(ぐぅぅー)

言うが早く大鼾の桃吉。
翌朝、深い眠りから起こされた。

「起きなょ、桃よぉ」

揺り起こされて、しょぼしょぼした目を擦りながら布団から起きる。
寝ぼけた頭でボーっと周りを見回す。知らない部屋にいる。(あれ?)誰かの家に泊まったっけ(?)

猫、飼っていたっけ(?)


「え゛っー!?あ゛ーッ、あ゛ーーーっ!」


桃吉のパニクる姿を五斗吉は無視してる。

「おい、布団を畳んだら飯にするからょ、顔洗って目を覚ましてこいや」

五斗吉はサッサと外に出ていった。
話す猫を見ながら、繋がらない思考をむりやり繋げた。

昨日の出来事は夢でなかった…。が、我が身に起きた出来事に現実感もなく、頭を掻いた。

「痛っ!痛いなぁぁ」

爪が伸びていたかな?と、ふっと手を見る。


「ぎゃあ゛ーー!て、って、手が、デが、猫の手になっているうぅぅ・・・」

完璧に気を失った。永遠に気を失っているつもりだった。

「いい加減に起きろよ~!」


五斗吉に猫ジャンプで腹の上に乗られ、痛さと共にこれは夢でなく『現実』で、『猫』で『ピンク』『桃吉』なんだと観念した。


「お前さぁ、あきらめ悪いなぁ~。もう猫なんだからさ」

泣きたいような…泣けないような…複雑な気分でいたが、五斗吉に促され渋々外に出る。
朝陽は優しく桃吉を歓迎する。

「川で顔を洗ってきな」

魚臭さに気が付いて、周りを見ると干物が板に行儀よく並べてある。見れば看板が立てかけてあるのに気がつく、【五斗の干物】と、書かれてある。

「ふぅーん、ここは干物屋なのかぁ」




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